小説本文



清水に連れて来られた怪しい集まりは、予想通り…いえ、想像以上に淫らなものでした。


 2号夫婦の美代子さんは、客人の男達の慰み者として身体を好き勝手に扱われ、夫の山本浩さんは、美代子さんに射精を終えた男の一物の後始末を自身の口で行うのです。


 4号夫婦の弘子さんは自慰行為を晒し、口では男達の精液を受け入れます。夫の落合康之さんはそれを見て自身も自慰をしようとするのですが、男達がソレに制限を掛け精神的にいたぶるのです。


 そして、5号の堀田さん夫婦は、衆人の前で″夫婦の営み″を披露していましたが、学さんは罵声を浴びバカにされ、紀美子さんは遂には、ご主人以外の男の“物”を求める言葉を吐いていました。


 淫靡な空間を仕切る清水は、満足げな表情を浮かべています。
 「皆さん、楽しまれていますか・・それにしても、旦那連中はもう一つですね」
 そう続けて、冷やかな視線を浩さん、康之さん、堀田さんへと順番に向けていきます。


 「よし。じゃあお前達は、一度こっちに来い」
 この展開ももう、お決まりなのでしょう。3組の御夫婦が行為を止め、清水の元へと歩みます。奥様方3人は虚ろな顔で、足元はふらついています。


 清水が3組をニヤニヤしながら眺め、唇を一舐めしました。
 「では、2号と4号は休憩だ。アンタらは先輩奴隷として、5号を見学させてやろう」
 まるで召し使いにでも指示を出すように、言葉を吐き出しています。いえ、ここにいる御夫婦は、召し使い以下の奴隷なのです。


 「おい学(マナブ)、ギャラリーが増えたぞ。さあ今度は、張り切って紀美子を満足させてみようぜ」


 清水の悪烈な言葉に、堀田さんは震えを起こしているのが分かります。見ると股間の“ソレ”が縮こまっております。その姿がまるで私の行く末を暗示しているかのような気がして、心が震え出しました。


 「さあ学、とっとと始めようや」
 清水の煽(あお)りに「そうだ、有名企業にお勤めの学さんよぉ、早く始めてくれよ」と、取り囲んだ男達が、遠慮のない言葉を浴びせます。
 浩さんに康之さんは、二人ともどこか泣きそうな顔をしています。しかし、美代子さんと弘子さんお二人は、見る余裕が無いのか、それとも悦楽の余韻が醒めないのか、トロ~ンとした表情です。


 堀田さんがそっと紀美子さんの手を取りました。紀美子さんは俯いています。
 二人が中央に行くと、男達が回りを取り囲み腰を下ろします。山本さん、落合さん、私達、奴隷夫婦はその後ろで、立ったまま堀田さん夫婦を見つめるのです。


 「さぁ始めろ」
 清水の声に、二人は口付けから始めました。


 堀田さんが立ったままの紀美子さんの乳房に、唇を持っていきます。
 「チュッ、チュッ、チュバッ」と粘着音が始まり、“夫婦の寝室”が再開されました。


 ご主人が紀美子さんを仰向けに寝かせ、首筋から耳たぶへ、胸の谷間から頂きへと、唇を運びます。取り囲む我々を意識してか、粘着音がやけに大きく聞こえます。


 胸元から下腹に回った舌は、女体の股間へと向かいました。ソコはいつかの記憶通りの、深くて濃い毛並みが見えます。
 その陰毛を頬摩りしながら、大きな掌(てのひら)が白くてムッチリした太股の下にまわりました。
 堀田さんの頭が揺れながら、女股を割り裂き中心の突起の部分へと進んでいき、白い肢脚がニョキっと突き上がりました。紀美子さんの瞳は閉じられ、唇からは悩ましい吐息が漏れるのがよく分かります。
 そっと隣を見ますと、妻が絡み合う肢体を食い入るように見つめております。その目には、鈍い光が灯っているのではと…。


 堀田さん御夫婦は、ギャラリーの視線も気にならなくなったのか、行為に没頭している感じです。先ほど紀美子さんは「他の男の“物”が欲しい」と言いましたが、今は、ご主人に身を任せているようです。その紀美子さんから吐き出される喘ぎも、心なしか大きくなってきている気がします。


 紀美子さんの陰部辺りからは「ジュブッ、ジュリュ」っと、濁音が鳴り続いています。堀田さんの口からも「んんッ、プハッ」っと如何にも、肢体を貪る音が聞こえます。又、それに合わせて「アン、アアン」と赤い唇から艶かしい音が漏れ聞こえます。


 「紀美子…さあ…」そう呟きながら、堀田さんが女体を起こして、その後ろに回りました。
 堀田さんは紀美子さんの背中から手を回し、白い両足の腿の裏に持っていきます。そして、畳に尻を付けた状態から、紀美子さんの背中を引き付けるようにして白い腿裏に入れた手をグイッと引き上げました。
 そこには、見事なM字姿が出来上がりました。アワビのようなアソコがパツクリ割れている様子までがよく見えます。


 「み…皆さま、つ…妻の紀美子の、オ…オマンコです…」
 「・・・・・・・・」
 絞り出た声に、私の身体が知らずに、乗り出していました。
 紀美子さんの顔は紅潮していて、白い肌も赤身を帯びてきています。口唇は微かに開き、呻きの声が聞こえてきます。黒い毛並みの下では、アワビのようなアソコがテラテラに輝いております。
 客座の男達は隣と顔を見合わせ、卑猥な笑みを浮かべています。


 御開帳が続いた次に、白い肢体は四つ足に導かれました。豊満な乳房を揺らし、臀(しり)を振りながら、メス犬の振る舞いを見せながらです。
 そして、堀田さんがパシりと巨尻を一打ちしました。


 「ああ…み、皆さま、メス犬紀美子のオマンコが突かれる姿をご覧下さい…」
 四つ足で顔を上げた状態から、紀美子さんがハッキリと隷族の言葉を吐き出しました。その様はまさに性のショー芸人ではありませんか…。
 熱くなっていた私の背中には、冷たいものが流れていきます。


 白かった肢体は徐々に朱(あか)く染まり、四つん這いの格好で待ち受けております。背筋がピッと弓なり、臀部は突き上がって、オブジェのように固まった感じです。


 堀田さんがそのまま後ろから挿入するのかと思ったのですが、紀美子さんの顔の前へと動きました。見れば堀田さんの男性器はまだ、硬直しておりません。
 堀田さんは紀美子さんの顔の前で、自らもMの字で両手で身体を支えながら腰を浮かしました。そして自身の腰を回しながら、股間の“物”を赤い口唇に持って行ったのです。
 紀美子さんはそれを咥えます。肢体は四つん這いのまま。背筋は弓なりで巨尻を突き上げた格好でです。


 紀美子さんは顎と唇だけを動かし、男性器に性愛の刺激を与えます。
 お二人のその不自由な姿は非常に滑稽なのですが、とても卑猥に見えてしまいます。赤い口元からは、ベタベタと涎が垂れ落ちているではありませんか。私は「ゴク」っと唾を飲み、隣を見ました。妻は何度も何度も唇を噛み直しております。


 ナメクジのような口技で、堀田さんの性器は反り勃っています。
 紀美子さんの口から“ソレ”を抜いて、堀田さんが四つ足の女体の後ろに回りました。紀美子さんの尻が、もう一段高く突き上がります。


 「み…皆さま、お待たせいたしました。き…紀美子のオマンコに主人のチンポが入る所をご覧下さいませ」
 紀美子さんがシッカリ顔を上げ、呟きました。取り囲む男達は、先程のように嫌味な声を掛けるでもなく、黙ったまま二人の様子を見守っています。ただ、目には好色の光が漂っております。


 堀田さんが性器の先端をソコに当て、ブニュっと突き刺します。
 「んはぁ~」っと甘い声が響き渡る様子に、清水が「ウンウン」と頷いてみえます。


 「アンっ…おお……」
 朱身を帯びた身体は、甘い喘声を吐きながら四つ足の格好でどっしり堀田さんの突き上げを受け止めます。臀部から首の付け根に走る背筋は弓なりで、ここから見える体影は扇情的に映ります。
 暗い照明(あかり)の元で、二つの体に滲む汗が光って見えました。


 堀田さんは、自身の腰をこれでもかとぶつけた所で円を描きます。そして一旦引き、又、再奧へとぶつけます。その動きを何度も繰り返すのです。
 額から流れ落ちる汗は、健気な姿勢の表れのようで、堀田さんの“一生懸命”が伝わります。紀美子さんも眉間に皺を寄せ、気を張った下半身は荒腰を受け止めています。
 二人の下半身からは「パコン パコン」と、腰と腰がぶつかる音が大きくなるばかりです。


 「あ…いい…気持ち…いい…」そう言って陶酔の顔が振り返りました。
 堀田さんは小さく頷き、そして又、巨尻を掌で一打ちしました。
 「ああんっ」と呻く女体から性器を抜いて、堀田さんは仰向けに寝転がりました。
 紀美子さんがもっそり、仰向けの身体に股がり、そしてガニ股の態勢で股下から手を伸ばし、夫の硬直を確認するように握るのです。


 私の耳には、先ほどから紀美子さんの喘ぎに交じって、妻の荒息も聞こえていました。しかし、私には今の妻の心情を本人に聞く勇気がありません……。


 騎乗位の格好のお二人。堀田さんは天井を向き、目は摘むっております。紀美子さんは“硬直”に満足して深さを確認した様子で、グッと腰を静めた所で「んはっ」と納得の息を吐きました。


 蜜壺で“男”を感じ、デカ臀が上下に揺れ始めています。足指で畳を噛みしめ、両手で堀田さんの腹肉を掴み、一心不乱に腰を振る様子はまさに本能のままといった感じです。
 ニュルっと伸び出た舌が濡れた唇を舐め回します。
 腰の揺れと一緒に、大きな乳房と熟した下腹も揺れています。


 紀美子さんもそうですし、隣の妻と他の奥様方も皆、40代前半です。繰り広げられる熟女の痴態。その様は確実に若い女性よりもエロチックです。
 清水の元に集まったこの男達も、熟女好きの趣向なのでしょうが、奥様方は見事にその期待に応えております。私は又、そっと妻を覗き見しました。


 その時です。
 「うああっ…」っと別の所から喘ぎの声が上がりました。
 振り向くと壁に持たれたまま、落合さんの奥様の弘子さんが、自身の股間を弄っているではありませんか。
 ご主人の隣で立ったままの姿勢で、足をガニ股開きした格好です。左手で大きな乳房を鷲掴み、右手で女の“急所”を捏(こね)くり回しているのです。


 さっきまでオナニーショーを演じていた弘子さんです。生殺しの状態で「止め」を掛けられ、欲情した身体の疼きは短い時間では修まっていなかったのでしょうか。それとも、鎮静していた高まりは、紀美子さんの姿で再び燃え上がったのでしょうか……。
 どちらにしても弘子さんの叫びが、この部屋をまた一つ淫靡なものにしました。
 隣の妻の様子も気になる中、私はこの後の展開がどうなるのか・・・・・・背中に異様な粟立ちを感じていました・・・・・・・。