小説本文



 私は唇を噛み締めたままビデオの再生をクリックした。
 この後何が起こるのか、それを見た時 私はどうなってしまうのか、それでもそれを見なければ・・・。


 画面ではかおりの生尻が顔を見せ、しばらくそれを映すとカメラは少しずつ引き始め身体全体を映し出した。
 かおりは前屈(かが)みの状態から身体を起こすとくるりと正面を向き直った。
 今度は私の目の前に一糸も身にまとわない全裸の立ち姿が現れた。


 Kからの指摘がわかっているのだろうか、先程の様に胸を隠すこともせず、両手はだらりと身体の横に添えられていた。
 心なしか緊張した表情には見えるが、それでもその行為に慣れていたのだろうか、画面の中のかおりはじっとカメラを見つめている。


 「どうだ・・どんな気分だ」
 落ち着いた感じの男の声がスピーカーから聞こえてきた。
 (この声・・・聞いた事がある?・・・)


 「・・・はっ 恥ずかしい・・で す・・」
 「ん・・何だって 恥ずかしい?」


 「あ いえ・・う うれしいです。・・・ご主人様に見ていただいてうれしいです」


 (!!何だー・・・ご主人様・・・・)
 私は一瞬その言葉を疑った。
 しかし確かにかおり言った・・・“ご主人様”と・・・。
 さっき私が感じた主従関係はやはり存在していたのか・・・・。
 “ご主人様”・・・家来が殿様に言う言葉か、・・奴隷が王様に言う言葉か、それともペットが飼主に言う言葉か。
 決して私には吐く事がなかった言葉、そして夫婦である以上未来永劫に吐く事のない言葉・・・かおりは確かにその言葉を言った・・・・。


 「ふふふ よし、よく言った・・・」
 男がそう言ったところで画面が一旦途切れ暗くなった。


 しかし ビデオは私の心の落ち着きに時間を与える事無く、直ぐに新しい場面となって始まった。
 同じホテルの部屋であろう。
 今度はかおりがベットの上に全裸のまま立っていた。


 しばらく困った表情をしていたかおりが顔を振り、そこにいる“K”の指令を感じ取ったのか、軽く唇を噛むと頷いた。
 かおりは足幅を肩より大きく開いた所まで広げ、足首を外側に向けると腰を落としながら膝を外に張り出した。
 四股を踏むような、あるいは馬にでも跨るような格好になったところで足裏で地面を噛み締めた。
 そして両手を首の後ろに持っていくと、そこでうなじを掻き上げ、軽く顎を上に向けた。


 「もう少し 胸を張れ・・」
 「あ ああ はい・・」
 目を軽く閉じ薄目を開けながら、かおりは小さな声で返事をした。


 カメラはその張り出された二つの乳房を捉え、そしてゆっくり背中の方へ回り始めた。
 かおりの姿を横から映し出した時に、二つの膨らみの大きさを私は改めて感じとった。
 カメラは背中にたどり着くと、アングルを足元からに変え、股下から尻を見上げるように捉えた。
 腰に力を入れ地面を踏ん張っているのだろう、胸にも負けない巨尻が引き締まって見え、その間から生い茂って見える陰毛との絡みが新鮮なエロスの味を出している。
 いつの間にか私の股間が硬くなり始めていた。


 その時 “カシャ カシャ カシャ”と電子音が響き、光が瞬(まばた)いた。
 「あ あ ああ」


 部屋の中には、この声の持主以外にビデオを撮る人間とカメラを構える者がいるのだろうか。
 シャッター音にも感じたのだろうか、かおりの口からビデオの中で初めての官能の声が上がった。
 私はその妻の声を聞きながら、知らずの内に股間に手をあてた。


 「ふふ さあ かおり、これはプロモーション用のビデオだ。お前がどんな女か皆さんに教えてあげなさい」
 私は男のその言葉に生唾を飲み込んだ。


 「はああ・・・ああ・・わ わたくし・・近藤かおりは・・・ああ い 厭らしい事が・・大好きな・・い 淫乱女です・・ああ・・」
 「くくく ・・さあ 続けろ・・」
 (・・・・・・・・・・)


 「ああ・・かおりの自慢はこのおっぱいです・・・は 恥ずかしい・・・・・ああ・・・パイ擦りとか・・・・させて頂きたいです・・・ああ ああ・・」


 「ふふ お前の性感帯はどこだっけ・・」
 「はああん ・・・せ 性感帯は・・ク クリと ・・・ア アナル・・です・・」


 (ああ かおり・・なんで・・なんで・・)


 「よし、じゃあ その性感帯を見せてもらおうか・・」
 男のその言葉にかおりは足を拡げた中腰の姿勢のまま、首の後ろで組んでいた両手を前から股間の辺りへ持ってきた。
 そこで比較的薄い陰毛を掻き分け、腰を突き出すようにその部分を拡げ始めた。
 

 私の目の中に妻の陰部が飛び込んできた。
 まるで男が立小便をするような格好を恥ずかしげに披露している。


 「・・もっと拡げろ・・もっとだ。・・・」
 「ああ  はい・・ああ・・いやん・・・ああ・・」
 かおりは鼻の穴を膨らませ、両手を左右にグッと拡げ出した。
 そこには私の記憶通りの小指の第一関節くらいの大きなクリトリスが顔を現した。


 (あああ かおり・・厭らしい・・なんて厭らしいんだ・・)
 妻の浮気、不倫、あるいは愛人との戯(たわむ)れ・・・・そんな証拠となるであろうビデオを目の辺りにしながらも私の股間は素直に反応してしまっていた。
 妻はまるで立ったまま擬似セックスでもしているのだろうか、知らずの内に腰を前後に振り出していた。


 「ふふふ よし次だ」
 男の指令の声が聞こえてきた。

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