小説本文



バスルームでシャワーを浴びている妻、典子は165cmの長身にほっそりした身体に斉藤由紀似の顔。
よく言えばそうも思える妻だが、正直平凡な妻だろう。
街で見かけるようなスレンダーな巨乳な奥さんを想像すると・・・といつも思う。
結婚して20年、仲良くやってはいるが女として見れなくなっている自分がいる。
どこの家庭もそうだと言うがやっぱり男である以上女を求めてしまう。
夜な夜な一人でエロサイトを見て寝る、ただそれだが自分の楽しみになっていた。
子供は18歳の真菜と15歳の明弘。2人とも受験生だ。
明弘は高校受験で最近やっと自分の状況を理解して勉強を始めだした。
周りの友達も少しずつ勉強を始めるようになったのだろう。
学費も今まで貯金してはいるが、まだまだお金が必要だ。
特に上の子は専門学校に行くと言っている。お金のことを考えると頭が痛い。
ビジュアルなんちゃらという美容の専門学校、かわいい娘なだけに行かせてやりたいが昔かたぎの自分は専門学校なるものがいまいち信用できない。
そんなところにお金が出て行くと思うと・・・決して裕福とはいえないが、貧しいと思うような生活はさせていないつもりだった。
妻には1年前には軽ではあるが車を買ってあげた。
それなりの生活は出来ている。
家のローンは残っているが車2台の駐車場に夫婦2人に一つずつ車を持つと心なしか外から見ると立派なご主人に見られている気がした。
子供たちが小学生の時に買ったマイホーム、一軒家を新築してやっと一人前という感じがしていた。
今時マンションが主流なのかもしれないが、やはり一軒家だ。
外に見栄を張りたいわけではない。
見栄を張れるようなものでもない。
ただ少しずつ生活水準をあげていきたい。
歳を取るにつれてそう思う。



3月のことだった。
勤めている会社で北九州に新しく支店ができることがきまり、週の半分である水曜から金曜はそこの支店長代理として出向くことになった。
ここ福岡市から北九州までは電車で約1時間弱、家から駅までの移動などを考えると2時間ちかくかかることと交通費が限られていることから週の半分は北九州の会社名義のアパートに住むことにした。
車で通うことも考えたが、期間は今のところ半年という話だから住み込みもわるくない。
この歳で単身赴任になるとは・・・しかし出世のチャンス、もともと出世欲はあるほうではないが金欠気味の我が家を救うお父さんと勝手に自分をヒーローだとでも思い込んでたのだろう。
何より半年間の予定だ。むしろこの歳で一人暮らしができることに喜びを感じていたのかもしれない。
夜遊びなどもできる・・・と心の片隅で考えていたことも事実だ。
子供たちももう親の手のかかる歳でもなく、それぞれが程よい自分のペースで生活していた。
受験生だというのに毎日日付が変わるころに帰ってくる明弘、家にいてもほとんど部屋に篭っている。
真菜は妻に似て家のこともよくしてくれる。自分一人が週の半分いなくても大丈夫だろう。
そう思いながら今日もエロサイトを見る。
ディスプレイに映っている巨乳娘に興奮する自分がいる。
妻のバストはCカップで小さくはないが仰向けになるとほぼなくなってしまう。
こんな巨乳娘のおっぱいを揉んでみたいものだ。
と、どう客観的に見ても気持ち悪い自分の現実にまた憂鬱になるのであった。


それから1ヵ月後、私は自宅と会社の寮とを1週間半分ずつ行き来していた。
寮とは言っても一般のアパートを会社名義で借りているだけの小さな部屋だ。
水曜の早朝に電車で北九州まで行き、駅の駐車場に停めてある車で直接会社へ行き、アパートに帰る。
土日休みの日には福岡の家に帰るようにした。
その前日、金曜の夜に駅に車を停めて福岡市の家に帰る。
初めはなんとも面倒な移動だったが、慣れてくるとたいしたことはない、何より支店長代理の仕事を楽しくこなせていた。
借りている部屋では2週目にはPC環境も整った。
もともと冷蔵庫とレンジは付いている部屋だったからテレビ以外は特に荷物をもって行くことはなかった。
PCについては半年くらいなくても構わないと思っていたがいざ夜になるとすることがなく、家から急遽持ってきたのだ。
入居早々プロバイダ契約も済ませ早速ネットにつなげた。
そしてここでもまたエロサイト閲覧に時間を費やすのだった。
3週目はついにデリヘルを呼んだ。家族がいては絶対にできないことだ。
折角のこの機会だ。楽しもう。
夫であり父親の自分を長い間続けてきたのもあり、男の自分を出すことがドキマギしていた気がする。
こんなときくらい楽しもうじゃないか。
そんな調子で2ヶ月ほど経った。