小説本文



奥村さんの顔を見た後はパニックでした。
 それは奥村さんも同じだったと思います。
 なぜ?・・・・二人の頭の中にあった想いだと思います。
 質問にならない質問、会話にならない会話、そんな時間が続きました。
 業を煮やした奥村さんは強引に私を奪いにきました。
 そんな“プレイ”もある・・・・ご主人様から聞かされてはいましたが、当然その時の私にはそんなものは受け入れられませんでした。
 目の前に迫ってくる顔は、私の知ってる奥村さんではありませんでした。
 しかし 欲望を丸出しにしたその顔と下半身に恐怖を覚えると共に、私のMの部分にも火がついたのかもしれません。
 そんな時 部屋の鍵が回る音がして、男の方が数人入ってきました。
 下半身を露(あらわ)にしていた奥村さんは、男の人たちに囲まれて震えているようでした。
 私は彼らの問答をどこかで聞きながら俯(うつむ)いていました。
 気づいた時 私の前にはご主人様が立っていました。


 私は隣の部屋に移され、ご主人様は二つの部屋を行ったり来たりしながら色々問い詰めてきました。
 そして もう一度隣の部屋に戻ると奥村さんが一人、そこで待っていました。
 その時の奥村さんの顔は、売春婦を買いにきた性欲を丸出しにした中年男性のそれでした。


 「かおり こちらは大切な“お客様”だ、今からお客様にオマンコしてもらえ。俺も特別にここで鑑賞させてもらう事にした」
 !・・・・しかしご主人様の命令が絶対である事が染み付いていた私はそれに従ったのです。
 初めての売春は、私と夫の知人、しかもご主人様が見つめる中、そんな異様な雰囲気の中で私の被虐性は一気に高鳴り、私は異常な興奮を覚えました。
 奥村さんも又、異常に興奮していました。
 行為が終わった後 奥村さんは下を向いてる私から離れて、ご主人様と何事か話をされていました。


 “かおりちゃんまたね。近藤には決して今日の事は言わないから” その言葉の後 奥村さんはご主人様に頭を下げ部屋を出て行きました。
 その後も奥村さんには何度か抱かれました。
 ご主人様の命令で“仕事”としてではなく、お金を頂かず、ご主人様は“レッスン”と言う言葉を使っていました。


 しばらくして更に驚く出来事が起こりました。
 ご近所の小酒井さんが私の前に現れたのです。
 そして又 ご主人様の命令で私は小酒井さんにも抱かれたのです。
 以前から小酒井さんを苦手にしていた私でしたが、その事が私の被虐性をいっそう高める事になったと思います。
 初めて小酒井さん抱かれた時も、やはりご主人様が目の前にいました。
 小酒井さんは私以上に緊張していたのかも知れません。
 下半身を露(あらわ)にしながらも大きくならない小酒井さんの一物を、私はご主人様の命令で咥えました。
 “俺が教えた技を見せてみろ” ご主人様の言葉は私にとってのレッスンであり試験のようでした。
 小酒井さんのお尻の穴も舐めながら、 “私・・ご近所の知り合いの人のお尻の穴を舐めてるんだ” そう考えるとMの血が一気に上昇し、私を更なる異常な世界に導いてくれました。
 その日 私は小酒井さんの精液をそのまま受け入れ、涎(よだれ)を垂らしながら喜んだのです。
 

 驚く出来事は更に続いたのです。
 夫の同僚の花岡さんまでが私の前に現れたのです。
 経緯(いきさつ)はよくわかりませんが、私の前で卑猥な笑みを浮かべる花岡さんは私の知るそれではありませんでした。
 しかし 花岡さんの目の前の私も、花岡さんの知る私ではなかったはずです。
 “花岡は昔 一時かおりの事を狙ってたんだよ” そんな夫の話を思い出しながら突かれる私は、何なんでしょう?。
 便所?・・・穴奴隷?・・・ただの変態?・・・全て正解だと思います。
 ただ その中にもご主人様への信頼があったのだと思います。
 ご主人様への信頼があるから、便所にも穴奴隷にも、そして変態女にもなれたのだと思います。


 その後 ご主人様は私を3人の方々、奥村さん、小酒井さん、花岡さんに貸し出し?されました。
 “レッスンだ” 、 ご主人様の言葉に私は夫の目を盗み出かけて行きました。
 色んな場所に出かけて行き、公衆で破廉恥な写真も撮られました。
 “レッスン”と称されホテルで3人の性処理をしました。
 それでも家では相変わらず女優を続ける私がいました。
 しかし この頃から私は、夫との別れ、子供との別れを意識していました。
 奥村さんたちの言葉も私の背中を押していました。
 その負(ふ)に向う言葉に、私は覚悟を決めていきました。
 そんな時 夫に単身赴任の辞令がおりたのです。


 夫が赴任先に向うと、3人の振る舞いは更に増していきました。
 しかし そこには確かに興奮する変態女もいたのです。
 赴任先からの夫の電話を受けながら、3人を受け入れる事もありました。
 私は夫の声を聞きながら、夫の知り合いとオマンコして興奮する変態女だったのです。
 いつしか私の口からは、身についた隠語や卑猥な言葉が自然と吐き出されるようになっていました。
 

 誰のアイデアだったのでしょうか。
 当然ご主人様が了解された事なのですが、CD DVDが作成され赴任先の夫の元に送る事になったのです。
 “送り主は誰にしようか、・・・Kにしようか・・・かおりのK、近藤はバカだからこれに気づくかな” 花岡さんの言葉に夫の身を心配しながら反対できない私がいました。
 “かおりちゃん もう直ぐ近藤の奴帰って来るんでしょ、写真とビデオを送るのはその後にしようね” そんな奥村さんの話がありました。
 また “近藤さんが帰って来てる時も呼び出したらちゃんと出てくるんですよ。そんな時 犯(や)られたら奥さんも興奮しますよ” 小酒井さんの言葉もありました。
 そうなのです。
 私は夫を裏切り続け、家族を騙し続けながらも、次にやって来るであろう“レッスン”にその時からアソコを濡らしていたのです。


 夫が2ヶ月ぶりに帰ってきた時も、私は女優でした。
 ご主人様の命令で浣腸を買いに行ったり、野外でも信じられない事をしました。
 次の日も夫を一日中家に残し、調教を受けました。
 夜中に夫に行ったフェラチオは精一杯の私の懺悔でした。


 ご主人様からは “旦那が赴任先(あっち)に行ったらパートを辞めろ、奥村の知り合いの会社にでも勤めると言って毎日俺の事務所に来い” と言われました。
 意味はある程度分かっていました。
 売春婦・・・アダルトビデオ・・・M嬢・・・、私はご主人様の奴隷として生きていく自分を悟(さと)っていました。
 しかし・・・。
 しかし もう一度・・・。
 もう一度だけ 自分の気持ちを確かめたかったのです。


 作成されたCDはもう発送されていたと思います。
 赴任先の夫と電話で話をした時でした。
 夫の事を”ゆう”と呼んでみました。
 それは私たち夫婦が付き合い始めてから、あつしが小学校の6年生頃まで私が夫を呼んでいた呼び方でした。
 あの頃に戻ってもう一度やり直したい。
 当然心には思っていた事です、いや心の隅に残っていた事かもしれません。


 しかし・・・。
 しかし ご主人様の調教を受けた私はやっぱりダメでした。
 アナルにご主人様のオチンポ様を受けて歓喜の涙を流す私は、ご主人様に身も心も捧げた奴隷でした。
 

 「かおり そろそろ旦那をこっちに呼び寄せる工作に入ろうか、お前も覚悟は決めてるだろ」
 ご主人様の言葉に私は素直に“ハイ”と返事をしていました。