小説本文



堂島記念館・・・。
 堂島学園の創設何周年かを、まさに記念して建造された趣のある建物。
 その隠れた地下室で、総帥 堂島泰三が妖しげな空間を演出していた。
 弟子と称した沖田が黒マスクで顔を隠した若い女を使って、ベッドを舞台に男女の営みの型(かたち)、四十八手を披露していた・・・滑らかに、自信満々に、そして卑猥に。


 体位が変わる度に、野太い声と嬌声が発せられていく。
 「さあ、これが“手懸け”・・」
 「ああああ・・・・・いやあ・・・・」


 「次は“乱れ牡丹”・・」
 「うううう‥‥ああっ・・・いい・・・」


 「これが“松葉崩し”・・」
 「ああ・・・また・・・いっちゃう・・・・・」


 「そしてこれが“押し車”・・」
 「あああ・・・・あたる・・・・深い・・・・」


 太い腕が女の身体を流れるように操っていく。沖田は結合の部分を必ず新一に向けている。
 テレビ画面にはグロテスクな剛直が、“女”に抜き差しされる部分が映し出されている。 


 「おらっ どうだ!」
 野太い声と同時に、巨大な手のひらが尻を一打ちした。
 「んあッー」
 マスクの口元から、唾(ツバキ)と一緒に甘い叫びが飛び散った。女は四つ足でシーツを噛み締め、腰を高く上げている。その腰を沖田が激しく撃ち込み続けている。
 その格好が四十八手の何なのか? 高志の頭はもう、そんな事を考える余裕などなかった。


 沖田の重みが腰に感じる度に、女の口元は悦(よろこび)に歪んでいく。
 マスクの鼻先寸前のところに、新一が自分の顔を突き出していた。吐き出る息が、益々強くなっていく。


 「どうじゃね、沖田の持ち物は?」
 (・・・・・)
 「んん?だが、“アレ”を迎え入れた女も凄いじゃろ。あれだけ太い一物を咥え込むのだから」
 堂島が楽しげに呟いた。


 「さあ、ここからクライマックスに向かうぞ。面白いシーンが見れるから楽しみにしておれ」


 高志の身体が無意識に、画面に向かって乗り出していた。その視線の先では、新一の右手が怪しい動きを始めている。
 腰は浮き、左手をベッドの縁に預け、右手が自分のブリーフパンツを掴んでいた。


 (・・・おっ おい・・・)
 (・・・し 新一くん・・・)


 女の朱い唇からは涎(よだれ)のような液が滴(したた)落ちている。新一はそんな女の様子を抉(えぐ)るように見ながら、己のパンツを脱ぎ取った。


 「クククク・・・」
 沖田が新一を見ながら、嬉しそうに口元を轢(ひ)きつらせる。
 「さあ、そろそろご対面といこうか」
 そう言って、太い指がマスクの下顎に掛けられた。
 高志はゴクリと息を飲み込んだ。


 女の鼻から「ンッーー」と息が抜け、その瞬間マスクが一気に剥ぎ取られた。
 「ウワッ!」
 高志の口からうねりが上がった。


 露(あら)わになった女の顔には、前髪が汗でピタリとこびり付いていた。
 赤味を帯びた表情(かお)は激しく上気し。そして髪の隙間から覗く瞳は、虚ろにさ迷っている。
 新一は全裸姿で、右手でいきり勃(た)った自分の物を握っている。
 沖田はそんな新一を嬉しそうに見下ろした。


 「さあ弥生、彼氏とご対面だ。今のお前の気持ちを教えてやれ」
 沖田はそう告げ、更に激しく腰を打ち付け始めた。


 「うううう・・・・ああっ!・・・もう、だめ・・・そんなにしたら・・・」
 「ほら、遠慮するな、感じるのか」
 「ああああ・・・凄い・・・あたる・・・硬いのが・・・・感じます・・・」
 「おらっ、もっと欲しいのか」
 「はい・・・あっ!・・・ああああ!・・・・き 気持ち イイィ・・・」


 (ングッ!!)
 新一の口から短い呻きが上がった。同時に右手に力が加わり、その動きは何かに急かされるように強さを増していった。 
 弥生の表情(かお)は歪み、瞳は揺れ、新一に凝視されながら涎を流している。


 高志の横で、堂島が嬉しそうに何度も頷いた。そして高志を振り返った。
 「ククク・・・あの女(こ)の目には彼氏の事なんぞ、映っておらんじゃろ」


 沖田が再び弥生の身体を操りながら、違う体位に導いた。
 仰向けの毛深い身体の上に、綺麗な背尻が跨がっていく。


 「お前の好きな格好だ。好きなだけ腰を振れ」
 そう言って太い指が、豊かな胸を下から揉み上げた。


 「あああっ・・・振りますっ・・・・すごい・・・・また・・・奥まであたる・・・大きい・・・」
 「よしっ! もっと振れっ」
 「あああ・・・いいい・・・ああっ!」
 「ほらっ!こいつはどうだ」
 「んあっ・・・た たまらない・・・こんなの・・・・」
 「どうだ、俺様のチンポは」
 「すごい!・・・あああああっ・・・もう、ダメ!・・・それ以上、つかれたら・・・死んじゃうううう」
 「ほらっ 死んでしまえっ」
 「はいっ・・・うあっ・・・もう・・・そんなに・・・また・・・」
 「クククク・・・よしっ、逝ってしまえ」
 「ああああ・・・・いくっ・・・・いきます・・・あああ・・・・いくうううう・・・・あっ!」


 嬌声とともに肢体が倒れ込み、弥生が分厚い唇にむしゃぶりついた。鼻を鳴らし、こでもかと唾液の交換を求めるように・・・。
 高志は呆然とその様子を見つめている。新一は二人の絡みをカブリつきながら、股間の物を激しく扱いていた。


 弥生の身体はしばらく沖田に抱きつきながら、荒い呼吸音を続ける。
 股座では弥生の“女”が、男根を咥えながら震えの余韻を感じている。
 痙攣(ふるえ)がそのまま続き、呼吸音が小さくなったところで、沖田が弥生の尻を一打ちした。
 二人の気配に堂島がニヤニヤ笑っている。高志は何度も何度も唾を飲み込んでいる。


 朦朧としたまま、弥生が顎を上げる。女穴はまだ男根を咥えこんでいる。
 赤黒い肉棒が突き刺さったその部分は、淫靡な液でベットリ濡れ光っている。


 沖田が顔を上げ、弥生の耳たぶを一噛みした。
 弥生が頷き、後ろを振り返る。
 新一の目には、汗にまみれた妖艶な顔と、グロテスクな性器の結合が映し出されている。


 「ああ、新一・・・」
 (・・・・・・・・・・)


 「・・・舐めて・・・」
 (!!!・・)
 「アタシと沖田さんが繋がっているところを舐めて・・・ね お願い・・・」


 弥生の涙混じりの懇願に、新一が震えながら二人の股座に顔を近づけた。
 そして・・。
 一気に・・。
 シャブリついた!!


 「はああーーーーー!」
 その瞬間、弥生の口から断末魔のような叫びが上がり、同時に新一の股間から白い液汁が吹き上がった。
 それでも新一は“ソコ”を舐(ねぶ)り続けた・・・。
 弥生と沖田の性臭の匂いを吸い込みながら・・右手で最後の一滴までを搾り出しながら・・・・・。