小説本文



清水に連れ出された私は、とある河川敷の土手の上のトイレらしき建物に向かって歩いておりました。“歩いて”と言いましても清水とその部下の男に挟まれ、殆ど拉致のような感じです。


 最後の階段を登りきった所で清水が振り返りました。
 「あっちを見てみろよ」
 清水が振り向いた方角には、バラックのような、段ボールの塊がいくつも見えます。
 前を向き直りますと、土手の向こう側には公園があります。
 その時です。前に妻の告白にあった河川敷トイレでの話を思い出したのです。
 「こ、ここは○○○公園・・・」
 「ククッ…そう、浮浪者の溜まり場で有名な公園だよ」
 私の呟きを聞き取った清水の、何とも言えない厭らしそうな響きです。


 「じゃっ、じゃあまさか…」
 「ふふ、そうだよ。このトイレで浩美は汚いチンポを何本も何本も舐め廻したんだぜ」
 「!!・・・・・」


 ひきつった私の顔を見ながら、部下の男は笑いを堪えています。隣では、清水が自分の歪んだ口元に人さし指を当てました。私に『静かにしてろよ』と指示を出したのです。


 私の身体は、清水の目力で固まっていくのが分かりました。そして、神経が耳元に集中していきます。
 そうしますと、トイレの方から微かにですがダミ声と、くぐもったような声が聞こえてきたのです。
 その声の主は・・・愛する妻……愛してる筈の妻……間違いなくそこにいるのは妻だと思いました。


 その時です。グアッと首根っこに物凄い力が加わりました。部下の男です。
 「・・・・・・・」
 「へへ、腰を抜かすなよ」
 男の重い声に頷き、トイレまでの僅かな距離を、緊張を覚えながら進みました。


 そのトイレは汚く不潔な感じで、端っこの方に微かに読める字で『男子』という文字がありました。
 頭の中では“まさか、こんな場面”をと妄想と現実の境目にいる自分に不思議な感じが致します。


 目の前で部下の男が腰を屈めてトイレの中を覗きます。そして振り返ったその表情(かお)には、何とも言えない笑みです。まさに“覗き屋”の顔です。


 「俊也、お前も見てみろよ」
 清水の言葉に背中を押されて、私の身体は更に前へと進みます。
 部下の男の大きな背中の後ろに来ると、まるで覗きの順番を待つ気分になります。その時、中から男の声が鮮明に聞こえてきました。


 「たまんねぇなあ、人妻の口はよぉ」
 「早くしてくれよ、ワシのがもうビンビンなんだよ」
 「この奥さん、尻(ケツ)の穴も舐めてくんねぇかなぁ」


 聞こえてきた言葉に身体はカーッと熱く、心臓はバクバクです。その私の首根っこが再び掴まれ、耳元には熱い息が掛かりました。そこには清水の顔です。
 「ほら!」
 清水の鋭く短い声に部下の男が身体をずらしますと、私はそおっと顔を半分ほど出してみました。


 「ヒッ!!」と、目に映った光景に息を呑みました。
 ーーーー汚い小便器の前で、ムッチリした肢(あし)が汚れた床をウンチングスタイルで踏みしめております。なぜか下半身は黒いパンティー1枚で、上は今日の出掛けに着ていた洋服のままです。そうです、目を瞑り男の物を咥えてるその顔は、妻に間違いなかったのです。


 髪は乱れ、目尻にシワが寄り、口元の様子からも妻が苦しそうなのは分かります。しかし、無意識なのでしょうか唇は男の一物を奥へ奥へと、飲み込もうとしているようにも見えます。
 男達は3人で、皆なみすぼらしい汚れた身なりです。
 一人の男が立小便をするように一物を妻の口に咥えさせており、もう一人の男はズボンを腿の辺りまで下げおろし、いきり勃(た)った物を握っています。そして一番年老いた男は、ズボンのベルトをカチャカチャならし、今にも下半身を露(あら)わにしそうな勢いです。
 ごく普通のまともな神経なら、自分の妻が浮浪者の慰み者になろうとしていれば取る行動は決まっています。しかし、私の身体には得体の知れない感情も沸き上がっていたのです。その証拠に私は無意識に気配を殺し、身体は少しずつ前のめりになっています。


 「ああ…たまらん」
 妻の口にねじ込んでいる男がトロ~ンとした顔で、天井を見上げます。まさに天にでも昇って行きそうな感じです。


 「奥さんよお、ワシのも早く頼むわ」
 隣の男がパンツとズボンを乱暴に脱ぎ散らかし、股間を妻の顔に押し付けようとしています。
 妻の目が薄く拡がったと思うと、空いた片手が男の“物”へと伸びていきます。もう一人の老人はモタモタしながらも、汚れたズボンを脱いでいるところです。


 妻から私がいる場所まではほんの数メートルです。今しがた妻の目は、薄く開いた気がしましたが、私達の存在に気付かなかったのか、口元は一心不乱に男の物を呑みこんでいく感じです。


 それにしても悪臭というか独特の臭いが漂うこの場所です。清水が、以前もこの場所で妻が浮浪者のチンポをしゃぶったと言ってましたが、その時に免疫が付いてしまったのでしょうか。口元の動きはますます激しく、男の喘ぎも大きくなっています。


 ムッチリとした両脚は床を噛みしめ、3人の男の凌辱を見事に受け止めている感じが致します。そして、顎の揺れに呼応するように股間の中心が息づいて見えます。
 私は黒いショーツの真ん中部分に、視線を強めました。その中心からは、怪しい生命体が今にも飛び出して来そうな気配です。


 「くく…浩美の奴はきっと、シャブリながらマンコを濡らしてるぞ」
 私にだけ聞こえる清水の声に、唾を呑み込みます。
 更に視線を強めますと、その中心辺りにシミが浮き上がって見えるから不思議です。


 「待ってろよ」
 清水がそう言って私の胸を突つきました。そして、咳払いをしながら中へと入って行きます。
 清水の登場に、3人の浮浪者達の動きが一旦止まります。一番いいところだった男の腰も、ピタリと動きが止まっております。


 清水が己の大きな手を、妻の首根っこにガシリと掛けました。
 「浩美よぉ、パンツ脱げや」
 清水の言葉に一物をシャブらせていた男が、名残惜しそうに腰を引きます。妻の口元からは、唾液が糸を引いていきます。そして、妻がフラりと腰をあげる様子に、私は無意識に身体を壁の後ろへと動かしました。


 「ほら!しっかり撮っとけよ。ただし、清水さんの顔は写すなよ」
 壁に隠れた私に、部下の男の声が掛かりました。


 胸元に手を伸ばしますと、携帯電話がなぜか熱く感じます。変質者の血に火が着いたのでしょうか、熱さは心臓の鼓動を早鐘のようにならします。
 私はカメラを起動させてから、再び中を覗きました。勿論、標的に見られないように気配を殺したつもりでです。
 視線の先では、早くも妻の下半身が露(あらわ)にされおります。


 「お前もパンツを脱いだ方が気分も乗るだろう」
 そう言って清水が肩を押しますと、妻が再びしゃがみ込みます。
 妻の姿は先ほど以上に卑猥で、太い両脚は見事なM字で床を噛みしめます。股座(またぐら)では、今度は黒い翳りがシッカリとその様を曝しています。
 カメラ越しに覗く妻の恥態。そしてこの瞬間に胸震わせる自分自身に、言い様のない高鳴りを感じていました。又一つ変質者に近づいている事を実感出来る様に、病的な悦(よろこ)びを感じたのかも知れません。


 カメラのシャッター音を調整して画面を覗きますと、汚い尻が3つ見えました。浮浪者の男達全員が下半身を露(あらわ)にしてるのです。その男達の肘に手をやりながら、清水が浮浪者の立ち位置を微妙に変えています。画面には横向きの男が二人、臭いたつ生殖器が見事に反り上がった様が映っております。清水が私の撮影の為にでしょうか、アングルを変えたのです。


 「さぁダブルフェラだ」
 清水の言葉が言い終わる前に、二人の男が早くも腰を妻の口元向けて突き出していました………。


 私はそれからしばらく、夢中になってシャッターを押し続けました。画面に映る卑猥な“絵”。それはパソコンの画面を通してイヤと言うほど覗いてきた、変態熟女の姿そのものでした。
 妻は時おり掛かる清水の注文に身体を動かし、恥ずかしげもなく卑猥な格好を曝しました。俗に言う“本番行為”--性器を受け入れる事はありませんでしたが、口と手コキを中心に男どもの欲望を満足させるように振る舞ったのです。そして、男のフィニッシュは全て、精飲という形で受け止めました。
 妻はもう人形と言いますか、ほとんど抵抗の素振りをみせる事もなく、ダッチワイフの如く浮浪者に扱われたのです。


 「旦那さんよぉ、後でちゃんと写真を送るんだぜ」
 撮影に夢中になっていた私は、部下の男の声に振り返りました。
 「それと、俺の顔も写すんじゃないぞ」
 そう言って男は中に入って行き、徐にパンツを脱いだのです。唖然と見つめた男の大きな尻に、股間の“物”まで想像してしまいました。清水の“物”のようにデカイのだろうと。


 フィニッシュを終えた3人の浮浪者は、部下の男に持ち場を渡すように、隅の方へと移動いたします。妻は放心状態のまま、汚い床にへたり込んでおります。


 「浩美、ほら、今度は四つん這いだ」
 その言葉に妻は、不意に目を開き、一瞬不安げな表情を見せました。
 清水が指示した“四つん這い”。その格好は、奴隷が御主人様に『どうにでもしてください』と、服従を誓う時のポーズです。
 私はシャッターを押すことを忘れ、妻の様子に見入ってしまいます。その視線の先で、妻は何を想うのか、虚ろな表情のまま手を床に、続けて膝を床へとユックリですが下ろしています。
 ここに来てからずっと、独特の臭いが薄れる事はありません。黄ばんだ床は、いつ掃除したかも分からないほど汚れています。妻はついに、その床に両手、両膝を着きました……。


 「ククク…………」
 薄気味悪い笑いを上げながら、清水が妻の腰辺りに掛かっていた上着の裾を、背中辺りまで捲り上げていきます。女体の半分以上の肌が晒されていくのです。

 四つん這いになった妻。
 適度に垂れ下がった膨らみは熟女らしく、その脂(あぶら)の乗った下腹の揺れは、妙に艶かしく映りました。身体を支える腿の膨らみも、私の目には逞しさも携えて見えます。そして、その先では白い剥き身の臀(しり)が、はち切れそうに突き上がっております。
 部下の男も下半身を晒しています。股間の物はやはり、清水程ではありませんが私の物より遥かに大きいのは間違いありません。


 「ほら、力を抜け」
 そう言って清水が妻の尻を一打ちしますと、妻の口から「はあん」っと猫が鳴くような声が漏れました。
 「どれ」
 続けて清水がしゃがみ、尻の割れ目に手をやり、いきなりグワっと拡げます。


 顎が上がり、妻の口からは「んああ…」と、甘い呻きが零れ落ちていきます。


 「おい、思った通りビショビショだぜ」
 私に聞こえるように言ったと思った言葉に、部下の男が嬉しそうに笑いを返します。その男が唇を歪めながら自ら四つん這いになり、何と己の尻の割れ目を妻の顔の前辺りに持っていっております。
 私の頭は、先程浮浪者の一人が言った『~尻(ケツ)の穴も舐めてくんねぇかなぁ』という言葉をしっかり覚えておりました。
 見ますと部下の男も、どっしと四つん這いで床を噛みしめています。


 「さあ奥さん、舌もしっかり入れてくれよな」
 部下の男の声は、妻を奴隷と見下した響きと、そして私に対する優越感が滲んだ響きのように感じました。
 気がつけば清水が私のそばに来ております。
 「俊也、良い絵は撮れてるかい?。浩美の後ろからも撮ってみろや」
 「………………」


 私は、そう言って再び中に入って行く清水に隠れるように、妻の後ろ側へと回り込むように進みました。
 こっそり回り込んだつもりのその場所は、妻の臀部の真後ろです。妻との間に清水が仁王立ちで構え、私は屈んで清水の両足の間から白く丸い巨尻を凝視しました。
 カメラを構える前に“そこ”を見つめますと、黒く年季の入った“女”が息づいて見えます。その上にある菫色した小さな穴は無防備に曝され、“そこ”も又、服従を誓っているように見えてしまいます。


 「さぁ浩美よぉ、早く舐めてやれや」
 その声と同時に、妻の頭が男の尻に向かって伸びたのが分かりました。目の前の尻も私に向かって盛り上がった気が致します。
 そして、その後は………………。