小説本文



 黒人達の姿が消えたのを確認すると、司会の男が舞台中央へと歩み寄ってきた。
 男はうつ伏せの姿勢のまま痙攣(けいれん)している夕霧(ゆうぎり)を足元に見ると・・。
 「ふふふ 素晴らしい白黒2穴ショーでしたね・・・。客席の皆様、夕霧さんは箱根の温泉地で変態女に磨きをかける為に特訓に行って来たと先程申し上げたと思います。・・その成果の一つが、今ご覧になって頂いたショーだったのです・・。ところで皆様は、なぜ、この奥様がそこまでして特訓を受けてみる気になったと思いますか?」


 「・・・・・・」
 「・・・皆様の中で前回のショーをご覧になった方々は覚えてらっしゃると思いますが、この奥様には若い不倫相手がいたのです。そしてこの舞台の上で、その若い男にアナル処女を捧げたのです。しかし、それからわずか数日の内にこの奥様はもう、その若い男では満足できなくなってしまっていたのです・・・。あの変態ウエディングショーを行なってまで、若い男に身も心も捧げたかに見えたこの奥様はもう、次の刺激を求めていたのですよ」


 (・・・・・・・)
 「・・そして新たな快感を得たいが為に箱根に向かったのです・・・。浅ましいです・・・正に浅ましいです・・・女とは・・熟女とはこれ程まで性に浅ましい生き物だったのです」


 司会の男の声が届いているのだろうか、それとも己の浅ましさに仮面を着けていてさえも客席の男達の視線から逃れたいと思っていたのだろうか、夕霧はうつ伏せたまま身体を震わせ、まだ起き上がることが出来ないでいる。


 「ふふふ 客席の皆様、ご安心下さい。この奥様の浅ましさはまだまだこの程度ではありません・・」
 (な なんだって・・まだ 続くのか・・)


 「とことん見てあげましょう・・もっともっと皆様の嫌らしい眼差(まなざ)しで見てあげようでは有りませんか?・・・まだまだショーは続きます・・」
 「・・・・・・」


 「・・続きましては変態奥様“夕霧”の剃毛ショーです」
 (テッ テ イ モ ウ・・・・・)


 司会の言葉が終わるとそれまで客席に尻を向け、俯いていた夕霧がゆっくり上体を起こし座ったまま前を向き直した。
 それと同時に舞台には新しい役者が現れた。
 爬虫類のような長い舌を出し、下腹の突き出た醜い中年太りのその身体を恥じる事無く、赤いTバック1枚の姿で田沢が登場した。


 田沢は手にいくつかの小道具を持ち、司会の男と交代するように舞台中央へ歩み寄ると、正面に向き直っている夕霧を見下ろした。
 「さあ、夕霧の奥さんよお、次のショーの始まりだぜ」


 田沢の独特の厭らしい声の響きに、客席の男たちが再び身体を乗り出した。


 そして夕霧は田沢の声に唇の周りに涎(よだれ)の痕を残したまま両腕を後方に身体を支えると、両足をM字にして巨尻を浮かせてみせた。
 客席の男達の目には、先程まで黒人の巨根を受け入れていた夕霧の陰部の様子が飛び込んできた。
 膣穴からは黒人男が吐き出した、真っ白い欲汁が涎のように流れ出している。


 田沢は客席に向け手に持っていたシェービングクリームの缶を見せると、それを2,3回上下に振り左手に一噴きした。
 田沢は左の手の平に出来たその泡に右手を重ねると、手の平を擦り併せながらゆっくり夕霧の後ろに回り込んだ。
 そして客席の男達にしっかり見えるように、陰毛にその泡を塗りたくってみせた。


 「ほら 奥さん、もう少しケツを上げな。今、ケツ毛も綺麗にしてやるからな」
 その言葉に夕霧は俯いていた顔を一旦上げると小さく頷いた。


 田沢は夕霧の股間から尻穴にかけて泡を一通り塗り終わると、夕霧の斜め前に身体を移動して横に置いてあった剃刀を手に持ち、その刃先をM字開脚している夕霧のへその下あたりにあてがった。
 「奥さん マンコをもう少し前に突き出しな・・・そう・・・そうだ・・・そのまま膝をもう少し外側に張って・・・そう・・・そのまま動くんじゃないぞ」


 まもなくして客席に “ジョリ ジョリ ジョリ” と確かな音が聞こえてきた。
 田沢は自分の身体を動かし、時折手を休めながら客席の男達の目に股間の様子を晒(さら)して見せた。


 「へへ 奥さん、クリームもそんなに要らなかったな。奥さんのヌルヌルのスケベ汁で充分だな」
 「ああん 恥ずかしいわ・・」


 「さあ 奥さん もう少しだ・・・もう少しで綺麗サッパリしたパイパンマンコの出来上がりだぜ」
 「ああん もう厭らしい・・・」
 田沢とのやり取りを行う夕霧の声は、それまでの情交のせいなのか、まるで長年の不倫関係を続けている愛人との情痴を楽しむかのような淫靡な響が含まれていた。


 「・・・よし こっちは充分だ。今度は皆様に四つんばいになって尻穴をよ~く見てもらうんだ」
 田沢はそう言って、客席に向って拡げられた夕霧の尻穴の周りの毛にもクリームを塗りたくった。


 「あらら 奥さん、アナルからまだザーメンが出てきてるねぇ。さっきの黒人のチンポは旨かったかい? あれを食ったらもう旦那のチンポじゃ満足できないだろ・・・おっと 旦那のチンポはとっくにお払い箱だったんだっけ?」
 「はははは」


 (・・・・・・・・)
 客席の笑い声に中村は黙ったままグッと奥歯を食いしばった。


 「よしっ 奥さん、じゃあ最後の仕上げだ」
 アナルの廻りから剃刀の刃を離すと、田沢は横に置いてあった小さなシェーバーに手をやった。
 それは女性の無駄毛カットに使われる小さな物だった。


 田沢はそのシェーバーのスイッチを押すとそれを器用に使いこなし、アナルの廻りを仕上げ、それが終わると夕霧を再び正面にM字開脚で座らせ股間の辺りの細かい仕上げを行なった。


 「・・・皆様、さあ終わりましたよ。・・・夕霧さん、さあもう1度しっかりM字開脚で皆さんにご覧いただくんだ」
 夕霧は田沢の声に両腕で床をしっかり噛み締め、尻を改まって浮かせるとガバッと両膝を開いてみせた。


 「“おお~”・・・」
 歓声を上げた客席の男達の視線の先には、陰りをなくした夕霧の見事なオマンコが口を開けてまっていた。
 そこには勃起した陰核、黒く開かれた大陰唇、そして菫色(すみれいろ)をした肛門までが晒(さら)されていた。


 (はっ はは あんな真っ黒に、ああ・・・グッ グロイ・・・)


 中村は哀れな妻の陰部に魂を抜かれ、呆然となりながらも股間をしっかりと握っていた。
 自分の股間の硬さを確認しながら中村の頭の中には、いつかの黒い雲が湧き上がろうとしていた。
 (いっ 入れたい・・・いっ 入れてみたい・・あのグッ グロイ・・マンコに・・)