小説本文



仄暗い淫靡な和室は裸の男達が放射する熱で、異様な熱気に包まれていました。
 リーダー格の男を除く全ての男が全裸になり、代わる代わる妻を弄(もてあそ)び続けてます。既に何人かの男達が、妻の膣の中に欲望の汁を流し終えているのです。
 そしてその様子が何枚もの被写体となって、カメラに切り取られていたのです。


 私は怒りを向ける事も出来ず、ただ情けない気持ちだけを自覚していました。しかし、犯され続ける妻の悲鳴の中に、時折“女″の声を認めておりました。


 「旦那さんも気づいたかい?アンタの奥さんは初めて犯された時も最初は抵抗したが直ぐに感じ始めたんだぜ」
 今し方、射精を終えた大柄の男が嬉しそうに自慢気に私を覗き込みます。
 「全く、女って生き物は、どんな事でも快楽に変える術(すべ)を知ってやがる」
 その男が嬉しそうに続けました。


 目の前では長身の男が、妻を四つ足に導きます。妻は暴れる気力もなく素直に臀(しり)を向けています。


 「ククク、もう俺達の言った事が嘘じゃないって分かるだろ。えっ?まだ信用出来ないかな」
 この部屋の中で唯一、服を着ているリーダー格の男が独り言のように呟きます。いえ、まだいました。堀田さん夫婦も服を着ておりました。


 「アアンッ!」と妻の口から、一際官能めいた声が上がりました。男のソレが妻の急所を再び捉えたのです。男が腰を振り始めると、妻は「ンアー」っと呻きます。
 その妻の目と私の目が一瞬交差しました。
 瞳の奥には「ゴメン…」と懺悔の色が浮かんだ気がします。しかし、同時に桃源にさ迷った哀れな女の哀愁も感じました。私も心の中で「ううっ」と呻き声を上げておりました。


 「ああ、そういえば旦那さんは今でもあの“掲示板”を覗いてるんだって?」
 先ほど射精を終えた男がそう言って私を見つめます。私は小さく俯(うつむ)くだけです。


 「堀田夫婦の写真をちょうどこの間載せたんだよ。どうだった?後で感想でも聞かせてくれよな」
 今度は別の男の視線が刺さります。
 堀田さん達は先ほどから寄り添うように突っ立っています。私と妻を交互に覗き見しているのです。


 「さあ旦那さんよぉ、俺のが奥さんのマンコに入ってるとこをシッカリ見ておきな」
 後ろから突いていた男が一旦一物を抜き、仰向けに寝転がり妻を自分の股間の上に導きます。
 妻は既に男達の言われるままです。


 私はその体位の名前も知りませんでしたが、騎乗位で背中を男に向け、足をM字にして両腕は男の横腹の横で体を支えます。女性主導の格好なのは私にも分かります。


 「さあ奥さん、好きなだけ腰を振りなよ」 取り囲む男の声に、妻の顔が曇りました。
 「ほら!遠慮すんなよ」
 仰向けの男がそう言って下から腰を突き上げます。
 「アアンッ!」
 艶めかしい声と同時に、妻の目尻から涙が零れます。その妻の目が申し訳なさそうに私を見ました。 


 しばらく男の突き上げに我慢していた妻でしたが「アナタ…」と唇が動くと、呻きは徐々に大きくなって参ります。私の体は無意識に少し前へと傾きます。
 「奥さん、まだまだ調子が上がって来ないねぇ。ならもう抜いちゃおうか?」 リーダーの男が妻をなじります。妻に懇願させようとしているのが分かります。
 「ほら、どうなんだよ!」
 今度はドスの効いた声が響きます。その声に「イヤんっ」とこれまでよりハッキリした叫びが聞こえました。


 下から男の手が伸び、妻の乳房を被い掴みます。
 二つの乳首をギュッと摘まれると「ンアー」っと声が上がります。


 「ンア-じゃないだろ奥さん。俺のチンポはどうなんだよ?」
 男が妻の横尻を叩きながら激しく突き上げます。


 「…ングッ…」
 「ホラッどうなんだよ!」
 「ウウウウ…」
 「ホラッ!」
 「アッ…い いい…気持ち…いいです…」


 小さい声ですが、私の耳にはハッキリ今の言葉が聞こえました。そして妻の目が悲しく波打った様子も、私の脳裏に刻まれます。


 「そうそう、奥さん、遠慮はいらないんだよ」
 リーダー格の男の言葉に妻は、涙目のまま俯きます。
 男達はこういう“遊び”に如何にも慣れた感じて、愉(たの)しげに言葉を浴びせ続けます。


 「アアア…」
 乳房が揺れ、震える唇からは呻きの声が零れ続きます。その時、別の男が妻の唇を奪いにきました。


 私は初めて…。
 初めて妻が、他人とキスするシーンを目の辺りにしました。痛みの残る鳩尾辺りには、キューンとする高鳴りが通り過ぎます。


 今度はまたもう一人の男が、妻の乳首に吸いつきました。男は周りに、いえ、私に聞こえるようにでしょう『ブチュ、ジュパッ』と卑猥な粘着音を響かせます。


 仰向けの男に跨がり、唇を許し、そして乳首をしゃぶられ、それは私も妄想した事のある複数…乱交プレイなのですが…。


 妻の眉間には皺(しわ)がよっています。妻は間違いなく私の視線を感じているはずです。女性主導の体位を見られている事に、痛々しさを感じているのでしょうか?そして、快楽に堕ちる一歩手前のところで自制心と戦っているのでしょうか? 徐々に鼻息が荒くなってきています。


 その時、妻の唇を舐(ねぶ)っていた男がパッと唇を離しました。同時に妻の口から「ハアアーーーン」と嘆きの呻きが爆発しました。その声に急かされるように、男の突き上げが激しくなっています。乳首をしゃぶる男も、いっそう激しい濁音を響かせます。


 「ンアッ!イイッ!気持ち…」
 叫びの語尾は呑み込まれましたが、妻は間違いなく『気持ち…イイッ!』と吐き出したはずです。


 「そうだよ奥さん、もっと正直に今の気持ちを旦那に教えてやりな!」


 「アアー…あなた…ゴメンなさい…」
 「・・・・・・・」
 「…き、気持ち…いいのお…」
 「・・・・・・・」


 涙混じりのその声に、私の涙腺も緩んできました。
 胸ぐらをかきむしられる思いに、私の体も震えをおこしていたのです。


 その時、ひとりの男が私の顔の前を横切りました。乳首をしゃぶっていた男が妻から離れ、横切った男が妻の体の前に立ち構えます。妻の目の前に男の巨棒です。
 男は自分の一物の根っこを握り、妻の鼻先にソレを近づけました。


 男の巨棒…ソレはまさに巨棒でした。ネットの画像でも色んな男性器を見た事がありました。黒人の物もありました。それでもその男の持ち物は、それらに負けないほど大きくて、硬そうで、黒くて、そしてふてぶてしい一物です。


 「菊地さん、どうだい俺の“物”は?」
 その声に男の顔を見上げます。
 男は先ほどまで服を着ていたリーダーの男です。いつの間にか服を脱ぎ捨てていたのです。


 「この奥さんはよ、まだ“仕込み”が必要なんだよな」
 独り言なのか、私に聞かせようとしているのか、男は愉快気に妻の頬に一物を擦(こす)り始めながら言葉を吐きかけます。


 「さぁ奥さん、俺のをシッカリしゃぶりな」
 そう言うと巨棒が妻の唇の奥にめり込んでいきます。同時にその巨(おお)きさにでしょう、妻の目がカッと見開きます。口元からは嗚咽を我慢するような、苦声が漏れ始めます。それでも男は遠慮なしに腰を振りだしました。


 取り囲む男達は、妻の様子にニヤニヤ笑みを浮かべています。
 リーダーの男は、腰を振りながら堀田さん達の方を向きました。
 「お前らにもちゃんと褒美があるからよっ、チョット待っとけよな」
 服を脱ぎ捨てたとたん、男の言葉には刺々(とげとげ)しさが加わっておりました。そして今度は、私を見下ろします。
 「旦那さんよぉ、アンタの“仕込み”はまだ先だ。まぁ楽しみしてな」


 私の身体はリーダーの男のオーラに固まっておりました。目の辺りにした巨棒もシッカリ私に、劣等感を植え付けておりました。
 やがて下から突き上げていた男が「そろそろ出してやるぜ」っと呟き、腰を震わせました。
 リーダーの男は妻の口から一物を抜きます。そして一言「浩美、四つ足」と吐きかけたのです。


 下になっていた男が妻から離れると、妻は崩れ落ちそうな肢体を支えるように手と足を床に付けます。


 「尻(ケツ)」


 男の短い言葉に、妻は従順に尻をグーッと上げます。


 「突き出せ」


 またも短い一言に妻の尻がグッと気を張ります。
 男は妻の様子に冷たい視線を浴びせながら、自分の一物の根っこを握り、狙いを定めています。


 「どれどれ」
 そう言って男の指が妻のアソコに滑り込みました。ソコからクチュンと濡れ音が聞こえました。
 妻は「ハン…」と小さく呻きます。


 「浩美、しっかり鳴けよ」
 その言葉と同時に男の股間が妻の尻にぶつかっていきました。グググっといった感じで、巨棒がめり込んでいく感じです。
 妻は「ンアッーーー!」と息を吐き出します。男は妻の様子を嬉しそうに見下ろしながら、ユックリ抜き差しを始めました。


 そして…。
 私は、男が射精を終えるまでの二人の交わりの様子を傍観するだけでした…….。




 やがて…妻の輪姦、いえ最後は調教のようになっていたと思いますが、ソレがやっと終わります。
 数えたところ7人いた男達全員が妻の中に射精を終え、今は思い思いにある者は汗を拭き、ある者は浴室に向かい、またある者はデジカメの画像を愉(たの)しげに覗いています。


 最後に妻の仕上げをしたリーダーの男は、妻の液でベタ濡れになった一物をぶらつかせながら部屋の中を見渡します。その足元では、息絶え絶えの妻が横たわっております。


 「浩美、しゃぶれ」


 またでした。男は何度と妻の事を「浩美」と短く呼び捨てにしていたのです。まるで情婦のように、それが当たり前のようにです。
 妻の身体は男の声に導かれるようにノッソリ起き上がります。そして躊躇なくふてぶてしさの残るソレを口に含みました。
 男は妻の様子を悠然と見下ろすと首を振ります。堀田さん夫婦に…そして私にです。


 「○○市役所の菊地俊也さん、今度はアンタの口で“コレ”の後始末をしてもらおうかな?」
 私の勤務先を強調してから、男が自分の股間を指さします。
 「それと、警察に行きたかったら行ってきな。その代わりアンタらが困る事になるけどよ」
 「・・・・・・」
 「まぁ、変な気は起こさないことだな。こっちの夫婦もそうだが、アンタらも頭が良いから分かるよな?」
 「・・・・・・」
 「それと“カラクリ”はどうだったか…それは“先輩奴隷”にでも聞かせてもらいな」 
 「・・・・・・」
 「これからもしばらく付き合って貰うけど、すぐに俺達に感謝するようになるよ」
 男はそう言って笑いました。いつの間にか他の男達も周りに集まってきて、私を見下ろしながらニヤツついています。


 「さて」
 男が妻の口から一物を抜き、改まります。そして、堀田さん達の方を向き直りました。堀田さん夫婦は妻の輪姦が始まってからずっと、一言も喋らず立ちっぱなしでその様子を見ていたのです。


 「紀美子、マンコは濡れてるか?」
 男がぶっきらぼうに訪ねます。紀美子さんは黙ったまま俯きます。


 「学(マナブ)はどうだ?アンタもまた目の前で女房が犯(や)られるところを見たいだろ?」


 私はジリジリ首を捻り、堀田さん達の様子を覗きました。その時、堀田さんが恐々首をすくめるような素振りをしながら、その頬には怪しい笑みが浮かび上がったのです。
 瞬間、私の背筋に冷たいものが走りました。


 「よし。じゃあ菊地さんはよぉ、もうしばらくこの部屋で待っとけや。浩美とマンコしても構わないからよ。紀美子と学(マナブ)は隣の部屋で“お仕事”だ」
 男はそう言って笑ったのでした…….。