小説本文



目の前に見える4人の女性達 ・・・ それはDVDの映像とは比べ物にならないほどの迫力だ。
 生身の人間がミラー越しとは言え、ほんの数メートル先にいるのだ。
 そしてその中の一人は、私が愛する妻のまゆみなのだ・・・・。
 一番左端の女性 ・・・ 妖しげな仮面を着けているとはいえ、その胸の大きさは4人の中で際立っている。
 まちがいなく妻のまゆみだ。


 4人の女性達は、静まり返る空間で黙ったままこちらを向いて立っている。
 彼女達の目には、大きな鏡に映る自分の姿が見えているはずだ。
 その姿を見て何を思うのか?
 その時だった。


 「では・・・私の方から4人の女性を紹介いたします。後ほど女性自らの自己紹介タイムもありますのでここでは簡単に致します・・・・」
 森川の落ち着いた声に緊張が走る。


 「では・・・まず皆さんから見て一番右にいる女性・・・・名前は恵子さん、歳は39歳、家族は御主人とお子様が一人、家ではセックスレスが長く、とても欲求不満との事です。 ・・・ 続いてその隣の女性・・・・名前は美穂さん、歳は45歳、家族は御主人とお子様が二人、良家のご夫人とよく言われるそうですが、本当はアブノーマルが大好きだそうです。 ・・・ 次にその隣の女性・・・・名前は和美さん、歳は42歳、家族は御主人とお子様が一人、人から気が強そうだと言われるそうですが、とてもMッ気があり苛められるのが大好きだそうです。 ・・・ そして最後に一番左端の女性・・・・」
 (あああ・・・ま まゆみ・・・・・・)


 「・・・名前はまゆみさん、歳は43歳、家族は御主人、お子様が二人、本日参加の中で一番新しく参加された方です。2年近くセックスレスで何年も前から卑猥な妄想を想像してはアソコを濡らしていたようです・・・本日一番の淫乱奥様かも知れません・・・・・・以上4人の方々の簡単な紹介です」
 (ああああ・・・・う うそだろ・・・・・)


 森川の紹介の後も沈黙が続いている。
 女性達は今の紹介の間も、微動だにせず真っ直ぐ前を向いたままだった。
 これから娼婦の如く“買われる身”である事を認識していたのか? 落ち着き払った態度が娼婦としての価値を高めると思っているのか? ・・・ これも武(かれ)の演出なのだろうが、見事に会場中に隠微な空気が張り巡らされている。


 「それでは・・・・」
 再び森川の落ち着いた声だ。


 「・・・それでは男性のみなさま、ガウンを脱いで裸になってください」
 (えっ!)


 「続いて女性の皆様もドレスを脱いで一糸も纏(まと)わない生まれたままの姿を見せて頂きます・・・・。本日も全裸での“肌あわせ”から始めたいと思います・・・。ではお脱ぎ下さい・・どうぞ」
 (は 肌あわせって?・・・・)


 森川の言葉に男共がガウンを脱ぎ去った。
 その下は森川が言った通り、何一つ身に付いていない裸ではないか。
 胸板の厚い男、異様に毛むくじゃらの男、醜い中年腹の男・・・でかいケツもあれば、汚いケツもある・・・本当にまゆみはこんな男達に・・・・。


 全ての男達が裸になったところで、女性が着ているドレスに手を掛けた。
 その素振りも洗練された姿ではないか、もったいぶる様に焦(じ)らす様に少しずつ肌を見せていく。
 これも又 武(たけし)の演出なのか、それとも武(かれ)が女を教育、いや洗脳したのか?
 やがて目の前に4つの裸が現われた。


 全て脂(あぶら)の乗った熟女の身体だ。
 程よく膨れた下腹、黒ずんだ乳首、そして身体全体が優しい曲線を描いている。
 若い女と比べると弾ける様な輝きこそ無いが、年輪を重ねた人妻だけが出せるオーラが溢れていた。
 そしてそれは一番左端の女性 ・・・ 妻のまゆみもそのオーラ、いや確かなエロスを放射している。


 「それでは男性の方々は女性の前にお進みください」
 森川の声に7人の男が横一列に女の前に並ぶ。
 顔と顔の距離は1mも無いだろう、まるでお見合いでもするかのように見つめあいながら全裸の男女が向かい合った。


 無言のままでお互いの裸を見つめあうのはどんな気分なのだろう、女達は仮面を着けているからこそ出来る行為なのか?
 瞬きさえ極力抑えているかのように、黙ったまま互いを見つめ合っている。
 男達の目には女の乳房、ヘソの下の翳りが、女達の目には男の素顔から胸、そして股間の男性器までが見えるのだ。


 「では移動して下さい」
 静寂を破る森川の声に、女達が黙ったまま移動した。
 女が一人一人とお見合いをするように位置を変えるのだ。


 私はしばらくその様子を眺めていた。
 まゆみは7人の男達に自分の身体を晒し何を思ったのか? どんな事を考えたのか?
 男達の目にまゆみの巨乳が目を惹(ひ)いたのは間違いないだろう。
 私の大好きなその胸の膨らみ・・・私の胸の方が苦しくなっている。
 そしてまゆみは男達の裸を見て何を感じたんだ?
 その男とのSEXを一瞬でも想像したのか?
 目の前の男の股間の物を見たはずだ。


 「では皆様・・・音楽を流します。二人一組になりしっかり抱き合い肌の温もりもから体臭を感じてください。そして口付けをして下さい・・・舌で粘膜の交換を行ってください。そして互いの性器をその手で確認してください。男性は相手の膣への指の挿入はNGです。男性の方が人数が多いですから適当にチェンジして下さい。女性一人に対して男性は二人でも結構です」
 森川がそう言ったところで部屋の照明を暗くした。
 そして部屋の隅のオーディオに手を掛けると、妖しいメロディーが流れ始めた。


 (あっ あああ・・・・・・・)
 まゆみが早くも男と口付けを始めたではないか。
 暑い胸に抱かれ激しく唇を吸われているのだ。
 仮面を着けているが間違いなくまゆみなのだ。
 大きな乳房を男の胸に押し付けるように身体を寄せ合い、抱きあっているのだ。
 互いの陰毛も相手の肌に触れているのだ。
 私の中に奇妙な高鳴りが湧き起こってきた。


 私の波打つ瞳の先で、男達が入れ替わりながらまゆみを抱いていく。
 まゆみの巨乳を揉み解す者。
 まゆみの尻を撫でる者。
 まゆみの薄い陰毛を掻き分ける者。
 自分の性器をまゆみに押し付ける者。


 あれが妻なのか?
 あれが妻なのだ。
 私はただただ見つめるしかない・・・・。

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