作品:役員会 ~マゾ夫婦の誕生~ 連載中 作者・NT 約7分で読めます
第8話
千明の身体は、金縛りにあったように固まっていた。耳元では明美の夫の東山が、酒臭い息を吐き続けている。千明はそんな臭い息も気にならないほど、ベッドの裸の二人に意識を持って行かれていた。
若さを放射する由香の瑞々しさと、年季の入った明美の身体が折り重なる。リードするのは明美で、最初こそ頑なだった由香の姿は、今や従順に思える。
「さあ由香ちゃん、もう少し腰を上げなさい。割れ目ちゃんを突き出すようによ」
「あぁ、はい...」
二人の女は黒いマスクを着けてはいるが、目元と口元からは素の様子が分かる。愉悦の具合が、そこから露れて観えるのである。
「もっと千明さんに見えやすいように、もっと上げて、そして拡げて」
千明は初めて生で目にする同性のソコに、最初はグロさを覚えたが、それも今は麻痺したのか、二人の戯れに没頭さえしている。
「千明さん、うちの奴、凄いでしょ」耳元で東山が、千明にだけ聞こえる声で囁く。
この男(ひと)は自分の妻の痴態をどう思っているのかと、そんな疑問も最初のうちだけで、今はその存在すら気にならなくなっている。
「明美のあの表情(かお)見てやってよ。Sでしょ。でもね、本質はマゾだと思うんだよね」
サドマゾの名前くらいは、千明も知っていた。一瞬、自分はどっちだと思った瞬間“彼”の顔が浮かんだ。夫とは一味もふた味も違った快楽をこの身に与えた彼。
「ふふふ、二人の絡みを見るのは、実は僕も初めてなんだよね。さあ、これからもっと由香ちゃんを責めるよ」
東山の声が、確実に千明の中に染み渡っていく。
「あぁ由香、貴女のオマンコ、凄い事になってるわ」
由香に告げた明美の言葉は、千明にも向けたものだった。千明の記憶の中から“彼”の言葉が蘇ってくる。
『千明、お前のマンコ、凄い事になってるぞ。もっと拡げて見せてみろよ。お前は見られて興奮する質だろ』
彼はいつも、優しい面と怖い面を使い分けていたように思える。
『よくもまぁ、そんな惨めな逝き顔を曝せるなあ。いつか旦那にも拝ませてやるか』
『いやん、主人の事は言わないで!』
『言わないで?違うだろ、言わないで下さい、だろ!』
『は、はい。言わないで下さい。お願いします、何でもしますから』
「あぁんっ、恥ずかしい事言わないで下さい!」
由香の叫びが千明自身の言葉と重なり、胸に突き刺さる。
「何よ由香ちゃん、本当の事なのよ。貴女のオマンコ、見られるだけでグチョグチョで、とてもグロいのよ」云った明美の手には、いつの間にかバイブが握られている。
「いゃんグロいなんて」
「ふんっ、グロいものはグロいのよ。でも、このグロマンを責められるのが好きなんでしょ」
「そ、そうです!」
「このバイブ、きっと貴女と相性がいいはずよ。じゃあ行くわよ」
いつしか千明の腰が、モゾモゾと蠢き出していた。又も“彼”の言葉が蘇る。
『下半身は別人格といってな、意思とは別にスケベ汁を垂れ流すわ、咥えた物は離さないわでな』
その時「どうしたんですか千明さん、オシッコ我慢してるんですか」
東山の揶揄する声に、千明はハッと我に返った。
「それにしても由香ちゃんのオマンコって、歪な生き物って感じだよね。明美が言うには、彼女の男性経験は大した事ないらしいんだけど、あのグロさを考えれば、オナニーばっかりしてたんじゃないかなぁ」と、東山が千明の横顔を覗き込んで来た。
彼の残像を感じながら、千明はベッドの二人を見詰める。
明美がバイブを由香の手に握らせた。
「さあ、そのまま一人遊びをしてみせて。アタシは...」
明美は立ち上がると、胯間を拡げて由香の顔の前に持って行った。
由香は立て膝で股座を拡げ、掴まされたバイブを膣奥に挿入している。
「由香、そのままアタシのココを舐めて。満足させるのよ」
ガニ股に開いた明美の胯間に、由香が舌を伸ばす。片手で身体を支え、もう一方の手でバイブを動かしながらである。
「凄いねぇ二人とも。僕も初めて見たけど、こういう妻の姿を見て興奮を覚える旦那って、結構いるんじゃないかな、千明さんどう思います?」
「いゃん、主人の事は」
「へ、主人?!僕は別に、千明さんの旦那さんを意識して云ったつもりじゃないんだけどなぁ」
千明は心の奥に、キリリと痛みを感じた。それはここ最近に感じる、奇妙なザワメキに似ている。
「いい...良いわ凄く良いわッ、由香ちゃんもっと舐めてぇ、アタシ逝きそう」
明美の声に、由香の顎の動きが激しさを増す。由香が手にするバイブの動きも激しさを増している。
「見られながらやるって、やっぱり最高。ねぇ貴男よく見て、アタシ達って変態でしょ」
東山が千明の肩に手を廻したままで、ウンウンと頷く。その熱が千明にも伝わる。
「千明さんもしっかり見てッ。これがアタシなの。もっと軽蔑して、バカにして。でも気持ちいいのよッ」
それは明美が高みに到達する合図でもあった。合わせたように、由香の抉りも頂点に達する。
「明美さんッ、由香も逝きそう、オマンコ逝きそうです」
「ダメよ由香ちゃんは、もっと我慢してっ」言うなり、明美の身体が電気を浴びたように痙攣した。「もうダメーーッ」
夫に逝き顔を曝して倒れ込んだ黒マスクの女は、紛れもない千明の知人である。昨日の昼間も顔を合わせたお母さん。その彼女が今、性的絶頂を迎えたのだった。
「ふふっ、うちの奴の方が先に逝っちゃいましたねぇ。となると、次は由香ちゃんだ」
見れば由香は、崩れ落ちた明美に覆い被さられている。
東山が立ち上がって、千明の手を握った。千明の腰がふらりと浮き上がる。
背中を押されて、千明はつんのめるようにベッドの際まで進んだ。そして屈む。身体はフワフワ、頭はボォっとしている。
「由香ちゃん、お尻をこっち向きに突き出してごらん」優しい東山の声が、由香を四つん這いに誘う。
膝を付いた千明のちょうど目の前には、由香の臀がある。
「千明さんほら、よく見てごらん」
由香の赤く腫れた秘苑が、生き物のように呼吸を繰り返している。パックリと開ききったその上には不浄の門。
アナル、アナル、アナル、彼はアタシの門(アナル)にも興味を示していた。と、千明の記憶が囁く。
四つん這いにさせられ、千明はよくソコの放射状の皺を弄られた。その同じ放射状の皺が、今目の前にある。
「さあ、コレを」不意に東山がソレを差し出した。先ほどまで、由香が下の口で咥えていたバイブだった。
無意識に受け取ったバイブが、由香の膣(アナ)に向かう。
「千明さぁん...貴女の手で由香ちゃんにトドメを刺してあげて...」明美が薄っすらと目を開けて、千明に訴えてきた。
そして千明は、初めて同性をその手で、性的絶頂に導いたのだった。
・・・・
海外赴任から日本に戻って気が緩んでいるのか、今夜も酔いが回るのが早かった。
慰労会は2次会でお開きになって、ようやく今、貴明は最寄り駅に着いたところだった。
帰りの電車の中では、何度かスマホを確認したが、妻へ送ったLINEは全て既読になっていない。
6年生になってスマホを持った息子の拓実に連絡を取れば、妻は急に太田コーチと会う事になったと云う。
酒を飲む所にいるのか分からないが、それにしてもLINEが全く既読にならないとは、どんな状況なのだろうか。
遅い帰宅の時には、よく妻が車で迎えに来てくれた。だが、どうやら今夜は無理みたいだ。貴明は片道20分の自宅へ歩き出した。
酔い覚ましには良かったかもしれないが、4月の夜は思った以上に寒い。
春物のコートの襟を立てて、両手で身体を抱くようにして足を進めた。この時間の人通りは、さすがに少ない。
暫く行くと、前を歩く女性の後ろ姿に気がついた。突然、モヤモヤとどうしようもない欲情が湧いて来た。先日の夜に覗いた卑猥な露出画像が、頭の中に落ちてくる。
足は進み、寒さも気にならなくなってきた。前を行く女性は同じようにコートを着ているが、寒さを凌ごうとしているのか、身体を抱くようにして歩いている。
気がつけば、貴明は自宅とは違う方向に来ていた。このまま行けば、例の運動公園である。まさかこの女性は、深夜の公園で善からぬ事をするのでは。あのコートの中は裸で、何処かで自分の恥部を...。
しかしそれは、現実には起こらなかった。彼女は見覚えのあるマンションへと入って行ったのである。
それは息子のサッカー仲間の秦光博(ハタ ミツヒロ)君が住んでるマンション。
貴明は女の後ろ姿をエントランスに消えるのを見届けると、足は再び公園の方へと向いたのだった。
先日の土曜の深夜と同じように辺りは静まり帰り、貴明は遊具広場が見える所まで来ていた。
いつの間にやら汗を掻いている。コートの中が熱い。股間の辺りがモヤモヤする。
周りには誰もいない。だが、自分は得体の知れない何者かと出くわす事に期待している?それはあの投稿画像の人達か。
その時、貴明は背中を這いずり周るザワメキに身を震わせた。手が自然とファスナーに向かっている。これを又やってしまったら...。
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