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 清美は素っ裸で四つん這い。おまけに臀を拡げて男に服従の姿を示していた。
 この狭いクローゼットの中から小さな穴を覗く私は、妻と元彼…二人の世界に焦燥感を覚えている。しかしそこには、哀しいかな確かな興奮があるのだった。


 「ふふっ、どうした、尻(ケツ)が震えてるぞ。アソコから液が溢れ出てるんだろ。さあ確かめてみろ」
 あぁ…又も嘆きの声を落として、清美が眉間に皺を寄せる。そして彼女の右手が股間へと向かった。
 「どうなんだ」
 相変わらずの落ち着き払った男の声が、私にまで染み渡って来る。私自身のアレからも我慢汁が滲み出る。
 「どうなんだ!」
 「あぁ、濡れてます…アタシのアソコ…はい…」
 「そうだろう、お前のソコは汲めども尽きぬ泉だ。汲めば汲むほど滾々と湧き出す無限の鉱脈なんだよ」
 清美が鳴きの表情のままに、頭を落とす。
 「よし、こっち来い。四つん這いのまま、這って来るんだ」
 怖々と頷き、清美は言われるまま四つ足で振り向くと、尻を私の方に向けて男の元へと寄って行った。
 そして、両手両膝を付いたままで顎を上げる。清美が見上げるのは、立ち上がって待ち構える初老の男。
 男がガウンの結び目を解いて、前を開げた。ガウンの中は、パンツ一枚の裸身。その格好で清美を見下ろす。清美の目の前には、何十年ぶりかの胯間の膨らみがある。


 「ふふふ、懐かしいだろ。さあ、次は分かっているな」
 「………」
 「ほら、ご挨拶からだろ」
 「あぁ…」
 その嘆きの意味は何なのだ。記憶の奥から何かが湧き立って来るのか。
 白い背中が震えている。豊満な臀部は、蠢いて観える。
 私は次に清美が吐き出す言葉が、怖くて仕方ない。


 そしてーー。
 「…おチンポを、しゃぶり、ます…」
 あーーッ、私の口から、声にならない叫びが上がった。妻は、清美は、淫語4文字に続いて『おチンポ』男性器の呼称を口にしたのだ。これが思春期の清美の正体。私の知らなかった妻がいる。
 驚愕に震える私の視線の先で、清美が目の前のパンツに手を掛けた。
 私の身体は、金縛りにあったように動かない。しかし又もや、下腹から股間の辺りに、ゾワゾワと波が寄せて来た。
 悠然と立つ男がやけに大きく観えて、主従の関係がこちらにも伸し掛かって来る。
 いそいそと清美の手が動き、男のパンツが下ろされた…その瞬間、跳ね上がるソレが見えた。
 何十年ぶりかに目の辺りにする生身の象徴に、清美は何を想うのか。頭の中は、一気にあの頃に戻ってしまうのか。
 「さあ、鼻を近づけろ。匂いを嗅げ」
 鋭い言葉は、私にも突き刺さる。
 清美の手が伸びて、男の象徴を握った、かに観えて、唇が…。
 「うぶっ…ううう」
 甘く鼻に掛かった清美の声。あぁ、間違いなく口に含んだ音は、ネットの寝取られ動画にあったものと同じ音…。


 私の目が更に見開かれる。
 フェラチオーーそれは女が男に示す性愛の行為だ。
 清美は薄目を開けて主を見上げ、そしてお仕えするかのように、その肉棒の匂いを体内に迎え入れるのだ。
 袋に吸い付く音が聞こえてきた。
 竿に唇を這わす音がする。
 そして全体を舐る音。
 そんな清美の口元がハッキリと見える。こちらに気付く筈がないのに、男は清美の横顔が見やすいようにと、角度が調整された気がするのだ。
 頭の中に、又も男からの手紙の一場面が浮かんで来た。高校生の清美が男のモノを咥える姿。あぁ、あの頃、犯されたはずの清美の唇は、やがては目の前のこんな風なシャブリを…。
 私は自分の妻の舌が、こんなに長い事を知らなかった。私は、妻がこんな風に鼻を鳴らすのを始めて聞いた気がする。
 そして清美は、いつの間にかウンチングスタイルだ。豊満な尻を曝し、奉仕に取り込まれている。その格好も姿も、全てが一度も私に見せた事のないものなのだ。


 「かなり気持ちの入ったオシャブリじゃないか。欲求不満は満更でもなかったようだな」
 男の問い掛けにも、清美はモゴモゴ口元を動かしながら頷くだけ。
 「昔のお前も、そういう風に下品に股座を拡げて、コイツをシャブったものだ。どうだ濡れ具合は?お前はシャブってマンコを濡らす変態女だったよな」
 「恥ずかしい…」男の物から一旦唇を外し、清美が恨めしそうな目を向ける。
 「さあ、どうなってるか確かめてみろ。シャブりながらだ」
 清美の手が、自身の股座へと向かう。
 「どうだね」
 「あぁっ、濡れてます…さっきよりも凄く…」
 「ふふっそうか。ところで久し振りの私のコレはどうだ。旦那と比べてシャブりがいはあるかね」
 放たれる男の一言一言が、鋭利な刃物となって私に向かって来る。しかし私のアソコは、先程から硬くなってしまっている。
 「しゅ、主人のは…何年も…ませんわ」
 清美のその声質が、より一層私の胸を締め付ける。
 「そうか、そんな気がしていたよ。お前のそのシャブり具合を見ればな」
 「あぁぁ…」
 嘆きの響きを残し、清美の顔が落ちた。そんな彼女の姿を、男は見下ろす。天を向いた胯間のソレは、無言の説得を続けているように観えてしまう。


 「質問を変えるが」男が自身の肉棒を握って、清美の頬を叩く。「旦那以外の男とはどうなんだ」
 「………」
 私はグッと唇を噛み締め、前を見詰める。
 「他の男の人…ありま、せんわ」
 「そうだよな、清美は基本的に浮気出来る女じゃない。お前は浮気でなくて本気になるタイプだからな」
 ああッと、声にならない声が私…そして清美からも上がった。
 「婚姻生活はそれなりのキャリアだが、性生活はあまり満足がいってなかったわけだ」
 私の胸の痛みは更に広がり、硬くなっていたアレが萎んで行く気がする。
 「だからと言って、ここで直ぐに抱いて貰えると思うなよ」
 「ああッッ」
 今度はハッキリとした声が、清美の口から上がった。それこそ、それは嘆きの声ではないか。
 先日の夜、一人で自分を慰めていた妻。
 勃たなかった夫。
 元彼と再会して、過去の醜聞にさえ、情欲を湧かせてしまった妻清美。
 清美には突拍子のない刺激が必要なのだろうか。そして男は既に、その事にも気付いているのか?
 私はどこか怨めしい気持ちを自覚した。これは妙な気持ちでもある。何かが確実に蠢いている。


 「一つ面白い話をしようか…」
 一瞬の間を、男が清美、そして私に与える。
 「…男がこの世で一番興奮するのは、何か分かるかい?」
 「………」
 「それはな、自分の女房が他の男とやってるのを覗く事なんだ。しかも相手が私のような悪党の匂いがする奴なら尚更なんだよ」
 「………」
 「分かるかな。これは思春期の頃には出来ない、婚姻生活をおくった者にしか分からない快感であり興奮だ」
 「………」
 「とは言え、ここにお前の旦那はいない。だがな、何処かで私達の様子を視ているところは想像出来るわけだ」
 「………」
 「そして清美、お前だ。お前は昔の男に身体と心を許して、快楽を得る事の出来る女。妻として母親として、道徳心と戦いながらも男に全てを赦す女。さぁ私の云ってる意味が分かるだろ」
 「あぁ…そんな事って…」
 「そうなんだよ。お前は旦那に覗かれてると思って宣言をするのだ。そうすれば、新しい快楽に酔う事が出来るぞ。さあ、今のお前の本心を旦那に聞かせてやれ!」
 男の声は、確実に清美に選択を迫っていた。