小説本文



 司会の男がスイッチを切ったボイスレコーダーを上着のポケットに仕舞うと、客席の男達に肩をすくめておどけて見せた。
 「ふふ、皆様、夕霧(ゆうぎり)さんがこの舞台の上で浣腸ショーを披露してくれるのも、それ程遠い事ではありませんよ・・」


 (・・・・・・・)


 「では、今のボイスレコーダーの出来事を そこで聞いていた夕霧さん、出てらっしゃい!」
 司会の男が派手なアクションで舞台袖を指差すと、そこから女がどこか罰が悪そうに下を向いてゆっくりとした足取りで姿を現した。
 己(おのれ)の排泄音を聞かれた事がよほど恥かしかったのか、臙脂(えんじ)色のチャイナドレスにお揃いの色の仮面を被ったこの日の夕霧は、いつもより御しとやかに見えた。


 「ふふ・・夕霧さん、恥かしかったですか?・・でも気にする事はありませんよ。今日はこの舞台の上で特訓の成果を思いっきり見せてくださいね。では、どうぞ」
 司会の男がそう言って後ずさるように舞台端へと移動すると、夕霧が中央へと進み、そして場内に妖しげな音楽が流れてきた。


 80年代に流れた知る人ぞ知るジャズバラード ♪Biack & White♪・・・官能的なメロディーが客席の隅々まで響き渡り、舞台上の夕霧はゆっくり腰を振り始めた。


 夕霧が腰を振るたびに、臙脂色のチャイナドレスの切れ目から太ももが見える。
 その見え隠れする肌の白さが、客席の男達の脳に程好い刺激を与えていた。


 (いつのまに・・みゆきはこんなダンスを・・・)
 (これも特訓の成果なのか・・)


 プロのダンサーに比べればそれは大したものではないのだろうが、中村たちの目の前でその肉感的なダンスを披露している素人奥様の成長が、男達を興奮させていたのだ。
 やがてメロディーに太鼓のようなリズムが加わり、その“ズン・ズン・ズン” と いう響(ひびき)に併せて、夕霧の後方から2つの黒い塊が近づいてきた。


 夕霧を挟み込むように現れたのは、何度とこの劇場でその巨根を披露してきた黒人の2人組みだった。
 男達は既にビキニパンツだけの姿で、見事な褐色の肌といかにも筋肉の塊のような身体に、その白いパンツがマッチしていた。
 夕霧は2人の黒人の間で身体をくねらせると首の後ろで両手を組み、うなじを見せつけるようにその手で髪をアップし始めた。 
 黒人の1人が夕霧の背中に回りドレスのファスナーに指を掛け、ゆっくりゆっくりとそれを下へと降ろしていった。


 黒人は腰をくねらせる夕霧の後ろで同じように腰を振り、背中の開いたドレスの両肩に手をやると、再びゆっくりそのドレスを降ろし始めた。
 床にドレスが落ち、中から黒人とお揃いの白いTバックとトップレスの乳房が顔を現した。
 もう1人の黒人が夕霧の顎に手をかけ顔を上げると、その顔を一旦眺め、そして徐(おもむろ)に長い舌を出すとぺロット唇から鼻の頭を一舐めした。


 夕霧の心に官能の火が灯ったのだろうか、瞳を閉じ、唇が微かに開き、小さい声が漏れてきた。
 2人の黒人は身体をくねらせ続ける夕霧に合わせるように、自分たちも躍りながら己の唇を夕霧の身体全体に這(は)わせ始めた。


 男たちのその愛撫は夕霧の肌に触れるか触れないかのギリギリの所を行き来して、その微妙な妙技がよりいっそう夕霧の踊りに官能的なアクセントを加えていた。
 中村たち客席の男は、映画のワンシーンのような目の前の光景に引き込まれていた。
 黒い男と熟女の白い肌・・そのコントラストはまさに白黒ショーそのものだった。
 やがて黒人たちは夕霧のショーツに手をかけると、思わせぶりに曲にあわせながら下へと降ろしていき、そして足首からそれを抜き取った。


 いつもの怪しげな仮面だけを着けた夕霧の裸体・・中村はその姿を見つめながら、自分の妻の美しさに見とれていた。
 (・・綺麗だ・・  いつのまにこんなに綺麗に・・)
 中村は夕霧として舞台で踊る妻みゆきの、うなじ、口元、背中、脇の下、下腹、股間、太ももを順番に仮面の奥の目で追っていた。


 ♪♪曲が変り、太鼓のリズムが大きくなると、1人の黒人がいきなり夕霧の唇を激しく吸い出した。
 それは先程までの優しい愛撫とは違う荒々しいもので、まるでこれから女が生贄となる儀式の始まりのようであった。
 男共は激しく夕霧の身体に己の唇を這わせ、大きな手は乳房と股間へと伸びていった。


 1人の黒人の男が片方の乳房を揉みながらもう一つの乳首を舌で転がし、もう1人の男は夕霧の片方の足を持ち上げると股間へと太い指を運んでいた。
 夕霧の乳房を嘗め回す音と、膣穴に侵入した指の出し入れの音が聞こえ始めると、夕霧の口からも官能的な泣き声が上がり始めた。


 しばらく愛撫が続くと黒人達は自分の白いパンツをもったいぶる様に脱ぎ捨て、1人の男が夕霧の後ろに回り、夕霧の両足を軽く開かせ、その膝裏を掴むと軽々と持ち上げた。
 大きな男に背中を預けたまま持ち上げられた夕霧の両足は大きく開かれ、その姿はまるで幼子がオシッコをさせられるような格好だった。
 客席の男たちの目には夕霧の股間がはっきりと映り、そしてその前にもう1人の男が腰を降ろした。
 男は夕霧の陰部を両手で左右に開き、そこに顔を埋めると劇場中に聞こえるほどの音を上げながら嘗め回し始めた。


 夕霧の官能的な泣き声がいっそう大きくなり、後ろで夕霧を抱える男は女の心と陰部の潤いを確認したのだろうか、大きくなった自分の分身で女の入り口を捜し始めていた。
 黒人のその一物はすぐに夕霧の入り口を捉え、その物は今まさに、その中へと進入しようとしていた。


 (こっ 壊れる・・・)
 (あっ あんな大きい物が入るはずがない・・)


 中村は息を呑み、腰は椅子から浮き始めていた。
 しかし中村の心配をよそに、夕霧の膣穴はゆっくりではあるが黒人のその物を飲み込んでいった。


 黒人のその物はやがて、根元までもがピッタリと夕霧の膣へと収まった。
 女を後ろから抱えながら己の巨根で貫(つらぬ)く黒人の男と、見事に貫かれた白い肌をした獲物の姿、その2人の姿は彫刻と呼べる芸術作品のようであった。
 中村の心にはまた一つ、それが美しく刻み込まれていた。