小説本文



 まもなくしてステージの照明が落ち、中村の身体をあの日と同じ緊張感が包む。
ミラーボールが回るとその緊張感が高揚感へと変わっていく。
 (止められない‥・見たい 見たい 早く見たい、あの女たちの情欲が爆発する様を・・・)


 舞台の上に司会の男が登場して、この日の口上を述べると最初のショーが始まった。
 仮面に守られた女達が次々と己の心の奥底に隠れていた欲情を爆発させている・・破廉恥でありたい、下品になりたい、醜い中年女性の身体を見せたい、そんな女の舞台が続いていった。


 女が男に四つんばいで突かれながら、客席から舞台に上がった男3人の一物を順番にしゃぶり、一人ずつ精液を飲み干していた。
 精飲ショーが終わったところで舞台は5分間の休憩に入った。


 休憩が終わると舞台に司会の男が再び登場した。
 「皆様、お待たせしました。次はいよいよ夕月(ゆうづき)さんと夕華(ゆうか)さんの登場です。お二人がこの舞台に同時に上がるのは実は今日が初めてです。・・・ライバルの二人がどのような競演をしてくれるか・・・では どうぞ」


 司会の男が姿を消すと、首に鎖を巻かれた2人の女が褌を締めた男に引きずられるように現れた。
 男は女の鎖を外すと直ぐに舞台裏へと姿を消した。
 舞台に残された2人の女・・・この日の夕月は紫の仮面を、夕華は赤い仮面を着けている。そして二人は黙ってお互いを見詰め合っている。
 やがて夕月が夕華の頬に軽く手をあてると、同じく夕華も夕月の頬に手をあて、そしてお互いの唇と唇が近づき重なり合った。


 (レ レズもするのか・・・)


 やがて二人の口と口からは“ジュルジュル”と唾液が交換する音が聞こえてきた。
 夕華が夕月の乳首を舐め始めると、それに夕月がお返しとばかりに舐め返す。
 夕華が仰向けに寝ると客席に向って大きく足を拡げ、夕月が更に夕華の秘部を拡げると口を大きく開け舌を出した。
 夕月は舌をグルグル回し観客を挑発し、そして夕華の性器を舐め始めた。
 夕月は長い舌で夕華を責めながら、客席の男達の目を一人ずつ舐め回すように見回した。


 今度は夕華が起き上がり、夕月が四つんばいになった。
 夕月は客席に尻を向けると高く突き出した。
 客席の男達の目には夕月の大きな尻が、まるでオブジェのように見えてくる。
 夕華も舌を出して客席を挑発すると、その舌を夕月の尻穴に挿しいれた。
 夕華が尻穴を舐めるたびに“ビチャビチャ”と音が鳴り、その音が客席に陰湿な響をもたらしている。


 先ほどの褌の男が大きな水槽と、これまた大きな浣腸器を持って現れた。
 客席は男の準備を見ているだけで次への期待感が高まっていく。
 夕月が自ら四つんばいになり客席に自分の尻穴を披露すると、その横で夕華が浣腸器に液体を吸い込んでいた。
 準備の終わった夕華が、客席にその浣腸器をかざすと男達が一斉に手を上げた。


 男達は夕華から浣腸器を受け取ると、順番に夕月の尻穴に液を流し込んでいった。
 液体が無くなれば又補充され、もうどれだけの液体が夕月の中に入っていったのだろうか、徐々にその腹が膨れ上がり夕月の口からは呻き声が聞こえ始めた。


 苦しむ夕月を横目に、夕華が再び浣腸器に液体を吸い込んだ。
 そして夕華はその浣腸器を手に持って客席を見回した。
 選ばれた男が今度は、自ら四つんばいになった夕華の尻穴にその液体を流し込んだ。
 その後も何人もの男が夕華に液を注入していき、そして最後には中村が選ばれた。
 中村が浣腸器を受け取った時、2人の瞳と瞳が交錯した。
 夕華の中村を見る目は怪しく微笑んでいた。


 (この怪しい仮面の裏では一体どんな顔をしてるんだ・・・)


 腰を上げた中村が尻肉を拡げた夕華の穴に浣腸器の先をゆっくり差し入れ、そして少しずつ液を注入しいき、残りが半分くらいになった時 一気にそれを流し込んだ。
 浣腸器を抜いた中村の目の前には液でぬれた夕華のアヌスが痙攣するようにヒクヒクしていて、そのリズムが中村の息遣いのようだった。
 中村は興奮していた。


 隣で苦しんでいた夕月が立ち上がり、2人は順番に水槽に跨(またが)り足を浮かせ、向かい合う形で抱きあった。
 お互いが見つめあい、今度はやさしいキスをしている。
 尻の穴が膨らんできて、客席の男はみんなその一点を凝視するように下から見上げていた。
 一人の尻穴から水滴がポタポタと落ちたかと思うと、シャアーっと一気に流れ出した。
 続いてもう一人の穴からも同じくシャワーが始まった。
 2人のディープキスが激しくなった。


 (すっ 凄・・・やっぱりこの2人は凄い・・・)
 中村のあそこは破裂しそうなほど勃起していた。


 2人は一旦立ち上がり、夕月が水槽を跨いだまま中腰になった。
 夕華は褌の男が持ってきたワイングラスを受け取り、それを夕月の前で丁寧に抱えて身構えた。
 夕月が股を開き腰を前に突き出し、自分の割れ目を両手でグッと開いてみせた。
 客席の男が再び乗り出し、今度はクリトリスの下あたりを凝視している。


 しばらく沈黙が続くとそこから液体が出始め、それを夕華がグラスで起用に受け止めている。
 長い聖水が全て出終わると、今度は夕華が水槽を跨いで立った。
 そして同じように、夕月が夕華の聖水をもう一つのグラスで受け止めた。


 それぞれがそのグラスを手に一旦観客席を見ると、お互いは見つめあい、グラスを相手の口につけた。
 2人はそれを相手のリードに任せるように顎をあげゆっくり飲み始めたのだ。
 先ほどから静まり返っているその中を、二人の喉がなる音だけが響いている。
 全てを飲み終えた2人は今度は軽くキスをすると、客席を向き頭を下げた。