小説本文




 「この家、お邪魔するのは何回目ですかねぇ」若い男が部屋の中を、グルりと見廻す。
 1次会から帰宅したと見せかせ、やって来た二人の男と、連れてこられた一人の女。
 ここは男達が“やり部屋”としてシェアしている一軒家の一室である。
 「古いけど、実はオーナーさんが面白い具合に改築してくれてるんだ。好き者達の秘密の館(ヤカタ)」
 誰に訊かれたわけでもないのに、中年の方の男が得意げに話す。
 「それにしても、4月になっても夜は冷えますね」と、若い方の男が呟く。
 「始まれば直ぐに暖かくなるよ」
 「なるほど、仰るとおりだ」
 部屋の真ん中では、女が先程から震えながら立っている。
 「寒い?」
 「違いますよ、オシッコでしょ」云って若い男が、俯く女を下から覗き込む。
 「ああ、そうだった。我慢してたんだよね」
 二人の男が下卑た嗤いで頷き合うと、それがプレイの始まりの合図であった。


 「じゃあ今夜は、聖水ショーから始めよっか」
 若い方の男が中年男の指示で、女の服を脱がし始める。
 「アァ…もう、漏れちゃう」女が涙目で何かを訴えようとする。
 「ダメですよ、ここじゃあ」
 「早く風呂場に。温めて来るよ」
 素っ裸にされた女が浴室に入ると、シャワーの熱気が拡がっていた。
 「さあ、君はいつも寝転がるんでしょ」
 中年男の声に、若い男が照れ臭そうに洗い場に仰向けになった。
 「じゃあ奥さんはそう、彼に跨ってね、分かるよね」
 「アァ…出ちゃうぅ」
 男を跨いだ女の足が、ガニ股に開かれている。
 「まだまだ、さあ手を頭の後ろで組んで、そのままもう少し腰を落として」
 仰向けの若い男が、女の股間を見上げる。
 「すっ、凄っげぇ眺め!オマンコが卑猥すぎる」
 「いゃあん、恥ずかしいっ」
 「まだだよ、まだだよぉ、もう少し我慢して。そう、その格好で腰を回して」
 「ううっ、厭らしっすぎますよ。俺もう逝きそうですよ」
 「それは早すぎでしょ」中年男が笑いを上げる。
 「じゃあ奥さんさ、オシッコ出す前に改まって自己紹介してみよっか」
 「そんなぁっ、酷い、そんな事っ」
 「大丈夫大丈夫、ビデオは無いしさ。それに俺達の言う事を聞かないと、後でチンポもらえないよ」
 「ううぅ、わ、分かりましたぁっ」
 「さあ云ってごらん、名前から」
 「は、はい、あ、アタシは柳町FC、奥津貴大(オクツ タカヒロ)の母、紀子(ノリコ)42歳です」
 「そうそう続けて」
 「の、紀子はチンポ好きの変態女ぁ…い、いゃあん、もうダメ!」
 その瞬間、紀子の恥部から、聖なる小水が仰向けの若い男に向かって迸った。
 「いゃーーん!」
 ガニ股開きの腿を震わせ、紀子は自身の恥部から溢れ出た水流の音を耳にしている。その羞恥の恥辱の中で、彼女は究極のエクスタシーを感じたのである。




・・・・
 自宅に戻った貴明。
 子供と今日の試合の話は出来たが、素っ気なく終わってしまっていた。その原因は、貴明がアルコールの匂いをさせていたからではない。いつの間にか息子は難しい年頃に入っていたのか、会話は全く盛り上がらなかったのである。
 やる方ない気持ちを胸に、貴明は書斎部屋に籠る事にした。
 まだ形の整わない書斎の椅子に腰を降ろして、ふうっと溜息を吐く。今は単身赴任から帰国しての特別休暇中だ。それでも、いつものようにパソコンのスイッチを入れた。休みの時とはいえ、メールくらいは目を通しておかないといけない。
 パソコンの横には、赴任先に持って行ってた写真立て。現地で女遊びの接待に出る時には、裏返にしていたものである。
 ふと、頭の中に現地の女達の姿が浮かんだ。
 接待で相手をしてくれた女は、何でも言う事を聞くという触れ込みだった。
 日本人は誰もが、妻がやってくれない事を現地の女にやらせるとも聞かされた。女は男に応えて、現地妻になって行くとも聞いた。
 貴明は考える。つい先日の妻とのセックスはどうだったか。無意識に赴任先の現地妻と比べていなかったか。
 あの東南アジアの熱気の中で、汗みどろになって弄りあった日々。そして改めて思った自身の性癖。
 いつの間にやら胸の奥がモヤモヤしている。ドアが閉まっているかを確認して、部屋の電気を消した。パソコンの灯りが、貴明の顔を病的な表情に映し変える。
 明るい画面に、貴明の指が淫靡な文字を呼び起こす。
 覗きーー。
 SMーー。
 変態ーー。
 その筋の愛好者達が、悦びそうな文字が踊る。
 【露出投稿画像掲示板】
 貴明はクリックした。
 <公園で恥部を曝す妻>
 <かなりの豊満ですが>
 <昨日の淫乱妻>
 <妻のアソコを見てやってください>
 卑猥なシーンを想像させるサムネタイトルの羅列に、異様な想像が働く。想像は妄想を呼び起こして、他人様の妻と自分の妻とが重なる。
 そして。
 <サッカー保護者の変態お母さん>
 そのサムネを見た瞬間、貴明は震えた。そしてクリックした。溢れ出るのは猥褻画像の数々。
 やがて、貴明は陰湿な香りに吸い寄せられて、淫猥な世界にのめり込んで行ったのである。




・・・・
 男達の秘密の館(ヤカタ)、その一室では、奥津紀子の調教が続いていた。
 聖水を披露した紀子は、憑き物が落ちたかのように、我を忘れて何度も逝き狂っていた。陰部に肛門、ソコを恥じらいもなく拡げて男を求め続けている。
 「お願い、もっと突いて下さいッ、おチンポ激しく!」四つん這いで突かれながら、紀子が泣き叫ぶ。
 「あらあら、今夜は一段と激しいですねぇ、おらっ」若い男が余裕の表情で、胯間を更に抉り込んだ。
 「ほんとほんと、その姿を他のお父さん達にも見せて上げたいもんだよ」先に放出を終えてる中年男が、紀子を見下ろす。
 「それ、いいっすねぇ。でも何なら、お母さん方の前でも」若い男が目をギラつかせる。
 「どうする紀子さん、柳町FCの親達の前でストリップをやらしてやろうか?」
 「いゃーんっ、そんなの出来ません」眉間に苦悩の皺を刻んで、紀子は鳴きを続ける。
 その表情には怯えと悔しさ。それでも紀子は、逆らえない我が身を知っているのである。
 「出来ないの?そんな事ないでしょ」
 「そうそう紀子さんはオシッコだって最初はやれなかったけど、今じゃねぇ」
 「その通りだ。3Pも抵抗したけど、最近は自分から求めて来るしな」
 「それに去年の親睦旅行の時もさ、夜中に俺達の部屋に来てさ」
 「違う、違いますっ。あれは童貞の貴方の相手をって」四つ身の手足で床を噛んで、紀子が身体を震わせる。
 そして貫かれながら首を左右に振る。唇を噛み締めた苦悶の表情は、途轍もなく凄艶で男達を見惚させている。


 「ところで旦那さんはどうしたの?昼間の試合にも来てなかったよね」
 「あぁん、こんな時に主人の事を!」
 「うっ、今マンコが締まったよ。旦那の話が出たらこれだから」云って若い男が、紀子の臀を一打ちした。
 「ふふっ、紀子はチンポ好きのマゾ女。そうだよな」
 「あんッ、そ、そうです、紀子は皆さんの肉便器ですッ。ですから主人の事は、アァ…っ」
 「ふんっ、今は旦那の事は忘れたい?」
 「は、はい、忘れたいですッ。ズコズコやって忘れさせて下さいッ」
 紀子は背筋を痙攣させ、そして恍惚の表情を浮かべる。
 「もっと、もっと強く、お願いしますッ」
 完全な敗北の貌を曝し、紀子が白目を剥いて突っ伏した。


 ほぼほぼ失神した紀子を見下ろし、二人の男が満足げな笑みを浮かべている。
 「ふう、この肉便器なかなかいいっスよね」
 「ああ、でも後一人くらいは欲しいよね」
 「ほんとっス。誰かいますかね」
 「実は狙ってる“お母さん”がいるんだよな」
 「お母さんって事は、ひょっとしてサッカーの?」大学生コーチの石井の目が好奇心で広がった。
 「ふふふ、そういう事。それに、その女(ひと)を堕とすのに協力してくれる人間の目処もあるんだよねぇ」
 「え、誰なんですか?」
 「絶対に内緒だよ…」
 中年男が若い石井の耳元に口を寄せ、ある人物の名前を聞かせたのであった。