小説本文




 自宅の最寄り駅近くの居酒屋。
 私は妻:清美の『元彼』からの手紙を捲り、文字を追った。


 【私達が関係を持つ場所は殆どが私の部屋で、たまに例の淫靡なラブホテルを使っていました。本当はいつもその手のホテルを使いたかったのですが、金銭面の事もありましたのでね。
 それと、私には清美さんと初めて肌を合わせた時から、密かに気になっていた事があります。彼女は間違いなくマゾですよね?】
 その一言を読んだ瞬間、まさか!と私は声を上げた。マゾだなんて、今まで一度も思った事がない。
 一瞬唖然とした私だったが、思い直して続きを読む事にする。


 【彼女の中にマゾの血が流れている事は、2度目の時には確信に変わっていました。
 場所は先ほど書いた私の部屋。
 制服姿で私の前に立った彼女は震えていました。
 なぜ制服だったのか、今になって思うと休日だけども学校行事があると言って、家を出て来たんでしょうね。
 当然、彼女はここに来ると何をされるか、覚悟していた筈です。そうです、もう一度抱かれると意識していた事でしょう。
 値踏みするような私の眼差しで、彼女は泣き笑いの表情になっていました。沈黙の間は彼女の気持ちを圧迫し、一層の事、力付くで迫って欲しいと思ったかもしれませんね。
 私はそんな彼女の心の内を嗅いで、強引に腕を掴むとベッドに組み伏せました。
 ベッドで仰向けにした彼女に馬乗りになり、私は朱い唇を奪いました。そして汚い液を口中に流し込みました。
 当然、彼女は暴れました。
 しかし私は胸を鷲掴んでやり、そして胸元のボタンを引き千切ってやりました。次はスカートです。
 彼女の上下の下着は、当時の女子高生が着ける物としては普通の物だったと思います。因みに、その後私は、通販で卑猥な下着を購入して、彼女にソレを身に着けるように指示します。】
 頭の中に、扇情的で妖しげなランジェリーを身に着けた妻の肢体を想像してしまう。


 【下着だけになった彼女は、直ぐに私の手によって全裸になりました。
 明るい所で改めて彼女の身体を見ると、私は感動を覚えましたよ。例の女店主とは違って、瑞々しさが溢れて観えるのです。
 あの時の清美さんの肌は陶器のようでした。滑らかでいて硬質な質感をした芸術作品のような身体だったのです。
 そして肉体の特徴を表現するなら、トランジスターグラマーというやつです。出ているところは出ていて、引っ込んでいるところは引っ込んでる凹凸が見事な身体です。彼女はその肢体を憎い筈の私の前に再び晒したのです。】
 トランジスターグラマーという言葉は、最近の私も頭に浮かべた事があった。


 【ところで、清美さんの下の毛は剛毛ですよね。】
 私は又も呻き声を上げた。
 剛毛、言われてみれば確かにそうだ。もう何年も拝んでいないが、間違いない。


 【黒々とした股間と、桜色の乳輪。アンバランスな色調に、私は更なる興奮を覚えました。
 気づけば彼女の乳房にむしゃぶり付いていましたよ。
 そして次は股座を拡げてやりました。
 彼女は顔を真っ赤に目尻から涙を流しましたが、私も抑えが効きませんでした。
 アソコの味は、何とも言えないものでした。剛毛を掻き分けソコをシャブリ、彼女は拒絶の声を吐きましたが、やがてその中に歓喜の予兆が含まれるようになりました。
 躊躇も哀願も、抑制も無視して、一方的に暴力的な行為を遂行したわけですが、結果的に彼女の意識は素直に快楽へと向かってくれたのです。そうです、いつの間にか女特有の鳴きの声を上げていたのです。
 私は次第に自分の頬が嬉しさで歪んでいくのが分かりました。そして彼女に、タップリと私の味を刷り込んでやったのです。】
 頭の中で描く、妻の歓喜の顔はいつのものだろうか。記憶を探ろうとするが、それは現実的に重ならない。長く彼女を一人の女として、抱いていなかったからだろうか。


 【私の股間の物も異様な膨らみをみせていました。女店主に鍛えられた私ですから自信もありました。
 そしてソレを彼女の膣穴に突き刺しました。
 その時の清美さんの声は今でもよく覚えています。2度目の経験、しかもレイプまがい。それでも彼女の声には、甘く痛痒い響きがあったのです。
 私は夢中になり、抜き差しを繰り返しながら、首筋に吸い付き、桜色の突起をシャブリ、クリトリスを弄り、性の手管を存分に発揮しました。
 結局、その日の私は4、5回は果て、清美さんはそれに応えるように充分な快楽を得たのです。】
 そこまで読んだところで、私はどっと疲れを感じた。まるでこの男の射精感が私に乗り移ったようだ。
 手紙の厚みは、まだまだある。
 私は次へと便箋を捲った。


 【この日、彼女は帰る頃には少し落ち着きを取り戻しましたが、気持ちは沈んでいましたね。2回目となるセックスでも、まだ痛みはあったのでしょうが、それを上回る快楽に飲み込まれて我を忘れていたのが、やっと帰る時になって自分の変貌に不安を覚えたのだと思います。
 そんな彼女の様子を察しても、私は悪者ぶりました。貴女の恥ずかしい映像は、私の手の内にあるのだと。だからこれからも、呼び出しに応じるのだと。
 その後の清美さんは、映像の存在に怯えて私に従い続けました。そして、私達の関係は深みを増していくわけです。
 私は彼女に、私に対する奉仕も強制するようにしました。
 分かりますよね。次に呼び出した時に、フェラチオ行為や肛門舐めを彼女に命令したのです。】
 生々しい言葉の羅列に、私は息を飲んで言葉を失ってしまった。
 そして頭に浮かぶのは、妻の横顔だ。そう、彼女とセックスしていた頃、私の物を咥えてくれた愛らしい唇の動きだ。
 それが肛門を舐めていただと!?
 私は後ろの排泄器官を、妻に舐めてもらった事など一度もない。こちらから求めた事もない。
 それにしたって、あの清美が高校生の時に男の肛門を…。いや、この男の書いてる事は事実に基づいているのか。
 私は意識して大きな深呼吸をした。気づけば私の愚息が大きくなっているではないか。


 【清美さんという従順な愛奴を得て、肛門舐め以外にも、私は溜め込んでいた妄想を次から次へと実行しました。
 平日の夜に学校に呼び付け忍び込み、体育倉庫のマットの上に四つん這いにして、挿入した事もありました。
 ご主人は清美さんとはどんな形の交わりが多かったのですかね。私達はバック、いわゆる犬の格好が多かったと思いますます。それは何故か。マゾ女にはその姿がお似合いだったんでしょうね。
 清美さんの性癖に気づいた私は、彼女を辱め、羞恥に追い込む事を意識したものです。
 野外に呼び出したのもそれの一つで、彼女は困ったような、それでいて諦めの表情を浮かべながらも私に応えてくれましたよ。
 立ちバックもよくやりましたね。大型スーパーの屋上でやった時は、人に見られそうになって慌てたものです。】
 いつの間にか、手紙を掴む私の指にも力が入っていた。
 目は見開いたままで、指先の震えが身体中に伝染していく。それでも何とか、呼吸を整えた私はビールの残りを一気呑みした。
 そして一息吐くと、ビールのお代わりを注文する事にした。