小説本文



傍観者として私は、目の前の裸の男女を見つめていた。
 人生の酸いも甘いも一通り経験した良い歳の男と女達だ。
 その男女が己の心を開放して、欲望の限りを尽くそうとしている。
 そしてその中の一人は私の妻なのだ。


 「それでは男性の皆さんに女を味わっていただきましょうか・・・これからしばらくフリーセックスタイムです。先程も言いましたが相手の膣へは全て生で挿入して中に出してください。3P 4Pはその場の雰囲気をよんで行ってください。それと女性のアナルへの挿入だけはNGとさせていただきます。 ・・・・・ではどうぞ」
 森川が言い終わると裸の男達が女性に群がった。
 先程とは違う音楽が流れ、照明の明るさも少し落とされた。


 目の前で男と女の淫らな“宴(えん)”が始まった。
 それは等身大のアダルトビデオか?
 いや違う。
 監督も、ADも、照明係もいないのだ。
 そして何よりそこに妻のまゆみがいるのだ。
 仮面を着けているとは言え、あの胸の膨らみ、その大きな尻の女性は間違いなく妻のまゆみなのだ。


 目の前では早くもまゆみが正常位で突かれている。
 生まれて初めて見る妻と他人の性行為。
 言葉を失い、放心状態の私の直ぐ目の前、ミラーの向こうで大きく開いた股の間で男が腰を振っているのだ。
 男の大きな背中と汚い尻がよく見える。
 初めて会った名前も知らない男の性欲をまゆみのアソコが受け止めているのだ。
 私の位置からはまゆみの仮面は見えないが、女達の叫びの中から聞き覚えのある声が届いてくる。


 (ま まゆみ・・・・・)
 心の中で妻の名前の3文字を何度も何度も繰り返した。
 私はただ見つめるだけだった。


 7人の男達は取替え引っ替え奥様達を陵辱していく。
 一人の男がまゆみを犬の格好で征服してフィニッシュを決めた。


 一人の男は膝立ちのまゆみの顔を鏡に向け、口の中に欲汁を吐き出した。
 まゆみは鏡を見ながら精飲をしたはずだ。


 次ぎの男は、まゆみを騎乗位で弄(もてあそ)んだ。
 男に跨(またが)り腰を振るまゆみに、別の男が隠語を命じた。


 「ああ・・・ま まゆみの淫乱マンコに・・今 チンポが入ってます・・・・」
 「き 気持ちいいです・・ま まゆみは・・チンポが大好きな・・へ変態女で・・す・・」
 「ああ・・もっと・・もっと・・突いて下さい‥・変態女のまゆみを・・もっと・・汚してください・・あああ・・・」


 私の脳みそからも淫汁が滲(にじ)み出し、それが血管に入り込み身体中に周って行く様だった。
 これが私の望んだ事なのか。
 何かに征服されながらも、少しだけ ・・ ほんの少しだけ冷静な私がいる。
 それはまゆみが仮面を着けているからだ・・・。


 目の前で男女の交わりが時間を進め、私は数々の痴態に言葉を失っていた。
 やがて欲求を放出し終えた男達が、思い思いにソファーに腰を降ろしていく。
 広間の隅ではうつ伏せのまま、痙攣している女がいる。
 又 男にもたれ掛かりながら大きく肩で息をする女もいる。


 広間の中央では残った男と女がまだ腰を振っている。
 見守る男女にその繋(つな)がりを見せ付けるように、尻を高く上げた女の膣に男の長い物が出し入れされる様がくっきり見えている。


 (ま まゆみ・・・・)
 88cmのバストよりわずかに小さい87cmのヒップ ・・・ 薄い陰毛が怪しげな汁でベトベトに光る様子までがしっかり見えるのだ。


 「奥さんよお。。どうやら俺達2人だけだぜ」
 「あああ・・・恥かしいぃぃ・・・」


 「恥かしい?・・・バカヤロウ この変態娼婦が・・・・・逝かしてやるから逝きそうになったら誰の何処に何をどうして欲しいか言いな、わかった?」
 男の出し入れがそう言って一層激しさを増した。
 パコンパコンと言う音がこちら側まで聞え、まゆみの尻の揺れが伝わってきた。
 その揺れに併せて、私の魂も揺れていた。


 「へへ どうだい奥さん」
 「ああーーーーいいーーーー下さいぃーーーーああ・・い 逝く 逝く 逝くぅーーーまゆみの中に・・いっぱい・・出して・・・下さいぃーーーー」


 それはまゆみの声に間違いなかった。
 私からはまゆみの表情(かお)は見えないが、それは間違いなくまゆみの“あの時”の声だった。


 私の腿と腿が痙攣するように震えている。
 ズボンの上から薄っすらシミが滲み出ている。
 射精をしたわけではないが、我慢汁が溢れ出していたのだ。


 『~その方が人生で最高の射精を味わえると思います・・・・』
 そう言っていた綾の屈託の無い笑顔が浮んできた。
 これが綾の言った“贈り物”なのか。
 それとも今まで綾を弄(もてあそ)んだ仕打ちなのか?
 目の前ではやっと一つの静寂が訪れようとしていた・・・・・・。


 男の放出の後も一人中央で尻を高く上げたまま、固まったように動かないまゆみがいる。
 その穴からは男が出したばかりの白い欲汁が、ゆっくり流れ出している。
 まゆみはゆっくり身体を動かすと、フラフラよろめきながら左端の方へと歩いて行った。


 4人の奥様の姿がその部屋から見えなくなった後は、男達が今の様子を品評しあっている。
 「まゆみのマンコに入れたらもう中はドロドロだったよ」
 「恵子は。。。。。。。」
 「美穂は。。。。。。。」
 「和美は。。。。。。。」


 「一番溜まっていたのは、まゆみかな? 美穂かな?」
 「いや恵子もなかなかだよ。。。。。。。」
 「いや和美だって。。。。。。。。」


 「次は仮面を外すんだよな」
 「ああそうだ。奥様方の素顔を見たら、又違う女に見えてくるから、俺のココも又元気になるだろう」
 「ははは。。。でも全員の奥様が素顔を晒すわけじゃないんだよね」
 「うんそうなんだよ。これで帰る女もいるらしいよ」
 そう言って男の一人がチラッと森川の方を見た。
 そこにはポーカーフェイスの男がいる。


 『全員・・・素顔・・・晒す・・・帰る?』 ・・・ 私の頭の中で男達の吐いた言葉が回っていた。