小説本文



 みゆきは裕子たちと別れ、拓也のアパートへと向っていた。
 途中よく行くランジェリーショップによって新しい下着を購入した。
 どれも拓也が喜びそうな娼婦が着そうな際(きわ)どい物ばかりだ。
 顔見知りになった女性店員の目にも、もう脅える事はなかった。
 みゆきはいつの間にか、卑猥な下着も堂々と買える女になっていた。


 アパートに飛び込んだみゆきは、すぐさま拓也に抱きついていた。
 拓也にキスをされ、いきなり服を脱がされ始める。
 「みゆき、昨日“ビデオの仕事”で二十歳の女の子とオマンコしちゃったよ。凄い子でさ、俺のケツの穴に舌を入れてくるんだぜ、二十歳でだぜ」


 1週間ぶりに会った拓也の最初の一言で、一気に嫉妬心が燃え上がる。拓也もそれをわかって楽しんでいるのだ。
 みゆきは拓也のアナルを一生懸命に舐めていた。
 見た事もない二十歳の女と拓也のそのシーンを想像しては打ち消そうと、一心不乱に舐めていた。


 (本当に良くここまで出来る女になってくれたよな)
 拓也はアナルを舐めさせながら、みゆきの変わりように感心していた。




 一戦を終えて、拓也がみゆきの髪を優しく撫ぜながら身体を抱きしめている。
 天井を見上げる拓也の横顔を、みゆきは見つめていた。
 「ねえ 拓也くん 舞台の事だけど、私 日が浅いから良くわからないけど、ショーの内容によってもらえるお金の金額ってそんなに違うのかな・・・」
 「えっ 舞台・・・うん そりゃそうさ、1番最初にママが言ってたじゃないか」


 「あっ そうね・・・あの時、わたし緊張してたから・・・あまりよく覚えてないんだ・・・」
 「そうか、ママが言ってたけどやっぱり過激な舞台をこなす奥さんはかなりもらってるみたい・・・その反面、いまだに全裸ダンスやオナニーショーしか出来ない奥様はやっぱりちょっと少ないみたいだよ・・・それでも他の仕事に比べたら結構な金額だと思うけど・・・」


 「・・・過激な舞台って・・・夕月(ゆうづき)さんや夕華(ゆうか)さんのステージよね」
 「そうだね、あの2人がNo1とNO2だよね・・・」


 「・・・私にできるかしら・・・あそこまで過激なのを・・・」
 「・・・・・・」


 「・・・・・・」
 「前にママが言ってた・・・みゆきには才能があるって・・・NO1に成れるかもって・・・」


 「・・・私が・・・NO1?」
 「うん・・でもあせらなくて良いよ。ママも“段階を踏みながら”って言ってたじゃないか・・・」


 陽が落ちてきた部屋の中で、若い男と40代の熟女は裸のままで肩を寄せ合っていた。
 「ねえ 拓也くん 聞いてくれる・・私ね 最近 拓也くん好みの下着を着けるでしょ。普段でもね それを着けてると凄くHな気分になってくるの・・・」
 「うん・・・」


 「いや、Hじゃないわ・・・もっと凄いの・・・何ていうか・・・世界中の人から厭(いや)らしい事言われたり、言わされたり・・・人から軽蔑されるような目で見てもらいたくなったり・・・その中で私、もっとはしたない事したくなるの・・・これでもかって言うほど・・・」
 「うん、俺は厭らしいみゆきが大好きだよ・・変態のみゆきが大好きなんだよ・・」


 「本当に?」
 「うん、本当に本当さ!・・・もっとスケベで厭らしいみゆきを見せてよ。みゆきなら舞台でもなれるよNO1に」


 「あ~ん、拓也くん、何だか変な気分になってきちゃった・・・もう一度して・・・みゆきに厭らしい事いっぱいして・・・」
 「仕方ない奥様だな・・」
 そう言うと拓也は、再びみゆきの首筋に舌を這わせ始めた。


 しばらく愛撫が続き、硬くなった拓也の物が進入を始めた。
 いつもの激しい腰の動きに、みゆきの口からは再び歓喜の声が上がり始める。
 しかし、その声は長続きしなかった。


 「・・・どうしたの? 拓也くん」


 みゆきの膣が拓也の硬さを確認できなくなり、ゆっくり滑り落ちるように拓也の重みが消えていった。
 「お おかしいな・・・ご ごめん・・・なんか疲れたみたい・・・」


 「そ そう・・・じゃあ お口でしてみるね」
 みゆきはそう言うと毛布の中にもぐり、拓也の股間へと唇を近づけた。


 拓也はそんなみゆきの頭をなぜながら目を閉じ、そしてゆっくり開いた。
 拓也の薄ら笑いを浮かべたその瞳は、暗く妖しい光で満たされていた。