小説本文



 「中村さん 俺の女房に何かようかい」


 (にょ 女房?)


 「駅を降りたら目の前で女房をつけてるストーカーがいると思って、よく見たら中村さんじゃないか。俺もびっくりしたよ。だから俺は女房にメールを打ったよ、予定通りこのマンションに入れって」


 (予定通り?)


 「俺はいつも女房があの舞台に立った日は必ず帰りに、どこかで一発やるんだよ。公園のトイレだったり、駅ビルの非常階段だったり・・それで今日はこの廃墟になったマンションで犯(や)るつもりだったんだよ」


 (こっ この男・・・ひょっとして・・)


 「中村さんの事は女房から聞いて知ってたよ、“夕霧(ゆうぎり)”の旦那って事も。俺たち夫婦も変態なんだよ。自分の女房をあの舞台の上にあげて色んな男とやらせて興奮して・・・そしてその帰りに外でレイプごっこしながらやる変態なんだよ・・・」


 (・・・・・・)
 中村は口を押さえられ、身体も強張っていた。
 女は黙ってそんな様子を見守っている。


 「中村さんはあの舞台に上がる女の素顔を覗きたくなったんだろ?よく俺の女房を選んでくれたよ・・・よく夕華(ゆうか)を選んでくれたよ・・・」


 (・・・・・・)
 その時 それまで黙って聞いていた女が中村に近づき、徐(おもむろ)にしゃがみこむと帽子をぬぎ、中村のズボンのファスナーを下ろし始めた。
 帽子の下から現れた茶色い髪と思っていたの物・・それは見事なウィッグだった。


 「中村さん、今日は俺がここで女房とやるつもりだったが、変わりに嵌(は)めてやってくれ。今日は俺は見学させてもらう事にしたよ・・・うれしいだろ?願望が叶うんだぜ」


 (・・・・・・)


 女はサングラスをしたまま、中村のその小さく縮んでいる一物を取り出し口に咥えていた。
 「気にしなくていいんだぜ、俺たちは変態夫婦だから。中村さんも女房の尻に魅かれたんだろ。こいつのケツは最高なんだよ」


 中村の一物は女の巧みなフェラチオに、こんな状況の中でも大きく勃起し始めていた。


 「中村さん、大したもんだよ。こんな時でも大きくなるんだから、さすが変態だな。さあ、それをぶち込んでやってくれ。ただし後ろは絶対振り向かないでくれよ」
 そう言うと男はそれまで背中に当てていた鋭角な物と、口を塞いでいたハンカチを離した。
 緊張している中村を伺いながら、女は背を向けジーパンを脱ぎ、続いてパンティーに手をあてた。


 中村の目の前に、何度か見たはずの大きな生尻が現れた。
 女が尻を突き出しながら初めて口を開いた。
 「中村さん、どうですか私のお尻は?この間中村さんが入れたのは“夕月(ゆうづき)”のほうよ。今度は私の穴を味わって。遠慮しないで、さあ、入れて。主人を喜ばせて・・・生で大丈夫だからね・・・」


 (・・・夕華・・・)


 中村の勃起した物の先からは、薄っすら汁が出始めていた。
 そして立ったまま目の前の穴を開き、それを挿入していった。


 暗い廃墟の中に中村の腰が夕華の尻にぶつかる音と、夕華の口から出る喘ぎ声だけが響いている。
 突きながら見える小さい穴は、数時間前に中村が浣腸器を差し込んだ穴だ。


 中腰で突かれていた女が顔を後ろに向けた。
 「ああ いいわ・・ こっちの穴でよかったの?わたし、どっちでも良かったのよ」


 中村の後ろでは男がベルトを外し、ズボンを下ろしていた。
 そして男は、既に勃起した自分の物を扱きだした。
 「どうだい中村さん、まゆ・・いや夕華のマンコの味は・・・」
 「・・・・・・」


 「ああん・・どう私のオマンコ?主人からメールで、中村さんが後ろをつけて来るって教えてくれた時から、私のオマンコずっと濡れてたのよ・・」
 そう言って女は突かれながら自分の頭に手をやると、茶色いウィッグを取り外した。


 「あ~ん・・中村さん見たかったんでしょ、夕華の素顔を・・特別に少しだけよ・・・」
 女は大きなサングラスを上にあげると中村の目を覗き、驚いた表情(かお)を確認するとニヤッと笑い、そして直ぐにサングラスを掛け直した。


 (あなたは!)
 その素顔を見た瞬間、中村の頭にあの声が聞こえてきた。
 『私は中村さんの奥様のお友達かも・・・』


 中村は急に何かにせかされる様に腰を激しく振り出した。
 それに併せるように夕華の喘ぎ声も大きくなり、男の右手のスピードも速くなった。


 腰を打ちつけていた中村には、早くも高まりがやって来た。
 そしてその高まりは一気に、熱い精を夕華の奥へと導いた。
 夕華の旦那も同時に白い液を放出していた。