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第43話
箱根の中でも賑やかな街中からかなり入り込んだこの辺りには、まだまだガイドブックに紹介されていない旅館があるのだろうか。
一旦建物の中に入ってしまえば聞こえてくるのは川の流れる音と、時折 遠くに聞こえる車のかすかな音だけであった。
その建物の一室では外の静けさとはかけ離れた熟女の喘ぎ声が、泣き声とも悲鳴ともとれる声の合間に聞こえていた。
しばらくして静まり返った部屋の中で、数人の男達が向かい合うようにソファーに腰を降ろした。
隣の部屋では先程まで女の悲鳴と歓喜の声が交互に響き渡り、その周りでは獲物を生け捕り、なぶり者にするような男どもの怒号が聞こえていた。
その喧騒が今では、信じられないくらいの静寂に包まれようとしている。
「お前達、どうだった?夕霧(ゆうぎり)は」
「いやあ 社長、社長から聞いていた通りかなり“良い物”を持ってますよ」
一人のいかつい男が、テーブルの上に置かれた缶ビールに手を付けながら神崎の問いに答えた。
「そうか、その持ち物でどの辺りまでいけると思う?・・・頂上(てっぺん)までいけると思うか?」
「“てっぺん”ですか?社長は相変わらずせっかちですね・・・でも 久しぶりの上物だと思いますよ」
坊主頭の厳(いか)つい男は口元を歪(ゆが)めながら笑って見せた。
「そうだろう・・・“月”や“華”ともいい勝負をすると思ってるんだ・・・それでお前達、具体的にどこら辺が良かった」
「はい、この奥さんはとことん粘膜で快感を貪(むさぼ)るタイプですね。膣の締り、吸引力は良いものがあるし、おまけに尻穴の方の伸縮性もなかなか良かったですよ」
「ふふ お前達、早速アナル拡張もしたのか?」
「はい、あの奥さんそこそこのバイブは咥えましたよ。自分でも驚いてると思いますよ・・・。ああ言う姿を目のあたりにすると、改めて女とは貪欲で浅ましい生き物と思いますね」
「なるほど、それで お前達全員が自分の持ち物で試してみたんだろ」
「ええ、社長。あの奥さんに俺たちの自慢の竿をしっかり味あわせてやりましたよ、・・・」
厳つい男達は剃りあげた頭を震わせ、窮屈な笑みを浮かべた。
「そうか、お前らのデカ物を咥え込んだのなら、2穴はもう大丈夫だな?」
「ええ、大丈夫です」
「うちの劇場の自慢の黒人の物でも?」
「はい、大丈夫です。俺たちが保証します」
「ふふ、なるほど。じゃあSMの方はどうだった」
「そうですね、昨日はハードなものもやってみました、・・・ただ、鞭(むち)、蝋燭(ろうそく)の味を覚えるのはまだ先になると思いますね・・・。でも、縛りや羞恥心をくすぐってやるソフト系にはなかなか良い反応を示していましたよ」
もう一人の比較的落ち着いた感じの坊主頭が思い出すように答えた。
「そうだろう あの奥さん Mの気を持ってるんだ」
「はい そうですね。でも将来的にはハードに進める才能も垣間(かいま)見えてましたよ・・・うまく自分の境遇に被虐性(ひぎゃくせい)を意識させれば針や墨入れ、ボディピアスなんかも受け入れると思いますけどね」
又一人、目つきの鋭い年配の坊主頭が答えた。
「ふふふ 素人奥様の舞台で刺青、ピアスか・・・おもしろいかもしれねえな」
神崎の目が釣りあがり、そして嬉しそうに微笑んだ。
「それとお前達、スカの方はどうだった」
「社長、この奥さんは聖水披露までですね・・・やっぱり得手、不得手がありますからね。前にここに来た事がある “月” と “華”とは少し違いますね」
「そうか、まあ うちの劇場では色んなタイプの奥さんがいたほうが良いからな・・・それじゃあ獣(いぬ)はどうだ」
「・・・それは ちょっとばかし早いんじゃ・・・1回きりなら無理やりやれるでしょうけど、社長のところの舞台でいつでもとなると・・・それなりの調教をしておかないと・・・」
坊主頭の男達が困った様子で顔を見合わせた。
「ふふふ まあ そのタイミングがきたら、又あらたまってお前らに相談するか・・・飛騨にそれようの血統の良い獣(やつ)がいたんでな・・・たしか3代目ジャーマンシェパード・・・人間の女とやれるように調教されてる獣(やつ)らしい・・」
「それはそれは、先々まで楽しめそうですね」
「ふふ まだまだ楽しみは尽きないな、ははは」
神崎が楽しそうに声を上げると、それにつられる様に厳つい男たちの表情にも何とも言えない大きな笑みがこぼれた。
男どもの笑い声が静まると、部屋の障子が開き男が一人入ってきた。
「社長、おくつろぎのところ申し訳ありません」
「おお 田沢か、どうだ“夕霧(ゆうぎり)”は」
「はい。温泉で身体を休めた後、ソープマットを持ち込んで軽くテクニックを仕込んでやりましたよ」
「そうか、それで飲み込みのほうはどうだ?」
「ええ、あの奥さん なかなか筋が良いですね。まるで娼婦のようでしたよ。拓也にもそこそこ仕込まれていたと思います」
「拓也か・・・夕霧もあれほど拓也に夢中になっていたのにな・・・本当に女って生き物はな・・」
「へへ、まったくですね。今も湯殿で男を味わってますが、あの奥さんの頭の中には拓也の“た”の字もありませんよ」
「そうだろうな・・・もう拓也じゃ満足できない身体になってるだろうからな」
「ええ、そうですね」
「ふふ、そろそろ拓也には今やってる“工作(しごと)”の仕上げに掛からせないとな・・・」
「へへ 社長、楽しみな奥様がいるんですね?」
横から坊主頭の一人が口を挟んだ。
「ああ、そうだ。夕凪(ゆうなぎ)っていう名前を用意してる奥さんがいるんだがな・・・・・しかし、世の中には心の奥底に自分では気づかない欲望を溜め込んでいる奥さん連中が一杯いるもんだ」
「俺たちはその欲望を開放してやるんだ・・・あの舞台の上でな」
神崎の言葉に田沢と厳つい坊主頭の男達が黙って頷いた。
一旦建物の中に入ってしまえば聞こえてくるのは川の流れる音と、時折 遠くに聞こえる車のかすかな音だけであった。
その建物の一室では外の静けさとはかけ離れた熟女の喘ぎ声が、泣き声とも悲鳴ともとれる声の合間に聞こえていた。
しばらくして静まり返った部屋の中で、数人の男達が向かい合うようにソファーに腰を降ろした。
隣の部屋では先程まで女の悲鳴と歓喜の声が交互に響き渡り、その周りでは獲物を生け捕り、なぶり者にするような男どもの怒号が聞こえていた。
その喧騒が今では、信じられないくらいの静寂に包まれようとしている。
「お前達、どうだった?夕霧(ゆうぎり)は」
「いやあ 社長、社長から聞いていた通りかなり“良い物”を持ってますよ」
一人のいかつい男が、テーブルの上に置かれた缶ビールに手を付けながら神崎の問いに答えた。
「そうか、その持ち物でどの辺りまでいけると思う?・・・頂上(てっぺん)までいけると思うか?」
「“てっぺん”ですか?社長は相変わらずせっかちですね・・・でも 久しぶりの上物だと思いますよ」
坊主頭の厳(いか)つい男は口元を歪(ゆが)めながら笑って見せた。
「そうだろう・・・“月”や“華”ともいい勝負をすると思ってるんだ・・・それでお前達、具体的にどこら辺が良かった」
「はい、この奥さんはとことん粘膜で快感を貪(むさぼ)るタイプですね。膣の締り、吸引力は良いものがあるし、おまけに尻穴の方の伸縮性もなかなか良かったですよ」
「ふふ お前達、早速アナル拡張もしたのか?」
「はい、あの奥さんそこそこのバイブは咥えましたよ。自分でも驚いてると思いますよ・・・。ああ言う姿を目のあたりにすると、改めて女とは貪欲で浅ましい生き物と思いますね」
「なるほど、それで お前達全員が自分の持ち物で試してみたんだろ」
「ええ、社長。あの奥さんに俺たちの自慢の竿をしっかり味あわせてやりましたよ、・・・」
厳つい男達は剃りあげた頭を震わせ、窮屈な笑みを浮かべた。
「そうか、お前らのデカ物を咥え込んだのなら、2穴はもう大丈夫だな?」
「ええ、大丈夫です」
「うちの劇場の自慢の黒人の物でも?」
「はい、大丈夫です。俺たちが保証します」
「ふふ、なるほど。じゃあSMの方はどうだった」
「そうですね、昨日はハードなものもやってみました、・・・ただ、鞭(むち)、蝋燭(ろうそく)の味を覚えるのはまだ先になると思いますね・・・。でも、縛りや羞恥心をくすぐってやるソフト系にはなかなか良い反応を示していましたよ」
もう一人の比較的落ち着いた感じの坊主頭が思い出すように答えた。
「そうだろう あの奥さん Mの気を持ってるんだ」
「はい そうですね。でも将来的にはハードに進める才能も垣間(かいま)見えてましたよ・・・うまく自分の境遇に被虐性(ひぎゃくせい)を意識させれば針や墨入れ、ボディピアスなんかも受け入れると思いますけどね」
又一人、目つきの鋭い年配の坊主頭が答えた。
「ふふふ 素人奥様の舞台で刺青、ピアスか・・・おもしろいかもしれねえな」
神崎の目が釣りあがり、そして嬉しそうに微笑んだ。
「それとお前達、スカの方はどうだった」
「社長、この奥さんは聖水披露までですね・・・やっぱり得手、不得手がありますからね。前にここに来た事がある “月” と “華”とは少し違いますね」
「そうか、まあ うちの劇場では色んなタイプの奥さんがいたほうが良いからな・・・それじゃあ獣(いぬ)はどうだ」
「・・・それは ちょっとばかし早いんじゃ・・・1回きりなら無理やりやれるでしょうけど、社長のところの舞台でいつでもとなると・・・それなりの調教をしておかないと・・・」
坊主頭の男達が困った様子で顔を見合わせた。
「ふふふ まあ そのタイミングがきたら、又あらたまってお前らに相談するか・・・飛騨にそれようの血統の良い獣(やつ)がいたんでな・・・たしか3代目ジャーマンシェパード・・・人間の女とやれるように調教されてる獣(やつ)らしい・・」
「それはそれは、先々まで楽しめそうですね」
「ふふ まだまだ楽しみは尽きないな、ははは」
神崎が楽しそうに声を上げると、それにつられる様に厳つい男たちの表情にも何とも言えない大きな笑みがこぼれた。
男どもの笑い声が静まると、部屋の障子が開き男が一人入ってきた。
「社長、おくつろぎのところ申し訳ありません」
「おお 田沢か、どうだ“夕霧(ゆうぎり)”は」
「はい。温泉で身体を休めた後、ソープマットを持ち込んで軽くテクニックを仕込んでやりましたよ」
「そうか、それで飲み込みのほうはどうだ?」
「ええ、あの奥さん なかなか筋が良いですね。まるで娼婦のようでしたよ。拓也にもそこそこ仕込まれていたと思います」
「拓也か・・・夕霧もあれほど拓也に夢中になっていたのにな・・・本当に女って生き物はな・・」
「へへ、まったくですね。今も湯殿で男を味わってますが、あの奥さんの頭の中には拓也の“た”の字もありませんよ」
「そうだろうな・・・もう拓也じゃ満足できない身体になってるだろうからな」
「ええ、そうですね」
「ふふ、そろそろ拓也には今やってる“工作(しごと)”の仕上げに掛からせないとな・・・」
「へへ 社長、楽しみな奥様がいるんですね?」
横から坊主頭の一人が口を挟んだ。
「ああ、そうだ。夕凪(ゆうなぎ)っていう名前を用意してる奥さんがいるんだがな・・・・・しかし、世の中には心の奥底に自分では気づかない欲望を溜め込んでいる奥さん連中が一杯いるもんだ」
「俺たちはその欲望を開放してやるんだ・・・あの舞台の上でな」
神崎の言葉に田沢と厳つい坊主頭の男達が黙って頷いた。