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一瞬暗くなった画面は、私に考える時間を与える事無く、すぐに次ぎの場面へと移っていた。
 画面いっぱいに四つんばいの大きな尻が映っていた。
 しかし それは妻のかおりの物ではなく、そこにいる男の物であることがすぐに分かった。


 「さあ かおりさん、フェラチオレッスンの続きはアナル舐めだよ、今度はその舌で俺達のケツの穴を感じさせてもらおうかな」


 (花岡の奴・・・)
 変わり果てた友人・・・いや友人だった男の言葉に再度怒りが湧いてきた。


 花岡が既に尻を向けている男の横に行くと四つんばいになり、己の尻を高く持ち上げた。
 かおりの目には二人の中年男の汚いアナルが映っているはずだ。


 「えへへへ 奥さん さあ ご挨拶してからだよ・・」
 今度はカメラを交代した小酒井の憎たらしい声が私の耳に聞えてきた。


 「は・・い 奥村様と・・花岡様の ア アナルをかおりに舐めさせてください・・」
 かおりが静かに吐き出した言葉が私に突き刺さった。


 「どうぞ」
 四つんばいの二人の男が同時に返事をすると、かおりが顔を近づけ頬に掛かる毛先をパッと後ろに払った。
 一人の男の尻肉に手をあてると、かおりはそこをグッと拡げた。
 男の肛門を目の前に見て、かおりは何を思うのか・・。
 

 (ほ・・本当にやるのか・・)
 私の心の声などお構いなしに、かおりは徐(おもむろ)に舌を出すと迷う事無く尻穴にそれを突き刺した。


 「おおおー・・・」
 奥村の口から歓喜の声が上がった。


 かおりは薄目を開け奥村の排泄器官を舐め続けている。
 穴の周りを舐めたかと思うと、時折 舌先でその穴の奥底を抉(えぐ)るように掘じくっている。


 空いた片手は隣で四つんばいになっている花岡のアナルを攻めている。
 親指で花岡の尻穴をいじりながら伸ばした小指は玉と玉の間を摩(さす)っていた。


 奥村の穴から舌を離すと、今度は花岡の尻穴に唇を近づけた。
 かおりの舌が花岡の穴に侵入すると、その男の口からも歓喜の声が上がった。
 「あああーいい・・いい・・」


 花岡の女の泣き声のような声を聞きながら、かおりは隣の奥村の股間を左手で触っていた。
 穴、玉そして肉棒、それらを代わる代わるいじっていたのだ。
 そんな様子から目が離せない私に小酒井の声が聞えてきた。


 「ああ 厭らしすぎますね・・・あんなに清楚だった奥さんが・・・こんな事をするなんて・・“××××”さんの調教は凄いんだね・・」
 ! 再び“ピー音”が響きその音が私の心を締め付けた。


 「おお・・・たまんないよ~あの学生時代の憧れだったかおりちゃんが・・・俺の・・俺のケツの穴を舐めてるんだ~」
 奥村の何とも言えない声が聞えてきた。


 「ああ 気持ち良いよ~ 最高だ~・・あの可憐なかおりさんが・・・俺のケツの穴を・・」
 花岡の口からも幸せを実感する声が上がった。
 そして舐め続けるかおりにカメラが寄るとその口元をアップで捉え、カメラに気づいたかおりがカメラ目線を返したところで画面が暗くなった。

 
 私はビデオの一時停止ボタンを押していた。
 気づかない間に私は手で大きくなった股間を握っていた。
 私は一旦立ち上がるとフラフラと1階に下りて行き、コップに水を注ぐと一気に飲み干した。
 再び2階に上がりイスに腰を降ろすと、自分を落ち着かせようと目を瞑(つむ)った。


 友人、知人、同僚の裏切り・・・。
 それ以上の妻の裏切り・・・。
 しかし それ以上の興奮・・・。
 “怒り”に向かえばよいのか、“快楽”へ進もうとするのか・・・さ迷っている私の心・・・。

 
 ビデオに没頭している間は、画面の女は妻に似ているAV女優に置き変えようとしている別の自分がいたのかも知れない。
 登場する男たちは知り合いに似たAV男優かも知れない。
 私の心にヒビが入り、知らずにそこからウイルスが進入したのだろう・・・・まだ見ぬ“K”のウイルスが・・・。


 何分ぐらいそのまま目を瞑っていたのだろうか。
 目を開けた私は、再生ボタンを押していた。
 画面が明るくなって別の場面が現れた。


 目の前に現れた明るさは、夜の外灯の光だった。
 (・・・外か・・・)
 (・・・何処だ・・・)


 夜の公園の立ち並ぶ外灯の下にかおりが一人で立っていた。
 カメラが近づき、足元に数人の影と声が近づいてきた。
 

 「かおりさん 上手く旦那に黙って出て来れたね」
 (こ この声は 花岡・・・)


 「へへ 悪い奥さんだね、旦那さんが単身赴任から帰ってきたその日になんてね」
 私の耳に今度は小酒井の声が聞えてきた。


 (な 何だって・・・俺が・・・帰ってきたその日・・・)
 (う 嘘だろ・・)


 唖然とする私の耳に次は奥村の声が届いた。
 「でも どんな時でも“××××”さんの命令は絶対だもんね」


 聞きなれてしまった“ピー音”に私の心が凍り付いていった。

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