小説本文



かおりの痴態をビデオで見ながら興奮の局地の一歩手前をさ迷う私と、かおりの痴態を目の前で見届けながらも悪魔のような落ち着きを見せる男。
 その男が憎らしい程、落ち着いた声で言葉を吐いた。


 「ふふ かおり、まだ逝くんじゃないぞ・・・」
 その声に目を瞑(つむ)り腰を振りながらも、かおりは絶えていた。


 「かおり、お前の一番好きな体位は何だっけ・・・」
 「あ あ あ かおりの・・・かおりの一番好きな・・体位は・・ああ ああ バ バック・・です」
 逝く寸前のかおりが切れ切れの声を絞り出していた。


 「ふふふ そうだったな、じゃあ 最後にお前の一番好きな格好で逝かせてやるか・・」
 男の声がそう言ったところで又 画面が暗くなった。
 

 再び画面が現れると、部屋の壁に鏡が立て掛けられ、そこから先程のディルドが吸盤で垂直にくっ付いていた。
 かおりがディルドの前で四つんばいになったかと思うと股下から手をまわし、そのディルドの根元を掴むと己の膣穴へ迎え入れようとした。


 「ふふ かおり、今日はアナルは使うな。・・・今日はマンコの穴だけだ。・・・わかったな・・」
 「はああ い・・わかりました・・・かおりは今日はアナルは使いません、マンコに入れます・・あああ」
 男の言葉にオウム返しのように答えた自分の言葉にも感じてしまったのだろうか、トロ~ンとした表情でかおりは再びディルドを咥え込んだ。
 そしてディルドが膣穴に姿が消えたかと思うと、一気に腰が揺れ始めた。


 カメラは正面から妻の表情を映し、次に尻を真上から移し、そして横から乳房の揺れを映し、私はその揺れに併せるようにイスに座ったまま両足の腿(もも)と腿を擦り合わせていた。
 妻の口から長い舌が現れ、まるでそこに愛(いと)しいペニスがあるかの様に空中を舐め回している。
 私はいつしかあの夜のかおりのフェラチオを思い出し、頭の中で妻の口に自分ものを咥えさせていた。


 妻の喘(あえ)ぎ声が又一つオクターブを上げ、身体が痙攣を起こし始めた。
 「ああああ あああ ご ご主人様・・・ も もう逝きそうです・・ああ ああ お願いです・・ああ ああ い 逝っても いいですか・・お願い・・です・・」


 「くくく まだだ、・・・まだもう少し我慢しろ・・・」
 「ああ~ん そ そんな・・ああ もう我慢できません・・ああ ああ」


 「まだだ それ位も我慢できないのか・・」
 「ああ~ ああ~へ 変になりますぅ・・・あ 頭が・・へ へんに・・・ああ ああ・・」

 「お前はどうしようもないメス豚だな・・んん そうだろ、この変態メス豚女が・・」
 「ああ~そうです・・かおりは メス豚ですぅー ・・へ 変態メス豚女です・・・ああ ああ逝かせて下さいぃ・・・・ああ ああ・・」


 「くくく 分かってる・・お前がメス豚なのは分かってる・・・他にお前は何なんだ・・んん」
 「ああん ああん ああ か かおりは ど 奴隷です・・ご ご主人様の ど 奴隷ですー ああああ」


 「ふふふ そうかお前は奴隷なのか・・・じゃあ 何でも俺の言う事は聞くんだな・・」
 「ああ ああ 聞きます 聞きます 聞きますから ああ ああお願いです ああ 逝かせて下さい・・お願いいです・・」


 「さあ どうしようかな・・」
 「ああ~ ああ~ ご主人様~ お お願いです~ ああ ああ 狂っちゃいますぅ・・・」

 「ふふ・・・よし じゃあ 逝けー」
 「あああああああ あああああ い 逝く 逝く 逝く 逝くぅ~ 逝っちゃいますぅ・・・・・・・・・あああああ・・・」


 かおりは絶叫とともに雷に打たれたかのようにガクンと身体が海老反り、白目を向いたかと思うとそのまま床に崩れ落ちた。
 カメラがその様子を確実に捉えたところで、画面はゆっくり暗くなっていった。


 私はしばらくイスに座ったまま動く事ができなかった。
 画面はすでにビデオが終了した事を表していたが、私の心はそのビデオに打ちのめされていた。
 私の頭の中の思考が動き始めるまでそれからどれ位掛かっただろうか、パンツの中に違和感を感じながら、私はようやくイスから立ち上がった。


 洗面所に行き顔を洗うと、目の前の鏡の中に死人のような顔があった。
 (へっ へへ)
 (・・ひどい顔だ・・・)


 部屋に戻った私は、なんとか自分を落ち着かせよと震える指でタバコに火をつけた。
 一人で覗いていたネットの陰湿な世界・・“私の妻に限って”・・・まさに今それが私の身に降りかかっていた。
 自宅に戻った時に聞いた友人、知人の証言・・・それと私自身が感じた妻への“疑惑”・・・それらが送りつけられてきた画像や今見たビデオへ繋(つな)がって来るのか。


 (でも・・なぜ画像やビデオを私に送りつけてくるんだ?・・・普通は隠し通そうとするのではないか・・・)
 時間の経過と共に落ち着きを取り戻してきた私は、そんな事を考えながらタバコの煙を吐き出した。
 確かに天地がひっくり返るようなショックを受けたが、どこかで冷静な自分がいる事にも気が付いた。
 それはどこかで、ビデオの中の妻はあのコラ画像のように“偽者” と言う考えが残っていたのかもしれない・・・いや 私の防衛本能が無理にそう考えようとしていたのかもしれない


 吐き出されたタバコの煙を見ながら、“そう言えば自宅じゃタバコはいつもベランダだったな”・・・私の頭に場違いな考えがよぎった。
 その時 頭の中に我が家の姿と子供達の顔が浮かんできた。
 (そうだ 何とかしなければ・・・・)


 とにかく妻に会わなければ・・・かおりに会わなければ・・・。
 会って真実をかおりの口から聞くまでは信用してたまるか・・・・。
 私の心の中にそんな考えが広がり始めていた。


 (そして・・・“K” かおりがビデオの中で“ご主人様”と呼んだ男・・・・あいつは誰なんだ)

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