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第29話
画面の中、僅(わず)かな沈黙の後 綾が再び喋り始めた。
『うふふ ・・・ ゆじさん、それでここからがこのビデオレターの本題です』
「・・・・・・・・・・・・・」
『私はゆうじさんの“心と気持ち”を奪おうとして奪えませんでした。そして奥様の“心と気持ち”を奪おうと考えるようになりました・・・・』
(・・・・・・・・・・・・・・)
『今の私の話、そしてこの数日間の奥様の態度を見て、ゆうじさんは奥様の気持ちは今どこにあると思いますか?自分に残っていると思いますか?それともあのビデオや今の話の中の様子から私にあると思いますか?』
(うっ・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・)
『さて ・・・ 私の最後の“贈り物”は奥様です』
(ウッ!)
『ゆうじさん好みに作り変えた奥様です』
(・・・・・・・・・・)
『近いうちにゆうじさんに招待状を送ります』
(しょ 招待状?)
『ゆうじさんは結局、まゆみさんの痴態を生で一度も見ていませんよね。・・・・・一度その様子を生で見れるように招待いたします・・・・生まれ変わったまゆみさんを見てあげてください。いえ 昔からの欲望を素直に曝(さら)け出せるようになった奥さまです』
(ウッ・・・・・・)
『会場は都内の某マンションの一室です。そこで夢にまで見た、まゆみさんのあられもない姿を見る事が出来ます。・・・・・自分の気持ちに正直になって見て下さい。・・・・・本当に自分が望んでいた事が何なのか?』
(グッ・・・・・)
『それとその招待状が届くまで、まゆみさんとどう接してもかまいません。私の話しや、ビデオの事を問い詰めてもかまいませんよ。ただし、その結果がどうなるかは責任を負いかねますが・・・』
(・・・・・・・・・・)
『それとそれまでは、今まで通りSEXとオナニーも禁止です・・・・。その方が人生で最高の射精を味わう事が出来ると思いますよ・・・えへ』
(な・・・・・・・)
『それとね・・・・』
綾の声がいきなりかしこまった。
(・・・・・・・・・・)
『ゆうじさん ・・・ それと最後に言っておかないといけない事があります』
(なっ・・・ど どうしたんだよ・・・・)
『・・・・“あの方”の事です・・・・』
(“ゴクリ”・・・・・)
『“その人”は40代後半の方で普段はごく普通に仕事をして、普通に暮らしている方です。ただ趣味の延長でエッチな小説を書いたり、先程言った女性の為に色んな“宴”(えん)を開いたりしています。そして“その世界”にとても精通している方です』
(・・・・・・・・・・・・・・・)
『それで、私が“その人”と知り合ったのは、実はゆうじさんが“きっかけ”なんです』
「なっ! 何だって」
『ゆうじさんと“関係”が出来てしばらくして、ゆうじさんから“例の小説”の話を聞いた時でした・・・・ゆうじさんが寝取られサイトで募集した小説 ・・・ 《奥様を題材にした小説》 ・・・ それに執筆を申し出た“人”・・・・・』
(・・・・・・・・・・・・)
『ゆうじさんにその小説を読ませてもらった時、私 ・・ こっそり“その人”のメールアドレスを写したんです』
(なっ!)
『それである時、その人にメールを送ったんです。・・・・・《私はゆうじさんの愛人です》って・・・・』
(うっ うそだろ・・・・・・)
『その人は凄く驚いていました。それで実在のゆうじさんの性癖や私の性癖の事を話し、色々相談にも乗ってもらいました。ゆうじさんがどう言う事をすれば喜ぶかなども相談しました』
(まっ まさか・・・・)
『“その人”は、ゆうじさんが本当は現実の世界でも奥様の痴態を見て悦(よろこ)びたがってる事を見抜いていました』
(あ・・ああ・・・あああ・・・・・・・・・)
『そしてその人からアドバイスをもらいながら、まゆみさんにレズ・・娼婦館を勧め・・そして“その人”自ら主催する“宴(えん)”への参加を決めたのです』
(な・・・そんな事が・・・・・)
『“その人”は『絶対無理強いはしちゃいけないよ』と言ってましたが、『時には強引に背中を押す事も必要だ』と言ってました。・・・・そしてまゆみさんの性癖も直ぐに見抜きました』
(ば ばかな・・・・・・)
『“その人”は、ゆうじさんが実際に生の現場で奥様の様子を見たら、必ず××(ピーーーーー)××・・・・だろうと・・・・』
(な!)
綾の言葉が突然“ピー音”で、かき消された・・・・・。
『・・・と言ってました。・・・・・その人は私に “武(たけし)”・・と名乗っていました・・・・ゆうじさん 間違いありませんよね・・・・・私が言った“あの方” “あの人”は、ゆうじさんが言ってた“ある人” ・・・ 武さんです』
(・・・・・・・・・・・・・・・)
綾のその言葉の後は沈黙が続いた。
イスに腰を掛けながら長々と話し続けていた綾は、ゆっくり立ち上がるとカメラに近づき、そしてガタガタと言う音が聞こえ画面が暗くなった。
私は黙ったまま、ただボーっと暗くなった画面を眺めていた・・・・・。
『うふふ ・・・ ゆじさん、それでここからがこのビデオレターの本題です』
「・・・・・・・・・・・・・」
『私はゆうじさんの“心と気持ち”を奪おうとして奪えませんでした。そして奥様の“心と気持ち”を奪おうと考えるようになりました・・・・』
(・・・・・・・・・・・・・・)
『今の私の話、そしてこの数日間の奥様の態度を見て、ゆうじさんは奥様の気持ちは今どこにあると思いますか?自分に残っていると思いますか?それともあのビデオや今の話の中の様子から私にあると思いますか?』
(うっ・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・)
『さて ・・・ 私の最後の“贈り物”は奥様です』
(ウッ!)
『ゆうじさん好みに作り変えた奥様です』
(・・・・・・・・・・)
『近いうちにゆうじさんに招待状を送ります』
(しょ 招待状?)
『ゆうじさんは結局、まゆみさんの痴態を生で一度も見ていませんよね。・・・・・一度その様子を生で見れるように招待いたします・・・・生まれ変わったまゆみさんを見てあげてください。いえ 昔からの欲望を素直に曝(さら)け出せるようになった奥さまです』
(ウッ・・・・・・)
『会場は都内の某マンションの一室です。そこで夢にまで見た、まゆみさんのあられもない姿を見る事が出来ます。・・・・・自分の気持ちに正直になって見て下さい。・・・・・本当に自分が望んでいた事が何なのか?』
(グッ・・・・・)
『それとその招待状が届くまで、まゆみさんとどう接してもかまいません。私の話しや、ビデオの事を問い詰めてもかまいませんよ。ただし、その結果がどうなるかは責任を負いかねますが・・・』
(・・・・・・・・・・)
『それとそれまでは、今まで通りSEXとオナニーも禁止です・・・・。その方が人生で最高の射精を味わう事が出来ると思いますよ・・・えへ』
(な・・・・・・・)
『それとね・・・・』
綾の声がいきなりかしこまった。
(・・・・・・・・・・)
『ゆうじさん ・・・ それと最後に言っておかないといけない事があります』
(なっ・・・ど どうしたんだよ・・・・)
『・・・・“あの方”の事です・・・・』
(“ゴクリ”・・・・・)
『“その人”は40代後半の方で普段はごく普通に仕事をして、普通に暮らしている方です。ただ趣味の延長でエッチな小説を書いたり、先程言った女性の為に色んな“宴”(えん)を開いたりしています。そして“その世界”にとても精通している方です』
(・・・・・・・・・・・・・・・)
『それで、私が“その人”と知り合ったのは、実はゆうじさんが“きっかけ”なんです』
「なっ! 何だって」
『ゆうじさんと“関係”が出来てしばらくして、ゆうじさんから“例の小説”の話を聞いた時でした・・・・ゆうじさんが寝取られサイトで募集した小説 ・・・ 《奥様を題材にした小説》 ・・・ それに執筆を申し出た“人”・・・・・』
(・・・・・・・・・・・・)
『ゆうじさんにその小説を読ませてもらった時、私 ・・ こっそり“その人”のメールアドレスを写したんです』
(なっ!)
『それである時、その人にメールを送ったんです。・・・・・《私はゆうじさんの愛人です》って・・・・』
(うっ うそだろ・・・・・・)
『その人は凄く驚いていました。それで実在のゆうじさんの性癖や私の性癖の事を話し、色々相談にも乗ってもらいました。ゆうじさんがどう言う事をすれば喜ぶかなども相談しました』
(まっ まさか・・・・)
『“その人”は、ゆうじさんが本当は現実の世界でも奥様の痴態を見て悦(よろこ)びたがってる事を見抜いていました』
(あ・・ああ・・・あああ・・・・・・・・・)
『そしてその人からアドバイスをもらいながら、まゆみさんにレズ・・娼婦館を勧め・・そして“その人”自ら主催する“宴(えん)”への参加を決めたのです』
(な・・・そんな事が・・・・・)
『“その人”は『絶対無理強いはしちゃいけないよ』と言ってましたが、『時には強引に背中を押す事も必要だ』と言ってました。・・・・そしてまゆみさんの性癖も直ぐに見抜きました』
(ば ばかな・・・・・・)
『“その人”は、ゆうじさんが実際に生の現場で奥様の様子を見たら、必ず××(ピーーーーー)××・・・・だろうと・・・・』
(な!)
綾の言葉が突然“ピー音”で、かき消された・・・・・。
『・・・と言ってました。・・・・・その人は私に “武(たけし)”・・と名乗っていました・・・・ゆうじさん 間違いありませんよね・・・・・私が言った“あの方” “あの人”は、ゆうじさんが言ってた“ある人” ・・・ 武さんです』
(・・・・・・・・・・・・・・・)
綾のその言葉の後は沈黙が続いた。
イスに腰を掛けながら長々と話し続けていた綾は、ゆっくり立ち上がるとカメラに近づき、そしてガタガタと言う音が聞こえ画面が暗くなった。
私は黙ったまま、ただボーっと暗くなった画面を眺めていた・・・・・。