小説本文



 イヌの格好のまま精液を飲み干した私は、その格好を解(と)かせて貰(もら)えませんでした。
 彼の支持を受けながら更に股を広げ、顎を軽く上げ、尾てい骨から首の下までの背骨の一本線を海老反り、そしてお尻を高く突き上げました。
 私のオマンコと肛門が新鮮な風に曝(さら)されていました。
 彼はそれが“服従のポーズ”だと教えてくれました。
 彼の言葉に私は四方の鏡を覗いて見ました。
 確かに無防備で自分の一番恥かしい部分、一番弱い部分を披露しながら、その相手の前で自分が真更(まっさら)な状態である事を強調する格好でした。
 その時 私は彼の全てを受け入れる準備が整っていました。


 “行くぞ”・・・彼の声に私は心の中で応えたかもしれません。
 前回のような粘膜への愛撫はありませんでした。
 彼の凶器がいきなり私のソコに侵入してきたのです。
 痛い!・・・しかし それも一瞬の事でした。
 彼の“真珠”が私の膣の壁を擦ります。
 その瞬間には前回の快楽を身体は思い出していました。
 彼の物は射精からわずかな時間でもう固くなっていたのです。


 私の口からは早くも獣のような声が上がりました。
 やはり私の中にはメスが住んでいたのでしょうか。
 バックスタイルは昔から好きでした。
 しかし同じスタイルでも、主人との行為が子供の遊びに思えるほど彼との行為は強烈でした。
 私は夫には聞かせた事の無い声を上げながら、その自分の声にも感じていました。


 四つんばいの格好で1度絶頂に達した私の身体を彼は、凶器を挿入したまま器用にくるりと前に向き返らせました。
 今度は正常位でした。
 そしてその格好でも私は1度絶頂に導かれました。


 「かおり 俺の首と背中をしっかり掴め」
 上から挿入したまま彼が言いました。
 意識が朦朧(もうろう)としていた私でしたが、言われるまま彼の身体にしがみ付きました。
 彼の手が両膝の裏に掛かったと思った瞬間、私の身体は宙に浮いていました。
 駅弁ファック?・・・昔 主人から、“そんな体位もあるんだよ” と教えられた事はありましたが、私にとっては初めての格好でした。
 抱えられた私の目に壁の鏡に写る二人の姿が飛び込んできました。
 彼の不動明王とそれに絡み付く自分の開かれた両足を見た瞬間、私は目の前の唇にむしゃぶりついていました。
 そしてその格好でも私は1度絶頂に達しました。
 絶頂に達した私を彼は、それを挿入したまま覆い被さるように一旦ベットに降ろしました。


 「まだまだだぜ」
 息絶え絶えの私の目を見ながら彼がニヤッと笑いました。
 彼がそれを挿入したまま再び私の身体をくるりと回し四つんばいにしたのです。
 そして今度は両手両足を床に付け後ろから突かれ始めました。
 彼に突かれながら私は部屋中をその不自由な格好で歩きました。
 前回教わったその不自由な形にも私のMの部分が喜んでいました。
 そして壁の鏡に手を付きながら中腰の姿勢で私は、目の前に映る淫乱女の姿を見ながら再び絶頂に達したのです。


 「気持ちよかったかい、・・・どうだ俺の“これ”は」
 ベットに横たわった私に彼は聞いてきました。


 「・・・・・はい」
 私は隣の彼に小さな声で答えました。


 「あの・・・・私の・・・・私のはどうでしたか・・・」
 私の4度の絶頂にも、彼が私の膣(なか)で1度も達してない事が気になっていたからでしょうか、それとも自然と媚(こび)を売って可愛いと思われたい女がいたのでしょうか、私の口からは信じられないような質問が飛び出していました。


 「ん まあまあだな」
 (・・・・・・・・)


 「でも安心しな。そのうち男なら誰でも喜ぶオマンコにしてやるよ」
 “男なら誰でも”・・・その時はその言葉を軽く聞き流していた私がいました。


 「じゃあ次は俺も少し楽しませてもらおうかな」
 そう言って身体を起こす彼の言葉に再びの緊張を覚えました。


 「かおり アナルセックス・・・知ってるよな」
 驚く私の目にも彼の目は、既に容赦のないものになっていました。
 話には聞いたことがありました。
 しかし夫からもそのような行為を求められた事も、当然求めた事もありませんでした。


 「ここを覚えたら堪(たま)らんぜ、病み付きになるぜ。もう普通の奥さんじゃいられなくなるぜ」
 アブノーマル・・・彼の卑猥な声が私のMの部分を刺激します。
 しかし・・・・。


 「で でも・・・ソコは無理・・・・無理だと思います」
 (・・・・・・・・・)


 彼がゆっくり身体を起こしました。
 彼の気配を察して私も身体を起こしました。
 一瞬彼の背中に殺気を感じました。
 その時でした。
 “バシッ!!”・・・私の頬(ほお)が火を噴いていました。


 「ちょっと甘やかしすぎたかな」
 彼の口から久しぶりにドスの効いた声が聞え、彼は震える私の手首を掴むと浴室へと連れて行きました。
 浴室でシャワーの栓を捻ると私にそれを浴びせました。


 「かおり 服従のポーズ」
 彼のその声に私は、素直に・・いえ おずおずと膝を付きました。
 シャワーは私の頭から身体全体に浴びせられていました。
 彼は私の四つんばいの姿勢を確認すると一旦浴室を出て行き、戻ってきた時には、手に小瓶と器具らしき物を持っていました。
 私は彼の準備の音を尻を向けたまま黙って聞いていました。


 「へへ かおり オマンコ濡れてるぞ」
 その声に私のアソコが“ジュン”っとしたのを覚えています。
 私の身体は意識とは別にこれから行われるであろうアブノーマルに準備したのでしょうか。
 それから直ぐに私の肛門に“冷やっ”とした感触が伝わってきました。


 「こら閉じるな。・・・力を抜け」
 彼の声に素直に戻った自分がいました。