小説本文



 「さあ皆様、これが42歳の淫乱奥様、夕霧(ゆうぎり)のウエディングドレスです」


 司会の男に紹介された夕霧の姿、それは白いストッキングにそれをつなぐ白いガーターベルト、ノーパンの股間にはハート型に刈られた陰毛が見える。
 ヘソから上は全裸で、熟女を象徴する大きな乳輪を持った乳房が迫力を出している。
 頭からは白いベールが掛けられ、その下からは白い蝶の仮面が見えている。
 若い男の元へ行くのに自らの純情を現そうと白を基調にしたのかもしれないが、客席の男達の目に映るその様(さま)は、娼婦がウエディングベールを被(かぶ)っている姿にしか見えなかった。


 「皆様 いかがでしょうか、夫がいながら不貞をはたらく淫乱人妻の夕霧にふさわしい格好ではないでしょうか・・そうです、変態女にはこの格好がお似合いなのです」


 司会の声が響く中、夕霧は一言も声を発せず黙っている。
 しかし、その卑猥な姿は無言のままでも、客席には夕霧の厭(いや)らしさを充分にアピールしていた。


 「夕霧は夫を裏切り、若い男の元に行くのにどれほどの決意があったのでしょうか? 実はわざわざ夫との結婚式に着たこのドレスを着てきた事に意味があったのです。そしてそのドレスを切り刻んだ事にも意味があるのです」


 (? ? ?)


 「これから夕霧が皆様に決意をお見せします・・」
 司会の男はそう言うと、切り刻んだドレスを中央の一箇所にまとめ上げた。
 夕霧がそれを跨(また)いで立つと、徐(おもむろ)にそこで股を拡げ“うんこ座り”をするようにしゃがみこんだ。


 (まっ まさか・・・おい・・・)


 夕霧は刻んだドレスを股下に見ると、白いブーケを横に置き、空いた両手で自分の淫部を拡げ始めた。
 客席の男達がゴクリと生唾を飲み込んだ。
 客席の男全てが、夕霧のその部分を注視している。
 シーンとした誰一人音をたてない中、夕霧のその部分からシャーっと水流が迸(ほとばし)った。
 それはドレスめがけ見事に放たれた。
 ドレスにあたる小便の音だけが会場中に響きわたり、夕霧の口は半開きの状態で、仮面から見える目は洸物の色をしているようだ。


 やがて尿を全て放出し終えた夕霧は、まるでその場で逝ってしまったように、己の淫部を拡げたまま陶酔の世界を彷徨(さまよ)っている。
 放心状態の夕霧を司会の男が腕を取って立たせると、スタッフの一人が汚れたドレスを回収していく。
 夫との結婚式に着たドレスを切り刻むだけではなく、それに放尿する決意とは?若い男が望んだ事なのか、それとも夕霧が男への気持ちを示そうとしたのか。


 「ふふふ 奥様! よく出来ましたよ。さすが変態奥様の仲間入りをしただけの事はあります。・・ご褒美にこの場に大好きな彼氏を呼んであげましょう」


 (・・・・・・)


 客席が注目する中、舞台袖から一人の若者が現れた。
 (だッ 誰だ この男は・・・)


 現れた男は20代前半くらいの若者で、白いタキシードに身を包み、顔には夕霧とお揃いの白い蝶を模った妖しい仮面を着けている。
 2人は舞台中央で一旦抱き合いキスをすると腕を組み、まるで記念写真にでも納まるかのようにツーショットを客席に披露した。
 白いタキシードの若者と白い卑猥な衣装を身に纏(まと)った娼婦のカップル、そのアンバランスさが異様なエロスを漂わせている。


 (これはショーだよな・・・うん ショーなんだ まさかみゆきが・・・)
 中村の口からは歯軋りの音が聞こえていた。


 2人を眺めていた司会の男が一つ咳払いをして。
 「この2人は不倫のカップルです。よって結婚式を挙げることは出来ません。せめてもと思い、2人はこのような格好を皆様にお見せして、祝福して頂きたいと考えているのです」


 (・・・・・・)


 「2人は結婚できませんが、これからそれに変わる儀式を行い2人は愛を誓います。それでは夕霧が誓いの印としてアナル処女を捧げます」


 (アッ アナル・・)


 夕霧が男のタキシードを脱がせ始めた。
 観客はその手馴れた動作に、夕霧が人妻だと言う事を改めて感じていた。
 夕霧は男の白い仮面と黒いブリーフを残し身に纏(まと)うものを全て脱がせ終えると、男の腰に抱きつき、股間に頬擦りをし始めた。

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