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その頃、渋谷家…。
自宅のリビングでボンヤリしていた優作は、思い出したようにスマホを手に取った。
アイツ…敏男の事は明日、大塚に相談する事にはなっているが、今日の内に連絡がついて謝罪の気持ちを伝える事が出来ればそれに越した事はない。そう考えながらメールを開いた。
昨日、何通も送ったものへの返信はない。よほど傷つけてしまったのだろうと思いながら打っていく。
《敏男へ たびたびでスマン。本当に悪かったと思っている!お前の進路の事は俺も心配してる。とにかく一度連絡をくれないか。頼む!》
送ったメールを一度読み返し、スマホをテーブルに置いておく。返信が来れば直ぐに分かるようにと、目に付く所に置いておく。
それから特に何もする気にならず、座ってボオっとしていた。テレビは点いているが頭には入ってこない。そのまま2、30分たった頃だったか、突然インタフォンが鳴った。
来客の予定はない筈だから、宅配便だろうと当りを付けてモニターを見た。
そこに写った人の姿に、首を傾げた。
「…こんにちは…」モニター越しに聞こえた声は、映像通りの幼い声。
一瞬、子供を使った新手の宗教の勧誘かと思った優作だったが、次の言葉で頭の中に“何”と言う文字が浮かんだ。
「早苗さんはいますか」
暫くこの少年…間違いなく少年…の顔を見ていた優作だが、直ぐに気がついた。
「あ、勉強会の」と言ったところで、向こうからも「はい」と聞こえてきた。
それにしても、母親の事を先生ではなく\”\”さん”付けで呼んだこの少年。幼い顔立ちの中身は大人びているのか、優作はこの少年にちょっとした興味を覚えた。
優作はモニター越しの会話を止めて、玄関まで行ってみる事にした。
ドアを開けて迎え入れる。目の前に現れたのは、パッと見、高学年。そう判断しながら訊いてみた。
「えっと、母さんはいないんだけど…何かご用ですか」
思わず出た優作の敬語にも、その少年は特に反応を示さない。
そして「そうですか…あの…」と口ごもり、俯く。何かに迷っている雰囲気だったが、顔を上げると優作を見つめてきた。優作は何故かその目にドキリとした。
「早苗さんと約束したんですが…」
「…ええっと何を…」
二人は玄関で向かい合っていた。見下ろす格好の優作に見上げるその少年。
少年は優作の目を真っ直ぐに覗いてくる。
と、その時、優作は思い出した。今朝の早苗の言葉『~タナカ君の両親が何か言ってきたら…』
「ひょっとして君、タナカ君?」
「はい、そうです」
「……」
母が予期していた事と少し食い違いがあるのかと思いながら、優作は思案した。
その少年ーータナカ君が、優作を見つめながら続ける。
「今日は早苗さんに”又来てって”言われたから、来てみたんです」
「ん~っと、それは御両親と一緒にって事じゃないの…」
母からの伝言と辻褄を合わせようとして、優作は“御両親”と言う言葉を出してみた。
しかし、少年は「いえ違います」と、落ち着いた声。
「…てことは、君1人でって事?…」
「はい、その時 僕と早苗さんしかいなかったんで」
よく分からないな、と言った顔で優作が腕を組む。
「勉強会は君一人だけだったの」
「いえ、3人でした」
「…でも、母さんと二人だけの会話をしたんだ」
「いえ、会話と言うよりか、早苗さんの方から言ってきたんです」
「ん~今一よく分からないなぁ。この家の中での話しだよね。その時は何処にいたのかな」
優作は痒い所に手が届かない気分。少年は淡々としたペースで話す感じだ。
「廊下です。廊下で早苗さんと二人切りになったんです」
「…廊下ねぇ。そこで母さんが君に又来てって言ったんだ」
「ええ、又来てって言ったのは“その後”なんですけど」
「その後?…って事は、廊下で何かあって、その後に母さんが又来てって言ったって事?」
「はい」
「ふ~ん、何があったの?3人に問題を出して、君が分かったって手を上げて、他の二人に答えを聞かれないように母さんが廊下に呼んだとか」
優作はもう、めんどくさくなった気分で訊いてみた。
しかし少年は真顔で続けた。
「いえ、それも違います」
「ん~あのねぇ…いったい何があったのかな」
イライラが募った声に、少年は少年らしく身じろぎした。しかし、落ち着いて云った。
「バスローブ」
「は?!バスローブ?バスローブがどうしたの」
「…早苗さんがバスローブを開いたんです」
「バスローブを開く?バスローブってあれだよね、風呂上がりに羽織る…」
少年が黙って頷いた。
「バスローブを着て勉強会をしてたって事かい」と、優作の顔に苦笑いが浮かんだ。
「いえ、普通の服だったんですけど、僕がトイレから出ると、バスローブに着替えてたんです」
「………」
「それで、廊下の端まで歩いて…そこで…」
「…そこでどうしたの」
「はい、早苗さんがそのバスローブをパッと…」
「パッと…?」
「パッと開いたんです」
「?…」
「そうしたら、何も着てなかったんです」
「は!?…何も着てない?」
「はい、素っ裸だったんです」
「………」
優作の頭の中は、一瞬空白になった。そして、少ししてから少年の言葉を復唱した。
バスローブ。
素っ裸。
その瞬間、まさかと何かが瞬いた。知らずにゴクっと唾を呑み込んだ。そんな優作を目にしながら、少年は続けた。
「それで、その後に又来てって言われたんです」
「それって…」
「うん…また見に来てって事だと思います」
“はい”が“うん”に変わり、その如何にも初(うぶ)な表情に、優作は初めて目の前の少年を子供らしいと思った。
優作はその後、少年がいつ帰ったのか思い出せない。思い出そうとすると『失礼します』と言って、玄関を出ていった後ろ姿が微かな記憶としてあるだけだ。
いつの間にかまた、リビングのソファーにボオっと座っていた。
頭の中では言葉が回っている。
『素っ裸だったんです』
『パッと』
『バスローブを』
フラりと立ち上がり、洗面所に行ってみた。その次は和室部屋。昔からの両親の寝室。
その和室の部屋にある洋服箪笥。優作はそれを開けて覗いてみた。幾つものハンガーに吊るされた服を見ていく。やがて目に付いたのは、水色のバスローブ。
優作はそれを手に持ったまま、暫く立ち竦んでいた。
そんな優作の頭にもう一度少年ーータナカ君の後ろ姿が浮かんできた。その姿から首だけがクルリと回って振り向く。能面のような顔が見つめてくる。優作は急に寒気を覚えて、ブルルと震えた。
(なんか最後は不気味な感じがしたなあ…。魔少年か…)
…この日、早苗が帰ってきたのは、深夜近かった。
その帰宅の時も、優作は自分の部屋に籠っていた。顔を見る気も起きず…いや、見てもどんな顔をすればいいのか分からず、悩みを先送りする内気な少年に戻って、寝たふりをしていたのだ。
早苗も優作に声を掛ける事もなく、シャワーを浴びた後は、直ぐに寝室に入って、そのままのようだ。
優作はずっとベッドで横になっている。
早朝勉強の為に早寝の習慣が付いた今でも、この夜はなかなか眠る事が出来ない。
優作はもう何度と繰り返した昼間の様子を、もう一度思い浮かべてみた。あの少年ーータナカ…君の言葉。
バスローブ。
素っ裸。
また見に来て。
優作には、あの少年が嘘をついてるとは思えなかった。物静かで落ち着いていて、どこか霊的な感じがしたあの少年。
母が今朝方言った『~タナカ君の御両親が何か言ってきたら…』あれは、早苗自身が身に覚えのある“何か”に対して覚悟を持っていた証拠ではないか。と言う事は、やはりタナカ…君が言った事は本当の事…。
何度目かのタメ息を吐き出し、顔を振った。
明日は敏男の事で大塚に相談する日だ。先日のメールでは、《母のその後は大丈夫です》と伝えていた。しかし…話しの流れで母親の事も相談しようか…と思い付いたところで、由美の顔が浮かび上がってきてハッとした。
ひょっとしたら、知らないところで由美から早苗に連絡が行ってるのではないか。そこには、貴女の息子と関係を持ってしまった。そんな懺悔があって、それで母はショックで息子の顔も見たくないのでは。しかし、タナカ君の事はどう絡んでくる…?
由美と優作、そして由美と早苗。それに早苗とタナカ君。頭がこんがらがってくる。
むくりとベッドから立ち上がって目を瞑った。何故か想い浮かんだのは、大塚の顔。
そこで優作は心の中で祈った。
(大塚先生、明日お願いします。助けて下さい!)
寝室の早苗ー。
身体は確かに疲れている。
しかし、頭の中はハッキリとしていた。
家に入る前には\”男”の臭いが付いていないか、自分の身体を嗅いでみた。
2階の部屋には灯りも見えず、息子ーー優作が寝てくれている事に少なからず安堵して、鍵を取り出していた。
シャワーを浴びた時間は短かった。心のどこかに、浴室の音で優作を起こす心配もあったからだ。
しかし、洗面所の鏡を覗くと暫く、その姿から目が離せなくなった。鏡越しに気にしたのは、情恥の痕の事。鬱血のような口付けの痕はないし、打たれた痕も残っていない。振り返って鏡に映して臀部も見たが、そこにも痕は残っていないようだった。
それよりも感じたのは、身体がより肉感的になった気がした事だった。
乳房は巨(おおき)く上向きになっている…気がした。下腹はそれなりに脂が付いて少し垂れ気味であったが、腰が張っているので括れの感じが良い味を出している…と思った。臀部も全体的に上付きに、以前より張り具合が良くなった感じだった。
・・・早苗は今夜、家に着いてからの事を思い返して、寝返りをうつように壁の方を向いた。
一時は肌の張りを衰えたと感じた時期もあったが、大塚の依頼を受けてから自分の身に起こった出来事ーー今も続いているーーによって若返った気がしている。
そして今では、道徳心よりも本能が幅を効かせていた。息子の親友である大久保敏男が現れた時は、さすがに驚いた。しかしあの時は既に、この身体は肉の悦(よろこ)びに支配されてしまっていた。一線を越えた時、自分は一匹の牝に変わったのだ。そんな現実を思い返すと哀しみがある。しかし…敏男は”牡”で、自分はただの\”牝”なのだ。あの時にソレを実感して、本能に全てを任せる女になってしまったのか。
明日もまた御主人様ーー上野に呼び出しを受けている。先ほど明日の目的地の住所がメールで送られて来ていた。
ふうっと息を吐くと、身体がブルルと震えた。明日の性宴の想像に心が震えたのか。
その時、早苗は気づいた。身体に昼間の情恥の痕跡があっても良かったのだ。この身体を見るのは、早苗の“牡(おとこ)”だけなのだから…。
敏男は自分の部屋から上野に電話を掛けていた。
たった今までメールで今日の礼を云っていたのだが、想定外の話が出たので電話に切り替えたのだ。
『…どうしたんだよ大久保』
向こうからは、いつもの飄々とした声が聴こえてきた。
「上野よぉ、明日の場所だけど何でヌケサク先生の家なの?それに優作もって…」
敏男の語尾に被せるように上野が『ああ悪い悪い。早苗とは今日の部屋で落ち着いてオマンコしたいのは分かるけどよ、大塚さんから話を聞いてさ、明日、優作ちゃんが家に来るらしいんだわ。何でもお前の進路の事で相談があるとかでよ』と、淡々と喋りながらも“進路”の所に笑いを含めていた上野。
「………」
『でな、短小包茎君が来るなら、アイツの前で早苗とオマンコするところを見せてやっても良いかなって閃いたんよ』
「お、おい、お前それは…」まずいだろ、と言葉は途切れたが、向こうには伝わったようで。
『…お前、俺がアイツの事、気にくわないと思ってるの知ってるよな』
シレっとした声で改めて言われて、敏男は「ああ…」と、呻くように返事をした。
『よしよし、それでな、この機会にお前の出番で早苗とオマンコやって、アイツの前で奴隷宣言を又やらかそうって考えたんよ』と告げる声には笑いが戻っている。
『お前もアイツには劣等感と言うか、面白くないもんを感じてたんだろ。ちょうど良い機会じゃん。それによ、息子の前で自分の本性を曝したら、早苗も逆に安心してお前の物になるぞ。なんせ隠れて会う必要がなくなるわけだからな』
ゴクリ…上野の言葉の意味を感じ取ってか、敏男の喉が鳴った。
「………」
『ん~どうした大久保』
敏男の沈黙の意味など深く考えず、上野が続ける『それにな、神田のオジサンにも新しい仕事の計画があって、それに“野郎”の人員が足りてないんよ』
(?…)
『アイツと由美がオマンコしてる所もビデオに撮ってたじゃん。何ならそれも脅しに使って、アイツも支配下に置いてやろうって考えたわけ』
「し、支配下…何なんだそりゃ…。それより、優作の前でオバサン…いや…早苗とエッチしたら、間違いなく俺、アイツに殺されるよ…」
『………』
敏男の怖じけの声を聴いて、上野が黙り込んだ。敏男はその沈黙に嫌な感じがした。
と、その時…。
『…じゃあ、俺が犯(や)るわ。渋谷が見てる前で、俺が早苗とオマンコするわ』
アッサリと告げられた声に、「えっ!」と、敏男の口から大きな声が上がった。
『いいだろ。そのかわり早苗はずっと俺の物な。金払うって言ってもお前には犯(や)らせないからな』
「ちょ、ちょっと待ってよ」と言って狼狽えた。そして敏男は考えた。
やがて「わ、わかったよ、やる、犯(や)ります」
『………』
敏男の決意の宣言の後は、またも沈黙が生まれた。それから暫く経って聴こえてきたのは嬉しそうな声だった。
『ふふん、まぁそう言うだろうと思ってたけどよ。まぁ早苗は良い女だから、しっかり物にしろよな』
「…あぁうん…」
『それとな、明日も一応黒マスク、アレも用意していくわ。短小包茎君がお前らの正体に気づくかどうかは、明日のお楽しみだな。もちろん素顔で犯(や)ってもいいけどよ』そう言って最後は機嫌良さそうにしていた上野。敏男は逆に緊張が増していく気分だった。
スマホを切ると、困り顔の敏男。
明日…優作の前で…アイツの母親と…。
あぁッくそっ、明日は酒でも呑んでいくか…。
一体どうなるんだよ明日は…あぁ神様…。
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暫くこの少年…間違いなく少年…の顔を見ていた優作だが、直ぐに気がついた。
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優作はモニター越しの会話を止めて、玄関まで行ってみる事にした。
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「ん~あのねぇ…いったい何があったのかな」
イライラが募った声に、少年は少年らしく身じろぎした。しかし、落ち着いて云った。
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敏男は夢にまで見た早苗の身体…その肉厚に頬ずりしながら体臭を嗅ぎ、舌を這わせ、揉みしだいた。
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感泣の声は物凄く、その成果が自分の手…いや、舌?…よく分からないが、敏男はとにかく喜びを感じていた。そして…。
(さぁよく見せてよオバサン…)
心の声を投げ掛け、両方の掌を拡げた足の付け根辺りに当てた。
(あぁ見てやる!オバサンのアソコをじっくり見てやるんだ!)
敏男は黒マスクを着けた時から、声を出さないようにしていた。特に上野からの注意はなかったが、素顔を曝して声を聞かれるのには抵抗があったのかもしれない。
それと、自分は素顔は見せずに相手の正体は知っている…そんなシチュエーションにも興奮を感じていたのかも知れなかった。
よしっと心で頷き、掌に力を入れた。 “その”部分を拡げて顔を近づけた。初めて拝む憧れの女(ひと)の…。
と、思ったところで、ん!
マスク越しに見えるのは…赤黒い…?
どうガン見しても、ハッキリとは分からない。
(ああっもう)
演出に一役かっていた筈のこの黒マスク。それは間違いないが、目の部分は確かに前が見えずらい。
仰向けになった乳房の隆起は良く分かる。
喘ぎの声も聞こえる。
しかし、その秘密の部分が…。
頭の中で先ほどの上野の言葉を思い出す。
『~素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりして…』
「んああッーー」
突然唸り声を上げ、自分を鼓舞した。
狂え!
狂え!
狂え!
その瞬間、大きな手が早苗のマスクに向かった。
首を締めるように下顎に手をやって、布と皮膚の間に指を入れた。そのまま口から鼻の方へと剥いでやった。
現れたのはベットリ前髪が掛かった女の顔。マスク越しに分かるのはそんなところで、敏男は早苗の様子を伺う余裕もないまま、自分のマスクに手をやった。
マスクを外した敏男は、意を決して早苗に素顔を曝す。さぁ見てくださいよと、顔を近づけた。
敏男を見上げたその目は、まだ焦点があっていない。敏男は早苗の顔にへばり付く前髪を乱暴に振り払った。
ゴクリ…唾を呑み込む音が、自分の耳にもハッキリと聞こえた。その音に早苗の目が静かに開いていく。
やがて二つの目が重なり合って…。
その瞬間「いやぁーーんッ」信じられないような大きな声が上がった。
その叫びは敏男の背中を押した。
そうなんだよ!
俺はどうせ悪役なんだ!
悪役は悪役らしく、その身体をメチャクチャにしてやる!
「ヒーーーヒッヒッ」
奇声を発して敏男がムシャブリついた。
「オバサーン、オバサーン、優作のオバサーン」
アソコを思い切り拡げてやる。その赤黒いグロテスクな生き物を見届け、しゃぶり付く。その次は唇、そして胸房へ。そして又、胸からアソコへと唾液を撒き散らす。
先程から硬度を携えていた肉の棒は、秘密の泥濘を探し当てた。肉棒はそれだけが別の意識を持った生き物のようになっている。その先っぽが入口を捕らえたのだ。早苗の目がこれでもかと拡がって、敏男の顔を凝視した。
トシオクン…声のない唇の動きを確かにそう認識して、敏男の口が異様な形に歪んだ。
「そらッ」
「あうっ!!」
ソレは見事に泥濘を突き刺した。後はひたすら腰を振るだけだった。組伏された女は、抱きしめられながら爪を立ててきた。
上野の言葉が甦る。
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けど…。
けど、俺の物で、俺の女(もの)にしてやる!
「どうだオバサン!」
「あーーっ」
「俺のチンポは!」
「ウアアア…」
「どうなんだよ。ちゃんと答えろよ!」
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「なんだと!ほら!」
「ああっいい…」
「もっとハッキリ!」
「いやんッ、許してッ!」
「ダメ!好き者のくせによ!」
その叫びと同時に、敏男の腰にギアが入った。
「ヒィーーッ、いいッ!」
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射精の近づきを感じて、敏男は鏡に目を向けた。何とか我慢しようと、静かに息を吐く。
敏男は呼吸を整え、冷静に次の攻めを考えた。
二つの身体の結合の部分。敏男の手が早苗の内腿を押し広げて、腰を少し引く。目に付く結合の箇所を見ながら、肉の棒を半分くらい抜いて息を継ぐ。
片方の肢を器用に押し曲げて、次に早苗の脇腹に手を入れた。かと思うと、クルリと回した。ソコとソコが繋がったまま、後背位の格好(かたち)へと導いたのだ。
敏男の目は張り出た巨尻を見下ろす。その真ん中辺りには巨大な臀部には似合わない小さな不浄の門。そこを凝視して、敏男の表情(かお)が歪んだ。
(まだだ。その穴はまた今度…今日はお預けだ)
いつかの“ソコ“での交わりを想像しながらも自分に言い聞かせる。
(今日はマンコだ。こっちの穴で完全に俺の物にして…その次だ)
敏男は気を入れ直して、犬の格好になった早苗を攻め始めた。
牡の象徴がぶつかる度に、弾むように揺れる尻(ケツ)。喘声が止む事はない。
「おらっ、どうだオバサン」
「あぁッあぁッいいのッ」
「ちゃんとどこがいいのか、言えよ!」
大きな掌が巨(おおき)な尻(ケツ)を一打ちした。
「あぁーマンコよ、アタシのオマンコよっ」
そんな卑猥な声を吐き出す顔は、敏男の方からは見えない。けれど確かな、苦悶の表情を浮かべる事が出来て、更に腰に力が加わっていった。
と、敏男は思いつき、前屈みになって早苗の頬に手をやった。
「オバサン見てみなよ鏡を」
朦朧とした顔を鏡に向けてやる。
「見えるだろ、俺とオバサンがセックスしてる姿」
「いゃあーんッ」
「へっ何がいゃぁんだ、さっきから感じまくってるくせによ」
「あぁッそうなのよ、感じてるの!」
鏡の中の女を見ながら、早苗は己の被虐の癖に酔うように堕ちていった。
獣の格好の自分を犯しているのは、子供の頃から良く知っている男。その逞しい“男“に逝(い)かされる自分の姿を鏡越しに認め、その敗北の意にさえも快感を覚えていた。
「ああっ凄い!凄すぎる!凄すぎるわ敏男君!」
「どうだーいいだろ俺のチンポは!」
「あぁーはい!いいです!凄くいいです!」
「もっと欲しいか!どんな風にしてほしいんだ!」
「もっとズコズコしてッ!早苗のオマンコ虐めて!」
「んがーッ」
腰を振る敏男の巨体が、一瞬血の気の引きを感じて、それから震え出した。
早苗の口が、自らを“早苗“と呼んだ。その言葉を確かに耳にした瞬間、敏男は憧れの存在を我が物にしたと思ったのだ。
その朱い唇からもっと卑猥な言葉を吐かせてやる。
高鳴る興奮を覚え、敏男の顔がますます歪んでいく。
「早苗ーーっ、見えるぞ!俺のチンポがマンコにズッポリ入ってる所がマル見えだぞ!」
「ああッはい!気持ちいいです!」
「出すぞ!欲しいか!俺のが!」
「はい!出して!出して下さい!」
「どこだ!どこに出して欲しい!」
「マンコ!アタシのマンコに!アタシのオマンコに出して下さい!」
「こら!鏡に向いて言え!嫌らしい自分の顔を見て言うんだよ!」
敏男の掌がふたたび巨尻の面(つら)をバシッと打ちつけた。「あぁんッ」と鳴いて、早苗の顔が鏡に向く。
鏡を見つめる早苗の目。
早苗の頭の中に己の声が聞こえてくる。
嫌らしい顔してる…。
感じてる顔…蕩けてる…。
アタシ…こんなスケベな顔してたんだ…。
鏡の中の顔が揺れてくる。
地響きのように下から揺れてくる。
敏男の腰が、それまで以上に激しさを増してくる。
「うっうっ、く、くるっ!」
「うらあっ!」
「ひっ!いっいぐッ!」
「どうだ!」
「いっいきます!早苗 いきます!」
「出すぞ!」
「はい!下さい!早苗のオマンコにいっぱい出して下さい!」
早苗は鏡の中の自分の顔をしっかり見つめながら、敗北の宣言をした。その宣言は、これまで感じた事のない快楽そのものだった。
最期の瞬間に自分がどんな言葉を吐いたのか記憶がない。どんな表情で逝ったかも分からない。ひょっとしたら誰にも見せた事のない歪んだ表情(かお)をしていたかも知れない。それでもそんな事など、どうでもいいくらいの悦楽を感じていた…。
崩れた背中の上で、覆い被さった巨体の鼓動が鳴っている。今、自分を桃源の世界に運んだ男の息づかいを確かに感じている。
やがて…寝息のようなものが零れ始めた…。
鏡の向こうでは、半ば感心に上野と神田が二人の様子をずっと見守っていた。
「やるなぁアイツ。途中でマスクも取っちゃうし」
「うんうん、ここまでやるとは、私もびっくりじゃよ」
「じゃあ“例の“新しい仕事にスカウトしますか」
「ん~そうじゃなぁ、人員も足りておらんし、この子ならやってくれるかもな」
窓ガラスの向こうでは、うつ伏せに突っ伏した早苗。そして、その身体に崩れ落ちたまま荒い息を吐いている敏男。
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その頃、渋谷家…。
自宅のリビングでボンヤリしていた優作は、思い出したようにスマホを手に取った。
アイツ…敏男の事は明日、大塚に相談する事にはなっているが、今日の内に連絡がついて謝罪の気持ちを伝える事が出来ればそれに越した事はない。そう考えながらメールを開いた。
昨日、何通も送ったものへの返信はない。よほど傷つけてしまったのだろうと思いながら打っていく。
《敏男へ たびたびでスマン。本当に悪かったと思っている!お前の進路の事は俺も心配してる。とにかく一度連絡をくれないか。頼む!》
送ったメールを一度読み返し、スマホをテーブルに置いておく。返信が来れば直ぐに分かるようにと、目に付く所に置いておく。
それから特に何もする気にならず、座ってボオっとしていた。テレビは点いているが頭には入ってこない。そのまま2、30分たった頃だったか、突然インタフォンが鳴った。
来客の予定はない筈だから、宅配便だろうと当りを付けてモニターを見た。
そこに写った人の姿に、首を傾げた。
「…こんにちは…」モニター越しに聞こえた声は、映像通りの幼い声。
一瞬、子供を使った新手の宗教の勧誘かと思った優作だったが、次の言葉で頭の中に“何”と言う文字が浮かんだ。
「早苗さんはいますか」
暫くこの少年…間違いなく少年…の顔を見ていた優作だが、直ぐに気がついた。
「あ、勉強会の」と言ったところで、向こうからも「はい」と聞こえてきた。
それにしても、母親の事を先生ではなく\”\”さん”付けで呼んだこの少年。幼い顔立ちの中身は大人びているのか、優作はこの少年にちょっとした興味を覚えた。
優作はモニター越しの会話を止めて、玄関まで行ってみる事にした。
ドアを開けて迎え入れる。目の前に現れたのは、パッと見、高学年。そう判断しながら訊いてみた。
「えっと、母さんはいないんだけど…何かご用ですか」
思わず出た優作の敬語にも、その少年は特に反応を示さない。
そして「そうですか…あの…」と口ごもり、俯く。何かに迷っている雰囲気だったが、顔を上げると優作を見つめてきた。優作は何故かその目にドキリとした。
「早苗さんと約束したんですが…」
「…ええっと何を…」
二人は玄関で向かい合っていた。見下ろす格好の優作に見上げるその少年。
少年は優作の目を真っ直ぐに覗いてくる。
と、その時、優作は思い出した。今朝の早苗の言葉『~タナカ君の両親が何か言ってきたら…』
「ひょっとして君、タナカ君?」
「はい、そうです」
「……」
母が予期していた事と少し食い違いがあるのかと思いながら、優作は思案した。
その少年ーータナカ君が、優作を見つめながら続ける。
「今日は早苗さんに”又来てって”言われたから、来てみたんです」
「ん~っと、それは御両親と一緒にって事じゃないの…」
母からの伝言と辻褄を合わせようとして、優作は“御両親”と言う言葉を出してみた。
しかし、少年は「いえ違います」と、落ち着いた声。
「…てことは、君1人でって事?…」
「はい、その時 僕と早苗さんしかいなかったんで」
よく分からないな、と言った顔で優作が腕を組む。
「勉強会は君一人だけだったの」
「いえ、3人でした」
「…でも、母さんと二人だけの会話をしたんだ」
「いえ、会話と言うよりか、早苗さんの方から言ってきたんです」
「ん~今一よく分からないなぁ。この家の中での話しだよね。その時は何処にいたのかな」
優作は痒い所に手が届かない気分。少年は淡々としたペースで話す感じだ。
「廊下です。廊下で早苗さんと二人切りになったんです」
「…廊下ねぇ。そこで母さんが君に又来てって言ったんだ」
「ええ、又来てって言ったのは“その後”なんですけど」
「その後?…って事は、廊下で何かあって、その後に母さんが又来てって言ったって事?」
「はい」
「ふ~ん、何があったの?3人に問題を出して、君が分かったって手を上げて、他の二人に答えを聞かれないように母さんが廊下に呼んだとか」
優作はもう、めんどくさくなった気分で訊いてみた。
しかし少年は真顔で続けた。
「いえ、それも違います」
「ん~あのねぇ…いったい何があったのかな」
イライラが募った声に、少年は少年らしく身じろぎした。しかし、落ち着いて云った。
「バスローブ」
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「…早苗さんがバスローブを開いたんです」
「バスローブを開く?バスローブってあれだよね、風呂上がりに羽織る…」
少年が黙って頷いた。
「バスローブを着て勉強会をしてたって事かい」と、優作の顔に苦笑いが浮かんだ。
「いえ、普通の服だったんですけど、僕がトイレから出ると、バスローブに着替えてたんです」
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「それで、廊下の端まで歩いて…そこで…」
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その瞬間、まさかと何かが瞬いた。知らずにゴクっと唾を呑み込んだ。そんな優作を目にしながら、少年は続けた。
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“はい”が“うん”に変わり、その如何にも初(うぶ)な表情に、優作は初めて目の前の少年を子供らしいと思った。
優作はその後、少年がいつ帰ったのか思い出せない。思い出そうとすると『失礼します』と言って、玄関を出ていった後ろ姿が微かな記憶としてあるだけだ。
いつの間にかまた、リビングのソファーにボオっと座っていた。
頭の中では言葉が回っている。
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フラりと立ち上がり、洗面所に行ってみた。その次は和室部屋。昔からの両親の寝室。
その和室の部屋にある洋服箪笥。優作はそれを開けて覗いてみた。幾つものハンガーに吊るされた服を見ていく。やがて目に付いたのは、水色のバスローブ。
優作はそれを手に持ったまま、暫く立ち竦んでいた。
そんな優作の頭にもう一度少年ーータナカ君の後ろ姿が浮かんできた。その姿から首だけがクルリと回って振り向く。能面のような顔が見つめてくる。優作は急に寒気を覚えて、ブルルと震えた。
(なんか最後は不気味な感じがしたなあ…。魔少年か…)
…この日、早苗が帰ってきたのは、深夜近かった。
その帰宅の時も、優作は自分の部屋に籠っていた。顔を見る気も起きず…いや、見てもどんな顔をすればいいのか分からず、悩みを先送りする内気な少年に戻って、寝たふりをしていたのだ。
早苗も優作に声を掛ける事もなく、シャワーを浴びた後は、直ぐに寝室に入って、そのままのようだ。
優作はずっとベッドで横になっている。
早朝勉強の為に早寝の習慣が付いた今でも、この夜はなかなか眠る事が出来ない。
優作はもう何度と繰り返した昼間の様子を、もう一度思い浮かべてみた。あの少年ーータナカ…君の言葉。
バスローブ。
素っ裸。
また見に来て。
優作には、あの少年が嘘をついてるとは思えなかった。物静かで落ち着いていて、どこか霊的な感じがしたあの少年。
母が今朝方言った『~タナカ君の御両親が何か言ってきたら…』あれは、早苗自身が身に覚えのある“何か”に対して覚悟を持っていた証拠ではないか。と言う事は、やはりタナカ…君が言った事は本当の事…。
何度目かのタメ息を吐き出し、顔を振った。
明日は敏男の事で大塚に相談する日だ。先日のメールでは、《母のその後は大丈夫です》と伝えていた。しかし…話しの流れで母親の事も相談しようか…と思い付いたところで、由美の顔が浮かび上がってきてハッとした。
ひょっとしたら、知らないところで由美から早苗に連絡が行ってるのではないか。そこには、貴女の息子と関係を持ってしまった。そんな懺悔があって、それで母はショックで息子の顔も見たくないのでは。しかし、タナカ君の事はどう絡んでくる…?
由美と優作、そして由美と早苗。それに早苗とタナカ君。頭がこんがらがってくる。
むくりとベッドから立ち上がって目を瞑った。何故か想い浮かんだのは、大塚の顔。
そこで優作は心の中で祈った。
(大塚先生、明日お願いします。助けて下さい!)
寝室の早苗ー。
身体は確かに疲れている。
しかし、頭の中はハッキリとしていた。
家に入る前には\”男”の臭いが付いていないか、自分の身体を嗅いでみた。
2階の部屋には灯りも見えず、息子ーー優作が寝てくれている事に少なからず安堵して、鍵を取り出していた。
シャワーを浴びた時間は短かった。心のどこかに、浴室の音で優作を起こす心配もあったからだ。
しかし、洗面所の鏡を覗くと暫く、その姿から目が離せなくなった。鏡越しに気にしたのは、情恥の痕の事。鬱血のような口付けの痕はないし、打たれた痕も残っていない。振り返って鏡に映して臀部も見たが、そこにも痕は残っていないようだった。
それよりも感じたのは、身体がより肉感的になった気がした事だった。
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・・・早苗は今夜、家に着いてからの事を思い返して、寝返りをうつように壁の方を向いた。
一時は肌の張りを衰えたと感じた時期もあったが、大塚の依頼を受けてから自分の身に起こった出来事ーー今も続いているーーによって若返った気がしている。
そして今では、道徳心よりも本能が幅を効かせていた。息子の親友である大久保敏男が現れた時は、さすがに驚いた。しかしあの時は既に、この身体は肉の悦(よろこ)びに支配されてしまっていた。一線を越えた時、自分は一匹の牝に変わったのだ。そんな現実を思い返すと哀しみがある。しかし…敏男は”牡”で、自分はただの\”牝”なのだ。あの時にソレを実感して、本能に全てを任せる女になってしまったのか。
明日もまた御主人様ーー上野に呼び出しを受けている。先ほど明日の目的地の住所がメールで送られて来ていた。
ふうっと息を吐くと、身体がブルルと震えた。明日の性宴の想像に心が震えたのか。
その時、早苗は気づいた。身体に昼間の情恥の痕跡があっても良かったのだ。この身体を見るのは、早苗の“牡(おとこ)”だけなのだから…。
敏男は自分の部屋から上野に電話を掛けていた。
たった今までメールで今日の礼を云っていたのだが、想定外の話が出たので電話に切り替えたのだ。
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向こうからは、いつもの飄々とした声が聴こえてきた。
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敏男の語尾に被せるように上野が『ああ悪い悪い。早苗とは今日の部屋で落ち着いてオマンコしたいのは分かるけどよ、大塚さんから話を聞いてさ、明日、優作ちゃんが家に来るらしいんだわ。何でもお前の進路の事で相談があるとかでよ』と、淡々と喋りながらも“進路”の所に笑いを含めていた上野。
「………」
『でな、短小包茎君が来るなら、アイツの前で早苗とオマンコするところを見せてやっても良いかなって閃いたんよ』
「お、おい、お前それは…」まずいだろ、と言葉は途切れたが、向こうには伝わったようで。
『…お前、俺がアイツの事、気にくわないと思ってるの知ってるよな』
シレっとした声で改めて言われて、敏男は「ああ…」と、呻くように返事をした。
『よしよし、それでな、この機会にお前の出番で早苗とオマンコやって、アイツの前で奴隷宣言を又やらかそうって考えたんよ』と告げる声には笑いが戻っている。
『お前もアイツには劣等感と言うか、面白くないもんを感じてたんだろ。ちょうど良い機会じゃん。それによ、息子の前で自分の本性を曝したら、早苗も逆に安心してお前の物になるぞ。なんせ隠れて会う必要がなくなるわけだからな』
ゴクリ…上野の言葉の意味を感じ取ってか、敏男の喉が鳴った。
「………」
『ん~どうした大久保』
敏男の沈黙の意味など深く考えず、上野が続ける『それにな、神田のオジサンにも新しい仕事の計画があって、それに“野郎”の人員が足りてないんよ』
(?…)
『アイツと由美がオマンコしてる所もビデオに撮ってたじゃん。何ならそれも脅しに使って、アイツも支配下に置いてやろうって考えたわけ』
「し、支配下…何なんだそりゃ…。それより、優作の前でオバサン…いや…早苗とエッチしたら、間違いなく俺、アイツに殺されるよ…」
『………』
敏男の怖じけの声を聴いて、上野が黙り込んだ。敏男はその沈黙に嫌な感じがした。
と、その時…。
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「ちょ、ちょっと待ってよ」と言って狼狽えた。そして敏男は考えた。
やがて「わ、わかったよ、やる、犯(や)ります」
『………』
敏男の決意の宣言の後は、またも沈黙が生まれた。それから暫く経って聴こえてきたのは嬉しそうな声だった。
『ふふん、まぁそう言うだろうと思ってたけどよ。まぁ早苗は良い女だから、しっかり物にしろよな』
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『それとな、明日も一応黒マスク、アレも用意していくわ。短小包茎君がお前らの正体に気づくかどうかは、明日のお楽しみだな。もちろん素顔で犯(や)ってもいいけどよ』そう言って最後は機嫌良さそうにしていた上野。敏男は逆に緊張が増していく気分だった。
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股間に顔を埋め、大きく息を吸う。確かな匂いを嗅ぎとって、敏男の身体が粟立っていく。そして顔を上げると、その卑猥なショーツを奪うように剥ぎ取った。
敏男は夢にまで見た早苗の身体…その肉厚に頬ずりしながら体臭を嗅ぎ、舌を這わせ、揉みしだいた。
朱い唇からは「あぁッいいッ!」と想像以上の鳴き声が上がっていく。敏男はその声に興奮を覚え、更に気を入れた。
感泣の声は物凄く、その成果が自分の手…いや、舌?…よく分からないが、敏男はとにかく喜びを感じていた。そして…。
(さぁよく見せてよオバサン…)
心の声を投げ掛け、両方の掌を拡げた足の付け根辺りに当てた。
(あぁ見てやる!オバサンのアソコをじっくり見てやるんだ!)
敏男は黒マスクを着けた時から、声を出さないようにしていた。特に上野からの注意はなかったが、素顔を曝して声を聞かれるのには抵抗があったのかもしれない。
それと、自分は素顔は見せずに相手の正体は知っている…そんなシチュエーションにも興奮を感じていたのかも知れなかった。
よしっと心で頷き、掌に力を入れた。 “その”部分を拡げて顔を近づけた。初めて拝む憧れの女(ひと)の…。
と、思ったところで、ん!
マスク越しに見えるのは…赤黒い…?
どうガン見しても、ハッキリとは分からない。
(ああっもう)
演出に一役かっていた筈のこの黒マスク。それは間違いないが、目の部分は確かに前が見えずらい。
仰向けになった乳房の隆起は良く分かる。
喘ぎの声も聞こえる。
しかし、その秘密の部分が…。
頭の中で先ほどの上野の言葉を思い出す。
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突然唸り声を上げ、自分を鼓舞した。
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狂え!
狂え!
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そうなんだよ!
俺はどうせ悪役なんだ!
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「うおおーッ」
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「そら、もっと欲しいだろ。欲しかったらオネダリしてみなよ。嫌らしい声で言ってみろ」
「んああッ、いいッいいッ、ちょうだい…ください…もっとして!」
「まだまだ!」
自分自身の言葉にも煽られ、敏男の腰は更にエグい動きを繰り返した。
「ああんッ、いいのよ、敏男君のオチンポが」
「バカ!オバサンは変態なんだからオチンポなんて上品な言い方するんじゃないよ!」
喘ぎの声を吐き続ける早苗。それに応える敏男の興奮も上がっていく。
「抜くぞ!ちゃんと言わないと俺のチンポ抜くぞ。欲しくないのかよ!」
「いやッいやッ、止めないで。ちょうだい。お願い!」
「じゃあ言えよ!宣言しろよ!」
「ああっチンポよ!アタシの好きなのはチンポよ!敏男君のチンポ!」
「んがーーッ」
雄叫びのような声を上げて、敏男のソレがこれでもかと抉り込んだ。
「いくッいくッ、敏男君、気持ちいいッ!」
「んぐぐ」
射精の近づきを感じて、敏男は鏡に目を向けた。何とか我慢しようと、静かに息を吐く。
敏男は呼吸を整え、冷静に次の攻めを考えた。
二つの身体の結合の部分。敏男の手が早苗の内腿を押し広げて、腰を少し引く。目に付く結合の箇所を見ながら、肉の棒を半分くらい抜いて息を継ぐ。
片方の肢を器用に押し曲げて、次に早苗の脇腹に手を入れた。かと思うと、クルリと回した。ソコとソコが繋がったまま、後背位の格好(かたち)へと導いたのだ。
敏男の目は張り出た巨尻を見下ろす。その真ん中辺りには巨大な臀部には似合わない小さな不浄の門。そこを凝視して、敏男の表情(かお)が歪んだ。
(まだだ。その穴はまた今度…今日はお預けだ)
いつかの“ソコ“での交わりを想像しながらも自分に言い聞かせる。
(今日はマンコだ。こっちの穴で完全に俺の物にして…その次だ)
敏男は気を入れ直して、犬の格好になった早苗を攻め始めた。
牡の象徴がぶつかる度に、弾むように揺れる尻(ケツ)。喘声が止む事はない。
「おらっ、どうだオバサン」
「あぁッあぁッいいのッ」
「ちゃんとどこがいいのか、言えよ!」
大きな掌が巨(おおき)な尻(ケツ)を一打ちした。
「あぁーマンコよ、アタシのオマンコよっ」
そんな卑猥な声を吐き出す顔は、敏男の方からは見えない。けれど確かな、苦悶の表情を浮かべる事が出来て、更に腰に力が加わっていった。
と、敏男は思いつき、前屈みになって早苗の頬に手をやった。
「オバサン見てみなよ鏡を」
朦朧とした顔を鏡に向けてやる。
「見えるだろ、俺とオバサンがセックスしてる姿」
「いゃあーんッ」
「へっ何がいゃぁんだ、さっきから感じまくってるくせによ」
「あぁッそうなのよ、感じてるの!」
鏡の中の女を見ながら、早苗は己の被虐の癖に酔うように堕ちていった。
獣の格好の自分を犯しているのは、子供の頃から良く知っている男。その逞しい“男“に逝(い)かされる自分の姿を鏡越しに認め、その敗北の意にさえも快感を覚えていた。
「ああっ凄い!凄すぎる!凄すぎるわ敏男君!」
「どうだーいいだろ俺のチンポは!」
「あぁーはい!いいです!凄くいいです!」
「もっと欲しいか!どんな風にしてほしいんだ!」
「もっとズコズコしてッ!早苗のオマンコ虐めて!」
「んがーッ」
腰を振る敏男の巨体が、一瞬血の気の引きを感じて、それから震え出した。
早苗の口が、自らを“早苗“と呼んだ。その言葉を確かに耳にした瞬間、敏男は憧れの存在を我が物にしたと思ったのだ。
その朱い唇からもっと卑猥な言葉を吐かせてやる。
高鳴る興奮を覚え、敏男の顔がますます歪んでいく。
「早苗ーーっ、見えるぞ!俺のチンポがマンコにズッポリ入ってる所がマル見えだぞ!」
「ああッはい!気持ちいいです!」
「出すぞ!欲しいか!俺のが!」
「はい!出して!出して下さい!」
「どこだ!どこに出して欲しい!」
「マンコ!アタシのマンコに!アタシのオマンコに出して下さい!」
「こら!鏡に向いて言え!嫌らしい自分の顔を見て言うんだよ!」
敏男の掌がふたたび巨尻の面(つら)をバシッと打ちつけた。「あぁんッ」と鳴いて、早苗の顔が鏡に向く。
鏡を見つめる早苗の目。
早苗の頭の中に己の声が聞こえてくる。
嫌らしい顔してる…。
感じてる顔…蕩けてる…。
アタシ…こんなスケベな顔してたんだ…。
鏡の中の顔が揺れてくる。
地響きのように下から揺れてくる。
敏男の腰が、それまで以上に激しさを増してくる。
「うっうっ、く、くるっ!」
「うらあっ!」
「ひっ!いっいぐッ!」
「どうだ!」
「いっいきます!早苗 いきます!」
「出すぞ!」
「はい!下さい!早苗のオマンコにいっぱい出して下さい!」
早苗は鏡の中の自分の顔をしっかり見つめながら、敗北の宣言をした。その宣言は、これまで感じた事のない快楽そのものだった。
最期の瞬間に自分がどんな言葉を吐いたのか記憶がない。どんな表情で逝ったかも分からない。ひょっとしたら誰にも見せた事のない歪んだ表情(かお)をしていたかも知れない。それでもそんな事など、どうでもいいくらいの悦楽を感じていた…。
崩れた背中の上で、覆い被さった巨体の鼓動が鳴っている。今、自分を桃源の世界に運んだ男の息づかいを確かに感じている。
やがて…寝息のようなものが零れ始めた…。
鏡の向こうでは、半ば感心に上野と神田が二人の様子をずっと見守っていた。
「やるなぁアイツ。途中でマスクも取っちゃうし」
「うんうん、ここまでやるとは、私もびっくりじゃよ」
「じゃあ“例の“新しい仕事にスカウトしますか」
「ん~そうじゃなぁ、人員も足りておらんし、この子ならやってくれるかもな」
窓ガラスの向こうでは、うつ伏せに突っ伏した早苗。そして、その身体に崩れ落ちたまま荒い息を吐いている敏男。
神田は二つの塊を優しげな目で見ながら、満足げに頷いていた…。
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入口のドアが静に開き、男が二人入ってきた。上野が敏男を連れて戻って来たのだ。
緊張気味の顔の敏男に、神田が声を掛ける。
「やぁ敏男君、やっと君の番が来たね」
「………」
覚悟を決めてここまで来たはずであるが、この部屋のどこかに早苗がいると思うと、敏男の小さな心臓は爆発しそうになる。
「ん、どうした大久保」
上野が敏男の様子を見て、聞いてきた。
「あぁうん…本当に大丈夫かな…」
「は?!大丈夫かなって、今更どうした?ひょっとして緊張で勃(た)ちそうにないとか」
今にも噴き出しそうな顔で上野が訊いた。
「い、いや、そっちはたぶん大丈夫だと思うけど…本当にやっちゃっていいのかなぁ…って」
「ああ~何を今さら」
笑いながら上野が、チラリと視線を神田に向ける。その視線を感じて、神田は敏男に向き直った。そして、ふんふんと頷いた。
「敏男君、君の心配も分かるが早苗さんはね、実は長い間、欲求不満を溜め込んでいたんだよ。考えてみなさい、女として1番油の乗ってる時に、旦那さんが単身赴任でいなくなったんだよ」
「………」
「本人はそれを隠して、近所の小学生の相手をしたり、自分の子供の心配をしたりしてるんだ。自分では気がつかないうちに、ますます不満が溜まっていってるんじゃよ」
「………」
「私達はね、そんな中年の女性の為に色々とやってるんだ。君も大塚君夫婦の事は知ってるだろ。あの奥さんも君と関係が出来て喜んでおる。そう思わないかい」
「…ああ、はい…思います…」敏男は暫く考える素振りをしたが、ハッキリと頷いた。
「うんうん、切っ掛けはどうであれ、犯(や)ってしまえば向こうも喜ぶんだよ。分かるかい敏男君、早苗さんは今、若い男が欲しくて欲しくてしょうがない状況なんじゃ」
「ほ、ほんとうですか!」
いきなり敏男の目が、これでもかと広がった。
「ああ、本当さ。なあ上野君」
神田の言葉に、今度は上野が敏男の目を覗き込んできた。
「だから心配するなって前も言ったじゃん。俺は早苗をいっぱい抱いて、それを確かめたんだから。アイツは俺以外のチンポも欲しがってるんよ」
「ああ…本当に本当なのか…」
「ああ、保証する。それに早苗は、俺の言う事なら何でも聞くって宣言したし。けど、俺じゃなくても切っ掛けがあれば、誰とだってオマンコしたと思うぜ」
「………」
「まあ、お前としたら、清楚なイメージに惚れたと思うけど、人妻なんて心のどっかではいつも男を欲しがってるんよ」
「ん…う、うん…」
「へへっ、それを今から確かめに行こうぜ」
「…あ、ああ…」
敏男の苦し紛れの返事にも、上野は笑みを返した。
「それとな、ビデオに撮るから一応コレを用意しといたからよ」
そう言って上野が、ソレを何処からか取り出して見せた。
「な、なにコレ…」
「へへ、全頭マスク」
「…ゼントウマスク?」
「そう、被ると相手からは正体が分からない。けど、こちらからは薄っすらとだけど見えるから大丈夫。呼吸も口の所はほら、開いてるし、鼻からもちゃんと息は吸えるしさ」
暫く黙ったまま手に持ってソレを見つめて、敏男が改まって聞いた。
「…ええっと、オバサンは今日の相手、俺って知らないんだよね…」
「ふふ、大丈夫だって。それどころか、これから俺以外の男とオマンコするなんて夢にも思ってないからよ」
「えっそうなの!」
上野の言葉で、敏男の目が驚きに拡がった。しかし「ふふ、部屋にいるのは欲求不満の中年女じゃ。君の“持ち物“は真知子君相手に充分に能力を発揮したし大丈夫じゃよ」
「…ああ…はい」
神田に返事をした敏男に、上野が囁くように続ける。
「俺はそんなに大した調教はしてないし。お前のアレをぶちこんだら一発だ。ヘナヘナになって、後はお前の言う事なら何でも聞く女になるさ。 “お母さん”ごっこでもいいし…けど、早苗はMの気を持ってるぜ」
「…うっ…ううう…」
「ふふ…デカイ尻(ケツ)を打(ぶ)ったりよ。露出プレイの奴隷にしてもいいしよ。それに…ふふ、アナルセックス。お前も上の部屋で犯(や)ったろ。アレを早苗と犯ったっていいんだぜ」
(ゴクリ…)
敏男の巨体が少しずつ震えてきた。それを見つめる上野と神田の目が期待に光を発している。そして敏男は、その黒マスクを手に取った。
「行こうか、色男」
マスクを手にした敏男の肩を、上野が叩きながら言う。
「まずは、こっちな」
二人が向かったのは例のスペース。
そこに入った敏男の目が大きな窓ガラス、そしてその向こう側に立つ人影を見つけ、足を止めた。
「うっ!」
一瞬の呻きを上げて、そのまま巨体が固まってしまった。
「大丈夫だって、これが神田先生自慢の魔法の鏡だ」
「魔法の鏡?」
「そうじゃよマジックミラー。こちらからは見えるが、向こうからは鏡にしか見えない優れものじゃ」
神田の声が後ろから聞こえ、その声に敏男はぎこちなく頷いた。
「…ほ、ほんとうに向こうからは見えてないの」
心細そうな声で呟いて、敏男は息を呑んだ。
「ほら、安心してよ~く見てみろよ」
上野の言葉に敏男は止まった足を再び動かし、窓の際まで近づいて行く。
見えてきたのは、同じ黒マスクを被った女。
あぁ、なんなんだ、あの格好は…。敏男の視線の先にいるのは、エロ雑誌の表紙、そしてネットで見てきたエロ画像と同じ種類の女。
敏男はゴクリと唾を飲み込み、抉るように窓ガラスの向こうを覗き込んだ。
「それにしたって…」
一人呟き、敏男が更に顔を窓に近づける。そして目に力を入れた。
暫く向こう側の女を見つめ、敏男はギリリと首を上野に向けた。上野は敏男のその表情だけで、一瞬のうちに何を聞きたいのか察知して「ああ、コレがそうさ。うん、間違いなくこの変態チックな下着を着けてるのが早苗」と、あっさりと告げた。そしてニヤリと頬を歪め、続ける。
「お前の憧れで、親友渋谷優作のお母さんだよ」
(…うあああ…)
「ふふ、敏男君、さっきも言ったけどこの女は欲求不満を溜め込んでおる。この格好がその証拠じゃよ」
「………」短い沈黙の後で、敏男の顎がコクリと縦に揺れた。
「へへ、そうこなくっちゃ」
今度は嬉しそうな声で上野が続ける。
「さてと、そろそろマスク着けろよ」
上野は敏男の大きな肩を叩き、そして、顎でドアに促した。
早苗はベッドの前で、先ほどから同じ姿勢で立ち竦んでいた。
マスク越しに覗く目も、だいぶ暗さに慣れて、今は鏡に映る自分の姿がなんとか分かる。
その姿…乳房を覆うのは頼りないくらい小さな物。膨らみの上半分が零れ落ちそうで、今にも全てが顔を露(あらわ)しそうな状態。ショーツは足の付け根から横腹に急な角度を伴った物で、その後ろ側は一本の線が割れ目に食い込むように前へと繋がった言わゆるTバック。選んだ色は黄色い蛍光色で、それがちょうど今は、この薄暗い中で浮かび上がって見える。サイズも全体的に小さく、窮屈さを感じる身体を一層肉圧的に魅せている。
早苗自身もなぜ、こんな下着を選んだのか分からない。あえて自分に問うと、夫のSMチックな性癖を認めた頃の影響かも知れない。あの頃、夫に勧められたのは原色の黒や赤の物で、ショーツはTバックもあったと記憶していた。それらも子供の成長とともに穿く機会はなくなっていったが、今日この下着を選んだのは、被虐の自分を妄想してしまったからか…。
早苗はふと、鏡の向こうに気配を感じた。
…と、思った瞬間、この部屋のドアが開かれた。
早苗の顔が反射的にそちらを向く。
マスク越しに分かったのは上野。そしてその後ろに…。上野より頭半分くらい大柄な男性が一緒に入ってきた。
「オバサン、お待たせ~」
あくまでも飄々(ひょうひょう)とした感じで、声が近づいてくる。早苗は咄嗟に肌を隠すように、両方の手で自分の身体を抱きしめた。
早苗の仕種に気がついて「ああ、コイツ?」と、上野が問う。
「安心して。…あのね、コイツは俺の穴兄弟」
「え?!」
「そう穴兄弟。コイツね、由美ともオマンコしてるんよ。だから俺と兄弟なんよ」
「あぁ…」
「因みに…オバサンは俺とオマンコした仲だから、由美とは竿姉妹って事になるのかな」
そう告げて笑いもしない上野。その横で敏男が、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「そう言うわけで、今からコイツとオマンコして貰うわ。んで、俺は見学。分かったかな」
(あぁ…そんな…)
予想もしなかったまさかの命令に、早苗が頭(かぶり)を振った。
「嫌だ嫌だって思ってもね、身体は正直なんだよね」
上野が近づき、腕を掴んできた。そしてグイッと身体を引き寄せたかと思うと、早苗の後ろに回り、胸の膨らみをムギュっと鷲掴んだ。
胸房に圧が加わってくる。そしていつも通り煽りの言葉が襲ってきた。
「さっきは中途半端だったから、一人でオマンコ弄って待ってたんじゃないの」
「あぁんッ」
「欲しくて欲しくて仕方ないんだよね、アレが」
耳元で言って上野は、視線を敏男に向ける。
「ほら」
顎をしゃっくたのは敏男に向けてだったが、早苗の方も感度を表した。胸を揉まれるまま背中を上野に預けて、その身をくねらせる。
敏男の方はアイコンタクト…でもないが、上野の目線を感じると、決心して服を脱ぎ始めた。
生まれたままの姿になった敏男は、一度大きく息を吸って鏡を見た。そこには初めて目にする怪しい男…全裸に黒マスクをした巨漢の男がいる。
マスク越しにその姿を視ていると、如何にもの悪役に思えてきた。
(くそッ…俺はデブだし、綺麗な女(ひと)とは、しょせん釣り合わないんだ…)
隣で「あぁんッ」と甘い声がした。ハッと振り返って見れば、上野の目が何かを語りかけている…気がした。
ほら、この女、感じてるだろ。
俺以外の男がいるのに、こんな甘い声を出しやがってよ。
コイツは欲しがってるんだよ。
早く犯(や)ってやれよ。
お前のそのデカイのでヒーヒー言わせてやれ。
なぁ大久保。
…そんな上野の声を感じた気がして、敏男は心の中でよしっと気を入れた。
上野も直ぐに察知したのか、敏男を見ながら早苗の胸から手を離す。そして敏男と入れ替わるように巨体の後ろへ回った。
「俺は向こうから覗かせて貰うわ」
小さな声を敏男の耳元で囁き、上野がニヤリと笑う。そして、今以上の小さな声でもう一度囁いた。
「それとそのマスク…外したくなったら外してもいいぞ。けど、素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりしてな」
その言葉を挑発と取ったのか、それでも敏男は黙って頷き返した。敏男も腹を決めているのだ。
早苗の顔が、上野の後ろ姿を見送るのを見て、敏男は近づいた。そして、白い肩に手を掛ける。
咄嗟に身を固くした早苗。敏男はその身体を引き寄せる。そしてそのまま抱きしめ、唇を奪いに出た。
うわぁ….その甘い唇の感触に敏男の中に電流が流れた。抱きしめた身体は思っていた通り膨(ふく)よかで、それだけで感動を覚えてしまう。
下腹の辺りで互いの恥毛が触れあうのを感じては、身体が熱くなった。背中に回していた腕は、夢中に早苗の臀部を撫で回している。
みるみるうちに巨大化する牡の象徴。その膨らみが早苗の腹を押すと、頭に血が昇ってきた。
そうだ!俺はコレで真知子さんをヒーヒー言わしたんだ。
由美さんだって、誉めてくれた。
オバサンだって!
そんな事を一瞬に想い、敏男の舌は早苗の口奥へと侵入を始めた。
マスク越しからも、早苗が眉間に皺を寄せたのが窺えて、敏男はその貌(かお)をもっと快楽に歪めてやると気を入れた。
敏男は唇を離すと、いきなり早苗のブラを引き剥がした。
巨(おおき)な乳房が現れる。その先には尖り立った雷。夢にまで見た膨らみを認めて、いきなりムシャブリ付いた。
早苗の身体は敏男の重みを受け止め、ベッドになだれ落ちた。その重みに身体は強張ったが、いきなり乳房を舐られると快感が一瞬のうちに身体中へと拡がっていった。
見ず知らずの男の攻めであったが、悲しいかな身体は興奮に震え出した。
若き情人に開発された身体。眠っていた性感を思い出させた情人の手管。その手腕で目覚めた身体が、素直な反応を示してしまったのだ。
早苗は覆い被さる巨体を無意識に受け止めていた。そして、膨らみの先をしゃぶる男の頭を強く抱きしめた。
あぁん、あぁんと甘い声が舞っていく。
敏男は体臭を確かめるようにと、鼻を擦り付けながら下腹部を目指す。
その刺激的なショーツの所で止まり、息を整え、顔を上げた。
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その頃、渋谷家…。
自宅のリビングでボンヤリしていた優作は、思い出したようにスマホを手に取った。
アイツ…敏男の事は明日、大塚に相談する事にはなっているが、今日の内に連絡がついて謝罪の気持ちを伝える事が出来ればそれに越した事はない。そう考えながらメールを開いた。
昨日、何通も送ったものへの返信はない。よほど傷つけてしまったのだろうと思いながら打っていく。
《敏男へ たびたびでスマン。本当に悪かったと思っている!お前の進路の事は俺も心配してる。とにかく一度連絡をくれないか。頼む!》
送ったメールを一度読み返し、スマホをテーブルに置いておく。返信が来れば直ぐに分かるようにと、目に付く所に置いておく。
それから特に何もする気にならず、座ってボオっとしていた。テレビは点いているが頭には入ってこない。そのまま2、30分たった頃だったか、突然インタフォンが鳴った。
来客の予定はない筈だから、宅配便だろうと当りを付けてモニターを見た。
そこに写った人の姿に、首を傾げた。
「…こんにちは…」モニター越しに聞こえた声は、映像通りの幼い声。
一瞬、子供を使った新手の宗教の勧誘かと思った優作だったが、次の言葉で頭の中に“何”と言う文字が浮かんだ。
「早苗さんはいますか」
暫くこの少年…間違いなく少年…の顔を見ていた優作だが、直ぐに気がついた。
「あ、勉強会の」と言ったところで、向こうからも「はい」と聞こえてきた。
それにしても、母親の事を先生ではなく\”\”さん”付けで呼んだこの少年。幼い顔立ちの中身は大人びているのか、優作はこの少年にちょっとした興味を覚えた。
優作はモニター越しの会話を止めて、玄関まで行ってみる事にした。
ドアを開けて迎え入れる。目の前に現れたのは、パッと見、高学年。そう判断しながら訊いてみた。
「えっと、母さんはいないんだけど…何かご用ですか」
思わず出た優作の敬語にも、その少年は特に反応を示さない。
そして「そうですか…あの…」と口ごもり、俯く。何かに迷っている雰囲気だったが、顔を上げると優作を見つめてきた。優作は何故かその目にドキリとした。
「早苗さんと約束したんですが…」
「…ええっと何を…」
二人は玄関で向かい合っていた。見下ろす格好の優作に見上げるその少年。
少年は優作の目を真っ直ぐに覗いてくる。
と、その時、優作は思い出した。今朝の早苗の言葉『~タナカ君の両親が何か言ってきたら…』
「ひょっとして君、タナカ君?」
「はい、そうです」
「……」
母が予期していた事と少し食い違いがあるのかと思いながら、優作は思案した。
その少年ーータナカ君が、優作を見つめながら続ける。
「今日は早苗さんに”又来てって”言われたから、来てみたんです」
「ん~っと、それは御両親と一緒にって事じゃないの…」
母からの伝言と辻褄を合わせようとして、優作は“御両親”と言う言葉を出してみた。
しかし、少年は「いえ違います」と、落ち着いた声。
「…てことは、君1人でって事?…」
「はい、その時 僕と早苗さんしかいなかったんで」
よく分からないな、と言った顔で優作が腕を組む。
「勉強会は君一人だけだったの」
「いえ、3人でした」
「…でも、母さんと二人だけの会話をしたんだ」
「いえ、会話と言うよりか、早苗さんの方から言ってきたんです」
「ん~今一よく分からないなぁ。この家の中での話しだよね。その時は何処にいたのかな」
優作は痒い所に手が届かない気分。少年は淡々としたペースで話す感じだ。
「廊下です。廊下で早苗さんと二人切りになったんです」
「…廊下ねぇ。そこで母さんが君に又来てって言ったんだ」
「ええ、又来てって言ったのは“その後”なんですけど」
「その後?…って事は、廊下で何かあって、その後に母さんが又来てって言ったって事?」
「はい」
「ふ~ん、何があったの?3人に問題を出して、君が分かったって手を上げて、他の二人に答えを聞かれないように母さんが廊下に呼んだとか」
優作はもう、めんどくさくなった気分で訊いてみた。
しかし少年は真顔で続けた。
「いえ、それも違います」
「ん~あのねぇ…いったい何があったのかな」
イライラが募った声に、少年は少年らしく身じろぎした。しかし、落ち着いて云った。
「バスローブ」
「は?!バスローブ?バスローブがどうしたの」
「…早苗さんがバスローブを開いたんです」
「バスローブを開く?バスローブってあれだよね、風呂上がりに羽織る…」
少年が黙って頷いた。
「バスローブを着て勉強会をしてたって事かい」と、優作の顔に苦笑いが浮かんだ。
「いえ、普通の服だったんですけど、僕がトイレから出ると、バスローブに着替えてたんです」
「………」
「それで、廊下の端まで歩いて…そこで…」
「…そこでどうしたの」
「はい、早苗さんがそのバスローブをパッと…」
「パッと…?」
「パッと開いたんです」
「?…」
「そうしたら、何も着てなかったんです」
「は!?…何も着てない?」
「はい、素っ裸だったんです」
「………」
優作の頭の中は、一瞬空白になった。そして、少ししてから少年の言葉を復唱した。
バスローブ。
素っ裸。
その瞬間、まさかと何かが瞬いた。知らずにゴクっと唾を呑み込んだ。そんな優作を目にしながら、少年は続けた。
「それで、その後に又来てって言われたんです」
「それって…」
「うん…また見に来てって事だと思います」
“はい”が“うん”に変わり、その如何にも初(うぶ)な表情に、優作は初めて目の前の少年を子供らしいと思った。
優作はその後、少年がいつ帰ったのか思い出せない。思い出そうとすると『失礼します』と言って、玄関を出ていった後ろ姿が微かな記憶としてあるだけだ。
いつの間にかまた、リビングのソファーにボオっと座っていた。
頭の中では言葉が回っている。
『素っ裸だったんです』
『パッと』
『バスローブを』
フラりと立ち上がり、洗面所に行ってみた。その次は和室部屋。昔からの両親の寝室。
その和室の部屋にある洋服箪笥。優作はそれを開けて覗いてみた。幾つものハンガーに吊るされた服を見ていく。やがて目に付いたのは、水色のバスローブ。
優作はそれを手に持ったまま、暫く立ち竦んでいた。
そんな優作の頭にもう一度少年ーータナカ君の後ろ姿が浮かんできた。その姿から首だけがクルリと回って振り向く。能面のような顔が見つめてくる。優作は急に寒気を覚えて、ブルルと震えた。
(なんか最後は不気味な感じがしたなあ…。魔少年か…)
…この日、早苗が帰ってきたのは、深夜近かった。
その帰宅の時も、優作は自分の部屋に籠っていた。顔を見る気も起きず…いや、見てもどんな顔をすればいいのか分からず、悩みを先送りする内気な少年に戻って、寝たふりをしていたのだ。
早苗も優作に声を掛ける事もなく、シャワーを浴びた後は、直ぐに寝室に入って、そのままのようだ。
優作はずっとベッドで横になっている。
早朝勉強の為に早寝の習慣が付いた今でも、この夜はなかなか眠る事が出来ない。
優作はもう何度と繰り返した昼間の様子を、もう一度思い浮かべてみた。あの少年ーータナカ…君の言葉。
バスローブ。
素っ裸。
また見に来て。
優作には、あの少年が嘘をついてるとは思えなかった。物静かで落ち着いていて、どこか霊的な感じがしたあの少年。
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何度目かのタメ息を吐き出し、顔を振った。
明日は敏男の事で大塚に相談する日だ。先日のメールでは、《母のその後は大丈夫です》と伝えていた。しかし…話しの流れで母親の事も相談しようか…と思い付いたところで、由美の顔が浮かび上がってきてハッとした。
ひょっとしたら、知らないところで由美から早苗に連絡が行ってるのではないか。そこには、貴女の息子と関係を持ってしまった。そんな懺悔があって、それで母はショックで息子の顔も見たくないのでは。しかし、タナカ君の事はどう絡んでくる…?
由美と優作、そして由美と早苗。それに早苗とタナカ君。頭がこんがらがってくる。
むくりとベッドから立ち上がって目を瞑った。何故か想い浮かんだのは、大塚の顔。
そこで優作は心の中で祈った。
(大塚先生、明日お願いします。助けて下さい!)
寝室の早苗ー。
身体は確かに疲れている。
しかし、頭の中はハッキリとしていた。
家に入る前には\”男”の臭いが付いていないか、自分の身体を嗅いでみた。
2階の部屋には灯りも見えず、息子ーー優作が寝てくれている事に少なからず安堵して、鍵を取り出していた。
シャワーを浴びた時間は短かった。心のどこかに、浴室の音で優作を起こす心配もあったからだ。
しかし、洗面所の鏡を覗くと暫く、その姿から目が離せなくなった。鏡越しに気にしたのは、情恥の痕の事。鬱血のような口付けの痕はないし、打たれた痕も残っていない。振り返って鏡に映して臀部も見たが、そこにも痕は残っていないようだった。
それよりも感じたのは、身体がより肉感的になった気がした事だった。
乳房は巨(おおき)く上向きになっている…気がした。下腹はそれなりに脂が付いて少し垂れ気味であったが、腰が張っているので括れの感じが良い味を出している…と思った。臀部も全体的に上付きに、以前より張り具合が良くなった感じだった。
・・・早苗は今夜、家に着いてからの事を思い返して、寝返りをうつように壁の方を向いた。
一時は肌の張りを衰えたと感じた時期もあったが、大塚の依頼を受けてから自分の身に起こった出来事ーー今も続いているーーによって若返った気がしている。
そして今では、道徳心よりも本能が幅を効かせていた。息子の親友である大久保敏男が現れた時は、さすがに驚いた。しかしあの時は既に、この身体は肉の悦(よろこ)びに支配されてしまっていた。一線を越えた時、自分は一匹の牝に変わったのだ。そんな現実を思い返すと哀しみがある。しかし…敏男は”牡”で、自分はただの\”牝”なのだ。あの時にソレを実感して、本能に全てを任せる女になってしまったのか。
明日もまた御主人様ーー上野に呼び出しを受けている。先ほど明日の目的地の住所がメールで送られて来ていた。
ふうっと息を吐くと、身体がブルルと震えた。明日の性宴の想像に心が震えたのか。
その時、早苗は気づいた。身体に昼間の情恥の痕跡があっても良かったのだ。この身体を見るのは、早苗の“牡(おとこ)”だけなのだから…。
敏男は自分の部屋から上野に電話を掛けていた。
たった今までメールで今日の礼を云っていたのだが、想定外の話が出たので電話に切り替えたのだ。
『…どうしたんだよ大久保』
向こうからは、いつもの飄々とした声が聴こえてきた。
「上野よぉ、明日の場所だけど何でヌケサク先生の家なの?それに優作もって…」
敏男の語尾に被せるように上野が『ああ悪い悪い。早苗とは今日の部屋で落ち着いてオマンコしたいのは分かるけどよ、大塚さんから話を聞いてさ、明日、優作ちゃんが家に来るらしいんだわ。何でもお前の進路の事で相談があるとかでよ』と、淡々と喋りながらも“進路”の所に笑いを含めていた上野。
「………」
『でな、短小包茎君が来るなら、アイツの前で早苗とオマンコするところを見せてやっても良いかなって閃いたんよ』
「お、おい、お前それは…」まずいだろ、と言葉は途切れたが、向こうには伝わったようで。
『…お前、俺がアイツの事、気にくわないと思ってるの知ってるよな』
シレっとした声で改めて言われて、敏男は「ああ…」と、呻くように返事をした。
『よしよし、それでな、この機会にお前の出番で早苗とオマンコやって、アイツの前で奴隷宣言を又やらかそうって考えたんよ』と告げる声には笑いが戻っている。
『お前もアイツには劣等感と言うか、面白くないもんを感じてたんだろ。ちょうど良い機会じゃん。それによ、息子の前で自分の本性を曝したら、早苗も逆に安心してお前の物になるぞ。なんせ隠れて会う必要がなくなるわけだからな』
ゴクリ…上野の言葉の意味を感じ取ってか、敏男の喉が鳴った。
「………」
『ん~どうした大久保』
敏男の沈黙の意味など深く考えず、上野が続ける『それにな、神田のオジサンにも新しい仕事の計画があって、それに“野郎”の人員が足りてないんよ』
(?…)
『アイツと由美がオマンコしてる所もビデオに撮ってたじゃん。何ならそれも脅しに使って、アイツも支配下に置いてやろうって考えたわけ』
「し、支配下…何なんだそりゃ…。それより、優作の前でオバサン…いや…早苗とエッチしたら、間違いなく俺、アイツに殺されるよ…」
『………』
敏男の怖じけの声を聴いて、上野が黙り込んだ。敏男はその沈黙に嫌な感じがした。
と、その時…。
『…じゃあ、俺が犯(や)るわ。渋谷が見てる前で、俺が早苗とオマンコするわ』
アッサリと告げられた声に、「えっ!」と、敏男の口から大きな声が上がった。
『いいだろ。そのかわり早苗はずっと俺の物な。金払うって言ってもお前には犯(や)らせないからな』
「ちょ、ちょっと待ってよ」と言って狼狽えた。そして敏男は考えた。
やがて「わ、わかったよ、やる、犯(や)ります」
『………』
敏男の決意の宣言の後は、またも沈黙が生まれた。それから暫く経って聴こえてきたのは嬉しそうな声だった。
『ふふん、まぁそう言うだろうと思ってたけどよ。まぁ早苗は良い女だから、しっかり物にしろよな』
「…あぁうん…」
『それとな、明日も一応黒マスク、アレも用意していくわ。短小包茎君がお前らの正体に気づくかどうかは、明日のお楽しみだな。もちろん素顔で犯(や)ってもいいけどよ』そう言って最後は機嫌良さそうにしていた上野。敏男は逆に緊張が増していく気分だった。
スマホを切ると、困り顔の敏男。
明日…優作の前で…アイツの母親と…。
あぁッくそっ、明日は酒でも呑んでいくか…。
一体どうなるんだよ明日は…あぁ神様…。
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股間に顔を埋め、大きく息を吸う。確かな匂いを嗅ぎとって、敏男の身体が粟立っていく。そして顔を上げると、その卑猥なショーツを奪うように剥ぎ取った。
敏男は夢にまで見た早苗の身体…その肉厚に頬ずりしながら体臭を嗅ぎ、舌を這わせ、揉みしだいた。
朱い唇からは「あぁッいいッ!」と想像以上の鳴き声が上がっていく。敏男はその声に興奮を覚え、更に気を入れた。
感泣の声は物凄く、その成果が自分の手…いや、舌?…よく分からないが、敏男はとにかく喜びを感じていた。そして…。
(さぁよく見せてよオバサン…)
心の声を投げ掛け、両方の掌を拡げた足の付け根辺りに当てた。
(あぁ見てやる!オバサンのアソコをじっくり見てやるんだ!)
敏男は黒マスクを着けた時から、声を出さないようにしていた。特に上野からの注意はなかったが、素顔を曝して声を聞かれるのには抵抗があったのかもしれない。
それと、自分は素顔は見せずに相手の正体は知っている…そんなシチュエーションにも興奮を感じていたのかも知れなかった。
よしっと心で頷き、掌に力を入れた。 “その”部分を拡げて顔を近づけた。初めて拝む憧れの女(ひと)の…。
と、思ったところで、ん!
マスク越しに見えるのは…赤黒い…?
どうガン見しても、ハッキリとは分からない。
(ああっもう)
演出に一役かっていた筈のこの黒マスク。それは間違いないが、目の部分は確かに前が見えずらい。
仰向けになった乳房の隆起は良く分かる。
喘ぎの声も聞こえる。
しかし、その秘密の部分が…。
頭の中で先ほどの上野の言葉を思い出す。
『~素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりして…』
「んああッーー」
突然唸り声を上げ、自分を鼓舞した。
狂え!
狂え!
狂え!
その瞬間、大きな手が早苗のマスクに向かった。
首を締めるように下顎に手をやって、布と皮膚の間に指を入れた。そのまま口から鼻の方へと剥いでやった。
現れたのはベットリ前髪が掛かった女の顔。マスク越しに分かるのはそんなところで、敏男は早苗の様子を伺う余裕もないまま、自分のマスクに手をやった。
マスクを外した敏男は、意を決して早苗に素顔を曝す。さぁ見てくださいよと、顔を近づけた。
敏男を見上げたその目は、まだ焦点があっていない。敏男は早苗の顔にへばり付く前髪を乱暴に振り払った。
ゴクリ…唾を呑み込む音が、自分の耳にもハッキリと聞こえた。その音に早苗の目が静かに開いていく。
やがて二つの目が重なり合って…。
その瞬間「いやぁーーんッ」信じられないような大きな声が上がった。
その叫びは敏男の背中を押した。
そうなんだよ!
俺はどうせ悪役なんだ!
悪役は悪役らしく、その身体をメチャクチャにしてやる!
「ヒーーーヒッヒッ」
奇声を発して敏男がムシャブリついた。
「オバサーン、オバサーン、優作のオバサーン」
アソコを思い切り拡げてやる。その赤黒いグロテスクな生き物を見届け、しゃぶり付く。その次は唇、そして胸房へ。そして又、胸からアソコへと唾液を撒き散らす。
先程から硬度を携えていた肉の棒は、秘密の泥濘を探し当てた。肉棒はそれだけが別の意識を持った生き物のようになっている。その先っぽが入口を捕らえたのだ。早苗の目がこれでもかと拡がって、敏男の顔を凝視した。
トシオクン…声のない唇の動きを確かにそう認識して、敏男の口が異様な形に歪んだ。
「そらッ」
「あうっ!!」
ソレは見事に泥濘を突き刺した。後はひたすら腰を振るだけだった。組伏された女は、抱きしめられながら爪を立ててきた。
上野の言葉が甦る。
そうなんだ、この女(ひと)はオマンコしたかったんだ!
誰のチンボでも良かったんだ。
けど…。
けど、俺の物で、俺の女(もの)にしてやる!
「どうだオバサン!」
「あーーっ」
「俺のチンポは!」
「ウアアア…」
「どうなんだよ。ちゃんと答えろよ!」
「んんッッッ…い、言えない…言えないわッ」
「なんだと!ほら!」
「ああっいい…」
「もっとハッキリ!」
「いやんッ、許してッ!」
「ダメ!好き者のくせによ!」
その叫びと同時に、敏男の腰にギアが入った。
「ヒィーーッ、いいッ!」
「オラ!オラ!どうだ!」
「いいッ…いいのよ」
「もっとーー」
「いいッいいッ、いいのよとっても!」
「誰のがーー」
「いゃあんッ」
「言えーー」
「あーッ敏男君、敏男君のよ!」
「うおおーッ」
巨体から一斉に汗が噴き出すのを感じた。その感触に、敏男の目が血走った。
「そら、もっと欲しいだろ。欲しかったらオネダリしてみなよ。嫌らしい声で言ってみろ」
「んああッ、いいッいいッ、ちょうだい…ください…もっとして!」
「まだまだ!」
自分自身の言葉にも煽られ、敏男の腰は更にエグい動きを繰り返した。
「ああんッ、いいのよ、敏男君のオチンポが」
「バカ!オバサンは変態なんだからオチンポなんて上品な言い方するんじゃないよ!」
喘ぎの声を吐き続ける早苗。それに応える敏男の興奮も上がっていく。
「抜くぞ!ちゃんと言わないと俺のチンポ抜くぞ。欲しくないのかよ!」
「いやッいやッ、止めないで。ちょうだい。お願い!」
「じゃあ言えよ!宣言しろよ!」
「ああっチンポよ!アタシの好きなのはチンポよ!敏男君のチンポ!」
「んがーーッ」
雄叫びのような声を上げて、敏男のソレがこれでもかと抉り込んだ。
「いくッいくッ、敏男君、気持ちいいッ!」
「んぐぐ」
射精の近づきを感じて、敏男は鏡に目を向けた。何とか我慢しようと、静かに息を吐く。
敏男は呼吸を整え、冷静に次の攻めを考えた。
二つの身体の結合の部分。敏男の手が早苗の内腿を押し広げて、腰を少し引く。目に付く結合の箇所を見ながら、肉の棒を半分くらい抜いて息を継ぐ。
片方の肢を器用に押し曲げて、次に早苗の脇腹に手を入れた。かと思うと、クルリと回した。ソコとソコが繋がったまま、後背位の格好(かたち)へと導いたのだ。
敏男の目は張り出た巨尻を見下ろす。その真ん中辺りには巨大な臀部には似合わない小さな不浄の門。そこを凝視して、敏男の表情(かお)が歪んだ。
(まだだ。その穴はまた今度…今日はお預けだ)
いつかの“ソコ“での交わりを想像しながらも自分に言い聞かせる。
(今日はマンコだ。こっちの穴で完全に俺の物にして…その次だ)
敏男は気を入れ直して、犬の格好になった早苗を攻め始めた。
牡の象徴がぶつかる度に、弾むように揺れる尻(ケツ)。喘声が止む事はない。
「おらっ、どうだオバサン」
「あぁッあぁッいいのッ」
「ちゃんとどこがいいのか、言えよ!」
大きな掌が巨(おおき)な尻(ケツ)を一打ちした。
「あぁーマンコよ、アタシのオマンコよっ」
そんな卑猥な声を吐き出す顔は、敏男の方からは見えない。けれど確かな、苦悶の表情を浮かべる事が出来て、更に腰に力が加わっていった。
と、敏男は思いつき、前屈みになって早苗の頬に手をやった。
「オバサン見てみなよ鏡を」
朦朧とした顔を鏡に向けてやる。
「見えるだろ、俺とオバサンがセックスしてる姿」
「いゃあーんッ」
「へっ何がいゃぁんだ、さっきから感じまくってるくせによ」
「あぁッそうなのよ、感じてるの!」
鏡の中の女を見ながら、早苗は己の被虐の癖に酔うように堕ちていった。
獣の格好の自分を犯しているのは、子供の頃から良く知っている男。その逞しい“男“に逝(い)かされる自分の姿を鏡越しに認め、その敗北の意にさえも快感を覚えていた。
「ああっ凄い!凄すぎる!凄すぎるわ敏男君!」
「どうだーいいだろ俺のチンポは!」
「あぁーはい!いいです!凄くいいです!」
「もっと欲しいか!どんな風にしてほしいんだ!」
「もっとズコズコしてッ!早苗のオマンコ虐めて!」
「んがーッ」
腰を振る敏男の巨体が、一瞬血の気の引きを感じて、それから震え出した。
早苗の口が、自らを“早苗“と呼んだ。その言葉を確かに耳にした瞬間、敏男は憧れの存在を我が物にしたと思ったのだ。
その朱い唇からもっと卑猥な言葉を吐かせてやる。
高鳴る興奮を覚え、敏男の顔がますます歪んでいく。
「早苗ーーっ、見えるぞ!俺のチンポがマンコにズッポリ入ってる所がマル見えだぞ!」
「ああッはい!気持ちいいです!」
「出すぞ!欲しいか!俺のが!」
「はい!出して!出して下さい!」
「どこだ!どこに出して欲しい!」
「マンコ!アタシのマンコに!アタシのオマンコに出して下さい!」
「こら!鏡に向いて言え!嫌らしい自分の顔を見て言うんだよ!」
敏男の掌がふたたび巨尻の面(つら)をバシッと打ちつけた。「あぁんッ」と鳴いて、早苗の顔が鏡に向く。
鏡を見つめる早苗の目。
早苗の頭の中に己の声が聞こえてくる。
嫌らしい顔してる…。
感じてる顔…蕩けてる…。
アタシ…こんなスケベな顔してたんだ…。
鏡の中の顔が揺れてくる。
地響きのように下から揺れてくる。
敏男の腰が、それまで以上に激しさを増してくる。
「うっうっ、く、くるっ!」
「うらあっ!」
「ひっ!いっいぐッ!」
「どうだ!」
「いっいきます!早苗 いきます!」
「出すぞ!」
「はい!下さい!早苗のオマンコにいっぱい出して下さい!」
早苗は鏡の中の自分の顔をしっかり見つめながら、敗北の宣言をした。その宣言は、これまで感じた事のない快楽そのものだった。
最期の瞬間に自分がどんな言葉を吐いたのか記憶がない。どんな表情で逝ったかも分からない。ひょっとしたら誰にも見せた事のない歪んだ表情(かお)をしていたかも知れない。それでもそんな事など、どうでもいいくらいの悦楽を感じていた…。
崩れた背中の上で、覆い被さった巨体の鼓動が鳴っている。今、自分を桃源の世界に運んだ男の息づかいを確かに感じている。
やがて…寝息のようなものが零れ始めた…。
鏡の向こうでは、半ば感心に上野と神田が二人の様子をずっと見守っていた。
「やるなぁアイツ。途中でマスクも取っちゃうし」
「うんうん、ここまでやるとは、私もびっくりじゃよ」
「じゃあ“例の“新しい仕事にスカウトしますか」
「ん~そうじゃなぁ、人員も足りておらんし、この子ならやってくれるかもな」
窓ガラスの向こうでは、うつ伏せに突っ伏した早苗。そして、その身体に崩れ落ちたまま荒い息を吐いている敏男。
神田は二つの塊を優しげな目で見ながら、満足げに頷いていた…。
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入口のドアが静に開き、男が二人入ってきた。上野が敏男を連れて戻って来たのだ。
緊張気味の顔の敏男に、神田が声を掛ける。
「やぁ敏男君、やっと君の番が来たね」
「………」
覚悟を決めてここまで来たはずであるが、この部屋のどこかに早苗がいると思うと、敏男の小さな心臓は爆発しそうになる。
「ん、どうした大久保」
上野が敏男の様子を見て、聞いてきた。
「あぁうん…本当に大丈夫かな…」
「は?!大丈夫かなって、今更どうした?ひょっとして緊張で勃(た)ちそうにないとか」
今にも噴き出しそうな顔で上野が訊いた。
「い、いや、そっちはたぶん大丈夫だと思うけど…本当にやっちゃっていいのかなぁ…って」
「ああ~何を今さら」
笑いながら上野が、チラリと視線を神田に向ける。その視線を感じて、神田は敏男に向き直った。そして、ふんふんと頷いた。
「敏男君、君の心配も分かるが早苗さんはね、実は長い間、欲求不満を溜め込んでいたんだよ。考えてみなさい、女として1番油の乗ってる時に、旦那さんが単身赴任でいなくなったんだよ」
「………」
「本人はそれを隠して、近所の小学生の相手をしたり、自分の子供の心配をしたりしてるんだ。自分では気がつかないうちに、ますます不満が溜まっていってるんじゃよ」
「………」
「私達はね、そんな中年の女性の為に色々とやってるんだ。君も大塚君夫婦の事は知ってるだろ。あの奥さんも君と関係が出来て喜んでおる。そう思わないかい」
「…ああ、はい…思います…」敏男は暫く考える素振りをしたが、ハッキリと頷いた。
「うんうん、切っ掛けはどうであれ、犯(や)ってしまえば向こうも喜ぶんだよ。分かるかい敏男君、早苗さんは今、若い男が欲しくて欲しくてしょうがない状況なんじゃ」
「ほ、ほんとうですか!」
いきなり敏男の目が、これでもかと広がった。
「ああ、本当さ。なあ上野君」
神田の言葉に、今度は上野が敏男の目を覗き込んできた。
「だから心配するなって前も言ったじゃん。俺は早苗をいっぱい抱いて、それを確かめたんだから。アイツは俺以外のチンポも欲しがってるんよ」
「ああ…本当に本当なのか…」
「ああ、保証する。それに早苗は、俺の言う事なら何でも聞くって宣言したし。けど、俺じゃなくても切っ掛けがあれば、誰とだってオマンコしたと思うぜ」
「………」
「まあ、お前としたら、清楚なイメージに惚れたと思うけど、人妻なんて心のどっかではいつも男を欲しがってるんよ」
「ん…う、うん…」
「へへっ、それを今から確かめに行こうぜ」
「…あ、ああ…」
敏男の苦し紛れの返事にも、上野は笑みを返した。
「それとな、ビデオに撮るから一応コレを用意しといたからよ」
そう言って上野が、ソレを何処からか取り出して見せた。
「な、なにコレ…」
「へへ、全頭マスク」
「…ゼントウマスク?」
「そう、被ると相手からは正体が分からない。けど、こちらからは薄っすらとだけど見えるから大丈夫。呼吸も口の所はほら、開いてるし、鼻からもちゃんと息は吸えるしさ」
暫く黙ったまま手に持ってソレを見つめて、敏男が改まって聞いた。
「…ええっと、オバサンは今日の相手、俺って知らないんだよね…」
「ふふ、大丈夫だって。それどころか、これから俺以外の男とオマンコするなんて夢にも思ってないからよ」
「えっそうなの!」
上野の言葉で、敏男の目が驚きに拡がった。しかし「ふふ、部屋にいるのは欲求不満の中年女じゃ。君の“持ち物“は真知子君相手に充分に能力を発揮したし大丈夫じゃよ」
「…ああ…はい」
神田に返事をした敏男に、上野が囁くように続ける。
「俺はそんなに大した調教はしてないし。お前のアレをぶちこんだら一発だ。ヘナヘナになって、後はお前の言う事なら何でも聞く女になるさ。 “お母さん”ごっこでもいいし…けど、早苗はMの気を持ってるぜ」
「…うっ…ううう…」
「ふふ…デカイ尻(ケツ)を打(ぶ)ったりよ。露出プレイの奴隷にしてもいいしよ。それに…ふふ、アナルセックス。お前も上の部屋で犯(や)ったろ。アレを早苗と犯ったっていいんだぜ」
(ゴクリ…)
敏男の巨体が少しずつ震えてきた。それを見つめる上野と神田の目が期待に光を発している。そして敏男は、その黒マスクを手に取った。
「行こうか、色男」
マスクを手にした敏男の肩を、上野が叩きながら言う。
「まずは、こっちな」
二人が向かったのは例のスペース。
そこに入った敏男の目が大きな窓ガラス、そしてその向こう側に立つ人影を見つけ、足を止めた。
「うっ!」
一瞬の呻きを上げて、そのまま巨体が固まってしまった。
「大丈夫だって、これが神田先生自慢の魔法の鏡だ」
「魔法の鏡?」
「そうじゃよマジックミラー。こちらからは見えるが、向こうからは鏡にしか見えない優れものじゃ」
神田の声が後ろから聞こえ、その声に敏男はぎこちなく頷いた。
「…ほ、ほんとうに向こうからは見えてないの」
心細そうな声で呟いて、敏男は息を呑んだ。
「ほら、安心してよ~く見てみろよ」
上野の言葉に敏男は止まった足を再び動かし、窓の際まで近づいて行く。
見えてきたのは、同じ黒マスクを被った女。
あぁ、なんなんだ、あの格好は…。敏男の視線の先にいるのは、エロ雑誌の表紙、そしてネットで見てきたエロ画像と同じ種類の女。
敏男はゴクリと唾を飲み込み、抉るように窓ガラスの向こうを覗き込んだ。
「それにしたって…」
一人呟き、敏男が更に顔を窓に近づける。そして目に力を入れた。
暫く向こう側の女を見つめ、敏男はギリリと首を上野に向けた。上野は敏男のその表情だけで、一瞬のうちに何を聞きたいのか察知して「ああ、コレがそうさ。うん、間違いなくこの変態チックな下着を着けてるのが早苗」と、あっさりと告げた。そしてニヤリと頬を歪め、続ける。
「お前の憧れで、親友渋谷優作のお母さんだよ」
(…うあああ…)
「ふふ、敏男君、さっきも言ったけどこの女は欲求不満を溜め込んでおる。この格好がその証拠じゃよ」
「………」短い沈黙の後で、敏男の顎がコクリと縦に揺れた。
「へへ、そうこなくっちゃ」
今度は嬉しそうな声で上野が続ける。
「さてと、そろそろマスク着けろよ」
上野は敏男の大きな肩を叩き、そして、顎でドアに促した。
早苗はベッドの前で、先ほどから同じ姿勢で立ち竦んでいた。
マスク越しに覗く目も、だいぶ暗さに慣れて、今は鏡に映る自分の姿がなんとか分かる。
その姿…乳房を覆うのは頼りないくらい小さな物。膨らみの上半分が零れ落ちそうで、今にも全てが顔を露(あらわ)しそうな状態。ショーツは足の付け根から横腹に急な角度を伴った物で、その後ろ側は一本の線が割れ目に食い込むように前へと繋がった言わゆるTバック。選んだ色は黄色い蛍光色で、それがちょうど今は、この薄暗い中で浮かび上がって見える。サイズも全体的に小さく、窮屈さを感じる身体を一層肉圧的に魅せている。
早苗自身もなぜ、こんな下着を選んだのか分からない。あえて自分に問うと、夫のSMチックな性癖を認めた頃の影響かも知れない。あの頃、夫に勧められたのは原色の黒や赤の物で、ショーツはTバックもあったと記憶していた。それらも子供の成長とともに穿く機会はなくなっていったが、今日この下着を選んだのは、被虐の自分を妄想してしまったからか…。
早苗はふと、鏡の向こうに気配を感じた。
…と、思った瞬間、この部屋のドアが開かれた。
早苗の顔が反射的にそちらを向く。
マスク越しに分かったのは上野。そしてその後ろに…。上野より頭半分くらい大柄な男性が一緒に入ってきた。
「オバサン、お待たせ~」
あくまでも飄々(ひょうひょう)とした感じで、声が近づいてくる。早苗は咄嗟に肌を隠すように、両方の手で自分の身体を抱きしめた。
早苗の仕種に気がついて「ああ、コイツ?」と、上野が問う。
「安心して。…あのね、コイツは俺の穴兄弟」
「え?!」
「そう穴兄弟。コイツね、由美ともオマンコしてるんよ。だから俺と兄弟なんよ」
「あぁ…」
「因みに…オバサンは俺とオマンコした仲だから、由美とは竿姉妹って事になるのかな」
そう告げて笑いもしない上野。その横で敏男が、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「そう言うわけで、今からコイツとオマンコして貰うわ。んで、俺は見学。分かったかな」
(あぁ…そんな…)
予想もしなかったまさかの命令に、早苗が頭(かぶり)を振った。
「嫌だ嫌だって思ってもね、身体は正直なんだよね」
上野が近づき、腕を掴んできた。そしてグイッと身体を引き寄せたかと思うと、早苗の後ろに回り、胸の膨らみをムギュっと鷲掴んだ。
胸房に圧が加わってくる。そしていつも通り煽りの言葉が襲ってきた。
「さっきは中途半端だったから、一人でオマンコ弄って待ってたんじゃないの」
「あぁんッ」
「欲しくて欲しくて仕方ないんだよね、アレが」
耳元で言って上野は、視線を敏男に向ける。
「ほら」
顎をしゃっくたのは敏男に向けてだったが、早苗の方も感度を表した。胸を揉まれるまま背中を上野に預けて、その身をくねらせる。
敏男の方はアイコンタクト…でもないが、上野の目線を感じると、決心して服を脱ぎ始めた。
生まれたままの姿になった敏男は、一度大きく息を吸って鏡を見た。そこには初めて目にする怪しい男…全裸に黒マスクをした巨漢の男がいる。
マスク越しにその姿を視ていると、如何にもの悪役に思えてきた。
(くそッ…俺はデブだし、綺麗な女(ひと)とは、しょせん釣り合わないんだ…)
隣で「あぁんッ」と甘い声がした。ハッと振り返って見れば、上野の目が何かを語りかけている…気がした。
ほら、この女、感じてるだろ。
俺以外の男がいるのに、こんな甘い声を出しやがってよ。
コイツは欲しがってるんだよ。
早く犯(や)ってやれよ。
お前のそのデカイのでヒーヒー言わせてやれ。
なぁ大久保。
…そんな上野の声を感じた気がして、敏男は心の中でよしっと気を入れた。
上野も直ぐに察知したのか、敏男を見ながら早苗の胸から手を離す。そして敏男と入れ替わるように巨体の後ろへ回った。
「俺は向こうから覗かせて貰うわ」
小さな声を敏男の耳元で囁き、上野がニヤリと笑う。そして、今以上の小さな声でもう一度囁いた。
「それとそのマスク…外したくなったら外してもいいぞ。けど、素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりしてな」
その言葉を挑発と取ったのか、それでも敏男は黙って頷き返した。敏男も腹を決めているのだ。
早苗の顔が、上野の後ろ姿を見送るのを見て、敏男は近づいた。そして、白い肩に手を掛ける。
咄嗟に身を固くした早苗。敏男はその身体を引き寄せる。そしてそのまま抱きしめ、唇を奪いに出た。
うわぁ….その甘い唇の感触に敏男の中に電流が流れた。抱きしめた身体は思っていた通り膨(ふく)よかで、それだけで感動を覚えてしまう。
下腹の辺りで互いの恥毛が触れあうのを感じては、身体が熱くなった。背中に回していた腕は、夢中に早苗の臀部を撫で回している。
みるみるうちに巨大化する牡の象徴。その膨らみが早苗の腹を押すと、頭に血が昇ってきた。
そうだ!俺はコレで真知子さんをヒーヒー言わしたんだ。
由美さんだって、誉めてくれた。
オバサンだって!
そんな事を一瞬に想い、敏男の舌は早苗の口奥へと侵入を始めた。
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ベッドに腰かけた態勢から、敏男は大きく伸びをした。そして「ああー」っと声を上げた。
立ち上がり、檻の中の熊のように、右に左に動き回る。その度に口からは、「ああっもうっ」と、唸り声が発せられる。
先ほど姿を見せた上野は直ぐに出ていき、今ごろはこのビルの何処かの部屋で早苗と一緒にいる筈なのだ。その二人を想像すると、胸が掻きむしられる想いがする。その苦しみから逃れようと、奇声が発せられるのだ。
別の部屋ーー。
ドアの開く音がして、早苗は振り向いた。
入ってきた上野の視線に、ドキリと鼓動が跳ね上がる。上野の方はいつものように飄々(ひょうひょう)した感じだ。
「お待たせしました~」
その言葉尻は一応、目上の神田に対するものだったのか、それでも敬意が隠(こも)っているとは思えない調子で軽く頭を下げる。
神田の方も慣れたもので、コクりと頷いただけで、早苗の表情を観察するように直ぐに視線を戻した。
「じゃあ先生」
上野が神田に了解でも取るかのように会釈したが、その様子は緊張の欠片もない。そしてそのまま早苗に近づいて「ふ~ん、なかなかミニもいいじゃん」そう言って視線を剥き身の腿に寄せた。
「………」
黙り込む早苗の横顔を暫く見下ろし、上野がスッと腕を取ってきた。
「…待ち人もいるし、さっさと始めようかな」
待ち人?…一瞬何の事だか分からなかった早苗だが、上野はチラリと神田に目配せした。
「うんうん、後の事は任せなさい」
神田の言葉に、早苗の腕を握る上野の手に力が入る。そして奥の部屋へと向かった。
電気が点く。
マジックミラー…これで、この部屋が向こうから覗かれるようになったわけだ。
大きな鏡には、緊張した女の姿が映って見える。早苗は向こう側に神田がいる事を意識したのか俯いてしまう。その神田は部屋の二人を確認すると、手慣れた動作でビデオの設置をし始めた。
「…オバサン」
肩に軽いタッチで手が触れたかと思うと、唇が襲ってきた。
あぁっ…声が漏れる間もなく、早苗の唇は上野のものに塞がれていた。突然の感触は、トロリとした柔らかいものだった。
これまでの上野との交わり、その激しさの中で幾度も唇を奪われてきた。そして、それに応えるように吸い返した事も何度とあった。しかし今、早苗が感じているのは、これまでにはない甘いものだ。
ベッドに上野が腰を落とす。だらっと手を後ろに付けて、足を投げ出す。そのリラックスした格好のまま早苗を見上げた。
早苗は今ほどのキスの余韻を引きずっているのか、緊張の面持ちが続いている。
「オバサン、緊張してんの?」
小バカにした感じの声はリラックスされていて、しかも歳上の女性をいたぶるような響きも含まれている。
「さって、今日は色々やる事があるから、早速始めましょっか」
そう言って上野が立ち上がる。そして、早苗のスカートに手を入れたかと思うと、ショーツの上から土手に触れてきた。
「アッんッ」
鳴きの声で早苗の眉が歪んだ。
上野の指は、土手から沈むように隠筋へと向かう。
切ない表情で早苗が上野に嘆きの視線を返す。上野はその瞳の中に何を見たのか、クククっと含み笑いをすると指を抜き、その手で剥き身の腿を軽く叩いた。
「じゃあオバサン、脱いで貰おうかな」
いつものぶっきらぼうな口調にも、早苗は不安げに頷く。そして、チラリと上野を覗き見てから、胸のボタンに手をやった。
「ああ、俺の方 向かないで。最初は鏡の方 向いて」
それは、鏡の向こう側にいる神田に対するサービスのつもりなのかは分からないが、早苗は従順に背中を上野に向けると上着を脱ぎ始めた。
上着からブラジャーへと渡り、乳房が露になる。スカートに手をやったところで一瞬その手は躊躇した。が、直ぐに動き出す。
パタリとスカートが落ちると、声が飛んだ。
「今度はこっち」
またもぶっきらぼうな声で呼ばれ、振り返った。声の主が見つめている。身体の痺れが広がっていった。
「どうしたの?最後の一枚脱がないの?」
ニヤツく上野。しかしその目は、笑っていない。
泣きそうな顔を一瞬見せた早苗だが、直ぐにショーツの端に手をやった。
ショーツを静かに床に落とすと目を瞑り…しかし微かに上野を覗いて唇をキュッと結んだ。
一糸も身に纏わない全裸姿を曝すのももう何度目かの事だが、改めてのこの無防備の状態。しかも、静寂を感じながらの披露は、羞恥の心を一層高めるものだった。
「後ろ」
今度は冷たい声が飛んできた。
「あぁ…恥ずかしい…」
そんな声をあげながらも、素直に背中を向けた。
披露したのは、上野に肉厚のある臀部。向こう側の神田には胸の膨らみと恥毛。
「うんうん、相変わらず良いね」
その誉め言葉にも、早苗には自身のこの身体…脂のついた中年の身体を卑下された気がしないでもない。しかし“彼“がこの身体を乱暴に扱いながらも、愛してくれた記憶が確かに存在しているのだ。
「さてと」
上野が改まる。
「………」
不敵な笑みを浮かべながら上野が立ち上がった。早苗に近づき、グニュっと胸の膨らみを鷲掴む。
「ハァん…」
艶色の声が部屋に響いた。しかし上野は、そんな声には興味も示さず、片方の手を早苗の臀部に回したかと思うと、ピシッと一打ちした。早苗はその痛みにも、蕩(とろ)けた顔を鏡に曝した。
「もう少し足 広げて」
「………」
「そう、その位でいいよ」
「………」
「そのまま前屈みになって、両手を鏡に付けて…」
「………」
「そう、そのまま中腰」
「………」
「尻(ケツ)は少し突き出す感じで」
「………」
「ああ良いね。…うんうん、丸見えで卑猥な感じ」
「あぁ…」
鏡の向こうでは、神田が三脚で立てたビデオの横で、先ほどから嬉しそうな目をして佇んでいた。その目は、服従を誓った女の成長に喜びを浮かべる目だ。
「どれどれ」
耳元に声が近づいてきた。若き主がアタシの“持ち物“を確かめようとしている。主の物を迎え入れる準備が整っているかを確かめようとしているのだ。一瞬の間に早苗はそんな事を理解して、そして“あの部分“を意識した。
あぁ…濡れているわ…。
間違いなく…。
そう思えると、内腿から股間の辺りが高ぶりに震えてきた。
あぁ…お願いします…。
心で哀願の意を決して、早苗は気を張った。しかし…肩越しに聞こえたのは「時間ないからさ、すぐ挿(い)れちゃうか」と、淡白な声だ。
そしていきなり、巨(ふと)い物がヌボッと侵入してきた。いつの間にか上野が、自慢の肉棒を取り出していたのだ。
「ああーーッ」
早苗は一瞬の”ソレ”で絶頂に導かれた。そして、続けざまにパンパンと尻に圧が加わるともう、意識は遠のき、頭の中は真っ白な霧に包まれた。
朱い唇からは無意識に逝き声が零れ続き、その逝き顔は鏡の向こうからビデオに切り取られている。
上野はもの凄いスピードで腰をぶつけてきた。
早苗の頭の中で光が爆発する。身体は痙攣を起こし、膝が崩れそうになっている。しかし、いきなり…。
「はい、休憩」
何を思ったのか、上野が動きを止めたのだ。
早苗の方は膣穴を埋められた状態で、なんで?と言った様子。
その早苗の背中に上野が訊いた。
「オバサン、続けてほしいよね」
「………」
「うんうん、それじゃあね…」
「………」
早苗の尻が物欲しそうに揺れてくる。
「オバサン…俺の言う事なら何でも聞くんだったよね」
その改まった口調に、早苗の顔が上野を振り反(かえ)った。見つめた目はトロンとしたままだが、瞳の奥には不安な影も浮かんでいる。しかし、刷り込まれた負の意識は服従に向かう覚悟をしていた。
「ふふん」
早苗の表情を肯定と判断して、上野が得意げに鼻を鳴らす。
「…じゃあ続きを」
「………」
「行くよっ」
その号令ともとれる声に、早苗は手足に力を入れ、腰に気をやった。
「おっ締まったぞ。じゃあ、このまま宣言してみよっか」
「………」
「それ!」と声を掛けながら、再び腰を振り始めた。
「ハぁーーんッ」
「よしっいいぞ!そのまま勢いで言っちゃぇ、奴隷宣言だ!」
ズボズボと出し入れが一気に増す。
「ほら、早く」
「ああーーッ、アッ、アッ、アタシは上野さんの玩具(オモチャ)です。何でもします!何でも言う事ききますッ」
まさに隷族の宣誓に、頬を緩めて上野が満足げに頷いた。しかしなぜか、早々とソレを引き抜いた。
「………」
上野が早々と一物をパンツにしまい、ファスナーを上げて、今度はズボンのポケットから何かを取り出した。
ソレは黒い布切れ?
朦朧とした早苗には、ソレが何か分からない。
「これ、被ってみて。これはね、ゼントウマスク。ゼンは全部の全。トウは頭。全頭マスクって言うらしいんよ」
たった今まで激しく腰を振っていた上野。その激しさからは、ほど遠い落ち着き払った声。
「SMチックでしょ。ほら、口元が開いてるよね」
早苗の朦朧とした様子などお構いなしに、ソレを広げて見せる上野。
「でね、目と鼻の所は薄くなってるから被っても見れるんよ、ちょっと見にくいと思うけど」
そして、ソレを早苗に渡そうとする。早苗は朦朧としたままソレを手に取った。
「じゃあちょっと行ってくるから。オバサン、買った下着も着といてね」上野はそう告げ、部屋の出口へ向かってしまった。
その場で一人になった早苗。燃え上がった身体はいきなり高見から落とされ、火種が燻ったままだ。満足のいかない身体はスッキリしない。
ふと、鏡を見る。今の痴態も覗かれていたのだ、と想いながら、その蕩(とろ)けた貌をコレで隠すのね…早苗はボオっとした頭でそんな事を考えながら、手にあるマスクを広げて見た。
黒いマスクを見つめてみれば、胸がキュンとなった。火種が息を吹き返す。気がつけば早苗は、マスクを頭に被せている。
マスクを着け終えた早苗は、鏡の前に立ち、その全景を眺めてみた。
確かに告げられたように目元は暗い。しかし、慣れてくると鏡の中に黒マスクの怪しい姿を認めていた。
如何にも肪の乗った腰回り。熟れた乳房。下腹の括れも卑猥な感じがする。
早苗は想う…この後の若き主の命令は何なのか?
恐らく…指示されるのは、想像もつかないような卑猥な行為か?
そんな妄想を受け止めようと考えると、身体がザワザワと揺れてきた。
胸の膨らみと腰が、ゆらゆらして扇情的なシルエットとなって鏡に映る。
手指がしなやかに己の身体を摩っていく。
妄想が拡がっていく。
どこからか手が伸びてきて、この身体をまさぐってくる。
幾つもの唇が身体の局部に舌を伸ばす。
生殖の器官が身体の全ての穴に侵入を試みてくる。
あぁ…早苗は早く快楽に溺れたいと思った…。
しかし…。早苗は一旦動きを止めると、思い出したように手提げの中から買ってきた下着を取り出した。
そしてソレを着け始めた。
鏡の向こうでは、先程から神田が静かに覗いていた。
やがて、出来上がったのは全裸以上に卑猥な姿。
あぁ…それはマゾ奴隷…。
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その頃、渋谷家…。
自宅のリビングでボンヤリしていた優作は、思い出したようにスマホを手に取った。
アイツ…敏男の事は明日、大塚に相談する事にはなっているが、今日の内に連絡がついて謝罪の気持ちを伝える事が出来ればそれに越した事はない。そう考えながらメールを開いた。
昨日、何通も送ったものへの返信はない。よほど傷つけてしまったのだろうと思いながら打っていく。
《敏男へ たびたびでスマン。本当に悪かったと思っている!お前の進路の事は俺も心配してる。とにかく一度連絡をくれないか。頼む!》
送ったメールを一度読み返し、スマホをテーブルに置いておく。返信が来れば直ぐに分かるようにと、目に付く所に置いておく。
それから特に何もする気にならず、座ってボオっとしていた。テレビは点いているが頭には入ってこない。そのまま2、30分たった頃だったか、突然インタフォンが鳴った。
来客の予定はない筈だから、宅配便だろうと当りを付けてモニターを見た。
そこに写った人の姿に、首を傾げた。
「…こんにちは…」モニター越しに聞こえた声は、映像通りの幼い声。
一瞬、子供を使った新手の宗教の勧誘かと思った優作だったが、次の言葉で頭の中に“何”と言う文字が浮かんだ。
「早苗さんはいますか」
暫くこの少年…間違いなく少年…の顔を見ていた優作だが、直ぐに気がついた。
「あ、勉強会の」と言ったところで、向こうからも「はい」と聞こえてきた。
それにしても、母親の事を先生ではなく\”\”さん”付けで呼んだこの少年。幼い顔立ちの中身は大人びているのか、優作はこの少年にちょっとした興味を覚えた。
優作はモニター越しの会話を止めて、玄関まで行ってみる事にした。
ドアを開けて迎え入れる。目の前に現れたのは、パッと見、高学年。そう判断しながら訊いてみた。
「えっと、母さんはいないんだけど…何かご用ですか」
思わず出た優作の敬語にも、その少年は特に反応を示さない。
そして「そうですか…あの…」と口ごもり、俯く。何かに迷っている雰囲気だったが、顔を上げると優作を見つめてきた。優作は何故かその目にドキリとした。
「早苗さんと約束したんですが…」
「…ええっと何を…」
二人は玄関で向かい合っていた。見下ろす格好の優作に見上げるその少年。
少年は優作の目を真っ直ぐに覗いてくる。
と、その時、優作は思い出した。今朝の早苗の言葉『~タナカ君の両親が何か言ってきたら…』
「ひょっとして君、タナカ君?」
「はい、そうです」
「……」
母が予期していた事と少し食い違いがあるのかと思いながら、優作は思案した。
その少年ーータナカ君が、優作を見つめながら続ける。
「今日は早苗さんに”又来てって”言われたから、来てみたんです」
「ん~っと、それは御両親と一緒にって事じゃないの…」
母からの伝言と辻褄を合わせようとして、優作は“御両親”と言う言葉を出してみた。
しかし、少年は「いえ違います」と、落ち着いた声。
「…てことは、君1人でって事?…」
「はい、その時 僕と早苗さんしかいなかったんで」
よく分からないな、と言った顔で優作が腕を組む。
「勉強会は君一人だけだったの」
「いえ、3人でした」
「…でも、母さんと二人だけの会話をしたんだ」
「いえ、会話と言うよりか、早苗さんの方から言ってきたんです」
「ん~今一よく分からないなぁ。この家の中での話しだよね。その時は何処にいたのかな」
優作は痒い所に手が届かない気分。少年は淡々としたペースで話す感じだ。
「廊下です。廊下で早苗さんと二人切りになったんです」
「…廊下ねぇ。そこで母さんが君に又来てって言ったんだ」
「ええ、又来てって言ったのは“その後”なんですけど」
「その後?…って事は、廊下で何かあって、その後に母さんが又来てって言ったって事?」
「はい」
「ふ~ん、何があったの?3人に問題を出して、君が分かったって手を上げて、他の二人に答えを聞かれないように母さんが廊下に呼んだとか」
優作はもう、めんどくさくなった気分で訊いてみた。
しかし少年は真顔で続けた。
「いえ、それも違います」
「ん~あのねぇ…いったい何があったのかな」
イライラが募った声に、少年は少年らしく身じろぎした。しかし、落ち着いて云った。
「バスローブ」
「は?!バスローブ?バスローブがどうしたの」
「…早苗さんがバスローブを開いたんです」
「バスローブを開く?バスローブってあれだよね、風呂上がりに羽織る…」
少年が黙って頷いた。
「バスローブを着て勉強会をしてたって事かい」と、優作の顔に苦笑いが浮かんだ。
「いえ、普通の服だったんですけど、僕がトイレから出ると、バスローブに着替えてたんです」
「………」
「それで、廊下の端まで歩いて…そこで…」
「…そこでどうしたの」
「はい、早苗さんがそのバスローブをパッと…」
「パッと…?」
「パッと開いたんです」
「?…」
「そうしたら、何も着てなかったんです」
「は!?…何も着てない?」
「はい、素っ裸だったんです」
「………」
優作の頭の中は、一瞬空白になった。そして、少ししてから少年の言葉を復唱した。
バスローブ。
素っ裸。
その瞬間、まさかと何かが瞬いた。知らずにゴクっと唾を呑み込んだ。そんな優作を目にしながら、少年は続けた。
「それで、その後に又来てって言われたんです」
「それって…」
「うん…また見に来てって事だと思います」
“はい”が“うん”に変わり、その如何にも初(うぶ)な表情に、優作は初めて目の前の少年を子供らしいと思った。
優作はその後、少年がいつ帰ったのか思い出せない。思い出そうとすると『失礼します』と言って、玄関を出ていった後ろ姿が微かな記憶としてあるだけだ。
いつの間にかまた、リビングのソファーにボオっと座っていた。
頭の中では言葉が回っている。
『素っ裸だったんです』
『パッと』
『バスローブを』
フラりと立ち上がり、洗面所に行ってみた。その次は和室部屋。昔からの両親の寝室。
その和室の部屋にある洋服箪笥。優作はそれを開けて覗いてみた。幾つものハンガーに吊るされた服を見ていく。やがて目に付いたのは、水色のバスローブ。
優作はそれを手に持ったまま、暫く立ち竦んでいた。
そんな優作の頭にもう一度少年ーータナカ君の後ろ姿が浮かんできた。その姿から首だけがクルリと回って振り向く。能面のような顔が見つめてくる。優作は急に寒気を覚えて、ブルルと震えた。
(なんか最後は不気味な感じがしたなあ…。魔少年か…)
…この日、早苗が帰ってきたのは、深夜近かった。
その帰宅の時も、優作は自分の部屋に籠っていた。顔を見る気も起きず…いや、見てもどんな顔をすればいいのか分からず、悩みを先送りする内気な少年に戻って、寝たふりをしていたのだ。
早苗も優作に声を掛ける事もなく、シャワーを浴びた後は、直ぐに寝室に入って、そのままのようだ。
優作はずっとベッドで横になっている。
早朝勉強の為に早寝の習慣が付いた今でも、この夜はなかなか眠る事が出来ない。
優作はもう何度と繰り返した昼間の様子を、もう一度思い浮かべてみた。あの少年ーータナカ…君の言葉。
バスローブ。
素っ裸。
また見に来て。
優作には、あの少年が嘘をついてるとは思えなかった。物静かで落ち着いていて、どこか霊的な感じがしたあの少年。
母が今朝方言った『~タナカ君の御両親が何か言ってきたら…』あれは、早苗自身が身に覚えのある“何か”に対して覚悟を持っていた証拠ではないか。と言う事は、やはりタナカ…君が言った事は本当の事…。
何度目かのタメ息を吐き出し、顔を振った。
明日は敏男の事で大塚に相談する日だ。先日のメールでは、《母のその後は大丈夫です》と伝えていた。しかし…話しの流れで母親の事も相談しようか…と思い付いたところで、由美の顔が浮かび上がってきてハッとした。
ひょっとしたら、知らないところで由美から早苗に連絡が行ってるのではないか。そこには、貴女の息子と関係を持ってしまった。そんな懺悔があって、それで母はショックで息子の顔も見たくないのでは。しかし、タナカ君の事はどう絡んでくる…?
由美と優作、そして由美と早苗。それに早苗とタナカ君。頭がこんがらがってくる。
むくりとベッドから立ち上がって目を瞑った。何故か想い浮かんだのは、大塚の顔。
そこで優作は心の中で祈った。
(大塚先生、明日お願いします。助けて下さい!)
寝室の早苗ー。
身体は確かに疲れている。
しかし、頭の中はハッキリとしていた。
家に入る前には\”男”の臭いが付いていないか、自分の身体を嗅いでみた。
2階の部屋には灯りも見えず、息子ーー優作が寝てくれている事に少なからず安堵して、鍵を取り出していた。
シャワーを浴びた時間は短かった。心のどこかに、浴室の音で優作を起こす心配もあったからだ。
しかし、洗面所の鏡を覗くと暫く、その姿から目が離せなくなった。鏡越しに気にしたのは、情恥の痕の事。鬱血のような口付けの痕はないし、打たれた痕も残っていない。振り返って鏡に映して臀部も見たが、そこにも痕は残っていないようだった。
それよりも感じたのは、身体がより肉感的になった気がした事だった。
乳房は巨(おおき)く上向きになっている…気がした。下腹はそれなりに脂が付いて少し垂れ気味であったが、腰が張っているので括れの感じが良い味を出している…と思った。臀部も全体的に上付きに、以前より張り具合が良くなった感じだった。
・・・早苗は今夜、家に着いてからの事を思い返して、寝返りをうつように壁の方を向いた。
一時は肌の張りを衰えたと感じた時期もあったが、大塚の依頼を受けてから自分の身に起こった出来事ーー今も続いているーーによって若返った気がしている。
そして今では、道徳心よりも本能が幅を効かせていた。息子の親友である大久保敏男が現れた時は、さすがに驚いた。しかしあの時は既に、この身体は肉の悦(よろこ)びに支配されてしまっていた。一線を越えた時、自分は一匹の牝に変わったのだ。そんな現実を思い返すと哀しみがある。しかし…敏男は”牡”で、自分はただの\”牝”なのだ。あの時にソレを実感して、本能に全てを任せる女になってしまったのか。
明日もまた御主人様ーー上野に呼び出しを受けている。先ほど明日の目的地の住所がメールで送られて来ていた。
ふうっと息を吐くと、身体がブルルと震えた。明日の性宴の想像に心が震えたのか。
その時、早苗は気づいた。身体に昼間の情恥の痕跡があっても良かったのだ。この身体を見るのは、早苗の“牡(おとこ)”だけなのだから…。
敏男は自分の部屋から上野に電話を掛けていた。
たった今までメールで今日の礼を云っていたのだが、想定外の話が出たので電話に切り替えたのだ。
『…どうしたんだよ大久保』
向こうからは、いつもの飄々とした声が聴こえてきた。
「上野よぉ、明日の場所だけど何でヌケサク先生の家なの?それに優作もって…」
敏男の語尾に被せるように上野が『ああ悪い悪い。早苗とは今日の部屋で落ち着いてオマンコしたいのは分かるけどよ、大塚さんから話を聞いてさ、明日、優作ちゃんが家に来るらしいんだわ。何でもお前の進路の事で相談があるとかでよ』と、淡々と喋りながらも“進路”の所に笑いを含めていた上野。
「………」
『でな、短小包茎君が来るなら、アイツの前で早苗とオマンコするところを見せてやっても良いかなって閃いたんよ』
「お、おい、お前それは…」まずいだろ、と言葉は途切れたが、向こうには伝わったようで。
『…お前、俺がアイツの事、気にくわないと思ってるの知ってるよな』
シレっとした声で改めて言われて、敏男は「ああ…」と、呻くように返事をした。
『よしよし、それでな、この機会にお前の出番で早苗とオマンコやって、アイツの前で奴隷宣言を又やらかそうって考えたんよ』と告げる声には笑いが戻っている。
『お前もアイツには劣等感と言うか、面白くないもんを感じてたんだろ。ちょうど良い機会じゃん。それによ、息子の前で自分の本性を曝したら、早苗も逆に安心してお前の物になるぞ。なんせ隠れて会う必要がなくなるわけだからな』
ゴクリ…上野の言葉の意味を感じ取ってか、敏男の喉が鳴った。
「………」
『ん~どうした大久保』
敏男の沈黙の意味など深く考えず、上野が続ける『それにな、神田のオジサンにも新しい仕事の計画があって、それに“野郎”の人員が足りてないんよ』
(?…)
『アイツと由美がオマンコしてる所もビデオに撮ってたじゃん。何ならそれも脅しに使って、アイツも支配下に置いてやろうって考えたわけ』
「し、支配下…何なんだそりゃ…。それより、優作の前でオバサン…いや…早苗とエッチしたら、間違いなく俺、アイツに殺されるよ…」
『………』
敏男の怖じけの声を聴いて、上野が黙り込んだ。敏男はその沈黙に嫌な感じがした。
と、その時…。
『…じゃあ、俺が犯(や)るわ。渋谷が見てる前で、俺が早苗とオマンコするわ』
アッサリと告げられた声に、「えっ!」と、敏男の口から大きな声が上がった。
『いいだろ。そのかわり早苗はずっと俺の物な。金払うって言ってもお前には犯(や)らせないからな』
「ちょ、ちょっと待ってよ」と言って狼狽えた。そして敏男は考えた。
やがて「わ、わかったよ、やる、犯(や)ります」
『………』
敏男の決意の宣言の後は、またも沈黙が生まれた。それから暫く経って聴こえてきたのは嬉しそうな声だった。
『ふふん、まぁそう言うだろうと思ってたけどよ。まぁ早苗は良い女だから、しっかり物にしろよな』
「…あぁうん…」
『それとな、明日も一応黒マスク、アレも用意していくわ。短小包茎君がお前らの正体に気づくかどうかは、明日のお楽しみだな。もちろん素顔で犯(や)ってもいいけどよ』そう言って最後は機嫌良さそうにしていた上野。敏男は逆に緊張が増していく気分だった。
スマホを切ると、困り顔の敏男。
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あぁッくそっ、明日は酒でも呑んでいくか…。
一体どうなるんだよ明日は…あぁ神様…。
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股間に顔を埋め、大きく息を吸う。確かな匂いを嗅ぎとって、敏男の身体が粟立っていく。そして顔を上げると、その卑猥なショーツを奪うように剥ぎ取った。
敏男は夢にまで見た早苗の身体…その肉厚に頬ずりしながら体臭を嗅ぎ、舌を這わせ、揉みしだいた。
朱い唇からは「あぁッいいッ!」と想像以上の鳴き声が上がっていく。敏男はその声に興奮を覚え、更に気を入れた。
感泣の声は物凄く、その成果が自分の手…いや、舌?…よく分からないが、敏男はとにかく喜びを感じていた。そして…。
(さぁよく見せてよオバサン…)
心の声を投げ掛け、両方の掌を拡げた足の付け根辺りに当てた。
(あぁ見てやる!オバサンのアソコをじっくり見てやるんだ!)
敏男は黒マスクを着けた時から、声を出さないようにしていた。特に上野からの注意はなかったが、素顔を曝して声を聞かれるのには抵抗があったのかもしれない。
それと、自分は素顔は見せずに相手の正体は知っている…そんなシチュエーションにも興奮を感じていたのかも知れなかった。
よしっと心で頷き、掌に力を入れた。 “その”部分を拡げて顔を近づけた。初めて拝む憧れの女(ひと)の…。
と、思ったところで、ん!
マスク越しに見えるのは…赤黒い…?
どうガン見しても、ハッキリとは分からない。
(ああっもう)
演出に一役かっていた筈のこの黒マスク。それは間違いないが、目の部分は確かに前が見えずらい。
仰向けになった乳房の隆起は良く分かる。
喘ぎの声も聞こえる。
しかし、その秘密の部分が…。
頭の中で先ほどの上野の言葉を思い出す。
『~素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりして…』
「んああッーー」
突然唸り声を上げ、自分を鼓舞した。
狂え!
狂え!
狂え!
その瞬間、大きな手が早苗のマスクに向かった。
首を締めるように下顎に手をやって、布と皮膚の間に指を入れた。そのまま口から鼻の方へと剥いでやった。
現れたのはベットリ前髪が掛かった女の顔。マスク越しに分かるのはそんなところで、敏男は早苗の様子を伺う余裕もないまま、自分のマスクに手をやった。
マスクを外した敏男は、意を決して早苗に素顔を曝す。さぁ見てくださいよと、顔を近づけた。
敏男を見上げたその目は、まだ焦点があっていない。敏男は早苗の顔にへばり付く前髪を乱暴に振り払った。
ゴクリ…唾を呑み込む音が、自分の耳にもハッキリと聞こえた。その音に早苗の目が静かに開いていく。
やがて二つの目が重なり合って…。
その瞬間「いやぁーーんッ」信じられないような大きな声が上がった。
その叫びは敏男の背中を押した。
そうなんだよ!
俺はどうせ悪役なんだ!
悪役は悪役らしく、その身体をメチャクチャにしてやる!
「ヒーーーヒッヒッ」
奇声を発して敏男がムシャブリついた。
「オバサーン、オバサーン、優作のオバサーン」
アソコを思い切り拡げてやる。その赤黒いグロテスクな生き物を見届け、しゃぶり付く。その次は唇、そして胸房へ。そして又、胸からアソコへと唾液を撒き散らす。
先程から硬度を携えていた肉の棒は、秘密の泥濘を探し当てた。肉棒はそれだけが別の意識を持った生き物のようになっている。その先っぽが入口を捕らえたのだ。早苗の目がこれでもかと拡がって、敏男の顔を凝視した。
トシオクン…声のない唇の動きを確かにそう認識して、敏男の口が異様な形に歪んだ。
「そらッ」
「あうっ!!」
ソレは見事に泥濘を突き刺した。後はひたすら腰を振るだけだった。組伏された女は、抱きしめられながら爪を立ててきた。
上野の言葉が甦る。
そうなんだ、この女(ひと)はオマンコしたかったんだ!
誰のチンボでも良かったんだ。
けど…。
けど、俺の物で、俺の女(もの)にしてやる!
「どうだオバサン!」
「あーーっ」
「俺のチンポは!」
「ウアアア…」
「どうなんだよ。ちゃんと答えろよ!」
「んんッッッ…い、言えない…言えないわッ」
「なんだと!ほら!」
「ああっいい…」
「もっとハッキリ!」
「いやんッ、許してッ!」
「ダメ!好き者のくせによ!」
その叫びと同時に、敏男の腰にギアが入った。
「ヒィーーッ、いいッ!」
「オラ!オラ!どうだ!」
「いいッ…いいのよ」
「もっとーー」
「いいッいいッ、いいのよとっても!」
「誰のがーー」
「いゃあんッ」
「言えーー」
「あーッ敏男君、敏男君のよ!」
「うおおーッ」
巨体から一斉に汗が噴き出すのを感じた。その感触に、敏男の目が血走った。
「そら、もっと欲しいだろ。欲しかったらオネダリしてみなよ。嫌らしい声で言ってみろ」
「んああッ、いいッいいッ、ちょうだい…ください…もっとして!」
「まだまだ!」
自分自身の言葉にも煽られ、敏男の腰は更にエグい動きを繰り返した。
「ああんッ、いいのよ、敏男君のオチンポが」
「バカ!オバサンは変態なんだからオチンポなんて上品な言い方するんじゃないよ!」
喘ぎの声を吐き続ける早苗。それに応える敏男の興奮も上がっていく。
「抜くぞ!ちゃんと言わないと俺のチンポ抜くぞ。欲しくないのかよ!」
「いやッいやッ、止めないで。ちょうだい。お願い!」
「じゃあ言えよ!宣言しろよ!」
「ああっチンポよ!アタシの好きなのはチンポよ!敏男君のチンポ!」
「んがーーッ」
雄叫びのような声を上げて、敏男のソレがこれでもかと抉り込んだ。
「いくッいくッ、敏男君、気持ちいいッ!」
「んぐぐ」
射精の近づきを感じて、敏男は鏡に目を向けた。何とか我慢しようと、静かに息を吐く。
敏男は呼吸を整え、冷静に次の攻めを考えた。
二つの身体の結合の部分。敏男の手が早苗の内腿を押し広げて、腰を少し引く。目に付く結合の箇所を見ながら、肉の棒を半分くらい抜いて息を継ぐ。
片方の肢を器用に押し曲げて、次に早苗の脇腹に手を入れた。かと思うと、クルリと回した。ソコとソコが繋がったまま、後背位の格好(かたち)へと導いたのだ。
敏男の目は張り出た巨尻を見下ろす。その真ん中辺りには巨大な臀部には似合わない小さな不浄の門。そこを凝視して、敏男の表情(かお)が歪んだ。
(まだだ。その穴はまた今度…今日はお預けだ)
いつかの“ソコ“での交わりを想像しながらも自分に言い聞かせる。
(今日はマンコだ。こっちの穴で完全に俺の物にして…その次だ)
敏男は気を入れ直して、犬の格好になった早苗を攻め始めた。
牡の象徴がぶつかる度に、弾むように揺れる尻(ケツ)。喘声が止む事はない。
「おらっ、どうだオバサン」
「あぁッあぁッいいのッ」
「ちゃんとどこがいいのか、言えよ!」
大きな掌が巨(おおき)な尻(ケツ)を一打ちした。
「あぁーマンコよ、アタシのオマンコよっ」
そんな卑猥な声を吐き出す顔は、敏男の方からは見えない。けれど確かな、苦悶の表情を浮かべる事が出来て、更に腰に力が加わっていった。
と、敏男は思いつき、前屈みになって早苗の頬に手をやった。
「オバサン見てみなよ鏡を」
朦朧とした顔を鏡に向けてやる。
「見えるだろ、俺とオバサンがセックスしてる姿」
「いゃあーんッ」
「へっ何がいゃぁんだ、さっきから感じまくってるくせによ」
「あぁッそうなのよ、感じてるの!」
鏡の中の女を見ながら、早苗は己の被虐の癖に酔うように堕ちていった。
獣の格好の自分を犯しているのは、子供の頃から良く知っている男。その逞しい“男“に逝(い)かされる自分の姿を鏡越しに認め、その敗北の意にさえも快感を覚えていた。
「ああっ凄い!凄すぎる!凄すぎるわ敏男君!」
「どうだーいいだろ俺のチンポは!」
「あぁーはい!いいです!凄くいいです!」
「もっと欲しいか!どんな風にしてほしいんだ!」
「もっとズコズコしてッ!早苗のオマンコ虐めて!」
「んがーッ」
腰を振る敏男の巨体が、一瞬血の気の引きを感じて、それから震え出した。
早苗の口が、自らを“早苗“と呼んだ。その言葉を確かに耳にした瞬間、敏男は憧れの存在を我が物にしたと思ったのだ。
その朱い唇からもっと卑猥な言葉を吐かせてやる。
高鳴る興奮を覚え、敏男の顔がますます歪んでいく。
「早苗ーーっ、見えるぞ!俺のチンポがマンコにズッポリ入ってる所がマル見えだぞ!」
「ああッはい!気持ちいいです!」
「出すぞ!欲しいか!俺のが!」
「はい!出して!出して下さい!」
「どこだ!どこに出して欲しい!」
「マンコ!アタシのマンコに!アタシのオマンコに出して下さい!」
「こら!鏡に向いて言え!嫌らしい自分の顔を見て言うんだよ!」
敏男の掌がふたたび巨尻の面(つら)をバシッと打ちつけた。「あぁんッ」と鳴いて、早苗の顔が鏡に向く。
鏡を見つめる早苗の目。
早苗の頭の中に己の声が聞こえてくる。
嫌らしい顔してる…。
感じてる顔…蕩けてる…。
アタシ…こんなスケベな顔してたんだ…。
鏡の中の顔が揺れてくる。
地響きのように下から揺れてくる。
敏男の腰が、それまで以上に激しさを増してくる。
「うっうっ、く、くるっ!」
「うらあっ!」
「ひっ!いっいぐッ!」
「どうだ!」
「いっいきます!早苗 いきます!」
「出すぞ!」
「はい!下さい!早苗のオマンコにいっぱい出して下さい!」
早苗は鏡の中の自分の顔をしっかり見つめながら、敗北の宣言をした。その宣言は、これまで感じた事のない快楽そのものだった。
最期の瞬間に自分がどんな言葉を吐いたのか記憶がない。どんな表情で逝ったかも分からない。ひょっとしたら誰にも見せた事のない歪んだ表情(かお)をしていたかも知れない。それでもそんな事など、どうでもいいくらいの悦楽を感じていた…。
崩れた背中の上で、覆い被さった巨体の鼓動が鳴っている。今、自分を桃源の世界に運んだ男の息づかいを確かに感じている。
やがて…寝息のようなものが零れ始めた…。
鏡の向こうでは、半ば感心に上野と神田が二人の様子をずっと見守っていた。
「やるなぁアイツ。途中でマスクも取っちゃうし」
「うんうん、ここまでやるとは、私もびっくりじゃよ」
「じゃあ“例の“新しい仕事にスカウトしますか」
「ん~そうじゃなぁ、人員も足りておらんし、この子ならやってくれるかもな」
窓ガラスの向こうでは、うつ伏せに突っ伏した早苗。そして、その身体に崩れ落ちたまま荒い息を吐いている敏男。
神田は二つの塊を優しげな目で見ながら、満足げに頷いていた…。
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入口のドアが静に開き、男が二人入ってきた。上野が敏男を連れて戻って来たのだ。
緊張気味の顔の敏男に、神田が声を掛ける。
「やぁ敏男君、やっと君の番が来たね」
「………」
覚悟を決めてここまで来たはずであるが、この部屋のどこかに早苗がいると思うと、敏男の小さな心臓は爆発しそうになる。
「ん、どうした大久保」
上野が敏男の様子を見て、聞いてきた。
「あぁうん…本当に大丈夫かな…」
「は?!大丈夫かなって、今更どうした?ひょっとして緊張で勃(た)ちそうにないとか」
今にも噴き出しそうな顔で上野が訊いた。
「い、いや、そっちはたぶん大丈夫だと思うけど…本当にやっちゃっていいのかなぁ…って」
「ああ~何を今さら」
笑いながら上野が、チラリと視線を神田に向ける。その視線を感じて、神田は敏男に向き直った。そして、ふんふんと頷いた。
「敏男君、君の心配も分かるが早苗さんはね、実は長い間、欲求不満を溜め込んでいたんだよ。考えてみなさい、女として1番油の乗ってる時に、旦那さんが単身赴任でいなくなったんだよ」
「………」
「本人はそれを隠して、近所の小学生の相手をしたり、自分の子供の心配をしたりしてるんだ。自分では気がつかないうちに、ますます不満が溜まっていってるんじゃよ」
「………」
「私達はね、そんな中年の女性の為に色々とやってるんだ。君も大塚君夫婦の事は知ってるだろ。あの奥さんも君と関係が出来て喜んでおる。そう思わないかい」
「…ああ、はい…思います…」敏男は暫く考える素振りをしたが、ハッキリと頷いた。
「うんうん、切っ掛けはどうであれ、犯(や)ってしまえば向こうも喜ぶんだよ。分かるかい敏男君、早苗さんは今、若い男が欲しくて欲しくてしょうがない状況なんじゃ」
「ほ、ほんとうですか!」
いきなり敏男の目が、これでもかと広がった。
「ああ、本当さ。なあ上野君」
神田の言葉に、今度は上野が敏男の目を覗き込んできた。
「だから心配するなって前も言ったじゃん。俺は早苗をいっぱい抱いて、それを確かめたんだから。アイツは俺以外のチンポも欲しがってるんよ」
「ああ…本当に本当なのか…」
「ああ、保証する。それに早苗は、俺の言う事なら何でも聞くって宣言したし。けど、俺じゃなくても切っ掛けがあれば、誰とだってオマンコしたと思うぜ」
「………」
「まあ、お前としたら、清楚なイメージに惚れたと思うけど、人妻なんて心のどっかではいつも男を欲しがってるんよ」
「ん…う、うん…」
「へへっ、それを今から確かめに行こうぜ」
「…あ、ああ…」
敏男の苦し紛れの返事にも、上野は笑みを返した。
「それとな、ビデオに撮るから一応コレを用意しといたからよ」
そう言って上野が、ソレを何処からか取り出して見せた。
「な、なにコレ…」
「へへ、全頭マスク」
「…ゼントウマスク?」
「そう、被ると相手からは正体が分からない。けど、こちらからは薄っすらとだけど見えるから大丈夫。呼吸も口の所はほら、開いてるし、鼻からもちゃんと息は吸えるしさ」
暫く黙ったまま手に持ってソレを見つめて、敏男が改まって聞いた。
「…ええっと、オバサンは今日の相手、俺って知らないんだよね…」
「ふふ、大丈夫だって。それどころか、これから俺以外の男とオマンコするなんて夢にも思ってないからよ」
「えっそうなの!」
上野の言葉で、敏男の目が驚きに拡がった。しかし「ふふ、部屋にいるのは欲求不満の中年女じゃ。君の“持ち物“は真知子君相手に充分に能力を発揮したし大丈夫じゃよ」
「…ああ…はい」
神田に返事をした敏男に、上野が囁くように続ける。
「俺はそんなに大した調教はしてないし。お前のアレをぶちこんだら一発だ。ヘナヘナになって、後はお前の言う事なら何でも聞く女になるさ。 “お母さん”ごっこでもいいし…けど、早苗はMの気を持ってるぜ」
「…うっ…ううう…」
「ふふ…デカイ尻(ケツ)を打(ぶ)ったりよ。露出プレイの奴隷にしてもいいしよ。それに…ふふ、アナルセックス。お前も上の部屋で犯(や)ったろ。アレを早苗と犯ったっていいんだぜ」
(ゴクリ…)
敏男の巨体が少しずつ震えてきた。それを見つめる上野と神田の目が期待に光を発している。そして敏男は、その黒マスクを手に取った。
「行こうか、色男」
マスクを手にした敏男の肩を、上野が叩きながら言う。
「まずは、こっちな」
二人が向かったのは例のスペース。
そこに入った敏男の目が大きな窓ガラス、そしてその向こう側に立つ人影を見つけ、足を止めた。
「うっ!」
一瞬の呻きを上げて、そのまま巨体が固まってしまった。
「大丈夫だって、これが神田先生自慢の魔法の鏡だ」
「魔法の鏡?」
「そうじゃよマジックミラー。こちらからは見えるが、向こうからは鏡にしか見えない優れものじゃ」
神田の声が後ろから聞こえ、その声に敏男はぎこちなく頷いた。
「…ほ、ほんとうに向こうからは見えてないの」
心細そうな声で呟いて、敏男は息を呑んだ。
「ほら、安心してよ~く見てみろよ」
上野の言葉に敏男は止まった足を再び動かし、窓の際まで近づいて行く。
見えてきたのは、同じ黒マスクを被った女。
あぁ、なんなんだ、あの格好は…。敏男の視線の先にいるのは、エロ雑誌の表紙、そしてネットで見てきたエロ画像と同じ種類の女。
敏男はゴクリと唾を飲み込み、抉るように窓ガラスの向こうを覗き込んだ。
「それにしたって…」
一人呟き、敏男が更に顔を窓に近づける。そして目に力を入れた。
暫く向こう側の女を見つめ、敏男はギリリと首を上野に向けた。上野は敏男のその表情だけで、一瞬のうちに何を聞きたいのか察知して「ああ、コレがそうさ。うん、間違いなくこの変態チックな下着を着けてるのが早苗」と、あっさりと告げた。そしてニヤリと頬を歪め、続ける。
「お前の憧れで、親友渋谷優作のお母さんだよ」
(…うあああ…)
「ふふ、敏男君、さっきも言ったけどこの女は欲求不満を溜め込んでおる。この格好がその証拠じゃよ」
「………」短い沈黙の後で、敏男の顎がコクリと縦に揺れた。
「へへ、そうこなくっちゃ」
今度は嬉しそうな声で上野が続ける。
「さてと、そろそろマスク着けろよ」
上野は敏男の大きな肩を叩き、そして、顎でドアに促した。
早苗はベッドの前で、先ほどから同じ姿勢で立ち竦んでいた。
マスク越しに覗く目も、だいぶ暗さに慣れて、今は鏡に映る自分の姿がなんとか分かる。
その姿…乳房を覆うのは頼りないくらい小さな物。膨らみの上半分が零れ落ちそうで、今にも全てが顔を露(あらわ)しそうな状態。ショーツは足の付け根から横腹に急な角度を伴った物で、その後ろ側は一本の線が割れ目に食い込むように前へと繋がった言わゆるTバック。選んだ色は黄色い蛍光色で、それがちょうど今は、この薄暗い中で浮かび上がって見える。サイズも全体的に小さく、窮屈さを感じる身体を一層肉圧的に魅せている。
早苗自身もなぜ、こんな下着を選んだのか分からない。あえて自分に問うと、夫のSMチックな性癖を認めた頃の影響かも知れない。あの頃、夫に勧められたのは原色の黒や赤の物で、ショーツはTバックもあったと記憶していた。それらも子供の成長とともに穿く機会はなくなっていったが、今日この下着を選んだのは、被虐の自分を妄想してしまったからか…。
早苗はふと、鏡の向こうに気配を感じた。
…と、思った瞬間、この部屋のドアが開かれた。
早苗の顔が反射的にそちらを向く。
マスク越しに分かったのは上野。そしてその後ろに…。上野より頭半分くらい大柄な男性が一緒に入ってきた。
「オバサン、お待たせ~」
あくまでも飄々(ひょうひょう)とした感じで、声が近づいてくる。早苗は咄嗟に肌を隠すように、両方の手で自分の身体を抱きしめた。
早苗の仕種に気がついて「ああ、コイツ?」と、上野が問う。
「安心して。…あのね、コイツは俺の穴兄弟」
「え?!」
「そう穴兄弟。コイツね、由美ともオマンコしてるんよ。だから俺と兄弟なんよ」
「あぁ…」
「因みに…オバサンは俺とオマンコした仲だから、由美とは竿姉妹って事になるのかな」
そう告げて笑いもしない上野。その横で敏男が、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「そう言うわけで、今からコイツとオマンコして貰うわ。んで、俺は見学。分かったかな」
(あぁ…そんな…)
予想もしなかったまさかの命令に、早苗が頭(かぶり)を振った。
「嫌だ嫌だって思ってもね、身体は正直なんだよね」
上野が近づき、腕を掴んできた。そしてグイッと身体を引き寄せたかと思うと、早苗の後ろに回り、胸の膨らみをムギュっと鷲掴んだ。
胸房に圧が加わってくる。そしていつも通り煽りの言葉が襲ってきた。
「さっきは中途半端だったから、一人でオマンコ弄って待ってたんじゃないの」
「あぁんッ」
「欲しくて欲しくて仕方ないんだよね、アレが」
耳元で言って上野は、視線を敏男に向ける。
「ほら」
顎をしゃっくたのは敏男に向けてだったが、早苗の方も感度を表した。胸を揉まれるまま背中を上野に預けて、その身をくねらせる。
敏男の方はアイコンタクト…でもないが、上野の目線を感じると、決心して服を脱ぎ始めた。
生まれたままの姿になった敏男は、一度大きく息を吸って鏡を見た。そこには初めて目にする怪しい男…全裸に黒マスクをした巨漢の男がいる。
マスク越しにその姿を視ていると、如何にもの悪役に思えてきた。
(くそッ…俺はデブだし、綺麗な女(ひと)とは、しょせん釣り合わないんだ…)
隣で「あぁんッ」と甘い声がした。ハッと振り返って見れば、上野の目が何かを語りかけている…気がした。
ほら、この女、感じてるだろ。
俺以外の男がいるのに、こんな甘い声を出しやがってよ。
コイツは欲しがってるんだよ。
早く犯(や)ってやれよ。
お前のそのデカイのでヒーヒー言わせてやれ。
なぁ大久保。
…そんな上野の声を感じた気がして、敏男は心の中でよしっと気を入れた。
上野も直ぐに察知したのか、敏男を見ながら早苗の胸から手を離す。そして敏男と入れ替わるように巨体の後ろへ回った。
「俺は向こうから覗かせて貰うわ」
小さな声を敏男の耳元で囁き、上野がニヤリと笑う。そして、今以上の小さな声でもう一度囁いた。
「それとそのマスク…外したくなったら外してもいいぞ。けど、素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりしてな」
その言葉を挑発と取ったのか、それでも敏男は黙って頷き返した。敏男も腹を決めているのだ。
早苗の顔が、上野の後ろ姿を見送るのを見て、敏男は近づいた。そして、白い肩に手を掛ける。
咄嗟に身を固くした早苗。敏男はその身体を引き寄せる。そしてそのまま抱きしめ、唇を奪いに出た。
うわぁ….その甘い唇の感触に敏男の中に電流が流れた。抱きしめた身体は思っていた通り膨(ふく)よかで、それだけで感動を覚えてしまう。
下腹の辺りで互いの恥毛が触れあうのを感じては、身体が熱くなった。背中に回していた腕は、夢中に早苗の臀部を撫で回している。
みるみるうちに巨大化する牡の象徴。その膨らみが早苗の腹を押すと、頭に血が昇ってきた。
そうだ!俺はコレで真知子さんをヒーヒー言わしたんだ。
由美さんだって、誉めてくれた。
オバサンだって!
そんな事を一瞬に想い、敏男の舌は早苗の口奥へと侵入を始めた。
マスク越しからも、早苗が眉間に皺を寄せたのが窺えて、敏男はその貌(かお)をもっと快楽に歪めてやると気を入れた。
敏男は唇を離すと、いきなり早苗のブラを引き剥がした。
巨(おおき)な乳房が現れる。その先には尖り立った雷。夢にまで見た膨らみを認めて、いきなりムシャブリ付いた。
早苗の身体は敏男の重みを受け止め、ベッドになだれ落ちた。その重みに身体は強張ったが、いきなり乳房を舐られると快感が一瞬のうちに身体中へと拡がっていった。
見ず知らずの男の攻めであったが、悲しいかな身体は興奮に震え出した。
若き情人に開発された身体。眠っていた性感を思い出させた情人の手管。その手腕で目覚めた身体が、素直な反応を示してしまったのだ。
早苗は覆い被さる巨体を無意識に受け止めていた。そして、膨らみの先をしゃぶる男の頭を強く抱きしめた。
あぁん、あぁんと甘い声が舞っていく。
敏男は体臭を確かめるようにと、鼻を擦り付けながら下腹部を目指す。
その刺激的なショーツの所で止まり、息を整え、顔を上げた。
黒マスクのぽっかり開いた口元で紅い唇が震えている。敏男は僅かな自分の攻めにも、早苗が興奮しているのだと思うと、巨体が熱くなるのを感じた。
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ベッドに腰かけた態勢から、敏男は大きく伸びをした。そして「ああー」っと声を上げた。
立ち上がり、檻の中の熊のように、右に左に動き回る。その度に口からは、「ああっもうっ」と、唸り声が発せられる。
先ほど姿を見せた上野は直ぐに出ていき、今ごろはこのビルの何処かの部屋で早苗と一緒にいる筈なのだ。その二人を想像すると、胸が掻きむしられる想いがする。その苦しみから逃れようと、奇声が発せられるのだ。
別の部屋ーー。
ドアの開く音がして、早苗は振り向いた。
入ってきた上野の視線に、ドキリと鼓動が跳ね上がる。上野の方はいつものように飄々(ひょうひょう)した感じだ。
「お待たせしました~」
その言葉尻は一応、目上の神田に対するものだったのか、それでも敬意が隠(こも)っているとは思えない調子で軽く頭を下げる。
神田の方も慣れたもので、コクりと頷いただけで、早苗の表情を観察するように直ぐに視線を戻した。
「じゃあ先生」
上野が神田に了解でも取るかのように会釈したが、その様子は緊張の欠片もない。そしてそのまま早苗に近づいて「ふ~ん、なかなかミニもいいじゃん」そう言って視線を剥き身の腿に寄せた。
「………」
黙り込む早苗の横顔を暫く見下ろし、上野がスッと腕を取ってきた。
「…待ち人もいるし、さっさと始めようかな」
待ち人?…一瞬何の事だか分からなかった早苗だが、上野はチラリと神田に目配せした。
「うんうん、後の事は任せなさい」
神田の言葉に、早苗の腕を握る上野の手に力が入る。そして奥の部屋へと向かった。
電気が点く。
マジックミラー…これで、この部屋が向こうから覗かれるようになったわけだ。
大きな鏡には、緊張した女の姿が映って見える。早苗は向こう側に神田がいる事を意識したのか俯いてしまう。その神田は部屋の二人を確認すると、手慣れた動作でビデオの設置をし始めた。
「…オバサン」
肩に軽いタッチで手が触れたかと思うと、唇が襲ってきた。
あぁっ…声が漏れる間もなく、早苗の唇は上野のものに塞がれていた。突然の感触は、トロリとした柔らかいものだった。
これまでの上野との交わり、その激しさの中で幾度も唇を奪われてきた。そして、それに応えるように吸い返した事も何度とあった。しかし今、早苗が感じているのは、これまでにはない甘いものだ。
ベッドに上野が腰を落とす。だらっと手を後ろに付けて、足を投げ出す。そのリラックスした格好のまま早苗を見上げた。
早苗は今ほどのキスの余韻を引きずっているのか、緊張の面持ちが続いている。
「オバサン、緊張してんの?」
小バカにした感じの声はリラックスされていて、しかも歳上の女性をいたぶるような響きも含まれている。
「さって、今日は色々やる事があるから、早速始めましょっか」
そう言って上野が立ち上がる。そして、早苗のスカートに手を入れたかと思うと、ショーツの上から土手に触れてきた。
「アッんッ」
鳴きの声で早苗の眉が歪んだ。
上野の指は、土手から沈むように隠筋へと向かう。
切ない表情で早苗が上野に嘆きの視線を返す。上野はその瞳の中に何を見たのか、クククっと含み笑いをすると指を抜き、その手で剥き身の腿を軽く叩いた。
「じゃあオバサン、脱いで貰おうかな」
いつものぶっきらぼうな口調にも、早苗は不安げに頷く。そして、チラリと上野を覗き見てから、胸のボタンに手をやった。
「ああ、俺の方 向かないで。最初は鏡の方 向いて」
それは、鏡の向こう側にいる神田に対するサービスのつもりなのかは分からないが、早苗は従順に背中を上野に向けると上着を脱ぎ始めた。
上着からブラジャーへと渡り、乳房が露になる。スカートに手をやったところで一瞬その手は躊躇した。が、直ぐに動き出す。
パタリとスカートが落ちると、声が飛んだ。
「今度はこっち」
またもぶっきらぼうな声で呼ばれ、振り返った。声の主が見つめている。身体の痺れが広がっていった。
「どうしたの?最後の一枚脱がないの?」
ニヤツく上野。しかしその目は、笑っていない。
泣きそうな顔を一瞬見せた早苗だが、直ぐにショーツの端に手をやった。
ショーツを静かに床に落とすと目を瞑り…しかし微かに上野を覗いて唇をキュッと結んだ。
一糸も身に纏わない全裸姿を曝すのももう何度目かの事だが、改めてのこの無防備の状態。しかも、静寂を感じながらの披露は、羞恥の心を一層高めるものだった。
「後ろ」
今度は冷たい声が飛んできた。
「あぁ…恥ずかしい…」
そんな声をあげながらも、素直に背中を向けた。
披露したのは、上野に肉厚のある臀部。向こう側の神田には胸の膨らみと恥毛。
「うんうん、相変わらず良いね」
その誉め言葉にも、早苗には自身のこの身体…脂のついた中年の身体を卑下された気がしないでもない。しかし“彼“がこの身体を乱暴に扱いながらも、愛してくれた記憶が確かに存在しているのだ。
「さてと」
上野が改まる。
「………」
不敵な笑みを浮かべながら上野が立ち上がった。早苗に近づき、グニュっと胸の膨らみを鷲掴む。
「ハァん…」
艶色の声が部屋に響いた。しかし上野は、そんな声には興味も示さず、片方の手を早苗の臀部に回したかと思うと、ピシッと一打ちした。早苗はその痛みにも、蕩(とろ)けた顔を鏡に曝した。
「もう少し足 広げて」
「………」
「そう、その位でいいよ」
「………」
「そのまま前屈みになって、両手を鏡に付けて…」
「………」
「そう、そのまま中腰」
「………」
「尻(ケツ)は少し突き出す感じで」
「………」
「ああ良いね。…うんうん、丸見えで卑猥な感じ」
「あぁ…」
鏡の向こうでは、神田が三脚で立てたビデオの横で、先ほどから嬉しそうな目をして佇んでいた。その目は、服従を誓った女の成長に喜びを浮かべる目だ。
「どれどれ」
耳元に声が近づいてきた。若き主がアタシの“持ち物“を確かめようとしている。主の物を迎え入れる準備が整っているかを確かめようとしているのだ。一瞬の間に早苗はそんな事を理解して、そして“あの部分“を意識した。
あぁ…濡れているわ…。
間違いなく…。
そう思えると、内腿から股間の辺りが高ぶりに震えてきた。
あぁ…お願いします…。
心で哀願の意を決して、早苗は気を張った。しかし…肩越しに聞こえたのは「時間ないからさ、すぐ挿(い)れちゃうか」と、淡白な声だ。
そしていきなり、巨(ふと)い物がヌボッと侵入してきた。いつの間にか上野が、自慢の肉棒を取り出していたのだ。
「ああーーッ」
早苗は一瞬の”ソレ”で絶頂に導かれた。そして、続けざまにパンパンと尻に圧が加わるともう、意識は遠のき、頭の中は真っ白な霧に包まれた。
朱い唇からは無意識に逝き声が零れ続き、その逝き顔は鏡の向こうからビデオに切り取られている。
上野はもの凄いスピードで腰をぶつけてきた。
早苗の頭の中で光が爆発する。身体は痙攣を起こし、膝が崩れそうになっている。しかし、いきなり…。
「はい、休憩」
何を思ったのか、上野が動きを止めたのだ。
早苗の方は膣穴を埋められた状態で、なんで?と言った様子。
その早苗の背中に上野が訊いた。
「オバサン、続けてほしいよね」
「………」
「うんうん、それじゃあね…」
「………」
早苗の尻が物欲しそうに揺れてくる。
「オバサン…俺の言う事なら何でも聞くんだったよね」
その改まった口調に、早苗の顔が上野を振り反(かえ)った。見つめた目はトロンとしたままだが、瞳の奥には不安な影も浮かんでいる。しかし、刷り込まれた負の意識は服従に向かう覚悟をしていた。
「ふふん」
早苗の表情を肯定と判断して、上野が得意げに鼻を鳴らす。
「…じゃあ続きを」
「………」
「行くよっ」
その号令ともとれる声に、早苗は手足に力を入れ、腰に気をやった。
「おっ締まったぞ。じゃあ、このまま宣言してみよっか」
「………」
「それ!」と声を掛けながら、再び腰を振り始めた。
「ハぁーーんッ」
「よしっいいぞ!そのまま勢いで言っちゃぇ、奴隷宣言だ!」
ズボズボと出し入れが一気に増す。
「ほら、早く」
「ああーーッ、アッ、アッ、アタシは上野さんの玩具(オモチャ)です。何でもします!何でも言う事ききますッ」
まさに隷族の宣誓に、頬を緩めて上野が満足げに頷いた。しかしなぜか、早々とソレを引き抜いた。
「………」
上野が早々と一物をパンツにしまい、ファスナーを上げて、今度はズボンのポケットから何かを取り出した。
ソレは黒い布切れ?
朦朧とした早苗には、ソレが何か分からない。
「これ、被ってみて。これはね、ゼントウマスク。ゼンは全部の全。トウは頭。全頭マスクって言うらしいんよ」
たった今まで激しく腰を振っていた上野。その激しさからは、ほど遠い落ち着き払った声。
「SMチックでしょ。ほら、口元が開いてるよね」
早苗の朦朧とした様子などお構いなしに、ソレを広げて見せる上野。
「でね、目と鼻の所は薄くなってるから被っても見れるんよ、ちょっと見にくいと思うけど」
そして、ソレを早苗に渡そうとする。早苗は朦朧としたままソレを手に取った。
「じゃあちょっと行ってくるから。オバサン、買った下着も着といてね」上野はそう告げ、部屋の出口へ向かってしまった。
その場で一人になった早苗。燃え上がった身体はいきなり高見から落とされ、火種が燻ったままだ。満足のいかない身体はスッキリしない。
ふと、鏡を見る。今の痴態も覗かれていたのだ、と想いながら、その蕩(とろ)けた貌をコレで隠すのね…早苗はボオっとした頭でそんな事を考えながら、手にあるマスクを広げて見た。
黒いマスクを見つめてみれば、胸がキュンとなった。火種が息を吹き返す。気がつけば早苗は、マスクを頭に被せている。
マスクを着け終えた早苗は、鏡の前に立ち、その全景を眺めてみた。
確かに告げられたように目元は暗い。しかし、慣れてくると鏡の中に黒マスクの怪しい姿を認めていた。
如何にも肪の乗った腰回り。熟れた乳房。下腹の括れも卑猥な感じがする。
早苗は想う…この後の若き主の命令は何なのか?
恐らく…指示されるのは、想像もつかないような卑猥な行為か?
そんな妄想を受け止めようと考えると、身体がザワザワと揺れてきた。
胸の膨らみと腰が、ゆらゆらして扇情的なシルエットとなって鏡に映る。
手指がしなやかに己の身体を摩っていく。
妄想が拡がっていく。
どこからか手が伸びてきて、この身体をまさぐってくる。
幾つもの唇が身体の局部に舌を伸ばす。
生殖の器官が身体の全ての穴に侵入を試みてくる。
あぁ…早苗は早く快楽に溺れたいと思った…。
しかし…。早苗は一旦動きを止めると、思い出したように手提げの中から買ってきた下着を取り出した。
そしてソレを着け始めた。
鏡の向こうでは、先程から神田が静かに覗いていた。
やがて、出来上がったのは全裸以上に卑猥な姿。
あぁ…それはマゾ奴隷…。
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日曜日の午前中ーー。
優作がポツリと座って、コーヒーを飲んでいる。ここは渋谷家のリビング。
今日も早朝勉強を一応何とかこなし終えて、一息入れているところだ。
朝の自宅の様子を思い浮かべてみる。母の早苗の様子は、どこかフラフラしてる感じで、おはようの挨拶にも力がなかった。
その母は優作が昨夜、帰宅した時は既に眠っており、そのまま寝過ぎで頭がボオッとしてるのかと思った。しかし早苗の方から、今日の予定の事を言ってきた。昼前には用事で出掛けるのだと。
そして『もしも留守中に、タナカ君のご両親が何か言ってきたら、戻りは遅くなると伝えて』と言われた。優作がタナカ君?と聞く間もなく、早苗は部屋に籠ってしまった。
何か言ってきたら…まるで、そのタナカ君ーーおそくら勉強を教えてる小学生ーーと何かトラブルでもあったのかと一瞬心配になったが、結局それ以上に会話は進まず、優作も部屋に籠る事にした。会話が弾んでいれば、昨日敏男と会ってどうだったのかと聞かれたかもしれない。
もし聞かれていれば、会えなくて1人でブラブラしてきたとでも言えばいいのだろうが、やはりその話題は避けたいところだった。まさか由美さんから『貴女の息子君と会ったのよ』なんて連絡が早苗の方に入っていないだろうか…そんな心配が消えないのだ…。
コーヒーのお代わりを採ろうとしてフッと思い出した。初体験をすると、自分の中で何かが変わって自信を付けたようになるとか。
しかし、優作にはそんな気が全く沸いてこない。その相手が禁断の存在、母親の友人だからであろうか。
明日の大塚への相談は敏男の事なのに、ひょっとしたら自分は、由美との“過ち“まで喋ってしまうのか…優作はそんな場面を想像して重い息を吐き出した…。
優作が自宅で耽(ふけ)ている頃、早苗はとあるショッピングモールに出掛けていた。この日の早苗は、珍しく丈の短いスカートを掃いている。このスカートも、この場所に来たのも、朝早く届いた上野からのメールでの指示だった。
昨日から…いや、このところいつも身体は何かを欲している。常に頭の中には上野の顔が浮かんでは消え、消えては浮かんでくる。その顔は飄々(ひょうひょう)としていて、時おり冷たい視線と嘲(あざけ)た笑みを浮かべるあの顔だ。そして、それに媚(こび)を売る自分を妄想してアソコを濡らしてしまう。
早苗は指示通りモール内のランジェリーショップに向かった。
店に入り、原色で派手目の品が置かれたコーナーへと進んだ。
上野からのメールの一文を思い出す。
《~俺が喜びそうなヤツを買ってきてね》
早苗は幾つか手に取ってみた。
上野の顔を思い浮かべれば、彼が喜びそうな物はこれかしらと考えながら選んでいく。
腰ヒモが付いた前を隠す部分の小さい物。
際どいハイレグと呼ばれる物。
Tバック。
それに、ほとんど下着としての機能を携えてるとは思えない物…そして、それとお揃いとされるブラ…そんな物までこの店は置いてある。
やがて早苗は、ブラとショーツそれぞれ二点をセットで決め、レジに向かった。
レジにいたのは若い女性店員。その彼女が品を確認すると意味深な目を向けてきた…ように早苗は感じた。
貴女のような女(ヒト)が“こんな“のを着けるの?
貴女、若い彼氏…いるでしょ?
ひょっとして、彼氏の言いなり?
貴女、調教されてる?
もしかして変態?
そう、絶対そうでしょ!
あぁんッ、と鳴きが入った時、声がした。
「どうもありがとうございました」
目を向ければ、優しそうな店員の顔があった…。
店を出た早苗はモール内を宛もなく歩いた。
人だかりを横切った時、周りの視線が露出された腿に感じた。その瞬間、足が竦んで股間にキュンと痺れが走った。
朦朧とした足取りで、何とか端に寄る。人波はそんな早苗に、好奇の目を向けながら通り過ぎていく。
早苗は壁に背中を預け、腿と腿を擦り合わせた。股間の奥の痺れがサワサワと広がっていく。身体はこのまま、この場所で絶頂を迎えたいと感じていた。しかし微かに残る自制の念が、足を進めさせた。
やがてたどり着いたのは、フードコートの一角。
怠そうに椅子に腰を降ろすと、こめかみを押さえて俯いた。
目がぼやけてきて、頭が重くなっていく。意識が遠のき、瞼が落ちてくる。
どこからか声が聞こえてきた…。
『脱げ…脱げよ早く…』
その声は天から降ってくる。
『早く卑猥な下着を着けてみたいだろ』
コクリと頷き、フラリと立ち上がった。
椅子を引き、ゆっくりスカートを捲り上げ、ショーツに手をやった。そして、下ろし始めた…。
痴毛が揺れている。
股間の辺りが心地好い。
下半身がモヤモヤと熱くなってくる。
淫部が痺れ、あぁッと声が漏れた。
『揉めよ』
また声が聞こえてきた。
片手で捲ったスカートを押さえ、空いた片手を胸の膨らみに置く。
『ほら、しっかり揉めよ』
『はい』従順な声で応えて、手に力が加わっていった。
『あぁ…いいッ!』
いつの間にか胸のボタンが外れ、膨らみが露になっている。
右手は夢中になって、淫芯を擦りつけている。
『んハアッ』
鼻の穴が広がって、荒い息が吐き出されていく。
身体が動かない。
『あぁッいやんッ』
両方の手で破り捨てるように上下の服を剥ぎだした。
床に落ちていく衣服。そしてランジェリー。
そんな事も気にならず、清涼を浴びた身体はブルルと震えた。絶頂が近づいてくる…。
『あぁッ、いッいきそう』
両方の指には更なる激しさが加わっていく。
『アッ、アッ、いッいきます!』
叫びと同時にガクンと頭が落ちた…。
・・・どこかで子供が泣いている。
・・・スマホが震えている。
その振動を感じながら、早苗の目が静かに開かれていった。
焦点がゆっくりと定まってきて、周りの気配が窺える。
視線がテーブルに向くと、スマホのランプが目についた。
頭を振って「ふぅ」と息を吐いた。
スマホを手に持って時間を確認すれば、意識を失っていたのは5分位かと。そんな事を思いながら、もう一度頭を振ってみた。
スマホを開いてメールを見る。上野からのものだ。
《約束の物、買ったよね。これから移動してもらうけど大丈夫かな》
そのメールを読み終えると直ぐに返信をした。
《はい。何処に行けばいいですか》
次に来たメールには記憶にない住所と時間が書かれていた。
早苗はその住所をアプリで確認して、行き方を調べてみた。このショッピングモールを出発する時間を頭に入れ、あと10分ほど時間を潰す事にした。
今ほどの“彼“からのメールを見た時から、心臓の音が少しずつ大きくなっていく気がする。その鼓動は下半身に伝わり、再びアソコが疼き始めてくる。
これから行く所が何処なのか分からない。けれどそこに“彼“がいるのは間違いない。
身体が期待に震えてきた。この何日間で植え付けられた、隷蔟の意識が反応を示しているのだ。
今日はどんな責めをされるのか?
今日はどんな命令を下されるのか?
それらに抗(あがな)いながらも堕ちていく自分の姿が浮かぶ。おそらく…いや、間違いなく末路は悦楽に媚をうるのだ。呆れられながらも、その冷たい視線にさえも快感を覚え、はしたない痴態をさらすのだと。
やがて、ショッピングモールを出た早苗は20分ほど歩いた。
視界の中にビル等の建物が目に付き始めた頃、気がついた。今歩いているのが、あの◯◯駅の方向だと。
目的地に着いた時、緊張を覚えながら改めて目の前のビルを見上げてみた。そう、”あの”雑居ビルだ。
随分と昔に訪れたような気がするが、それが何時だったか具体的には思い出せない。しかし、このビルのあの部屋で、由美の痴態…売春の様子を覗いてしまった事はハッキリと心の中に刻み込まれている。
早苗はゴクリと唾を飲み込み、スマホを手に取った。
《今、ビルの下に着きました》
送ったメールを確認して、佇まいを正す。この時間のこの街の雰囲気は、比較的落ち着いている感じがする。しかし…。
道行く人の視線を感じて思わず俯いた。目に映るのはスカートの裾。そこからムッチリした腿が剥き出しになっている。
頭の中で上野の口元が歪む。
『ショッピングモールに人がいっぱいいたでしょ。どうだった、太ももを露出して?』
『店からちゃんと歩いてこれた?途中で服を脱ぎたくなったんじゃないの?』
そんな声が聞こえた気がして、早苗の身体は武者震いをおこした。またも股間に電気が流れ、よろめきそうになった。
その時ーー。
「早苗君」
はっと我に帰り、振り向いた。
あぁ…溜め息混じりに出た言葉は「神田先生…」…驚きに泣きそうな声だ。
「久しぶりじゃな」
「……….」
目の前に現れたのは神田幸春。早苗や大塚の元恩師で、今はあの怪しげなサークル【華の会】の主催者。そして、その裏で売春組織を運営している人物。
その神田が早苗の様子など気にする事なく、いきなり話し始めた。
「…欲求不満の奥様連中に刺激を与える…上野君は、その手伝いを良くしてくれている。もちろん貴女の事も色々と聞いておる」
「……….」
「今日はお楽しみらしいね…。さぁ上に行こうか、君の“御主人様“がお待ちだ」
「…はい…」小さく声を溢して、早苗の顔が泣きそうになる。それは自分と上野の関係が今、どうなっているのか…それを目の前の神田に披露する場面を想像してしまったからである。
初めての過ちの時は“薬“があった。身体と意識が薬物に汚染されたという言い訳が出来たが、今は薬抜きの状態で隷蔟の宣誓をしている。そして今日も、若き主の前で恥を曝す自分を自覚している。
「さぁ」
神田が早苗の肩をポンと叩く。そしてエレベーターホールへと向かう。その後ろを早苗は、重い足取りでついて行った…。
“その“部屋の中で、敏男は緊張を覚えながら、ベッドに腰かけていた。あれはどの位前だったか、上野と偶然に再会して連れて来られたのがプレイルームと呼ばれるこの部屋だ。とは言っても、上野はこのビルの中に同じような部屋がいくつもあると言っていたから、この部屋があの時ーー初体験をした時の部屋なのかは分からない。今日、敏男は昨日の夜遅くのメールで、ここに呼び出されていたのだ。
ドテっと仰向けに倒れ、天井を見上た。そして、先程までいた上野とのやり取りを思い出す。アイツが既に優作のお母さん、早苗とエッチしたと告げた時はショックだった。しかし直ぐに『それも全部お前の為なんだよ』と言われた。『俺の言う事なら何でも聞くようになったからさ、俺がお前とオマンコしろって言ったら、ちゃんとするからさ』とか。
敏男は素直に納得出来なかったが、『大丈夫だって、お前とのセックスが良かったら、今度はお前の言う事なら何でもする女になるんだからよ。後はお前次第って事よ』…そんな言葉に結局はぎこちなくだが頷いていた。
無理に自分に言い聞かせようとは思わなかった敏男だが、まずは本当にこれから憧れのあのオバサンとエッチが出来るのか…それが何よりの心配であった。
それともう一つ、上野と一緒にいたオジサン。上野が神田先生と呼んでいた学者風のオジサンだ。あの人が上野が考えてる作戦や大塚の事なんかも知ってる口振りだったのは、ちょっとした驚きだった。そういえば話の途中で、この人が“サイインザイ“とか言う薬を作ったと上野から聞かされた事を思い出していた。そんな便利な薬のおかげでオバサンとエッチが出来るのかと思うと、お礼を言わないといけないのかなと、思ったりもした。ーーそんな事を横になりながら考えていると、カチャッとドアの音がした。
「おい大久保、連絡があった。もう直ぐ上がって来るぞ」
上野がニヤニヤしながら入ってきた。敏男はついに来たかと、ブルルと緊張に身体を震わせた。
「ああ、でもお前はまだ、こっちの部屋で待ってて」
「は?」
「下の部屋で俺が先に一発 嵌めてくるからよ」
「ええっ!」敏男の顔が一瞬に引き付った。
な、なんで…と呟いたところに、上野が顔を近づけてきた。
「ふふ、心配すんなって。俺達はもう穴兄弟なんだぜ」
上野の射るような視線に言葉を失う敏男。”穴兄弟”…その言葉の意味を暫く考えたが、直ぐに由美の身体が浮かび、それは早苗へと変わっていった。
やがて、仕方ないか…微かに漏れた言葉は上野には聞こえなかったようだ。だが、敏男の表情に納得したのか、上野がニヤリと笑った。
「そう言う事で後少し、待っててな」
そう告げて上野は、直ぐに出て行ってしまった。
早苗は部屋の中で立ち竦んでいた。
由美の痴態を覗いた時と室内の配置に変化はないようで。しかし早苗は、あの時とはまた違った緊張を感じている。隣にいる神田には以前、薬を飲まされ、生まれて初めて人前でセックスをしてしまっている。まさかそれが“免疫“と言うわけではないが、その後も己の痴態を何度か他人に曝してきた。そして今日もまた、この元恩師の前で自分の変わり様を見せる事になるのかと。
「ふふふ、早苗さん、素面のまま私の前で上野君に抱かれるのはまだ抵抗があるかな」
まさに早苗の心情を読み取ったかのように、神田が意味深に顔を向けてきた。
「相手が相愛の対象になったのなら、その想いも分からんでもないが、上野君の方からしたら大した事ではないだろうなぁ」
「………」
「彼からしたら貴女は穴奴隷の一人。なぁそうじゃろ」
「あぁ…」
またも早苗は、奥底の真理を言い当てられ、一瞬の哀しみに襲われた。しかしそれは、覚悟と諦めを改めて意識させられたに過ぎなかった。
その時、ドアの開く音がした…。
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その頃、渋谷家…。
自宅のリビングでボンヤリしていた優作は、思い出したようにスマホを手に取った。
アイツ…敏男の事は明日、大塚に相談する事にはなっているが、今日の内に連絡がついて謝罪の気持ちを伝える事が出来ればそれに越した事はない。そう考えながらメールを開いた。
昨日、何通も送ったものへの返信はない。よほど傷つけてしまったのだろうと思いながら打っていく。
《敏男へ たびたびでスマン。本当に悪かったと思っている!お前の進路の事は俺も心配してる。とにかく一度連絡をくれないか。頼む!》
送ったメールを一度読み返し、スマホをテーブルに置いておく。返信が来れば直ぐに分かるようにと、目に付く所に置いておく。
それから特に何もする気にならず、座ってボオっとしていた。テレビは点いているが頭には入ってこない。そのまま2、30分たった頃だったか、突然インタフォンが鳴った。
来客の予定はない筈だから、宅配便だろうと当りを付けてモニターを見た。
そこに写った人の姿に、首を傾げた。
「…こんにちは…」モニター越しに聞こえた声は、映像通りの幼い声。
一瞬、子供を使った新手の宗教の勧誘かと思った優作だったが、次の言葉で頭の中に“何”と言う文字が浮かんだ。
「早苗さんはいますか」
暫くこの少年…間違いなく少年…の顔を見ていた優作だが、直ぐに気がついた。
「あ、勉強会の」と言ったところで、向こうからも「はい」と聞こえてきた。
それにしても、母親の事を先生ではなく\”\”さん”付けで呼んだこの少年。幼い顔立ちの中身は大人びているのか、優作はこの少年にちょっとした興味を覚えた。
優作はモニター越しの会話を止めて、玄関まで行ってみる事にした。
ドアを開けて迎え入れる。目の前に現れたのは、パッと見、高学年。そう判断しながら訊いてみた。
「えっと、母さんはいないんだけど…何かご用ですか」
思わず出た優作の敬語にも、その少年は特に反応を示さない。
そして「そうですか…あの…」と口ごもり、俯く。何かに迷っている雰囲気だったが、顔を上げると優作を見つめてきた。優作は何故かその目にドキリとした。
「早苗さんと約束したんですが…」
「…ええっと何を…」
二人は玄関で向かい合っていた。見下ろす格好の優作に見上げるその少年。
少年は優作の目を真っ直ぐに覗いてくる。
と、その時、優作は思い出した。今朝の早苗の言葉『~タナカ君の両親が何か言ってきたら…』
「ひょっとして君、タナカ君?」
「はい、そうです」
「……」
母が予期していた事と少し食い違いがあるのかと思いながら、優作は思案した。
その少年ーータナカ君が、優作を見つめながら続ける。
「今日は早苗さんに”又来てって”言われたから、来てみたんです」
「ん~っと、それは御両親と一緒にって事じゃないの…」
母からの伝言と辻褄を合わせようとして、優作は“御両親”と言う言葉を出してみた。
しかし、少年は「いえ違います」と、落ち着いた声。
「…てことは、君1人でって事?…」
「はい、その時 僕と早苗さんしかいなかったんで」
よく分からないな、と言った顔で優作が腕を組む。
「勉強会は君一人だけだったの」
「いえ、3人でした」
「…でも、母さんと二人だけの会話をしたんだ」
「いえ、会話と言うよりか、早苗さんの方から言ってきたんです」
「ん~今一よく分からないなぁ。この家の中での話しだよね。その時は何処にいたのかな」
優作は痒い所に手が届かない気分。少年は淡々としたペースで話す感じだ。
「廊下です。廊下で早苗さんと二人切りになったんです」
「…廊下ねぇ。そこで母さんが君に又来てって言ったんだ」
「ええ、又来てって言ったのは“その後”なんですけど」
「その後?…って事は、廊下で何かあって、その後に母さんが又来てって言ったって事?」
「はい」
「ふ~ん、何があったの?3人に問題を出して、君が分かったって手を上げて、他の二人に答えを聞かれないように母さんが廊下に呼んだとか」
優作はもう、めんどくさくなった気分で訊いてみた。
しかし少年は真顔で続けた。
「いえ、それも違います」
「ん~あのねぇ…いったい何があったのかな」
イライラが募った声に、少年は少年らしく身じろぎした。しかし、落ち着いて云った。
「バスローブ」
「は?!バスローブ?バスローブがどうしたの」
「…早苗さんがバスローブを開いたんです」
「バスローブを開く?バスローブってあれだよね、風呂上がりに羽織る…」
少年が黙って頷いた。
「バスローブを着て勉強会をしてたって事かい」と、優作の顔に苦笑いが浮かんだ。
「いえ、普通の服だったんですけど、僕がトイレから出ると、バスローブに着替えてたんです」
「………」
「それで、廊下の端まで歩いて…そこで…」
「…そこでどうしたの」
「はい、早苗さんがそのバスローブをパッと…」
「パッと…?」
「パッと開いたんです」
「?…」
「そうしたら、何も着てなかったんです」
「は!?…何も着てない?」
「はい、素っ裸だったんです」
「………」
優作の頭の中は、一瞬空白になった。そして、少ししてから少年の言葉を復唱した。
バスローブ。
素っ裸。
その瞬間、まさかと何かが瞬いた。知らずにゴクっと唾を呑み込んだ。そんな優作を目にしながら、少年は続けた。
「それで、その後に又来てって言われたんです」
「それって…」
「うん…また見に来てって事だと思います」
“はい”が“うん”に変わり、その如何にも初(うぶ)な表情に、優作は初めて目の前の少年を子供らしいと思った。
優作はその後、少年がいつ帰ったのか思い出せない。思い出そうとすると『失礼します』と言って、玄関を出ていった後ろ姿が微かな記憶としてあるだけだ。
いつの間にかまた、リビングのソファーにボオっと座っていた。
頭の中では言葉が回っている。
『素っ裸だったんです』
『パッと』
『バスローブを』
フラりと立ち上がり、洗面所に行ってみた。その次は和室部屋。昔からの両親の寝室。
その和室の部屋にある洋服箪笥。優作はそれを開けて覗いてみた。幾つものハンガーに吊るされた服を見ていく。やがて目に付いたのは、水色のバスローブ。
優作はそれを手に持ったまま、暫く立ち竦んでいた。
そんな優作の頭にもう一度少年ーータナカ君の後ろ姿が浮かんできた。その姿から首だけがクルリと回って振り向く。能面のような顔が見つめてくる。優作は急に寒気を覚えて、ブルルと震えた。
(なんか最後は不気味な感じがしたなあ…。魔少年か…)
…この日、早苗が帰ってきたのは、深夜近かった。
その帰宅の時も、優作は自分の部屋に籠っていた。顔を見る気も起きず…いや、見てもどんな顔をすればいいのか分からず、悩みを先送りする内気な少年に戻って、寝たふりをしていたのだ。
早苗も優作に声を掛ける事もなく、シャワーを浴びた後は、直ぐに寝室に入って、そのままのようだ。
優作はずっとベッドで横になっている。
早朝勉強の為に早寝の習慣が付いた今でも、この夜はなかなか眠る事が出来ない。
優作はもう何度と繰り返した昼間の様子を、もう一度思い浮かべてみた。あの少年ーータナカ…君の言葉。
バスローブ。
素っ裸。
また見に来て。
優作には、あの少年が嘘をついてるとは思えなかった。物静かで落ち着いていて、どこか霊的な感じがしたあの少年。
母が今朝方言った『~タナカ君の御両親が何か言ってきたら…』あれは、早苗自身が身に覚えのある“何か”に対して覚悟を持っていた証拠ではないか。と言う事は、やはりタナカ…君が言った事は本当の事…。
何度目かのタメ息を吐き出し、顔を振った。
明日は敏男の事で大塚に相談する日だ。先日のメールでは、《母のその後は大丈夫です》と伝えていた。しかし…話しの流れで母親の事も相談しようか…と思い付いたところで、由美の顔が浮かび上がってきてハッとした。
ひょっとしたら、知らないところで由美から早苗に連絡が行ってるのではないか。そこには、貴女の息子と関係を持ってしまった。そんな懺悔があって、それで母はショックで息子の顔も見たくないのでは。しかし、タナカ君の事はどう絡んでくる…?
由美と優作、そして由美と早苗。それに早苗とタナカ君。頭がこんがらがってくる。
むくりとベッドから立ち上がって目を瞑った。何故か想い浮かんだのは、大塚の顔。
そこで優作は心の中で祈った。
(大塚先生、明日お願いします。助けて下さい!)
寝室の早苗ー。
身体は確かに疲れている。
しかし、頭の中はハッキリとしていた。
家に入る前には\”男”の臭いが付いていないか、自分の身体を嗅いでみた。
2階の部屋には灯りも見えず、息子ーー優作が寝てくれている事に少なからず安堵して、鍵を取り出していた。
シャワーを浴びた時間は短かった。心のどこかに、浴室の音で優作を起こす心配もあったからだ。
しかし、洗面所の鏡を覗くと暫く、その姿から目が離せなくなった。鏡越しに気にしたのは、情恥の痕の事。鬱血のような口付けの痕はないし、打たれた痕も残っていない。振り返って鏡に映して臀部も見たが、そこにも痕は残っていないようだった。
それよりも感じたのは、身体がより肉感的になった気がした事だった。
乳房は巨(おおき)く上向きになっている…気がした。下腹はそれなりに脂が付いて少し垂れ気味であったが、腰が張っているので括れの感じが良い味を出している…と思った。臀部も全体的に上付きに、以前より張り具合が良くなった感じだった。
・・・早苗は今夜、家に着いてからの事を思い返して、寝返りをうつように壁の方を向いた。
一時は肌の張りを衰えたと感じた時期もあったが、大塚の依頼を受けてから自分の身に起こった出来事ーー今も続いているーーによって若返った気がしている。
そして今では、道徳心よりも本能が幅を効かせていた。息子の親友である大久保敏男が現れた時は、さすがに驚いた。しかしあの時は既に、この身体は肉の悦(よろこ)びに支配されてしまっていた。一線を越えた時、自分は一匹の牝に変わったのだ。そんな現実を思い返すと哀しみがある。しかし…敏男は”牡”で、自分はただの\”牝”なのだ。あの時にソレを実感して、本能に全てを任せる女になってしまったのか。
明日もまた御主人様ーー上野に呼び出しを受けている。先ほど明日の目的地の住所がメールで送られて来ていた。
ふうっと息を吐くと、身体がブルルと震えた。明日の性宴の想像に心が震えたのか。
その時、早苗は気づいた。身体に昼間の情恥の痕跡があっても良かったのだ。この身体を見るのは、早苗の“牡(おとこ)”だけなのだから…。
敏男は自分の部屋から上野に電話を掛けていた。
たった今までメールで今日の礼を云っていたのだが、想定外の話が出たので電話に切り替えたのだ。
『…どうしたんだよ大久保』
向こうからは、いつもの飄々とした声が聴こえてきた。
「上野よぉ、明日の場所だけど何でヌケサク先生の家なの?それに優作もって…」
敏男の語尾に被せるように上野が『ああ悪い悪い。早苗とは今日の部屋で落ち着いてオマンコしたいのは分かるけどよ、大塚さんから話を聞いてさ、明日、優作ちゃんが家に来るらしいんだわ。何でもお前の進路の事で相談があるとかでよ』と、淡々と喋りながらも“進路”の所に笑いを含めていた上野。
「………」
『でな、短小包茎君が来るなら、アイツの前で早苗とオマンコするところを見せてやっても良いかなって閃いたんよ』
「お、おい、お前それは…」まずいだろ、と言葉は途切れたが、向こうには伝わったようで。
『…お前、俺がアイツの事、気にくわないと思ってるの知ってるよな』
シレっとした声で改めて言われて、敏男は「ああ…」と、呻くように返事をした。
『よしよし、それでな、この機会にお前の出番で早苗とオマンコやって、アイツの前で奴隷宣言を又やらかそうって考えたんよ』と告げる声には笑いが戻っている。
『お前もアイツには劣等感と言うか、面白くないもんを感じてたんだろ。ちょうど良い機会じゃん。それによ、息子の前で自分の本性を曝したら、早苗も逆に安心してお前の物になるぞ。なんせ隠れて会う必要がなくなるわけだからな』
ゴクリ…上野の言葉の意味を感じ取ってか、敏男の喉が鳴った。
「………」
『ん~どうした大久保』
敏男の沈黙の意味など深く考えず、上野が続ける『それにな、神田のオジサンにも新しい仕事の計画があって、それに“野郎”の人員が足りてないんよ』
(?…)
『アイツと由美がオマンコしてる所もビデオに撮ってたじゃん。何ならそれも脅しに使って、アイツも支配下に置いてやろうって考えたわけ』
「し、支配下…何なんだそりゃ…。それより、優作の前でオバサン…いや…早苗とエッチしたら、間違いなく俺、アイツに殺されるよ…」
『………』
敏男の怖じけの声を聴いて、上野が黙り込んだ。敏男はその沈黙に嫌な感じがした。
と、その時…。
『…じゃあ、俺が犯(や)るわ。渋谷が見てる前で、俺が早苗とオマンコするわ』
アッサリと告げられた声に、「えっ!」と、敏男の口から大きな声が上がった。
『いいだろ。そのかわり早苗はずっと俺の物な。金払うって言ってもお前には犯(や)らせないからな』
「ちょ、ちょっと待ってよ」と言って狼狽えた。そして敏男は考えた。
やがて「わ、わかったよ、やる、犯(や)ります」
『………』
敏男の決意の宣言の後は、またも沈黙が生まれた。それから暫く経って聴こえてきたのは嬉しそうな声だった。
『ふふん、まぁそう言うだろうと思ってたけどよ。まぁ早苗は良い女だから、しっかり物にしろよな』
「…あぁうん…」
『それとな、明日も一応黒マスク、アレも用意していくわ。短小包茎君がお前らの正体に気づくかどうかは、明日のお楽しみだな。もちろん素顔で犯(や)ってもいいけどよ』そう言って最後は機嫌良さそうにしていた上野。敏男は逆に緊張が増していく気分だった。
スマホを切ると、困り顔の敏男。
明日…優作の前で…アイツの母親と…。
あぁッくそっ、明日は酒でも呑んでいくか…。
一体どうなるんだよ明日は…あぁ神様…。
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股間に顔を埋め、大きく息を吸う。確かな匂いを嗅ぎとって、敏男の身体が粟立っていく。そして顔を上げると、その卑猥なショーツを奪うように剥ぎ取った。
敏男は夢にまで見た早苗の身体…その肉厚に頬ずりしながら体臭を嗅ぎ、舌を這わせ、揉みしだいた。
朱い唇からは「あぁッいいッ!」と想像以上の鳴き声が上がっていく。敏男はその声に興奮を覚え、更に気を入れた。
感泣の声は物凄く、その成果が自分の手…いや、舌?…よく分からないが、敏男はとにかく喜びを感じていた。そして…。
(さぁよく見せてよオバサン…)
心の声を投げ掛け、両方の掌を拡げた足の付け根辺りに当てた。
(あぁ見てやる!オバサンのアソコをじっくり見てやるんだ!)
敏男は黒マスクを着けた時から、声を出さないようにしていた。特に上野からの注意はなかったが、素顔を曝して声を聞かれるのには抵抗があったのかもしれない。
それと、自分は素顔は見せずに相手の正体は知っている…そんなシチュエーションにも興奮を感じていたのかも知れなかった。
よしっと心で頷き、掌に力を入れた。 “その”部分を拡げて顔を近づけた。初めて拝む憧れの女(ひと)の…。
と、思ったところで、ん!
マスク越しに見えるのは…赤黒い…?
どうガン見しても、ハッキリとは分からない。
(ああっもう)
演出に一役かっていた筈のこの黒マスク。それは間違いないが、目の部分は確かに前が見えずらい。
仰向けになった乳房の隆起は良く分かる。
喘ぎの声も聞こえる。
しかし、その秘密の部分が…。
頭の中で先ほどの上野の言葉を思い出す。
『~素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりして…』
「んああッーー」
突然唸り声を上げ、自分を鼓舞した。
狂え!
狂え!
狂え!
その瞬間、大きな手が早苗のマスクに向かった。
首を締めるように下顎に手をやって、布と皮膚の間に指を入れた。そのまま口から鼻の方へと剥いでやった。
現れたのはベットリ前髪が掛かった女の顔。マスク越しに分かるのはそんなところで、敏男は早苗の様子を伺う余裕もないまま、自分のマスクに手をやった。
マスクを外した敏男は、意を決して早苗に素顔を曝す。さぁ見てくださいよと、顔を近づけた。
敏男を見上げたその目は、まだ焦点があっていない。敏男は早苗の顔にへばり付く前髪を乱暴に振り払った。
ゴクリ…唾を呑み込む音が、自分の耳にもハッキリと聞こえた。その音に早苗の目が静かに開いていく。
やがて二つの目が重なり合って…。
その瞬間「いやぁーーんッ」信じられないような大きな声が上がった。
その叫びは敏男の背中を押した。
そうなんだよ!
俺はどうせ悪役なんだ!
悪役は悪役らしく、その身体をメチャクチャにしてやる!
「ヒーーーヒッヒッ」
奇声を発して敏男がムシャブリついた。
「オバサーン、オバサーン、優作のオバサーン」
アソコを思い切り拡げてやる。その赤黒いグロテスクな生き物を見届け、しゃぶり付く。その次は唇、そして胸房へ。そして又、胸からアソコへと唾液を撒き散らす。
先程から硬度を携えていた肉の棒は、秘密の泥濘を探し当てた。肉棒はそれだけが別の意識を持った生き物のようになっている。その先っぽが入口を捕らえたのだ。早苗の目がこれでもかと拡がって、敏男の顔を凝視した。
トシオクン…声のない唇の動きを確かにそう認識して、敏男の口が異様な形に歪んだ。
「そらッ」
「あうっ!!」
ソレは見事に泥濘を突き刺した。後はひたすら腰を振るだけだった。組伏された女は、抱きしめられながら爪を立ててきた。
上野の言葉が甦る。
そうなんだ、この女(ひと)はオマンコしたかったんだ!
誰のチンボでも良かったんだ。
けど…。
けど、俺の物で、俺の女(もの)にしてやる!
「どうだオバサン!」
「あーーっ」
「俺のチンポは!」
「ウアアア…」
「どうなんだよ。ちゃんと答えろよ!」
「んんッッッ…い、言えない…言えないわッ」
「なんだと!ほら!」
「ああっいい…」
「もっとハッキリ!」
「いやんッ、許してッ!」
「ダメ!好き者のくせによ!」
その叫びと同時に、敏男の腰にギアが入った。
「ヒィーーッ、いいッ!」
「オラ!オラ!どうだ!」
「いいッ…いいのよ」
「もっとーー」
「いいッいいッ、いいのよとっても!」
「誰のがーー」
「いゃあんッ」
「言えーー」
「あーッ敏男君、敏男君のよ!」
「うおおーッ」
巨体から一斉に汗が噴き出すのを感じた。その感触に、敏男の目が血走った。
「そら、もっと欲しいだろ。欲しかったらオネダリしてみなよ。嫌らしい声で言ってみろ」
「んああッ、いいッいいッ、ちょうだい…ください…もっとして!」
「まだまだ!」
自分自身の言葉にも煽られ、敏男の腰は更にエグい動きを繰り返した。
「ああんッ、いいのよ、敏男君のオチンポが」
「バカ!オバサンは変態なんだからオチンポなんて上品な言い方するんじゃないよ!」
喘ぎの声を吐き続ける早苗。それに応える敏男の興奮も上がっていく。
「抜くぞ!ちゃんと言わないと俺のチンポ抜くぞ。欲しくないのかよ!」
「いやッいやッ、止めないで。ちょうだい。お願い!」
「じゃあ言えよ!宣言しろよ!」
「ああっチンポよ!アタシの好きなのはチンポよ!敏男君のチンポ!」
「んがーーッ」
雄叫びのような声を上げて、敏男のソレがこれでもかと抉り込んだ。
「いくッいくッ、敏男君、気持ちいいッ!」
「んぐぐ」
射精の近づきを感じて、敏男は鏡に目を向けた。何とか我慢しようと、静かに息を吐く。
敏男は呼吸を整え、冷静に次の攻めを考えた。
二つの身体の結合の部分。敏男の手が早苗の内腿を押し広げて、腰を少し引く。目に付く結合の箇所を見ながら、肉の棒を半分くらい抜いて息を継ぐ。
片方の肢を器用に押し曲げて、次に早苗の脇腹に手を入れた。かと思うと、クルリと回した。ソコとソコが繋がったまま、後背位の格好(かたち)へと導いたのだ。
敏男の目は張り出た巨尻を見下ろす。その真ん中辺りには巨大な臀部には似合わない小さな不浄の門。そこを凝視して、敏男の表情(かお)が歪んだ。
(まだだ。その穴はまた今度…今日はお預けだ)
いつかの“ソコ“での交わりを想像しながらも自分に言い聞かせる。
(今日はマンコだ。こっちの穴で完全に俺の物にして…その次だ)
敏男は気を入れ直して、犬の格好になった早苗を攻め始めた。
牡の象徴がぶつかる度に、弾むように揺れる尻(ケツ)。喘声が止む事はない。
「おらっ、どうだオバサン」
「あぁッあぁッいいのッ」
「ちゃんとどこがいいのか、言えよ!」
大きな掌が巨(おおき)な尻(ケツ)を一打ちした。
「あぁーマンコよ、アタシのオマンコよっ」
そんな卑猥な声を吐き出す顔は、敏男の方からは見えない。けれど確かな、苦悶の表情を浮かべる事が出来て、更に腰に力が加わっていった。
と、敏男は思いつき、前屈みになって早苗の頬に手をやった。
「オバサン見てみなよ鏡を」
朦朧とした顔を鏡に向けてやる。
「見えるだろ、俺とオバサンがセックスしてる姿」
「いゃあーんッ」
「へっ何がいゃぁんだ、さっきから感じまくってるくせによ」
「あぁッそうなのよ、感じてるの!」
鏡の中の女を見ながら、早苗は己の被虐の癖に酔うように堕ちていった。
獣の格好の自分を犯しているのは、子供の頃から良く知っている男。その逞しい“男“に逝(い)かされる自分の姿を鏡越しに認め、その敗北の意にさえも快感を覚えていた。
「ああっ凄い!凄すぎる!凄すぎるわ敏男君!」
「どうだーいいだろ俺のチンポは!」
「あぁーはい!いいです!凄くいいです!」
「もっと欲しいか!どんな風にしてほしいんだ!」
「もっとズコズコしてッ!早苗のオマンコ虐めて!」
「んがーッ」
腰を振る敏男の巨体が、一瞬血の気の引きを感じて、それから震え出した。
早苗の口が、自らを“早苗“と呼んだ。その言葉を確かに耳にした瞬間、敏男は憧れの存在を我が物にしたと思ったのだ。
その朱い唇からもっと卑猥な言葉を吐かせてやる。
高鳴る興奮を覚え、敏男の顔がますます歪んでいく。
「早苗ーーっ、見えるぞ!俺のチンポがマンコにズッポリ入ってる所がマル見えだぞ!」
「ああッはい!気持ちいいです!」
「出すぞ!欲しいか!俺のが!」
「はい!出して!出して下さい!」
「どこだ!どこに出して欲しい!」
「マンコ!アタシのマンコに!アタシのオマンコに出して下さい!」
「こら!鏡に向いて言え!嫌らしい自分の顔を見て言うんだよ!」
敏男の掌がふたたび巨尻の面(つら)をバシッと打ちつけた。「あぁんッ」と鳴いて、早苗の顔が鏡に向く。
鏡を見つめる早苗の目。
早苗の頭の中に己の声が聞こえてくる。
嫌らしい顔してる…。
感じてる顔…蕩けてる…。
アタシ…こんなスケベな顔してたんだ…。
鏡の中の顔が揺れてくる。
地響きのように下から揺れてくる。
敏男の腰が、それまで以上に激しさを増してくる。
「うっうっ、く、くるっ!」
「うらあっ!」
「ひっ!いっいぐッ!」
「どうだ!」
「いっいきます!早苗 いきます!」
「出すぞ!」
「はい!下さい!早苗のオマンコにいっぱい出して下さい!」
早苗は鏡の中の自分の顔をしっかり見つめながら、敗北の宣言をした。その宣言は、これまで感じた事のない快楽そのものだった。
最期の瞬間に自分がどんな言葉を吐いたのか記憶がない。どんな表情で逝ったかも分からない。ひょっとしたら誰にも見せた事のない歪んだ表情(かお)をしていたかも知れない。それでもそんな事など、どうでもいいくらいの悦楽を感じていた…。
崩れた背中の上で、覆い被さった巨体の鼓動が鳴っている。今、自分を桃源の世界に運んだ男の息づかいを確かに感じている。
やがて…寝息のようなものが零れ始めた…。
鏡の向こうでは、半ば感心に上野と神田が二人の様子をずっと見守っていた。
「やるなぁアイツ。途中でマスクも取っちゃうし」
「うんうん、ここまでやるとは、私もびっくりじゃよ」
「じゃあ“例の“新しい仕事にスカウトしますか」
「ん~そうじゃなぁ、人員も足りておらんし、この子ならやってくれるかもな」
窓ガラスの向こうでは、うつ伏せに突っ伏した早苗。そして、その身体に崩れ落ちたまま荒い息を吐いている敏男。
神田は二つの塊を優しげな目で見ながら、満足げに頷いていた…。
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入口のドアが静に開き、男が二人入ってきた。上野が敏男を連れて戻って来たのだ。
緊張気味の顔の敏男に、神田が声を掛ける。
「やぁ敏男君、やっと君の番が来たね」
「………」
覚悟を決めてここまで来たはずであるが、この部屋のどこかに早苗がいると思うと、敏男の小さな心臓は爆発しそうになる。
「ん、どうした大久保」
上野が敏男の様子を見て、聞いてきた。
「あぁうん…本当に大丈夫かな…」
「は?!大丈夫かなって、今更どうした?ひょっとして緊張で勃(た)ちそうにないとか」
今にも噴き出しそうな顔で上野が訊いた。
「い、いや、そっちはたぶん大丈夫だと思うけど…本当にやっちゃっていいのかなぁ…って」
「ああ~何を今さら」
笑いながら上野が、チラリと視線を神田に向ける。その視線を感じて、神田は敏男に向き直った。そして、ふんふんと頷いた。
「敏男君、君の心配も分かるが早苗さんはね、実は長い間、欲求不満を溜め込んでいたんだよ。考えてみなさい、女として1番油の乗ってる時に、旦那さんが単身赴任でいなくなったんだよ」
「………」
「本人はそれを隠して、近所の小学生の相手をしたり、自分の子供の心配をしたりしてるんだ。自分では気がつかないうちに、ますます不満が溜まっていってるんじゃよ」
「………」
「私達はね、そんな中年の女性の為に色々とやってるんだ。君も大塚君夫婦の事は知ってるだろ。あの奥さんも君と関係が出来て喜んでおる。そう思わないかい」
「…ああ、はい…思います…」敏男は暫く考える素振りをしたが、ハッキリと頷いた。
「うんうん、切っ掛けはどうであれ、犯(や)ってしまえば向こうも喜ぶんだよ。分かるかい敏男君、早苗さんは今、若い男が欲しくて欲しくてしょうがない状況なんじゃ」
「ほ、ほんとうですか!」
いきなり敏男の目が、これでもかと広がった。
「ああ、本当さ。なあ上野君」
神田の言葉に、今度は上野が敏男の目を覗き込んできた。
「だから心配するなって前も言ったじゃん。俺は早苗をいっぱい抱いて、それを確かめたんだから。アイツは俺以外のチンポも欲しがってるんよ」
「ああ…本当に本当なのか…」
「ああ、保証する。それに早苗は、俺の言う事なら何でも聞くって宣言したし。けど、俺じゃなくても切っ掛けがあれば、誰とだってオマンコしたと思うぜ」
「………」
「まあ、お前としたら、清楚なイメージに惚れたと思うけど、人妻なんて心のどっかではいつも男を欲しがってるんよ」
「ん…う、うん…」
「へへっ、それを今から確かめに行こうぜ」
「…あ、ああ…」
敏男の苦し紛れの返事にも、上野は笑みを返した。
「それとな、ビデオに撮るから一応コレを用意しといたからよ」
そう言って上野が、ソレを何処からか取り出して見せた。
「な、なにコレ…」
「へへ、全頭マスク」
「…ゼントウマスク?」
「そう、被ると相手からは正体が分からない。けど、こちらからは薄っすらとだけど見えるから大丈夫。呼吸も口の所はほら、開いてるし、鼻からもちゃんと息は吸えるしさ」
暫く黙ったまま手に持ってソレを見つめて、敏男が改まって聞いた。
「…ええっと、オバサンは今日の相手、俺って知らないんだよね…」
「ふふ、大丈夫だって。それどころか、これから俺以外の男とオマンコするなんて夢にも思ってないからよ」
「えっそうなの!」
上野の言葉で、敏男の目が驚きに拡がった。しかし「ふふ、部屋にいるのは欲求不満の中年女じゃ。君の“持ち物“は真知子君相手に充分に能力を発揮したし大丈夫じゃよ」
「…ああ…はい」
神田に返事をした敏男に、上野が囁くように続ける。
「俺はそんなに大した調教はしてないし。お前のアレをぶちこんだら一発だ。ヘナヘナになって、後はお前の言う事なら何でも聞く女になるさ。 “お母さん”ごっこでもいいし…けど、早苗はMの気を持ってるぜ」
「…うっ…ううう…」
「ふふ…デカイ尻(ケツ)を打(ぶ)ったりよ。露出プレイの奴隷にしてもいいしよ。それに…ふふ、アナルセックス。お前も上の部屋で犯(や)ったろ。アレを早苗と犯ったっていいんだぜ」
(ゴクリ…)
敏男の巨体が少しずつ震えてきた。それを見つめる上野と神田の目が期待に光を発している。そして敏男は、その黒マスクを手に取った。
「行こうか、色男」
マスクを手にした敏男の肩を、上野が叩きながら言う。
「まずは、こっちな」
二人が向かったのは例のスペース。
そこに入った敏男の目が大きな窓ガラス、そしてその向こう側に立つ人影を見つけ、足を止めた。
「うっ!」
一瞬の呻きを上げて、そのまま巨体が固まってしまった。
「大丈夫だって、これが神田先生自慢の魔法の鏡だ」
「魔法の鏡?」
「そうじゃよマジックミラー。こちらからは見えるが、向こうからは鏡にしか見えない優れものじゃ」
神田の声が後ろから聞こえ、その声に敏男はぎこちなく頷いた。
「…ほ、ほんとうに向こうからは見えてないの」
心細そうな声で呟いて、敏男は息を呑んだ。
「ほら、安心してよ~く見てみろよ」
上野の言葉に敏男は止まった足を再び動かし、窓の際まで近づいて行く。
見えてきたのは、同じ黒マスクを被った女。
あぁ、なんなんだ、あの格好は…。敏男の視線の先にいるのは、エロ雑誌の表紙、そしてネットで見てきたエロ画像と同じ種類の女。
敏男はゴクリと唾を飲み込み、抉るように窓ガラスの向こうを覗き込んだ。
「それにしたって…」
一人呟き、敏男が更に顔を窓に近づける。そして目に力を入れた。
暫く向こう側の女を見つめ、敏男はギリリと首を上野に向けた。上野は敏男のその表情だけで、一瞬のうちに何を聞きたいのか察知して「ああ、コレがそうさ。うん、間違いなくこの変態チックな下着を着けてるのが早苗」と、あっさりと告げた。そしてニヤリと頬を歪め、続ける。
「お前の憧れで、親友渋谷優作のお母さんだよ」
(…うあああ…)
「ふふ、敏男君、さっきも言ったけどこの女は欲求不満を溜め込んでおる。この格好がその証拠じゃよ」
「………」短い沈黙の後で、敏男の顎がコクリと縦に揺れた。
「へへ、そうこなくっちゃ」
今度は嬉しそうな声で上野が続ける。
「さてと、そろそろマスク着けろよ」
上野は敏男の大きな肩を叩き、そして、顎でドアに促した。
早苗はベッドの前で、先ほどから同じ姿勢で立ち竦んでいた。
マスク越しに覗く目も、だいぶ暗さに慣れて、今は鏡に映る自分の姿がなんとか分かる。
その姿…乳房を覆うのは頼りないくらい小さな物。膨らみの上半分が零れ落ちそうで、今にも全てが顔を露(あらわ)しそうな状態。ショーツは足の付け根から横腹に急な角度を伴った物で、その後ろ側は一本の線が割れ目に食い込むように前へと繋がった言わゆるTバック。選んだ色は黄色い蛍光色で、それがちょうど今は、この薄暗い中で浮かび上がって見える。サイズも全体的に小さく、窮屈さを感じる身体を一層肉圧的に魅せている。
早苗自身もなぜ、こんな下着を選んだのか分からない。あえて自分に問うと、夫のSMチックな性癖を認めた頃の影響かも知れない。あの頃、夫に勧められたのは原色の黒や赤の物で、ショーツはTバックもあったと記憶していた。それらも子供の成長とともに穿く機会はなくなっていったが、今日この下着を選んだのは、被虐の自分を妄想してしまったからか…。
早苗はふと、鏡の向こうに気配を感じた。
…と、思った瞬間、この部屋のドアが開かれた。
早苗の顔が反射的にそちらを向く。
マスク越しに分かったのは上野。そしてその後ろに…。上野より頭半分くらい大柄な男性が一緒に入ってきた。
「オバサン、お待たせ~」
あくまでも飄々(ひょうひょう)とした感じで、声が近づいてくる。早苗は咄嗟に肌を隠すように、両方の手で自分の身体を抱きしめた。
早苗の仕種に気がついて「ああ、コイツ?」と、上野が問う。
「安心して。…あのね、コイツは俺の穴兄弟」
「え?!」
「そう穴兄弟。コイツね、由美ともオマンコしてるんよ。だから俺と兄弟なんよ」
「あぁ…」
「因みに…オバサンは俺とオマンコした仲だから、由美とは竿姉妹って事になるのかな」
そう告げて笑いもしない上野。その横で敏男が、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「そう言うわけで、今からコイツとオマンコして貰うわ。んで、俺は見学。分かったかな」
(あぁ…そんな…)
予想もしなかったまさかの命令に、早苗が頭(かぶり)を振った。
「嫌だ嫌だって思ってもね、身体は正直なんだよね」
上野が近づき、腕を掴んできた。そしてグイッと身体を引き寄せたかと思うと、早苗の後ろに回り、胸の膨らみをムギュっと鷲掴んだ。
胸房に圧が加わってくる。そしていつも通り煽りの言葉が襲ってきた。
「さっきは中途半端だったから、一人でオマンコ弄って待ってたんじゃないの」
「あぁんッ」
「欲しくて欲しくて仕方ないんだよね、アレが」
耳元で言って上野は、視線を敏男に向ける。
「ほら」
顎をしゃっくたのは敏男に向けてだったが、早苗の方も感度を表した。胸を揉まれるまま背中を上野に預けて、その身をくねらせる。
敏男の方はアイコンタクト…でもないが、上野の目線を感じると、決心して服を脱ぎ始めた。
生まれたままの姿になった敏男は、一度大きく息を吸って鏡を見た。そこには初めて目にする怪しい男…全裸に黒マスクをした巨漢の男がいる。
マスク越しにその姿を視ていると、如何にもの悪役に思えてきた。
(くそッ…俺はデブだし、綺麗な女(ひと)とは、しょせん釣り合わないんだ…)
隣で「あぁんッ」と甘い声がした。ハッと振り返って見れば、上野の目が何かを語りかけている…気がした。
ほら、この女、感じてるだろ。
俺以外の男がいるのに、こんな甘い声を出しやがってよ。
コイツは欲しがってるんだよ。
早く犯(や)ってやれよ。
お前のそのデカイのでヒーヒー言わせてやれ。
なぁ大久保。
…そんな上野の声を感じた気がして、敏男は心の中でよしっと気を入れた。
上野も直ぐに察知したのか、敏男を見ながら早苗の胸から手を離す。そして敏男と入れ替わるように巨体の後ろへ回った。
「俺は向こうから覗かせて貰うわ」
小さな声を敏男の耳元で囁き、上野がニヤリと笑う。そして、今以上の小さな声でもう一度囁いた。
「それとそのマスク…外したくなったら外してもいいぞ。けど、素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりしてな」
その言葉を挑発と取ったのか、それでも敏男は黙って頷き返した。敏男も腹を決めているのだ。
早苗の顔が、上野の後ろ姿を見送るのを見て、敏男は近づいた。そして、白い肩に手を掛ける。
咄嗟に身を固くした早苗。敏男はその身体を引き寄せる。そしてそのまま抱きしめ、唇を奪いに出た。
うわぁ….その甘い唇の感触に敏男の中に電流が流れた。抱きしめた身体は思っていた通り膨(ふく)よかで、それだけで感動を覚えてしまう。
下腹の辺りで互いの恥毛が触れあうのを感じては、身体が熱くなった。背中に回していた腕は、夢中に早苗の臀部を撫で回している。
みるみるうちに巨大化する牡の象徴。その膨らみが早苗の腹を押すと、頭に血が昇ってきた。
そうだ!俺はコレで真知子さんをヒーヒー言わしたんだ。
由美さんだって、誉めてくれた。
オバサンだって!
そんな事を一瞬に想い、敏男の舌は早苗の口奥へと侵入を始めた。
マスク越しからも、早苗が眉間に皺を寄せたのが窺えて、敏男はその貌(かお)をもっと快楽に歪めてやると気を入れた。
敏男は唇を離すと、いきなり早苗のブラを引き剥がした。
巨(おおき)な乳房が現れる。その先には尖り立った雷。夢にまで見た膨らみを認めて、いきなりムシャブリ付いた。
早苗の身体は敏男の重みを受け止め、ベッドになだれ落ちた。その重みに身体は強張ったが、いきなり乳房を舐られると快感が一瞬のうちに身体中へと拡がっていった。
見ず知らずの男の攻めであったが、悲しいかな身体は興奮に震え出した。
若き情人に開発された身体。眠っていた性感を思い出させた情人の手管。その手腕で目覚めた身体が、素直な反応を示してしまったのだ。
早苗は覆い被さる巨体を無意識に受け止めていた。そして、膨らみの先をしゃぶる男の頭を強く抱きしめた。
あぁん、あぁんと甘い声が舞っていく。
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ベッドに腰かけた態勢から、敏男は大きく伸びをした。そして「ああー」っと声を上げた。
立ち上がり、檻の中の熊のように、右に左に動き回る。その度に口からは、「ああっもうっ」と、唸り声が発せられる。
先ほど姿を見せた上野は直ぐに出ていき、今ごろはこのビルの何処かの部屋で早苗と一緒にいる筈なのだ。その二人を想像すると、胸が掻きむしられる想いがする。その苦しみから逃れようと、奇声が発せられるのだ。
別の部屋ーー。
ドアの開く音がして、早苗は振り向いた。
入ってきた上野の視線に、ドキリと鼓動が跳ね上がる。上野の方はいつものように飄々(ひょうひょう)した感じだ。
「お待たせしました~」
その言葉尻は一応、目上の神田に対するものだったのか、それでも敬意が隠(こも)っているとは思えない調子で軽く頭を下げる。
神田の方も慣れたもので、コクりと頷いただけで、早苗の表情を観察するように直ぐに視線を戻した。
「じゃあ先生」
上野が神田に了解でも取るかのように会釈したが、その様子は緊張の欠片もない。そしてそのまま早苗に近づいて「ふ~ん、なかなかミニもいいじゃん」そう言って視線を剥き身の腿に寄せた。
「………」
黙り込む早苗の横顔を暫く見下ろし、上野がスッと腕を取ってきた。
「…待ち人もいるし、さっさと始めようかな」
待ち人?…一瞬何の事だか分からなかった早苗だが、上野はチラリと神田に目配せした。
「うんうん、後の事は任せなさい」
神田の言葉に、早苗の腕を握る上野の手に力が入る。そして奥の部屋へと向かった。
電気が点く。
マジックミラー…これで、この部屋が向こうから覗かれるようになったわけだ。
大きな鏡には、緊張した女の姿が映って見える。早苗は向こう側に神田がいる事を意識したのか俯いてしまう。その神田は部屋の二人を確認すると、手慣れた動作でビデオの設置をし始めた。
「…オバサン」
肩に軽いタッチで手が触れたかと思うと、唇が襲ってきた。
あぁっ…声が漏れる間もなく、早苗の唇は上野のものに塞がれていた。突然の感触は、トロリとした柔らかいものだった。
これまでの上野との交わり、その激しさの中で幾度も唇を奪われてきた。そして、それに応えるように吸い返した事も何度とあった。しかし今、早苗が感じているのは、これまでにはない甘いものだ。
ベッドに上野が腰を落とす。だらっと手を後ろに付けて、足を投げ出す。そのリラックスした格好のまま早苗を見上げた。
早苗は今ほどのキスの余韻を引きずっているのか、緊張の面持ちが続いている。
「オバサン、緊張してんの?」
小バカにした感じの声はリラックスされていて、しかも歳上の女性をいたぶるような響きも含まれている。
「さって、今日は色々やる事があるから、早速始めましょっか」
そう言って上野が立ち上がる。そして、早苗のスカートに手を入れたかと思うと、ショーツの上から土手に触れてきた。
「アッんッ」
鳴きの声で早苗の眉が歪んだ。
上野の指は、土手から沈むように隠筋へと向かう。
切ない表情で早苗が上野に嘆きの視線を返す。上野はその瞳の中に何を見たのか、クククっと含み笑いをすると指を抜き、その手で剥き身の腿を軽く叩いた。
「じゃあオバサン、脱いで貰おうかな」
いつものぶっきらぼうな口調にも、早苗は不安げに頷く。そして、チラリと上野を覗き見てから、胸のボタンに手をやった。
「ああ、俺の方 向かないで。最初は鏡の方 向いて」
それは、鏡の向こう側にいる神田に対するサービスのつもりなのかは分からないが、早苗は従順に背中を上野に向けると上着を脱ぎ始めた。
上着からブラジャーへと渡り、乳房が露になる。スカートに手をやったところで一瞬その手は躊躇した。が、直ぐに動き出す。
パタリとスカートが落ちると、声が飛んだ。
「今度はこっち」
またもぶっきらぼうな声で呼ばれ、振り返った。声の主が見つめている。身体の痺れが広がっていった。
「どうしたの?最後の一枚脱がないの?」
ニヤツく上野。しかしその目は、笑っていない。
泣きそうな顔を一瞬見せた早苗だが、直ぐにショーツの端に手をやった。
ショーツを静かに床に落とすと目を瞑り…しかし微かに上野を覗いて唇をキュッと結んだ。
一糸も身に纏わない全裸姿を曝すのももう何度目かの事だが、改めてのこの無防備の状態。しかも、静寂を感じながらの披露は、羞恥の心を一層高めるものだった。
「後ろ」
今度は冷たい声が飛んできた。
「あぁ…恥ずかしい…」
そんな声をあげながらも、素直に背中を向けた。
披露したのは、上野に肉厚のある臀部。向こう側の神田には胸の膨らみと恥毛。
「うんうん、相変わらず良いね」
その誉め言葉にも、早苗には自身のこの身体…脂のついた中年の身体を卑下された気がしないでもない。しかし“彼“がこの身体を乱暴に扱いながらも、愛してくれた記憶が確かに存在しているのだ。
「さてと」
上野が改まる。
「………」
不敵な笑みを浮かべながら上野が立ち上がった。早苗に近づき、グニュっと胸の膨らみを鷲掴む。
「ハァん…」
艶色の声が部屋に響いた。しかし上野は、そんな声には興味も示さず、片方の手を早苗の臀部に回したかと思うと、ピシッと一打ちした。早苗はその痛みにも、蕩(とろ)けた顔を鏡に曝した。
「もう少し足 広げて」
「………」
「そう、その位でいいよ」
「………」
「そのまま前屈みになって、両手を鏡に付けて…」
「………」
「そう、そのまま中腰」
「………」
「尻(ケツ)は少し突き出す感じで」
「………」
「ああ良いね。…うんうん、丸見えで卑猥な感じ」
「あぁ…」
鏡の向こうでは、神田が三脚で立てたビデオの横で、先ほどから嬉しそうな目をして佇んでいた。その目は、服従を誓った女の成長に喜びを浮かべる目だ。
「どれどれ」
耳元に声が近づいてきた。若き主がアタシの“持ち物“を確かめようとしている。主の物を迎え入れる準備が整っているかを確かめようとしているのだ。一瞬の間に早苗はそんな事を理解して、そして“あの部分“を意識した。
あぁ…濡れているわ…。
間違いなく…。
そう思えると、内腿から股間の辺りが高ぶりに震えてきた。
あぁ…お願いします…。
心で哀願の意を決して、早苗は気を張った。しかし…肩越しに聞こえたのは「時間ないからさ、すぐ挿(い)れちゃうか」と、淡白な声だ。
そしていきなり、巨(ふと)い物がヌボッと侵入してきた。いつの間にか上野が、自慢の肉棒を取り出していたのだ。
「ああーーッ」
早苗は一瞬の”ソレ”で絶頂に導かれた。そして、続けざまにパンパンと尻に圧が加わるともう、意識は遠のき、頭の中は真っ白な霧に包まれた。
朱い唇からは無意識に逝き声が零れ続き、その逝き顔は鏡の向こうからビデオに切り取られている。
上野はもの凄いスピードで腰をぶつけてきた。
早苗の頭の中で光が爆発する。身体は痙攣を起こし、膝が崩れそうになっている。しかし、いきなり…。
「はい、休憩」
何を思ったのか、上野が動きを止めたのだ。
早苗の方は膣穴を埋められた状態で、なんで?と言った様子。
その早苗の背中に上野が訊いた。
「オバサン、続けてほしいよね」
「………」
「うんうん、それじゃあね…」
「………」
早苗の尻が物欲しそうに揺れてくる。
「オバサン…俺の言う事なら何でも聞くんだったよね」
その改まった口調に、早苗の顔が上野を振り反(かえ)った。見つめた目はトロンとしたままだが、瞳の奥には不安な影も浮かんでいる。しかし、刷り込まれた負の意識は服従に向かう覚悟をしていた。
「ふふん」
早苗の表情を肯定と判断して、上野が得意げに鼻を鳴らす。
「…じゃあ続きを」
「………」
「行くよっ」
その号令ともとれる声に、早苗は手足に力を入れ、腰に気をやった。
「おっ締まったぞ。じゃあ、このまま宣言してみよっか」
「………」
「それ!」と声を掛けながら、再び腰を振り始めた。
「ハぁーーんッ」
「よしっいいぞ!そのまま勢いで言っちゃぇ、奴隷宣言だ!」
ズボズボと出し入れが一気に増す。
「ほら、早く」
「ああーーッ、アッ、アッ、アタシは上野さんの玩具(オモチャ)です。何でもします!何でも言う事ききますッ」
まさに隷族の宣誓に、頬を緩めて上野が満足げに頷いた。しかしなぜか、早々とソレを引き抜いた。
「………」
上野が早々と一物をパンツにしまい、ファスナーを上げて、今度はズボンのポケットから何かを取り出した。
ソレは黒い布切れ?
朦朧とした早苗には、ソレが何か分からない。
「これ、被ってみて。これはね、ゼントウマスク。ゼンは全部の全。トウは頭。全頭マスクって言うらしいんよ」
たった今まで激しく腰を振っていた上野。その激しさからは、ほど遠い落ち着き払った声。
「SMチックでしょ。ほら、口元が開いてるよね」
早苗の朦朧とした様子などお構いなしに、ソレを広げて見せる上野。
「でね、目と鼻の所は薄くなってるから被っても見れるんよ、ちょっと見にくいと思うけど」
そして、ソレを早苗に渡そうとする。早苗は朦朧としたままソレを手に取った。
「じゃあちょっと行ってくるから。オバサン、買った下着も着といてね」上野はそう告げ、部屋の出口へ向かってしまった。
その場で一人になった早苗。燃え上がった身体はいきなり高見から落とされ、火種が燻ったままだ。満足のいかない身体はスッキリしない。
ふと、鏡を見る。今の痴態も覗かれていたのだ、と想いながら、その蕩(とろ)けた貌をコレで隠すのね…早苗はボオっとした頭でそんな事を考えながら、手にあるマスクを広げて見た。
黒いマスクを見つめてみれば、胸がキュンとなった。火種が息を吹き返す。気がつけば早苗は、マスクを頭に被せている。
マスクを着け終えた早苗は、鏡の前に立ち、その全景を眺めてみた。
確かに告げられたように目元は暗い。しかし、慣れてくると鏡の中に黒マスクの怪しい姿を認めていた。
如何にも肪の乗った腰回り。熟れた乳房。下腹の括れも卑猥な感じがする。
早苗は想う…この後の若き主の命令は何なのか?
恐らく…指示されるのは、想像もつかないような卑猥な行為か?
そんな妄想を受け止めようと考えると、身体がザワザワと揺れてきた。
胸の膨らみと腰が、ゆらゆらして扇情的なシルエットとなって鏡に映る。
手指がしなやかに己の身体を摩っていく。
妄想が拡がっていく。
どこからか手が伸びてきて、この身体をまさぐってくる。
幾つもの唇が身体の局部に舌を伸ばす。
生殖の器官が身体の全ての穴に侵入を試みてくる。
あぁ…早苗は早く快楽に溺れたいと思った…。
しかし…。早苗は一旦動きを止めると、思い出したように手提げの中から買ってきた下着を取り出した。
そしてソレを着け始めた。
鏡の向こうでは、先程から神田が静かに覗いていた。
やがて、出来上がったのは全裸以上に卑猥な姿。
あぁ…それはマゾ奴隷…。
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日曜日の午前中ーー。
優作がポツリと座って、コーヒーを飲んでいる。ここは渋谷家のリビング。
今日も早朝勉強を一応何とかこなし終えて、一息入れているところだ。
朝の自宅の様子を思い浮かべてみる。母の早苗の様子は、どこかフラフラしてる感じで、おはようの挨拶にも力がなかった。
その母は優作が昨夜、帰宅した時は既に眠っており、そのまま寝過ぎで頭がボオッとしてるのかと思った。しかし早苗の方から、今日の予定の事を言ってきた。昼前には用事で出掛けるのだと。
そして『もしも留守中に、タナカ君のご両親が何か言ってきたら、戻りは遅くなると伝えて』と言われた。優作がタナカ君?と聞く間もなく、早苗は部屋に籠ってしまった。
何か言ってきたら…まるで、そのタナカ君ーーおそくら勉強を教えてる小学生ーーと何かトラブルでもあったのかと一瞬心配になったが、結局それ以上に会話は進まず、優作も部屋に籠る事にした。会話が弾んでいれば、昨日敏男と会ってどうだったのかと聞かれたかもしれない。
もし聞かれていれば、会えなくて1人でブラブラしてきたとでも言えばいいのだろうが、やはりその話題は避けたいところだった。まさか由美さんから『貴女の息子君と会ったのよ』なんて連絡が早苗の方に入っていないだろうか…そんな心配が消えないのだ…。
コーヒーのお代わりを採ろうとしてフッと思い出した。初体験をすると、自分の中で何かが変わって自信を付けたようになるとか。
しかし、優作にはそんな気が全く沸いてこない。その相手が禁断の存在、母親の友人だからであろうか。
明日の大塚への相談は敏男の事なのに、ひょっとしたら自分は、由美との“過ち“まで喋ってしまうのか…優作はそんな場面を想像して重い息を吐き出した…。
優作が自宅で耽(ふけ)ている頃、早苗はとあるショッピングモールに出掛けていた。この日の早苗は、珍しく丈の短いスカートを掃いている。このスカートも、この場所に来たのも、朝早く届いた上野からのメールでの指示だった。
昨日から…いや、このところいつも身体は何かを欲している。常に頭の中には上野の顔が浮かんでは消え、消えては浮かんでくる。その顔は飄々(ひょうひょう)としていて、時おり冷たい視線と嘲(あざけ)た笑みを浮かべるあの顔だ。そして、それに媚(こび)を売る自分を妄想してアソコを濡らしてしまう。
早苗は指示通りモール内のランジェリーショップに向かった。
店に入り、原色で派手目の品が置かれたコーナーへと進んだ。
上野からのメールの一文を思い出す。
《~俺が喜びそうなヤツを買ってきてね》
早苗は幾つか手に取ってみた。
上野の顔を思い浮かべれば、彼が喜びそうな物はこれかしらと考えながら選んでいく。
腰ヒモが付いた前を隠す部分の小さい物。
際どいハイレグと呼ばれる物。
Tバック。
それに、ほとんど下着としての機能を携えてるとは思えない物…そして、それとお揃いとされるブラ…そんな物までこの店は置いてある。
やがて早苗は、ブラとショーツそれぞれ二点をセットで決め、レジに向かった。
レジにいたのは若い女性店員。その彼女が品を確認すると意味深な目を向けてきた…ように早苗は感じた。
貴女のような女(ヒト)が“こんな“のを着けるの?
貴女、若い彼氏…いるでしょ?
ひょっとして、彼氏の言いなり?
貴女、調教されてる?
もしかして変態?
そう、絶対そうでしょ!
あぁんッ、と鳴きが入った時、声がした。
「どうもありがとうございました」
目を向ければ、優しそうな店員の顔があった…。
店を出た早苗はモール内を宛もなく歩いた。
人だかりを横切った時、周りの視線が露出された腿に感じた。その瞬間、足が竦んで股間にキュンと痺れが走った。
朦朧とした足取りで、何とか端に寄る。人波はそんな早苗に、好奇の目を向けながら通り過ぎていく。
早苗は壁に背中を預け、腿と腿を擦り合わせた。股間の奥の痺れがサワサワと広がっていく。身体はこのまま、この場所で絶頂を迎えたいと感じていた。しかし微かに残る自制の念が、足を進めさせた。
やがてたどり着いたのは、フードコートの一角。
怠そうに椅子に腰を降ろすと、こめかみを押さえて俯いた。
目がぼやけてきて、頭が重くなっていく。意識が遠のき、瞼が落ちてくる。
どこからか声が聞こえてきた…。
『脱げ…脱げよ早く…』
その声は天から降ってくる。
『早く卑猥な下着を着けてみたいだろ』
コクリと頷き、フラリと立ち上がった。
椅子を引き、ゆっくりスカートを捲り上げ、ショーツに手をやった。そして、下ろし始めた…。
痴毛が揺れている。
股間の辺りが心地好い。
下半身がモヤモヤと熱くなってくる。
淫部が痺れ、あぁッと声が漏れた。
『揉めよ』
また声が聞こえてきた。
片手で捲ったスカートを押さえ、空いた片手を胸の膨らみに置く。
『ほら、しっかり揉めよ』
『はい』従順な声で応えて、手に力が加わっていった。
『あぁ…いいッ!』
いつの間にか胸のボタンが外れ、膨らみが露になっている。
右手は夢中になって、淫芯を擦りつけている。
『んハアッ』
鼻の穴が広がって、荒い息が吐き出されていく。
身体が動かない。
『あぁッいやんッ』
両方の手で破り捨てるように上下の服を剥ぎだした。
床に落ちていく衣服。そしてランジェリー。
そんな事も気にならず、清涼を浴びた身体はブルルと震えた。絶頂が近づいてくる…。
『あぁッ、いッいきそう』
両方の指には更なる激しさが加わっていく。
『アッ、アッ、いッいきます!』
叫びと同時にガクンと頭が落ちた…。
・・・どこかで子供が泣いている。
・・・スマホが震えている。
その振動を感じながら、早苗の目が静かに開かれていった。
焦点がゆっくりと定まってきて、周りの気配が窺える。
視線がテーブルに向くと、スマホのランプが目についた。
頭を振って「ふぅ」と息を吐いた。
スマホを手に持って時間を確認すれば、意識を失っていたのは5分位かと。そんな事を思いながら、もう一度頭を振ってみた。
スマホを開いてメールを見る。上野からのものだ。
《約束の物、買ったよね。これから移動してもらうけど大丈夫かな》
そのメールを読み終えると直ぐに返信をした。
《はい。何処に行けばいいですか》
次に来たメールには記憶にない住所と時間が書かれていた。
早苗はその住所をアプリで確認して、行き方を調べてみた。このショッピングモールを出発する時間を頭に入れ、あと10分ほど時間を潰す事にした。
今ほどの“彼“からのメールを見た時から、心臓の音が少しずつ大きくなっていく気がする。その鼓動は下半身に伝わり、再びアソコが疼き始めてくる。
これから行く所が何処なのか分からない。けれどそこに“彼“がいるのは間違いない。
身体が期待に震えてきた。この何日間で植え付けられた、隷蔟の意識が反応を示しているのだ。
今日はどんな責めをされるのか?
今日はどんな命令を下されるのか?
それらに抗(あがな)いながらも堕ちていく自分の姿が浮かぶ。おそらく…いや、間違いなく末路は悦楽に媚をうるのだ。呆れられながらも、その冷たい視線にさえも快感を覚え、はしたない痴態をさらすのだと。
やがて、ショッピングモールを出た早苗は20分ほど歩いた。
視界の中にビル等の建物が目に付き始めた頃、気がついた。今歩いているのが、あの◯◯駅の方向だと。
目的地に着いた時、緊張を覚えながら改めて目の前のビルを見上げてみた。そう、”あの”雑居ビルだ。
随分と昔に訪れたような気がするが、それが何時だったか具体的には思い出せない。しかし、このビルのあの部屋で、由美の痴態…売春の様子を覗いてしまった事はハッキリと心の中に刻み込まれている。
早苗はゴクリと唾を飲み込み、スマホを手に取った。
《今、ビルの下に着きました》
送ったメールを確認して、佇まいを正す。この時間のこの街の雰囲気は、比較的落ち着いている感じがする。しかし…。
道行く人の視線を感じて思わず俯いた。目に映るのはスカートの裾。そこからムッチリした腿が剥き出しになっている。
頭の中で上野の口元が歪む。
『ショッピングモールに人がいっぱいいたでしょ。どうだった、太ももを露出して?』
『店からちゃんと歩いてこれた?途中で服を脱ぎたくなったんじゃないの?』
そんな声が聞こえた気がして、早苗の身体は武者震いをおこした。またも股間に電気が流れ、よろめきそうになった。
その時ーー。
「早苗君」
はっと我に帰り、振り向いた。
あぁ…溜め息混じりに出た言葉は「神田先生…」…驚きに泣きそうな声だ。
「久しぶりじゃな」
「……….」
目の前に現れたのは神田幸春。早苗や大塚の元恩師で、今はあの怪しげなサークル【華の会】の主催者。そして、その裏で売春組織を運営している人物。
その神田が早苗の様子など気にする事なく、いきなり話し始めた。
「…欲求不満の奥様連中に刺激を与える…上野君は、その手伝いを良くしてくれている。もちろん貴女の事も色々と聞いておる」
「……….」
「今日はお楽しみらしいね…。さぁ上に行こうか、君の“御主人様“がお待ちだ」
「…はい…」小さく声を溢して、早苗の顔が泣きそうになる。それは自分と上野の関係が今、どうなっているのか…それを目の前の神田に披露する場面を想像してしまったからである。
初めての過ちの時は“薬“があった。身体と意識が薬物に汚染されたという言い訳が出来たが、今は薬抜きの状態で隷蔟の宣誓をしている。そして今日も、若き主の前で恥を曝す自分を自覚している。
「さぁ」
神田が早苗の肩をポンと叩く。そしてエレベーターホールへと向かう。その後ろを早苗は、重い足取りでついて行った…。
“その“部屋の中で、敏男は緊張を覚えながら、ベッドに腰かけていた。あれはどの位前だったか、上野と偶然に再会して連れて来られたのがプレイルームと呼ばれるこの部屋だ。とは言っても、上野はこのビルの中に同じような部屋がいくつもあると言っていたから、この部屋があの時ーー初体験をした時の部屋なのかは分からない。今日、敏男は昨日の夜遅くのメールで、ここに呼び出されていたのだ。
ドテっと仰向けに倒れ、天井を見上た。そして、先程までいた上野とのやり取りを思い出す。アイツが既に優作のお母さん、早苗とエッチしたと告げた時はショックだった。しかし直ぐに『それも全部お前の為なんだよ』と言われた。『俺の言う事なら何でも聞くようになったからさ、俺がお前とオマンコしろって言ったら、ちゃんとするからさ』とか。
敏男は素直に納得出来なかったが、『大丈夫だって、お前とのセックスが良かったら、今度はお前の言う事なら何でもする女になるんだからよ。後はお前次第って事よ』…そんな言葉に結局はぎこちなくだが頷いていた。
無理に自分に言い聞かせようとは思わなかった敏男だが、まずは本当にこれから憧れのあのオバサンとエッチが出来るのか…それが何よりの心配であった。
それともう一つ、上野と一緒にいたオジサン。上野が神田先生と呼んでいた学者風のオジサンだ。あの人が上野が考えてる作戦や大塚の事なんかも知ってる口振りだったのは、ちょっとした驚きだった。そういえば話の途中で、この人が“サイインザイ“とか言う薬を作ったと上野から聞かされた事を思い出していた。そんな便利な薬のおかげでオバサンとエッチが出来るのかと思うと、お礼を言わないといけないのかなと、思ったりもした。ーーそんな事を横になりながら考えていると、カチャッとドアの音がした。
「おい大久保、連絡があった。もう直ぐ上がって来るぞ」
上野がニヤニヤしながら入ってきた。敏男はついに来たかと、ブルルと緊張に身体を震わせた。
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「下の部屋で俺が先に一発 嵌めてくるからよ」
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上野の射るような視線に言葉を失う敏男。”穴兄弟”…その言葉の意味を暫く考えたが、直ぐに由美の身体が浮かび、それは早苗へと変わっていった。
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そう告げて上野は、直ぐに出て行ってしまった。
早苗は部屋の中で立ち竦んでいた。
由美の痴態を覗いた時と室内の配置に変化はないようで。しかし早苗は、あの時とはまた違った緊張を感じている。隣にいる神田には以前、薬を飲まされ、生まれて初めて人前でセックスをしてしまっている。まさかそれが“免疫“と言うわけではないが、その後も己の痴態を何度か他人に曝してきた。そして今日もまた、この元恩師の前で自分の変わり様を見せる事になるのかと。
「ふふふ、早苗さん、素面のまま私の前で上野君に抱かれるのはまだ抵抗があるかな」
まさに早苗の心情を読み取ったかのように、神田が意味深に顔を向けてきた。
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「………」
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またも早苗は、奥底の真理を言い当てられ、一瞬の哀しみに襲われた。しかしそれは、覚悟と諦めを改めて意識させられたに過ぎなかった。
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改札から自宅側のロータリーに降りて、優作は歩いていた。しかし、少し行った所で何かを思い出したように立ち止まると、踵を返した。
駅の反対側に向かって、何度か入った事のある喫茶店を目指した。家に戻って母親と顔を合わせる事に抵抗があった。それは、気恥ずかしさとも言えるし“罪“の意識もあったからだ。高田由美は何よりも母親の知人であり、考えてみれば小学校時代の同級生の母親でもある。優作はなるべく、早苗の顔を見るタイミングを先延ばしする為に、時間を潰す事にしたわけだ。
カウンターで又もアイスコーヒーを頼んでしまい、それを持って席を探した。無意識に知ってる顔がいないか見回して、そそくさと席に腰を下ろした。
スマホを手に取り出しメールを開けば、あれ以降敏男からの物はない。少し時間を空けて、明日にもう一度謝罪のメールをしようと思った。それでもダメなら明後日の月曜日かと考えて、アイツはこのまま予備校を辞めてしまうのか…そんな考えが頭の中を過ぎていった。
コーヒーを口に運びながら、優作はふと思った。今日の“体験“…敏男との仲がこれまで通りなら、自分はアイツにその出来事を話しただろうか…恥ずかしがりながらも、どこか自慢気に…。敏男の好み…それは俺の母親…という事は遥か歳上の中年の女性。と、すれば俺も似ているのか?。優作はそんな事を思い付いて、改めて自分の性癖を意識した。あの一室で見た由美の裸体。それは間違いなく“肉感的“であった。
頭の中を巡る中年女性の卑猥な画像。ネットで覗いたあの淫靡な世界を現実で直視した感慨。しかし…優作は頭を振ってそれを忘れなければと思った。勿論、勉強の事があるし、敏男の事も気に掛かる。
明日、もし敏男と連絡が付かなかったどうしようか。上野が現れてから最近の二人の間には微妙な空気が生まれていた。そんな中での敏男からの相談…。そんな考えが廻っていた時、大塚の顔が浮かんだ。優作は、会って相談してみようかと思った。
軽い食事を追加して、優作はスマホを手に取った。開いたアドレスは大塚のものだ。アドレスは先日、学校に訪ねた時に交換している。
さて、どういう風に相談をしようかと考えたところで、とりあえず明日の都合を聞いてみる事にした。もし、時間を取って貰えるならどこかでお茶でもと思ったのだ。
ヌケサク先生…と打ったところで、それを消して打ち直す。
《大塚先生 先日はありがとうございました。それで突然ですが、明日の日曜日、時間があれば会えませんか。また相談なんです》
優作は2度ほど文面を読み直し、送信した。
暫くたつと返信が来た。
開けてみれば短い一行だ。
《お母さんの事?》
優作が直ぐに返す。
《いえ、母のその後は大丈夫です。相談は敏男の事なんです》
返信を打って優作は思い出した。そういえば小学校を訪ねた帰りに、大塚の車の助手席に敏男(らしい)が乗っていた事を…。
今度はすぐに返信が来て、暫くの間メールのやり取りが続く事になった。
《敏男君がどうかしたのかい?》
《はい、実はアイツ予備校を辞めようと考えてる気がするんです。最近、昔の知り合いと再会して、ソイツに悪い道に引きずり込まれてる気がします》
《悪い道?それは心配だね。その知り合いというのは、どんな人物なのかな》
《僕とも同じクラスだった奴なんですが、ソイツは一応現役で大学に受かってて。けど軽いところがあって、不健康そうな奴なんです。たぶん付き合うと、悪い方に敏男を引き込むと思うんです》
《悪い遊び友達って感じなのかな? わかった。けど、明日は都合が悪いから月曜日はどうかな》
優作は月曜日?と思ったが、その日が祭日である事を思い出した。そして直ぐに返信をした。
《分かりました! 時間と場所は合わせますので、決めて下さい!》
次の返信には、時間と指定されたファミレスの名前が書かれていた。優作はそれを確認してスマホを閉じたのだった。
パンツ1枚の姿で、大塚がメールを閉じる。その横では真知子が下着を着け終えたところだ。
「貴方、誰からのメールだったの」真知子の声は既に落ち着いている。
その声に一旦閉じたメールを見せる大塚。
「…ああ、息子君ね…」小さな呟きをして、椅子に横たわる姿態に目を移す真知子。
椅子にはグッタリとした早苗の姿があった。その表情は先程から魂が抜けたようで、まるで白痴のようでもある。
「早苗さん、今日は突然で悪かったね。真知子のカミングアウトもあったし、僕らの本当の姿を見て貰うのには良いタイミングかと思ってね」
「……….」
「…それにさ、本当の君の姿も神田先生や“彼”から聞いていたし…」
ゆったりとした素振りで服を着ながら、大塚が話を続ける。
「それと、今日の事は君の彼..“主様(あるじさま)”にも報告しておくね」
そこまで告げた大塚の口元にはまだ、異様な歪みが残っている。
早苗は椅子に沈んだまま、大塚夫婦の動きを傍観していた。その目は二人の姿が玄関の方に消えた後も、暫く虚(うつろ)なままだった。
その後どの位の間、座ったままそこに居たのか自分でも分からなかった。早苗が立ち上がったのはインタフォンの音に気づいた時だった。
現実に引き戻され、覗いたモニターに見えたのは宅配便の青年の姿。
手ぐしで簡単に髪を整え、自分の衣服を確認する。それから玄関で荷物を受け取った。
荷物をテーブルの上に置くと、床の汚れが目についた。それは、あの夫婦が残していった汗と唾液と牡精が混ざった情痴の痕だ。
早苗は暫く立ったまま、濡れた床を見つめていた。股間の奥には自身の濡れも認めている。心の中では嘆きの炎が燻(くすぶ)っている。早苗は尿意を我満するように、腿と腿を擦り合わせた。そしてゆっくり、服を脱ぎ始めた。
全てを脱ぎ終え、素っ裸になった早苗。瞼の裏には快楽に溺れる夫婦の残像が視える。その早苗の表情(かお)に、病的な翳が落ちていく。
徐に足幅をとって、両の膝を軽く外側に張った。そして、ガニ股開きした股間に手を伸ばした。
「はあぁ…ん…」
指は軽く“ソコ\”\”に触れただけだったが、それでも声はハッキリと上がった。眉間に皺(シワ)が寄って、指は導かれたように深く侵入を試みた。
「んはぁっ」
朱い唇が微かに開いて、そこから甘い吐息が落ちていく。
足の指がグッと床を噛みしめ、身体の律動を支える。それに呼応するように腰が揺れ始めた。
女穴からは液体が婬汁となって、指を伝わり滴り落ちていく。
やがて、身体の揺れに耐えきれなくなったのか膝は折れ、早苗は床にへたりこんだ。
吐息を静かに吐きながら、身体はゆっくり四つ身の体勢へと向かった。
尻を上げて股間の辺りを意識する。誰かが…それは若き主(あるじ)の視線なのか、早苗は服従の意識でソコを拡げる。羞恥の意識は内側から震えを誘い、確かな弛緩を身体にもたらした。早苗の指はその震えに応えるように突起にたどり着いた。
その瞬間「んぁッ、イイーっ」部屋中に叫びが響き渡った。
自らの叫びは情欲に油を注ぎ、指の動きは直ぐに激しさを増した。そして乳房をユサユサ揺らしながら、身体は四つ身のまま後ろに進んだ。
動物が敵から後ずさるようなその姿は滑稽であった。が、早苗の意識は別の快楽を欲していた。尻の割れ目が求めたのは、ソファーの角。その出っ張りに股間の中心を押し当てた。そして、女穴を中心にアナル、痴豆と擦り付けた。
恥など感じる余裕などなく、これでもかと割れ目を角に擦り付けた。
獣のように四つ足で床を噛み、背中は弓を張ったように反り上がる。早苗はその態勢のまま一度目の絶頂を迎えようとした。
「んぐっ、イッ、イグウッ!」
下顎が震え、吐き出された叫びはまだ、満足に遠い。
意識の中にある若き主との情交を意識して、割れ目を再びソファーの角に強く圧し充てた。
「あぁんっ」
鋭敏になった性器は更なる激しさを求めていた。ヌルヌルになったソファーの角部分を己の膣穴に迎え入れようとした。尻で円を描きながら、何とか快楽を増すようにと願う。口からは何の憚りもなく、悲鳴のような声が溢れ続く。
「いいッいいッ、もっと!」
一度目の絶頂から早くも次の頂きが訪れた。
腿は震え、早苗はそのまま崩れ落ちそうだ。目は白目に代わり、口元からは唾液がツーッと落ちていく。
アッアッアッと小刻みに顎が震えた後に、ウアァッと短い嬌声が上がった。そして身体は崩れ落ちた…。
カエルが潰れたような格好で、突っ伏した状態。やがて、朦朧とした意識が戻ったのは又も玄関のインタフォンが鳴った時だった。瞼に霞が掛かった気分でモニターを覗く。映し出された姿に、えっと声が上がった。
呆気に取られた早苗だったが、直ぐに頭の中を冷静な風が吹いた。
(そうだったわ…)
今日は近所の小学生に勉強を教える日だった。息子が小学生の頃から続いている勉強会である。今年度の日程はまだ正式には決まってない中で、今日の土曜日は月曜が祭日の為に特別に設けた日だったのである。
うぅんと咳払いをしてモニター越しに「ちょっと待っててね」と、話し掛けた。
早苗は急いで和室部屋と向かった。手には脱ぎ散らかしていた洋服や下着がある。シャワーも浴びたい所だが、その余裕もなく慌ててワンピースを身に着けた。一旦洗面所に入り髪型を確認する。胸周りと股間が軽く感じるのは、下着を着けなかったからだ。待たせてはいけないと言う焦りの気持ちのまま、目についたタオル1枚持ってリビングへと戻った。
今日来た子供達は3人。全員が6年生の男子生徒。早苗は急いで汚れた床を拭いて、急いで子供達を招き入れた。
テーブルにノートや筆記用具を置く。早苗はパソコンは使わない。
子供達は学校の教科書を広げて、一応準備は整っている。今日いる生徒のうち、1人は初めての子だ。その大人しそうな子を横目に冷蔵庫に向かった。飲み物を用意しておくためだ。
ペットボトルを取り出した時、ティッシュが落ちている事に気がついた。それを拾おうと腰を屈めた瞬間、ジュクリとアソコの濡れを感じた。
背中は子供達の方に向いている。早苗は中腰になり、そしてゆっくり尻を突き出した。
子供達はみな、それぞれの問題集を覗いている。早苗は尻が突き出たその格好のまま動けない。臀部を幼い視線に犯されたいのか、膨らみは緊張を覚え、汗ばんできた。
突き出た臀部を意識しながら、子供達の様子を伺った。すると、子供の1人がこちらを向いた。あの大人しそうな子だ。早苗はその子の視線を尻に受け止めた。
腿の内側が震え、股間の辺りがジンジンする。
席について挨拶をすると、”その子”と視線が交わり、下半身がゾクリとした。
早苗はソロリと胸元を覗いてみた。上から一つ、二つとボタンに手を掛けた。なぜ、こんな事をするのか自分でも分からない。
開いた谷間を覗いて見た。膨らみの先が尖っている。早苗は服の端を引いて、尖りを生地で擦りつけた。
その瞬間、またも股間の奥がキュンとして、思わず座り込みそうになった。
「先生、大丈夫ですか」
「先生…」
頭がボオっとして、目の前が膜に覆われた感じだ。
子供達がこちらを見上げている。1人の目はキョトンとしている。もう1人の目も、何があったのかと戸惑いの目だ。1人だけが俯いている。あの大人しそうな子だ。その子を意識しながら、そちらを向き直った。早苗のその目には、病的な色が浮かんでいた。
早苗は胸元を覆い隠しながら頭を振った。
「ご、ごめんなさい。ちょっと頭がクラっとしたから…顔を洗ってくるわね」
そう告げて廊下に向かった。
洗面所に入った早苗は、顔を洗ってフーッと息を吐く。
(…こんな事じゃダメなのに…)
鏡の中の顔を見ながら、自分を叱咤しようとする。しかし、頭の中には淫靡な波が広がっていく。
鏡を見つめながら、胸の膨らみにそっと手を置いた。
「あぁッ!」
瞬間的に電気が走り、身体は沈み込みそうになり、早苗は化粧台の淵に手を付いて、なんとか身体を支えた。
その時。
コンコン。
その音に一瞬、ビクっとして「…はい…」と、上がったのは、か細い声だ。
「あのぉトイレ、借りていいですか」返ってきたのは、こちらも細い声。生徒の1人だ。
そっとドアを開けて、早苗はその子を見た。あの大人しそうな子だ。
初めてのこの家で、礼儀正しく断ってからトイレを使用しようとしているのがよく分かる。
早苗は廊下に出て、トイレの前まで歩いた。背中に感じる視線…いや、その視線は下半身に集中しているのではないか。意識はそんな妄想に襲われている。
トイレの前で「ここよ」と掛けた言葉は熱を帯びたように震えていた。
恥ずかしそうにして、ドアを閉めるその子の顔を見ると、モヤモヤと身体まで熱くなってきた。はぁっとタメ息のような声を漏らして、足はフラフラと和室部屋に向かった。
部屋で手に取ったのは、風呂上がりに着るガウンだった。ワンピースを脱いでそれを着た。下着は何一つ着けていない。ガウンの下は素肌のみ。
なぜ、こんな真似をしているのか早苗にも分からない。
足音を殺してトイレの前へと戻ってみる。ちょうどその子が出てきたところだ。
「…ねえ君…ちょっと来て…」それだけを言って背中を向けた。
再び廊下を行く早苗の背中は、先ほど以上に視線を感じている。
ガウンに着替えた事を、この子はどう思っているのかは分からない…。そのガウンの下では、肉体が熱の高鳴りを溜めていた。
「ここで…」
小さい呟きを零して、早苗の足が止まった。
振り向いた早苗の目には戸惑いの顔が映った。
頭の中は黒い雲に覆い尽くされている。
トロ~ンとした目でその子を見つめる。
「………」
早苗の手がお腹の前辺りでクロスされ、ガウンの端が掴まれた。そして…。
パッと開かれた両手。
同時に朱い唇が「はぁぁん」と泣く。
身体に微かな清涼を感じた。
乳房が解放を味わいブルルと震えた。
両の膝が外側に張って、痴毛の辺りが心地好い。
尻の割れ目を閉めると、アソコがキュンと疼いた。
閉じられていた目をユックリと拡げてみた。薄く開かれたその目に、なんとも言えない子供の顔が見えた…。その瞬間、早苗は味わった事のないオルガスムスを感じていた…。
優作が家に帰ったのは、結局夜の8時過ぎだった。
早苗には帰宅の予定時間はメールで報せている。それに対する返信は無かったが、特に気にする事もなかった。
しかし…。
玄関を開け、リビングに入った瞬間ムッとして、すえた臭いが鼻を付いた。ここに来て急に気温が上がったからか。
優作はキッチンに行って、見た。コップや皿が積まれたままである。それでも悪臭などは特に感じない。それよりも…。
優作は気配のしない母親の事が気になって、廊下に出た。向かったのは1階の和室だ。
和室の引戸扉はピタリと閉じられていた。その扉の前で優作は緊張を覚えて少し戸惑った。
何日前だったか、夜中に目が覚めてここに立った。その時の扉は少し開いていた。そして、恐る恐る覗いた。あの夜、母は布団の上を一糸も纏わないで姿で横たわっていた。
優作は扉にそっと手をやり、静かに開けてみた。目に映ったのは眠る母親の姿。その姿態は…と、目を凝らせば服は着たままの様だ。優作はホッとする自分と、どこかで気が抜ける自分を感じて静かに扉を引いた。
2階に上がり着替えを済ませた。母はあのまま朝まで寝るような気がして、まずはシャワーを浴びる事にした。
浴室の前で服を脱ぐと思い出した。今日、俺は女の人の前で裸になったのだと。人間なら誰もが必ず通る道の一歩なのだが、その相手は遥か歳上で、しかも母親の知り合いで同級生の親。1日中繰り返される葛藤。罪の意識と平行してあるのは、自身の性癖の気付きだ。何日か前から見初めた…見初めてしまったネットの画像は間違いなく中年女性の物ばかりだ。
気づけば優作の右手は、股間の物に触れていた…。
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その頃、渋谷家…。
自宅のリビングでボンヤリしていた優作は、思い出したようにスマホを手に取った。
アイツ…敏男の事は明日、大塚に相談する事にはなっているが、今日の内に連絡がついて謝罪の気持ちを伝える事が出来ればそれに越した事はない。そう考えながらメールを開いた。
昨日、何通も送ったものへの返信はない。よほど傷つけてしまったのだろうと思いながら打っていく。
《敏男へ たびたびでスマン。本当に悪かったと思っている!お前の進路の事は俺も心配してる。とにかく一度連絡をくれないか。頼む!》
送ったメールを一度読み返し、スマホをテーブルに置いておく。返信が来れば直ぐに分かるようにと、目に付く所に置いておく。
それから特に何もする気にならず、座ってボオっとしていた。テレビは点いているが頭には入ってこない。そのまま2、30分たった頃だったか、突然インタフォンが鳴った。
来客の予定はない筈だから、宅配便だろうと当りを付けてモニターを見た。
そこに写った人の姿に、首を傾げた。
「…こんにちは…」モニター越しに聞こえた声は、映像通りの幼い声。
一瞬、子供を使った新手の宗教の勧誘かと思った優作だったが、次の言葉で頭の中に“何”と言う文字が浮かんだ。
「早苗さんはいますか」
暫くこの少年…間違いなく少年…の顔を見ていた優作だが、直ぐに気がついた。
「あ、勉強会の」と言ったところで、向こうからも「はい」と聞こえてきた。
それにしても、母親の事を先生ではなく\”\”さん”付けで呼んだこの少年。幼い顔立ちの中身は大人びているのか、優作はこの少年にちょっとした興味を覚えた。
優作はモニター越しの会話を止めて、玄関まで行ってみる事にした。
ドアを開けて迎え入れる。目の前に現れたのは、パッと見、高学年。そう判断しながら訊いてみた。
「えっと、母さんはいないんだけど…何かご用ですか」
思わず出た優作の敬語にも、その少年は特に反応を示さない。
そして「そうですか…あの…」と口ごもり、俯く。何かに迷っている雰囲気だったが、顔を上げると優作を見つめてきた。優作は何故かその目にドキリとした。
「早苗さんと約束したんですが…」
「…ええっと何を…」
二人は玄関で向かい合っていた。見下ろす格好の優作に見上げるその少年。
少年は優作の目を真っ直ぐに覗いてくる。
と、その時、優作は思い出した。今朝の早苗の言葉『~タナカ君の両親が何か言ってきたら…』
「ひょっとして君、タナカ君?」
「はい、そうです」
「……」
母が予期していた事と少し食い違いがあるのかと思いながら、優作は思案した。
その少年ーータナカ君が、優作を見つめながら続ける。
「今日は早苗さんに”又来てって”言われたから、来てみたんです」
「ん~っと、それは御両親と一緒にって事じゃないの…」
母からの伝言と辻褄を合わせようとして、優作は“御両親”と言う言葉を出してみた。
しかし、少年は「いえ違います」と、落ち着いた声。
「…てことは、君1人でって事?…」
「はい、その時 僕と早苗さんしかいなかったんで」
よく分からないな、と言った顔で優作が腕を組む。
「勉強会は君一人だけだったの」
「いえ、3人でした」
「…でも、母さんと二人だけの会話をしたんだ」
「いえ、会話と言うよりか、早苗さんの方から言ってきたんです」
「ん~今一よく分からないなぁ。この家の中での話しだよね。その時は何処にいたのかな」
優作は痒い所に手が届かない気分。少年は淡々としたペースで話す感じだ。
「廊下です。廊下で早苗さんと二人切りになったんです」
「…廊下ねぇ。そこで母さんが君に又来てって言ったんだ」
「ええ、又来てって言ったのは“その後”なんですけど」
「その後?…って事は、廊下で何かあって、その後に母さんが又来てって言ったって事?」
「はい」
「ふ~ん、何があったの?3人に問題を出して、君が分かったって手を上げて、他の二人に答えを聞かれないように母さんが廊下に呼んだとか」
優作はもう、めんどくさくなった気分で訊いてみた。
しかし少年は真顔で続けた。
「いえ、それも違います」
「ん~あのねぇ…いったい何があったのかな」
イライラが募った声に、少年は少年らしく身じろぎした。しかし、落ち着いて云った。
「バスローブ」
「は?!バスローブ?バスローブがどうしたの」
「…早苗さんがバスローブを開いたんです」
「バスローブを開く?バスローブってあれだよね、風呂上がりに羽織る…」
少年が黙って頷いた。
「バスローブを着て勉強会をしてたって事かい」と、優作の顔に苦笑いが浮かんだ。
「いえ、普通の服だったんですけど、僕がトイレから出ると、バスローブに着替えてたんです」
「………」
「それで、廊下の端まで歩いて…そこで…」
「…そこでどうしたの」
「はい、早苗さんがそのバスローブをパッと…」
「パッと…?」
「パッと開いたんです」
「?…」
「そうしたら、何も着てなかったんです」
「は!?…何も着てない?」
「はい、素っ裸だったんです」
「………」
優作の頭の中は、一瞬空白になった。そして、少ししてから少年の言葉を復唱した。
バスローブ。
素っ裸。
その瞬間、まさかと何かが瞬いた。知らずにゴクっと唾を呑み込んだ。そんな優作を目にしながら、少年は続けた。
「それで、その後に又来てって言われたんです」
「それって…」
「うん…また見に来てって事だと思います」
“はい”が“うん”に変わり、その如何にも初(うぶ)な表情に、優作は初めて目の前の少年を子供らしいと思った。
優作はその後、少年がいつ帰ったのか思い出せない。思い出そうとすると『失礼します』と言って、玄関を出ていった後ろ姿が微かな記憶としてあるだけだ。
いつの間にかまた、リビングのソファーにボオっと座っていた。
頭の中では言葉が回っている。
『素っ裸だったんです』
『パッと』
『バスローブを』
フラりと立ち上がり、洗面所に行ってみた。その次は和室部屋。昔からの両親の寝室。
その和室の部屋にある洋服箪笥。優作はそれを開けて覗いてみた。幾つものハンガーに吊るされた服を見ていく。やがて目に付いたのは、水色のバスローブ。
優作はそれを手に持ったまま、暫く立ち竦んでいた。
そんな優作の頭にもう一度少年ーータナカ君の後ろ姿が浮かんできた。その姿から首だけがクルリと回って振り向く。能面のような顔が見つめてくる。優作は急に寒気を覚えて、ブルルと震えた。
(なんか最後は不気味な感じがしたなあ…。魔少年か…)
…この日、早苗が帰ってきたのは、深夜近かった。
その帰宅の時も、優作は自分の部屋に籠っていた。顔を見る気も起きず…いや、見てもどんな顔をすればいいのか分からず、悩みを先送りする内気な少年に戻って、寝たふりをしていたのだ。
早苗も優作に声を掛ける事もなく、シャワーを浴びた後は、直ぐに寝室に入って、そのままのようだ。
優作はずっとベッドで横になっている。
早朝勉強の為に早寝の習慣が付いた今でも、この夜はなかなか眠る事が出来ない。
優作はもう何度と繰り返した昼間の様子を、もう一度思い浮かべてみた。あの少年ーータナカ…君の言葉。
バスローブ。
素っ裸。
また見に来て。
優作には、あの少年が嘘をついてるとは思えなかった。物静かで落ち着いていて、どこか霊的な感じがしたあの少年。
母が今朝方言った『~タナカ君の御両親が何か言ってきたら…』あれは、早苗自身が身に覚えのある“何か”に対して覚悟を持っていた証拠ではないか。と言う事は、やはりタナカ…君が言った事は本当の事…。
何度目かのタメ息を吐き出し、顔を振った。
明日は敏男の事で大塚に相談する日だ。先日のメールでは、《母のその後は大丈夫です》と伝えていた。しかし…話しの流れで母親の事も相談しようか…と思い付いたところで、由美の顔が浮かび上がってきてハッとした。
ひょっとしたら、知らないところで由美から早苗に連絡が行ってるのではないか。そこには、貴女の息子と関係を持ってしまった。そんな懺悔があって、それで母はショックで息子の顔も見たくないのでは。しかし、タナカ君の事はどう絡んでくる…?
由美と優作、そして由美と早苗。それに早苗とタナカ君。頭がこんがらがってくる。
むくりとベッドから立ち上がって目を瞑った。何故か想い浮かんだのは、大塚の顔。
そこで優作は心の中で祈った。
(大塚先生、明日お願いします。助けて下さい!)
寝室の早苗ー。
身体は確かに疲れている。
しかし、頭の中はハッキリとしていた。
家に入る前には\”男”の臭いが付いていないか、自分の身体を嗅いでみた。
2階の部屋には灯りも見えず、息子ーー優作が寝てくれている事に少なからず安堵して、鍵を取り出していた。
シャワーを浴びた時間は短かった。心のどこかに、浴室の音で優作を起こす心配もあったからだ。
しかし、洗面所の鏡を覗くと暫く、その姿から目が離せなくなった。鏡越しに気にしたのは、情恥の痕の事。鬱血のような口付けの痕はないし、打たれた痕も残っていない。振り返って鏡に映して臀部も見たが、そこにも痕は残っていないようだった。
それよりも感じたのは、身体がより肉感的になった気がした事だった。
乳房は巨(おおき)く上向きになっている…気がした。下腹はそれなりに脂が付いて少し垂れ気味であったが、腰が張っているので括れの感じが良い味を出している…と思った。臀部も全体的に上付きに、以前より張り具合が良くなった感じだった。
・・・早苗は今夜、家に着いてからの事を思い返して、寝返りをうつように壁の方を向いた。
一時は肌の張りを衰えたと感じた時期もあったが、大塚の依頼を受けてから自分の身に起こった出来事ーー今も続いているーーによって若返った気がしている。
そして今では、道徳心よりも本能が幅を効かせていた。息子の親友である大久保敏男が現れた時は、さすがに驚いた。しかしあの時は既に、この身体は肉の悦(よろこ)びに支配されてしまっていた。一線を越えた時、自分は一匹の牝に変わったのだ。そんな現実を思い返すと哀しみがある。しかし…敏男は”牡”で、自分はただの\”牝”なのだ。あの時にソレを実感して、本能に全てを任せる女になってしまったのか。
明日もまた御主人様ーー上野に呼び出しを受けている。先ほど明日の目的地の住所がメールで送られて来ていた。
ふうっと息を吐くと、身体がブルルと震えた。明日の性宴の想像に心が震えたのか。
その時、早苗は気づいた。身体に昼間の情恥の痕跡があっても良かったのだ。この身体を見るのは、早苗の“牡(おとこ)”だけなのだから…。
敏男は自分の部屋から上野に電話を掛けていた。
たった今までメールで今日の礼を云っていたのだが、想定外の話が出たので電話に切り替えたのだ。
『…どうしたんだよ大久保』
向こうからは、いつもの飄々とした声が聴こえてきた。
「上野よぉ、明日の場所だけど何でヌケサク先生の家なの?それに優作もって…」
敏男の語尾に被せるように上野が『ああ悪い悪い。早苗とは今日の部屋で落ち着いてオマンコしたいのは分かるけどよ、大塚さんから話を聞いてさ、明日、優作ちゃんが家に来るらしいんだわ。何でもお前の進路の事で相談があるとかでよ』と、淡々と喋りながらも“進路”の所に笑いを含めていた上野。
「………」
『でな、短小包茎君が来るなら、アイツの前で早苗とオマンコするところを見せてやっても良いかなって閃いたんよ』
「お、おい、お前それは…」まずいだろ、と言葉は途切れたが、向こうには伝わったようで。
『…お前、俺がアイツの事、気にくわないと思ってるの知ってるよな』
シレっとした声で改めて言われて、敏男は「ああ…」と、呻くように返事をした。
『よしよし、それでな、この機会にお前の出番で早苗とオマンコやって、アイツの前で奴隷宣言を又やらかそうって考えたんよ』と告げる声には笑いが戻っている。
『お前もアイツには劣等感と言うか、面白くないもんを感じてたんだろ。ちょうど良い機会じゃん。それによ、息子の前で自分の本性を曝したら、早苗も逆に安心してお前の物になるぞ。なんせ隠れて会う必要がなくなるわけだからな』
ゴクリ…上野の言葉の意味を感じ取ってか、敏男の喉が鳴った。
「………」
『ん~どうした大久保』
敏男の沈黙の意味など深く考えず、上野が続ける『それにな、神田のオジサンにも新しい仕事の計画があって、それに“野郎”の人員が足りてないんよ』
(?…)
『アイツと由美がオマンコしてる所もビデオに撮ってたじゃん。何ならそれも脅しに使って、アイツも支配下に置いてやろうって考えたわけ』
「し、支配下…何なんだそりゃ…。それより、優作の前でオバサン…いや…早苗とエッチしたら、間違いなく俺、アイツに殺されるよ…」
『………』
敏男の怖じけの声を聴いて、上野が黙り込んだ。敏男はその沈黙に嫌な感じがした。
と、その時…。
『…じゃあ、俺が犯(や)るわ。渋谷が見てる前で、俺が早苗とオマンコするわ』
アッサリと告げられた声に、「えっ!」と、敏男の口から大きな声が上がった。
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やがて「わ、わかったよ、やる、犯(や)ります」
『………』
敏男の決意の宣言の後は、またも沈黙が生まれた。それから暫く経って聴こえてきたのは嬉しそうな声だった。
『ふふん、まぁそう言うだろうと思ってたけどよ。まぁ早苗は良い女だから、しっかり物にしろよな』
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『それとな、明日も一応黒マスク、アレも用意していくわ。短小包茎君がお前らの正体に気づくかどうかは、明日のお楽しみだな。もちろん素顔で犯(や)ってもいいけどよ』そう言って最後は機嫌良さそうにしていた上野。敏男は逆に緊張が増していく気分だった。
スマホを切ると、困り顔の敏男。
明日…優作の前で…アイツの母親と…。
あぁッくそっ、明日は酒でも呑んでいくか…。
一体どうなるんだよ明日は…あぁ神様…。
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股間に顔を埋め、大きく息を吸う。確かな匂いを嗅ぎとって、敏男の身体が粟立っていく。そして顔を上げると、その卑猥なショーツを奪うように剥ぎ取った。
敏男は夢にまで見た早苗の身体…その肉厚に頬ずりしながら体臭を嗅ぎ、舌を這わせ、揉みしだいた。
朱い唇からは「あぁッいいッ!」と想像以上の鳴き声が上がっていく。敏男はその声に興奮を覚え、更に気を入れた。
感泣の声は物凄く、その成果が自分の手…いや、舌?…よく分からないが、敏男はとにかく喜びを感じていた。そして…。
(さぁよく見せてよオバサン…)
心の声を投げ掛け、両方の掌を拡げた足の付け根辺りに当てた。
(あぁ見てやる!オバサンのアソコをじっくり見てやるんだ!)
敏男は黒マスクを着けた時から、声を出さないようにしていた。特に上野からの注意はなかったが、素顔を曝して声を聞かれるのには抵抗があったのかもしれない。
それと、自分は素顔は見せずに相手の正体は知っている…そんなシチュエーションにも興奮を感じていたのかも知れなかった。
よしっと心で頷き、掌に力を入れた。 “その”部分を拡げて顔を近づけた。初めて拝む憧れの女(ひと)の…。
と、思ったところで、ん!
マスク越しに見えるのは…赤黒い…?
どうガン見しても、ハッキリとは分からない。
(ああっもう)
演出に一役かっていた筈のこの黒マスク。それは間違いないが、目の部分は確かに前が見えずらい。
仰向けになった乳房の隆起は良く分かる。
喘ぎの声も聞こえる。
しかし、その秘密の部分が…。
頭の中で先ほどの上野の言葉を思い出す。
『~素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりして…』
「んああッーー」
突然唸り声を上げ、自分を鼓舞した。
狂え!
狂え!
狂え!
その瞬間、大きな手が早苗のマスクに向かった。
首を締めるように下顎に手をやって、布と皮膚の間に指を入れた。そのまま口から鼻の方へと剥いでやった。
現れたのはベットリ前髪が掛かった女の顔。マスク越しに分かるのはそんなところで、敏男は早苗の様子を伺う余裕もないまま、自分のマスクに手をやった。
マスクを外した敏男は、意を決して早苗に素顔を曝す。さぁ見てくださいよと、顔を近づけた。
敏男を見上げたその目は、まだ焦点があっていない。敏男は早苗の顔にへばり付く前髪を乱暴に振り払った。
ゴクリ…唾を呑み込む音が、自分の耳にもハッキリと聞こえた。その音に早苗の目が静かに開いていく。
やがて二つの目が重なり合って…。
その瞬間「いやぁーーんッ」信じられないような大きな声が上がった。
その叫びは敏男の背中を押した。
そうなんだよ!
俺はどうせ悪役なんだ!
悪役は悪役らしく、その身体をメチャクチャにしてやる!
「ヒーーーヒッヒッ」
奇声を発して敏男がムシャブリついた。
「オバサーン、オバサーン、優作のオバサーン」
アソコを思い切り拡げてやる。その赤黒いグロテスクな生き物を見届け、しゃぶり付く。その次は唇、そして胸房へ。そして又、胸からアソコへと唾液を撒き散らす。
先程から硬度を携えていた肉の棒は、秘密の泥濘を探し当てた。肉棒はそれだけが別の意識を持った生き物のようになっている。その先っぽが入口を捕らえたのだ。早苗の目がこれでもかと拡がって、敏男の顔を凝視した。
トシオクン…声のない唇の動きを確かにそう認識して、敏男の口が異様な形に歪んだ。
「そらッ」
「あうっ!!」
ソレは見事に泥濘を突き刺した。後はひたすら腰を振るだけだった。組伏された女は、抱きしめられながら爪を立ててきた。
上野の言葉が甦る。
そうなんだ、この女(ひと)はオマンコしたかったんだ!
誰のチンボでも良かったんだ。
けど…。
けど、俺の物で、俺の女(もの)にしてやる!
「どうだオバサン!」
「あーーっ」
「俺のチンポは!」
「ウアアア…」
「どうなんだよ。ちゃんと答えろよ!」
「んんッッッ…い、言えない…言えないわッ」
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「もっとハッキリ!」
「いやんッ、許してッ!」
「ダメ!好き者のくせによ!」
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「オラ!オラ!どうだ!」
「いいッ…いいのよ」
「もっとーー」
「いいッいいッ、いいのよとっても!」
「誰のがーー」
「いゃあんッ」
「言えーー」
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巨体から一斉に汗が噴き出すのを感じた。その感触に、敏男の目が血走った。
「そら、もっと欲しいだろ。欲しかったらオネダリしてみなよ。嫌らしい声で言ってみろ」
「んああッ、いいッいいッ、ちょうだい…ください…もっとして!」
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自分自身の言葉にも煽られ、敏男の腰は更にエグい動きを繰り返した。
「ああんッ、いいのよ、敏男君のオチンポが」
「バカ!オバサンは変態なんだからオチンポなんて上品な言い方するんじゃないよ!」
喘ぎの声を吐き続ける早苗。それに応える敏男の興奮も上がっていく。
「抜くぞ!ちゃんと言わないと俺のチンポ抜くぞ。欲しくないのかよ!」
「いやッいやッ、止めないで。ちょうだい。お願い!」
「じゃあ言えよ!宣言しろよ!」
「ああっチンポよ!アタシの好きなのはチンポよ!敏男君のチンポ!」
「んがーーッ」
雄叫びのような声を上げて、敏男のソレがこれでもかと抉り込んだ。
「いくッいくッ、敏男君、気持ちいいッ!」
「んぐぐ」
射精の近づきを感じて、敏男は鏡に目を向けた。何とか我慢しようと、静かに息を吐く。
敏男は呼吸を整え、冷静に次の攻めを考えた。
二つの身体の結合の部分。敏男の手が早苗の内腿を押し広げて、腰を少し引く。目に付く結合の箇所を見ながら、肉の棒を半分くらい抜いて息を継ぐ。
片方の肢を器用に押し曲げて、次に早苗の脇腹に手を入れた。かと思うと、クルリと回した。ソコとソコが繋がったまま、後背位の格好(かたち)へと導いたのだ。
敏男の目は張り出た巨尻を見下ろす。その真ん中辺りには巨大な臀部には似合わない小さな不浄の門。そこを凝視して、敏男の表情(かお)が歪んだ。
(まだだ。その穴はまた今度…今日はお預けだ)
いつかの“ソコ“での交わりを想像しながらも自分に言い聞かせる。
(今日はマンコだ。こっちの穴で完全に俺の物にして…その次だ)
敏男は気を入れ直して、犬の格好になった早苗を攻め始めた。
牡の象徴がぶつかる度に、弾むように揺れる尻(ケツ)。喘声が止む事はない。
「おらっ、どうだオバサン」
「あぁッあぁッいいのッ」
「ちゃんとどこがいいのか、言えよ!」
大きな掌が巨(おおき)な尻(ケツ)を一打ちした。
「あぁーマンコよ、アタシのオマンコよっ」
そんな卑猥な声を吐き出す顔は、敏男の方からは見えない。けれど確かな、苦悶の表情を浮かべる事が出来て、更に腰に力が加わっていった。
と、敏男は思いつき、前屈みになって早苗の頬に手をやった。
「オバサン見てみなよ鏡を」
朦朧とした顔を鏡に向けてやる。
「見えるだろ、俺とオバサンがセックスしてる姿」
「いゃあーんッ」
「へっ何がいゃぁんだ、さっきから感じまくってるくせによ」
「あぁッそうなのよ、感じてるの!」
鏡の中の女を見ながら、早苗は己の被虐の癖に酔うように堕ちていった。
獣の格好の自分を犯しているのは、子供の頃から良く知っている男。その逞しい“男“に逝(い)かされる自分の姿を鏡越しに認め、その敗北の意にさえも快感を覚えていた。
「ああっ凄い!凄すぎる!凄すぎるわ敏男君!」
「どうだーいいだろ俺のチンポは!」
「あぁーはい!いいです!凄くいいです!」
「もっと欲しいか!どんな風にしてほしいんだ!」
「もっとズコズコしてッ!早苗のオマンコ虐めて!」
「んがーッ」
腰を振る敏男の巨体が、一瞬血の気の引きを感じて、それから震え出した。
早苗の口が、自らを“早苗“と呼んだ。その言葉を確かに耳にした瞬間、敏男は憧れの存在を我が物にしたと思ったのだ。
その朱い唇からもっと卑猥な言葉を吐かせてやる。
高鳴る興奮を覚え、敏男の顔がますます歪んでいく。
「早苗ーーっ、見えるぞ!俺のチンポがマンコにズッポリ入ってる所がマル見えだぞ!」
「ああッはい!気持ちいいです!」
「出すぞ!欲しいか!俺のが!」
「はい!出して!出して下さい!」
「どこだ!どこに出して欲しい!」
「マンコ!アタシのマンコに!アタシのオマンコに出して下さい!」
「こら!鏡に向いて言え!嫌らしい自分の顔を見て言うんだよ!」
敏男の掌がふたたび巨尻の面(つら)をバシッと打ちつけた。「あぁんッ」と鳴いて、早苗の顔が鏡に向く。
鏡を見つめる早苗の目。
早苗の頭の中に己の声が聞こえてくる。
嫌らしい顔してる…。
感じてる顔…蕩けてる…。
アタシ…こんなスケベな顔してたんだ…。
鏡の中の顔が揺れてくる。
地響きのように下から揺れてくる。
敏男の腰が、それまで以上に激しさを増してくる。
「うっうっ、く、くるっ!」
「うらあっ!」
「ひっ!いっいぐッ!」
「どうだ!」
「いっいきます!早苗 いきます!」
「出すぞ!」
「はい!下さい!早苗のオマンコにいっぱい出して下さい!」
早苗は鏡の中の自分の顔をしっかり見つめながら、敗北の宣言をした。その宣言は、これまで感じた事のない快楽そのものだった。
最期の瞬間に自分がどんな言葉を吐いたのか記憶がない。どんな表情で逝ったかも分からない。ひょっとしたら誰にも見せた事のない歪んだ表情(かお)をしていたかも知れない。それでもそんな事など、どうでもいいくらいの悦楽を感じていた…。
崩れた背中の上で、覆い被さった巨体の鼓動が鳴っている。今、自分を桃源の世界に運んだ男の息づかいを確かに感じている。
やがて…寝息のようなものが零れ始めた…。
鏡の向こうでは、半ば感心に上野と神田が二人の様子をずっと見守っていた。
「やるなぁアイツ。途中でマスクも取っちゃうし」
「うんうん、ここまでやるとは、私もびっくりじゃよ」
「じゃあ“例の“新しい仕事にスカウトしますか」
「ん~そうじゃなぁ、人員も足りておらんし、この子ならやってくれるかもな」
窓ガラスの向こうでは、うつ伏せに突っ伏した早苗。そして、その身体に崩れ落ちたまま荒い息を吐いている敏男。
神田は二つの塊を優しげな目で見ながら、満足げに頷いていた…。
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入口のドアが静に開き、男が二人入ってきた。上野が敏男を連れて戻って来たのだ。
緊張気味の顔の敏男に、神田が声を掛ける。
「やぁ敏男君、やっと君の番が来たね」
「………」
覚悟を決めてここまで来たはずであるが、この部屋のどこかに早苗がいると思うと、敏男の小さな心臓は爆発しそうになる。
「ん、どうした大久保」
上野が敏男の様子を見て、聞いてきた。
「あぁうん…本当に大丈夫かな…」
「は?!大丈夫かなって、今更どうした?ひょっとして緊張で勃(た)ちそうにないとか」
今にも噴き出しそうな顔で上野が訊いた。
「い、いや、そっちはたぶん大丈夫だと思うけど…本当にやっちゃっていいのかなぁ…って」
「ああ~何を今さら」
笑いながら上野が、チラリと視線を神田に向ける。その視線を感じて、神田は敏男に向き直った。そして、ふんふんと頷いた。
「敏男君、君の心配も分かるが早苗さんはね、実は長い間、欲求不満を溜め込んでいたんだよ。考えてみなさい、女として1番油の乗ってる時に、旦那さんが単身赴任でいなくなったんだよ」
「………」
「本人はそれを隠して、近所の小学生の相手をしたり、自分の子供の心配をしたりしてるんだ。自分では気がつかないうちに、ますます不満が溜まっていってるんじゃよ」
「………」
「私達はね、そんな中年の女性の為に色々とやってるんだ。君も大塚君夫婦の事は知ってるだろ。あの奥さんも君と関係が出来て喜んでおる。そう思わないかい」
「…ああ、はい…思います…」敏男は暫く考える素振りをしたが、ハッキリと頷いた。
「うんうん、切っ掛けはどうであれ、犯(や)ってしまえば向こうも喜ぶんだよ。分かるかい敏男君、早苗さんは今、若い男が欲しくて欲しくてしょうがない状況なんじゃ」
「ほ、ほんとうですか!」
いきなり敏男の目が、これでもかと広がった。
「ああ、本当さ。なあ上野君」
神田の言葉に、今度は上野が敏男の目を覗き込んできた。
「だから心配するなって前も言ったじゃん。俺は早苗をいっぱい抱いて、それを確かめたんだから。アイツは俺以外のチンポも欲しがってるんよ」
「ああ…本当に本当なのか…」
「ああ、保証する。それに早苗は、俺の言う事なら何でも聞くって宣言したし。けど、俺じゃなくても切っ掛けがあれば、誰とだってオマンコしたと思うぜ」
「………」
「まあ、お前としたら、清楚なイメージに惚れたと思うけど、人妻なんて心のどっかではいつも男を欲しがってるんよ」
「ん…う、うん…」
「へへっ、それを今から確かめに行こうぜ」
「…あ、ああ…」
敏男の苦し紛れの返事にも、上野は笑みを返した。
「それとな、ビデオに撮るから一応コレを用意しといたからよ」
そう言って上野が、ソレを何処からか取り出して見せた。
「な、なにコレ…」
「へへ、全頭マスク」
「…ゼントウマスク?」
「そう、被ると相手からは正体が分からない。けど、こちらからは薄っすらとだけど見えるから大丈夫。呼吸も口の所はほら、開いてるし、鼻からもちゃんと息は吸えるしさ」
暫く黙ったまま手に持ってソレを見つめて、敏男が改まって聞いた。
「…ええっと、オバサンは今日の相手、俺って知らないんだよね…」
「ふふ、大丈夫だって。それどころか、これから俺以外の男とオマンコするなんて夢にも思ってないからよ」
「えっそうなの!」
上野の言葉で、敏男の目が驚きに拡がった。しかし「ふふ、部屋にいるのは欲求不満の中年女じゃ。君の“持ち物“は真知子君相手に充分に能力を発揮したし大丈夫じゃよ」
「…ああ…はい」
神田に返事をした敏男に、上野が囁くように続ける。
「俺はそんなに大した調教はしてないし。お前のアレをぶちこんだら一発だ。ヘナヘナになって、後はお前の言う事なら何でも聞く女になるさ。 “お母さん”ごっこでもいいし…けど、早苗はMの気を持ってるぜ」
「…うっ…ううう…」
「ふふ…デカイ尻(ケツ)を打(ぶ)ったりよ。露出プレイの奴隷にしてもいいしよ。それに…ふふ、アナルセックス。お前も上の部屋で犯(や)ったろ。アレを早苗と犯ったっていいんだぜ」
(ゴクリ…)
敏男の巨体が少しずつ震えてきた。それを見つめる上野と神田の目が期待に光を発している。そして敏男は、その黒マスクを手に取った。
「行こうか、色男」
マスクを手にした敏男の肩を、上野が叩きながら言う。
「まずは、こっちな」
二人が向かったのは例のスペース。
そこに入った敏男の目が大きな窓ガラス、そしてその向こう側に立つ人影を見つけ、足を止めた。
「うっ!」
一瞬の呻きを上げて、そのまま巨体が固まってしまった。
「大丈夫だって、これが神田先生自慢の魔法の鏡だ」
「魔法の鏡?」
「そうじゃよマジックミラー。こちらからは見えるが、向こうからは鏡にしか見えない優れものじゃ」
神田の声が後ろから聞こえ、その声に敏男はぎこちなく頷いた。
「…ほ、ほんとうに向こうからは見えてないの」
心細そうな声で呟いて、敏男は息を呑んだ。
「ほら、安心してよ~く見てみろよ」
上野の言葉に敏男は止まった足を再び動かし、窓の際まで近づいて行く。
見えてきたのは、同じ黒マスクを被った女。
あぁ、なんなんだ、あの格好は…。敏男の視線の先にいるのは、エロ雑誌の表紙、そしてネットで見てきたエロ画像と同じ種類の女。
敏男はゴクリと唾を飲み込み、抉るように窓ガラスの向こうを覗き込んだ。
「それにしたって…」
一人呟き、敏男が更に顔を窓に近づける。そして目に力を入れた。
暫く向こう側の女を見つめ、敏男はギリリと首を上野に向けた。上野は敏男のその表情だけで、一瞬のうちに何を聞きたいのか察知して「ああ、コレがそうさ。うん、間違いなくこの変態チックな下着を着けてるのが早苗」と、あっさりと告げた。そしてニヤリと頬を歪め、続ける。
「お前の憧れで、親友渋谷優作のお母さんだよ」
(…うあああ…)
「ふふ、敏男君、さっきも言ったけどこの女は欲求不満を溜め込んでおる。この格好がその証拠じゃよ」
「………」短い沈黙の後で、敏男の顎がコクリと縦に揺れた。
「へへ、そうこなくっちゃ」
今度は嬉しそうな声で上野が続ける。
「さてと、そろそろマスク着けろよ」
上野は敏男の大きな肩を叩き、そして、顎でドアに促した。
早苗はベッドの前で、先ほどから同じ姿勢で立ち竦んでいた。
マスク越しに覗く目も、だいぶ暗さに慣れて、今は鏡に映る自分の姿がなんとか分かる。
その姿…乳房を覆うのは頼りないくらい小さな物。膨らみの上半分が零れ落ちそうで、今にも全てが顔を露(あらわ)しそうな状態。ショーツは足の付け根から横腹に急な角度を伴った物で、その後ろ側は一本の線が割れ目に食い込むように前へと繋がった言わゆるTバック。選んだ色は黄色い蛍光色で、それがちょうど今は、この薄暗い中で浮かび上がって見える。サイズも全体的に小さく、窮屈さを感じる身体を一層肉圧的に魅せている。
早苗自身もなぜ、こんな下着を選んだのか分からない。あえて自分に問うと、夫のSMチックな性癖を認めた頃の影響かも知れない。あの頃、夫に勧められたのは原色の黒や赤の物で、ショーツはTバックもあったと記憶していた。それらも子供の成長とともに穿く機会はなくなっていったが、今日この下着を選んだのは、被虐の自分を妄想してしまったからか…。
早苗はふと、鏡の向こうに気配を感じた。
…と、思った瞬間、この部屋のドアが開かれた。
早苗の顔が反射的にそちらを向く。
マスク越しに分かったのは上野。そしてその後ろに…。上野より頭半分くらい大柄な男性が一緒に入ってきた。
「オバサン、お待たせ~」
あくまでも飄々(ひょうひょう)とした感じで、声が近づいてくる。早苗は咄嗟に肌を隠すように、両方の手で自分の身体を抱きしめた。
早苗の仕種に気がついて「ああ、コイツ?」と、上野が問う。
「安心して。…あのね、コイツは俺の穴兄弟」
「え?!」
「そう穴兄弟。コイツね、由美ともオマンコしてるんよ。だから俺と兄弟なんよ」
「あぁ…」
「因みに…オバサンは俺とオマンコした仲だから、由美とは竿姉妹って事になるのかな」
そう告げて笑いもしない上野。その横で敏男が、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「そう言うわけで、今からコイツとオマンコして貰うわ。んで、俺は見学。分かったかな」
(あぁ…そんな…)
予想もしなかったまさかの命令に、早苗が頭(かぶり)を振った。
「嫌だ嫌だって思ってもね、身体は正直なんだよね」
上野が近づき、腕を掴んできた。そしてグイッと身体を引き寄せたかと思うと、早苗の後ろに回り、胸の膨らみをムギュっと鷲掴んだ。
胸房に圧が加わってくる。そしていつも通り煽りの言葉が襲ってきた。
「さっきは中途半端だったから、一人でオマンコ弄って待ってたんじゃないの」
「あぁんッ」
「欲しくて欲しくて仕方ないんだよね、アレが」
耳元で言って上野は、視線を敏男に向ける。
「ほら」
顎をしゃっくたのは敏男に向けてだったが、早苗の方も感度を表した。胸を揉まれるまま背中を上野に預けて、その身をくねらせる。
敏男の方はアイコンタクト…でもないが、上野の目線を感じると、決心して服を脱ぎ始めた。
生まれたままの姿になった敏男は、一度大きく息を吸って鏡を見た。そこには初めて目にする怪しい男…全裸に黒マスクをした巨漢の男がいる。
マスク越しにその姿を視ていると、如何にもの悪役に思えてきた。
(くそッ…俺はデブだし、綺麗な女(ひと)とは、しょせん釣り合わないんだ…)
隣で「あぁんッ」と甘い声がした。ハッと振り返って見れば、上野の目が何かを語りかけている…気がした。
ほら、この女、感じてるだろ。
俺以外の男がいるのに、こんな甘い声を出しやがってよ。
コイツは欲しがってるんだよ。
早く犯(や)ってやれよ。
お前のそのデカイのでヒーヒー言わせてやれ。
なぁ大久保。
…そんな上野の声を感じた気がして、敏男は心の中でよしっと気を入れた。
上野も直ぐに察知したのか、敏男を見ながら早苗の胸から手を離す。そして敏男と入れ替わるように巨体の後ろへ回った。
「俺は向こうから覗かせて貰うわ」
小さな声を敏男の耳元で囁き、上野がニヤリと笑う。そして、今以上の小さな声でもう一度囁いた。
「それとそのマスク…外したくなったら外してもいいぞ。けど、素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりしてな」
その言葉を挑発と取ったのか、それでも敏男は黙って頷き返した。敏男も腹を決めているのだ。
早苗の顔が、上野の後ろ姿を見送るのを見て、敏男は近づいた。そして、白い肩に手を掛ける。
咄嗟に身を固くした早苗。敏男はその身体を引き寄せる。そしてそのまま抱きしめ、唇を奪いに出た。
うわぁ….その甘い唇の感触に敏男の中に電流が流れた。抱きしめた身体は思っていた通り膨(ふく)よかで、それだけで感動を覚えてしまう。
下腹の辺りで互いの恥毛が触れあうのを感じては、身体が熱くなった。背中に回していた腕は、夢中に早苗の臀部を撫で回している。
みるみるうちに巨大化する牡の象徴。その膨らみが早苗の腹を押すと、頭に血が昇ってきた。
そうだ!俺はコレで真知子さんをヒーヒー言わしたんだ。
由美さんだって、誉めてくれた。
オバサンだって!
そんな事を一瞬に想い、敏男の舌は早苗の口奥へと侵入を始めた。
マスク越しからも、早苗が眉間に皺を寄せたのが窺えて、敏男はその貌(かお)をもっと快楽に歪めてやると気を入れた。
敏男は唇を離すと、いきなり早苗のブラを引き剥がした。
巨(おおき)な乳房が現れる。その先には尖り立った雷。夢にまで見た膨らみを認めて、いきなりムシャブリ付いた。
早苗の身体は敏男の重みを受け止め、ベッドになだれ落ちた。その重みに身体は強張ったが、いきなり乳房を舐られると快感が一瞬のうちに身体中へと拡がっていった。
見ず知らずの男の攻めであったが、悲しいかな身体は興奮に震え出した。
若き情人に開発された身体。眠っていた性感を思い出させた情人の手管。その手腕で目覚めた身体が、素直な反応を示してしまったのだ。
早苗は覆い被さる巨体を無意識に受け止めていた。そして、膨らみの先をしゃぶる男の頭を強く抱きしめた。
あぁん、あぁんと甘い声が舞っていく。
敏男は体臭を確かめるようにと、鼻を擦り付けながら下腹部を目指す。
その刺激的なショーツの所で止まり、息を整え、顔を上げた。
黒マスクのぽっかり開いた口元で紅い唇が震えている。敏男は僅かな自分の攻めにも、早苗が興奮しているのだと思うと、巨体が熱くなるのを感じた。
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ベッドに腰かけた態勢から、敏男は大きく伸びをした。そして「ああー」っと声を上げた。
立ち上がり、檻の中の熊のように、右に左に動き回る。その度に口からは、「ああっもうっ」と、唸り声が発せられる。
先ほど姿を見せた上野は直ぐに出ていき、今ごろはこのビルの何処かの部屋で早苗と一緒にいる筈なのだ。その二人を想像すると、胸が掻きむしられる想いがする。その苦しみから逃れようと、奇声が発せられるのだ。
別の部屋ーー。
ドアの開く音がして、早苗は振り向いた。
入ってきた上野の視線に、ドキリと鼓動が跳ね上がる。上野の方はいつものように飄々(ひょうひょう)した感じだ。
「お待たせしました~」
その言葉尻は一応、目上の神田に対するものだったのか、それでも敬意が隠(こも)っているとは思えない調子で軽く頭を下げる。
神田の方も慣れたもので、コクりと頷いただけで、早苗の表情を観察するように直ぐに視線を戻した。
「じゃあ先生」
上野が神田に了解でも取るかのように会釈したが、その様子は緊張の欠片もない。そしてそのまま早苗に近づいて「ふ~ん、なかなかミニもいいじゃん」そう言って視線を剥き身の腿に寄せた。
「………」
黙り込む早苗の横顔を暫く見下ろし、上野がスッと腕を取ってきた。
「…待ち人もいるし、さっさと始めようかな」
待ち人?…一瞬何の事だか分からなかった早苗だが、上野はチラリと神田に目配せした。
「うんうん、後の事は任せなさい」
神田の言葉に、早苗の腕を握る上野の手に力が入る。そして奥の部屋へと向かった。
電気が点く。
マジックミラー…これで、この部屋が向こうから覗かれるようになったわけだ。
大きな鏡には、緊張した女の姿が映って見える。早苗は向こう側に神田がいる事を意識したのか俯いてしまう。その神田は部屋の二人を確認すると、手慣れた動作でビデオの設置をし始めた。
「…オバサン」
肩に軽いタッチで手が触れたかと思うと、唇が襲ってきた。
あぁっ…声が漏れる間もなく、早苗の唇は上野のものに塞がれていた。突然の感触は、トロリとした柔らかいものだった。
これまでの上野との交わり、その激しさの中で幾度も唇を奪われてきた。そして、それに応えるように吸い返した事も何度とあった。しかし今、早苗が感じているのは、これまでにはない甘いものだ。
ベッドに上野が腰を落とす。だらっと手を後ろに付けて、足を投げ出す。そのリラックスした格好のまま早苗を見上げた。
早苗は今ほどのキスの余韻を引きずっているのか、緊張の面持ちが続いている。
「オバサン、緊張してんの?」
小バカにした感じの声はリラックスされていて、しかも歳上の女性をいたぶるような響きも含まれている。
「さって、今日は色々やる事があるから、早速始めましょっか」
そう言って上野が立ち上がる。そして、早苗のスカートに手を入れたかと思うと、ショーツの上から土手に触れてきた。
「アッんッ」
鳴きの声で早苗の眉が歪んだ。
上野の指は、土手から沈むように隠筋へと向かう。
切ない表情で早苗が上野に嘆きの視線を返す。上野はその瞳の中に何を見たのか、クククっと含み笑いをすると指を抜き、その手で剥き身の腿を軽く叩いた。
「じゃあオバサン、脱いで貰おうかな」
いつものぶっきらぼうな口調にも、早苗は不安げに頷く。そして、チラリと上野を覗き見てから、胸のボタンに手をやった。
「ああ、俺の方 向かないで。最初は鏡の方 向いて」
それは、鏡の向こう側にいる神田に対するサービスのつもりなのかは分からないが、早苗は従順に背中を上野に向けると上着を脱ぎ始めた。
上着からブラジャーへと渡り、乳房が露になる。スカートに手をやったところで一瞬その手は躊躇した。が、直ぐに動き出す。
パタリとスカートが落ちると、声が飛んだ。
「今度はこっち」
またもぶっきらぼうな声で呼ばれ、振り返った。声の主が見つめている。身体の痺れが広がっていった。
「どうしたの?最後の一枚脱がないの?」
ニヤツく上野。しかしその目は、笑っていない。
泣きそうな顔を一瞬見せた早苗だが、直ぐにショーツの端に手をやった。
ショーツを静かに床に落とすと目を瞑り…しかし微かに上野を覗いて唇をキュッと結んだ。
一糸も身に纏わない全裸姿を曝すのももう何度目かの事だが、改めてのこの無防備の状態。しかも、静寂を感じながらの披露は、羞恥の心を一層高めるものだった。
「後ろ」
今度は冷たい声が飛んできた。
「あぁ…恥ずかしい…」
そんな声をあげながらも、素直に背中を向けた。
披露したのは、上野に肉厚のある臀部。向こう側の神田には胸の膨らみと恥毛。
「うんうん、相変わらず良いね」
その誉め言葉にも、早苗には自身のこの身体…脂のついた中年の身体を卑下された気がしないでもない。しかし“彼“がこの身体を乱暴に扱いながらも、愛してくれた記憶が確かに存在しているのだ。
「さてと」
上野が改まる。
「………」
不敵な笑みを浮かべながら上野が立ち上がった。早苗に近づき、グニュっと胸の膨らみを鷲掴む。
「ハァん…」
艶色の声が部屋に響いた。しかし上野は、そんな声には興味も示さず、片方の手を早苗の臀部に回したかと思うと、ピシッと一打ちした。早苗はその痛みにも、蕩(とろ)けた顔を鏡に曝した。
「もう少し足 広げて」
「………」
「そう、その位でいいよ」
「………」
「そのまま前屈みになって、両手を鏡に付けて…」
「………」
「そう、そのまま中腰」
「………」
「尻(ケツ)は少し突き出す感じで」
「………」
「ああ良いね。…うんうん、丸見えで卑猥な感じ」
「あぁ…」
鏡の向こうでは、神田が三脚で立てたビデオの横で、先ほどから嬉しそうな目をして佇んでいた。その目は、服従を誓った女の成長に喜びを浮かべる目だ。
「どれどれ」
耳元に声が近づいてきた。若き主がアタシの“持ち物“を確かめようとしている。主の物を迎え入れる準備が整っているかを確かめようとしているのだ。一瞬の間に早苗はそんな事を理解して、そして“あの部分“を意識した。
あぁ…濡れているわ…。
間違いなく…。
そう思えると、内腿から股間の辺りが高ぶりに震えてきた。
あぁ…お願いします…。
心で哀願の意を決して、早苗は気を張った。しかし…肩越しに聞こえたのは「時間ないからさ、すぐ挿(い)れちゃうか」と、淡白な声だ。
そしていきなり、巨(ふと)い物がヌボッと侵入してきた。いつの間にか上野が、自慢の肉棒を取り出していたのだ。
「ああーーッ」
早苗は一瞬の”ソレ”で絶頂に導かれた。そして、続けざまにパンパンと尻に圧が加わるともう、意識は遠のき、頭の中は真っ白な霧に包まれた。
朱い唇からは無意識に逝き声が零れ続き、その逝き顔は鏡の向こうからビデオに切り取られている。
上野はもの凄いスピードで腰をぶつけてきた。
早苗の頭の中で光が爆発する。身体は痙攣を起こし、膝が崩れそうになっている。しかし、いきなり…。
「はい、休憩」
何を思ったのか、上野が動きを止めたのだ。
早苗の方は膣穴を埋められた状態で、なんで?と言った様子。
その早苗の背中に上野が訊いた。
「オバサン、続けてほしいよね」
「………」
「うんうん、それじゃあね…」
「………」
早苗の尻が物欲しそうに揺れてくる。
「オバサン…俺の言う事なら何でも聞くんだったよね」
その改まった口調に、早苗の顔が上野を振り反(かえ)った。見つめた目はトロンとしたままだが、瞳の奥には不安な影も浮かんでいる。しかし、刷り込まれた負の意識は服従に向かう覚悟をしていた。
「ふふん」
早苗の表情を肯定と判断して、上野が得意げに鼻を鳴らす。
「…じゃあ続きを」
「………」
「行くよっ」
その号令ともとれる声に、早苗は手足に力を入れ、腰に気をやった。
「おっ締まったぞ。じゃあ、このまま宣言してみよっか」
「………」
「それ!」と声を掛けながら、再び腰を振り始めた。
「ハぁーーんッ」
「よしっいいぞ!そのまま勢いで言っちゃぇ、奴隷宣言だ!」
ズボズボと出し入れが一気に増す。
「ほら、早く」
「ああーーッ、アッ、アッ、アタシは上野さんの玩具(オモチャ)です。何でもします!何でも言う事ききますッ」
まさに隷族の宣誓に、頬を緩めて上野が満足げに頷いた。しかしなぜか、早々とソレを引き抜いた。
「………」
上野が早々と一物をパンツにしまい、ファスナーを上げて、今度はズボンのポケットから何かを取り出した。
ソレは黒い布切れ?
朦朧とした早苗には、ソレが何か分からない。
「これ、被ってみて。これはね、ゼントウマスク。ゼンは全部の全。トウは頭。全頭マスクって言うらしいんよ」
たった今まで激しく腰を振っていた上野。その激しさからは、ほど遠い落ち着き払った声。
「SMチックでしょ。ほら、口元が開いてるよね」
早苗の朦朧とした様子などお構いなしに、ソレを広げて見せる上野。
「でね、目と鼻の所は薄くなってるから被っても見れるんよ、ちょっと見にくいと思うけど」
そして、ソレを早苗に渡そうとする。早苗は朦朧としたままソレを手に取った。
「じゃあちょっと行ってくるから。オバサン、買った下着も着といてね」上野はそう告げ、部屋の出口へ向かってしまった。
その場で一人になった早苗。燃え上がった身体はいきなり高見から落とされ、火種が燻ったままだ。満足のいかない身体はスッキリしない。
ふと、鏡を見る。今の痴態も覗かれていたのだ、と想いながら、その蕩(とろ)けた貌をコレで隠すのね…早苗はボオっとした頭でそんな事を考えながら、手にあるマスクを広げて見た。
黒いマスクを見つめてみれば、胸がキュンとなった。火種が息を吹き返す。気がつけば早苗は、マスクを頭に被せている。
マスクを着け終えた早苗は、鏡の前に立ち、その全景を眺めてみた。
確かに告げられたように目元は暗い。しかし、慣れてくると鏡の中に黒マスクの怪しい姿を認めていた。
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早苗は想う…この後の若き主の命令は何なのか?
恐らく…指示されるのは、想像もつかないような卑猥な行為か?
そんな妄想を受け止めようと考えると、身体がザワザワと揺れてきた。
胸の膨らみと腰が、ゆらゆらして扇情的なシルエットとなって鏡に映る。
手指がしなやかに己の身体を摩っていく。
妄想が拡がっていく。
どこからか手が伸びてきて、この身体をまさぐってくる。
幾つもの唇が身体の局部に舌を伸ばす。
生殖の器官が身体の全ての穴に侵入を試みてくる。
あぁ…早苗は早く快楽に溺れたいと思った…。
しかし…。早苗は一旦動きを止めると、思い出したように手提げの中から買ってきた下着を取り出した。
そしてソレを着け始めた。
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やがて、出来上がったのは全裸以上に卑猥な姿。
あぁ…それはマゾ奴隷…。
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日曜日の午前中ーー。
優作がポツリと座って、コーヒーを飲んでいる。ここは渋谷家のリビング。
今日も早朝勉強を一応何とかこなし終えて、一息入れているところだ。
朝の自宅の様子を思い浮かべてみる。母の早苗の様子は、どこかフラフラしてる感じで、おはようの挨拶にも力がなかった。
その母は優作が昨夜、帰宅した時は既に眠っており、そのまま寝過ぎで頭がボオッとしてるのかと思った。しかし早苗の方から、今日の予定の事を言ってきた。昼前には用事で出掛けるのだと。
そして『もしも留守中に、タナカ君のご両親が何か言ってきたら、戻りは遅くなると伝えて』と言われた。優作がタナカ君?と聞く間もなく、早苗は部屋に籠ってしまった。
何か言ってきたら…まるで、そのタナカ君ーーおそくら勉強を教えてる小学生ーーと何かトラブルでもあったのかと一瞬心配になったが、結局それ以上に会話は進まず、優作も部屋に籠る事にした。会話が弾んでいれば、昨日敏男と会ってどうだったのかと聞かれたかもしれない。
もし聞かれていれば、会えなくて1人でブラブラしてきたとでも言えばいいのだろうが、やはりその話題は避けたいところだった。まさか由美さんから『貴女の息子君と会ったのよ』なんて連絡が早苗の方に入っていないだろうか…そんな心配が消えないのだ…。
コーヒーのお代わりを採ろうとしてフッと思い出した。初体験をすると、自分の中で何かが変わって自信を付けたようになるとか。
しかし、優作にはそんな気が全く沸いてこない。その相手が禁断の存在、母親の友人だからであろうか。
明日の大塚への相談は敏男の事なのに、ひょっとしたら自分は、由美との“過ち“まで喋ってしまうのか…優作はそんな場面を想像して重い息を吐き出した…。
優作が自宅で耽(ふけ)ている頃、早苗はとあるショッピングモールに出掛けていた。この日の早苗は、珍しく丈の短いスカートを掃いている。このスカートも、この場所に来たのも、朝早く届いた上野からのメールでの指示だった。
昨日から…いや、このところいつも身体は何かを欲している。常に頭の中には上野の顔が浮かんでは消え、消えては浮かんでくる。その顔は飄々(ひょうひょう)としていて、時おり冷たい視線と嘲(あざけ)た笑みを浮かべるあの顔だ。そして、それに媚(こび)を売る自分を妄想してアソコを濡らしてしまう。
早苗は指示通りモール内のランジェリーショップに向かった。
店に入り、原色で派手目の品が置かれたコーナーへと進んだ。
上野からのメールの一文を思い出す。
《~俺が喜びそうなヤツを買ってきてね》
早苗は幾つか手に取ってみた。
上野の顔を思い浮かべれば、彼が喜びそうな物はこれかしらと考えながら選んでいく。
腰ヒモが付いた前を隠す部分の小さい物。
際どいハイレグと呼ばれる物。
Tバック。
それに、ほとんど下着としての機能を携えてるとは思えない物…そして、それとお揃いとされるブラ…そんな物までこの店は置いてある。
やがて早苗は、ブラとショーツそれぞれ二点をセットで決め、レジに向かった。
レジにいたのは若い女性店員。その彼女が品を確認すると意味深な目を向けてきた…ように早苗は感じた。
貴女のような女(ヒト)が“こんな“のを着けるの?
貴女、若い彼氏…いるでしょ?
ひょっとして、彼氏の言いなり?
貴女、調教されてる?
もしかして変態?
そう、絶対そうでしょ!
あぁんッ、と鳴きが入った時、声がした。
「どうもありがとうございました」
目を向ければ、優しそうな店員の顔があった…。
店を出た早苗はモール内を宛もなく歩いた。
人だかりを横切った時、周りの視線が露出された腿に感じた。その瞬間、足が竦んで股間にキュンと痺れが走った。
朦朧とした足取りで、何とか端に寄る。人波はそんな早苗に、好奇の目を向けながら通り過ぎていく。
早苗は壁に背中を預け、腿と腿を擦り合わせた。股間の奥の痺れがサワサワと広がっていく。身体はこのまま、この場所で絶頂を迎えたいと感じていた。しかし微かに残る自制の念が、足を進めさせた。
やがてたどり着いたのは、フードコートの一角。
怠そうに椅子に腰を降ろすと、こめかみを押さえて俯いた。
目がぼやけてきて、頭が重くなっていく。意識が遠のき、瞼が落ちてくる。
どこからか声が聞こえてきた…。
『脱げ…脱げよ早く…』
その声は天から降ってくる。
『早く卑猥な下着を着けてみたいだろ』
コクリと頷き、フラリと立ち上がった。
椅子を引き、ゆっくりスカートを捲り上げ、ショーツに手をやった。そして、下ろし始めた…。
痴毛が揺れている。
股間の辺りが心地好い。
下半身がモヤモヤと熱くなってくる。
淫部が痺れ、あぁッと声が漏れた。
『揉めよ』
また声が聞こえてきた。
片手で捲ったスカートを押さえ、空いた片手を胸の膨らみに置く。
『ほら、しっかり揉めよ』
『はい』従順な声で応えて、手に力が加わっていった。
『あぁ…いいッ!』
いつの間にか胸のボタンが外れ、膨らみが露になっている。
右手は夢中になって、淫芯を擦りつけている。
『んハアッ』
鼻の穴が広がって、荒い息が吐き出されていく。
身体が動かない。
『あぁッいやんッ』
両方の手で破り捨てるように上下の服を剥ぎだした。
床に落ちていく衣服。そしてランジェリー。
そんな事も気にならず、清涼を浴びた身体はブルルと震えた。絶頂が近づいてくる…。
『あぁッ、いッいきそう』
両方の指には更なる激しさが加わっていく。
『アッ、アッ、いッいきます!』
叫びと同時にガクンと頭が落ちた…。
・・・どこかで子供が泣いている。
・・・スマホが震えている。
その振動を感じながら、早苗の目が静かに開かれていった。
焦点がゆっくりと定まってきて、周りの気配が窺える。
視線がテーブルに向くと、スマホのランプが目についた。
頭を振って「ふぅ」と息を吐いた。
スマホを手に持って時間を確認すれば、意識を失っていたのは5分位かと。そんな事を思いながら、もう一度頭を振ってみた。
スマホを開いてメールを見る。上野からのものだ。
《約束の物、買ったよね。これから移動してもらうけど大丈夫かな》
そのメールを読み終えると直ぐに返信をした。
《はい。何処に行けばいいですか》
次に来たメールには記憶にない住所と時間が書かれていた。
早苗はその住所をアプリで確認して、行き方を調べてみた。このショッピングモールを出発する時間を頭に入れ、あと10分ほど時間を潰す事にした。
今ほどの“彼“からのメールを見た時から、心臓の音が少しずつ大きくなっていく気がする。その鼓動は下半身に伝わり、再びアソコが疼き始めてくる。
これから行く所が何処なのか分からない。けれどそこに“彼“がいるのは間違いない。
身体が期待に震えてきた。この何日間で植え付けられた、隷蔟の意識が反応を示しているのだ。
今日はどんな責めをされるのか?
今日はどんな命令を下されるのか?
それらに抗(あがな)いながらも堕ちていく自分の姿が浮かぶ。おそらく…いや、間違いなく末路は悦楽に媚をうるのだ。呆れられながらも、その冷たい視線にさえも快感を覚え、はしたない痴態をさらすのだと。
やがて、ショッピングモールを出た早苗は20分ほど歩いた。
視界の中にビル等の建物が目に付き始めた頃、気がついた。今歩いているのが、あの◯◯駅の方向だと。
目的地に着いた時、緊張を覚えながら改めて目の前のビルを見上げてみた。そう、”あの”雑居ビルだ。
随分と昔に訪れたような気がするが、それが何時だったか具体的には思い出せない。しかし、このビルのあの部屋で、由美の痴態…売春の様子を覗いてしまった事はハッキリと心の中に刻み込まれている。
早苗はゴクリと唾を飲み込み、スマホを手に取った。
《今、ビルの下に着きました》
送ったメールを確認して、佇まいを正す。この時間のこの街の雰囲気は、比較的落ち着いている感じがする。しかし…。
道行く人の視線を感じて思わず俯いた。目に映るのはスカートの裾。そこからムッチリした腿が剥き出しになっている。
頭の中で上野の口元が歪む。
『ショッピングモールに人がいっぱいいたでしょ。どうだった、太ももを露出して?』
『店からちゃんと歩いてこれた?途中で服を脱ぎたくなったんじゃないの?』
そんな声が聞こえた気がして、早苗の身体は武者震いをおこした。またも股間に電気が流れ、よろめきそうになった。
その時ーー。
「早苗君」
はっと我に帰り、振り向いた。
あぁ…溜め息混じりに出た言葉は「神田先生…」…驚きに泣きそうな声だ。
「久しぶりじゃな」
「……….」
目の前に現れたのは神田幸春。早苗や大塚の元恩師で、今はあの怪しげなサークル【華の会】の主催者。そして、その裏で売春組織を運営している人物。
その神田が早苗の様子など気にする事なく、いきなり話し始めた。
「…欲求不満の奥様連中に刺激を与える…上野君は、その手伝いを良くしてくれている。もちろん貴女の事も色々と聞いておる」
「……….」
「今日はお楽しみらしいね…。さぁ上に行こうか、君の“御主人様“がお待ちだ」
「…はい…」小さく声を溢して、早苗の顔が泣きそうになる。それは自分と上野の関係が今、どうなっているのか…それを目の前の神田に披露する場面を想像してしまったからである。
初めての過ちの時は“薬“があった。身体と意識が薬物に汚染されたという言い訳が出来たが、今は薬抜きの状態で隷蔟の宣誓をしている。そして今日も、若き主の前で恥を曝す自分を自覚している。
「さぁ」
神田が早苗の肩をポンと叩く。そしてエレベーターホールへと向かう。その後ろを早苗は、重い足取りでついて行った…。
“その“部屋の中で、敏男は緊張を覚えながら、ベッドに腰かけていた。あれはどの位前だったか、上野と偶然に再会して連れて来られたのがプレイルームと呼ばれるこの部屋だ。とは言っても、上野はこのビルの中に同じような部屋がいくつもあると言っていたから、この部屋があの時ーー初体験をした時の部屋なのかは分からない。今日、敏男は昨日の夜遅くのメールで、ここに呼び出されていたのだ。
ドテっと仰向けに倒れ、天井を見上た。そして、先程までいた上野とのやり取りを思い出す。アイツが既に優作のお母さん、早苗とエッチしたと告げた時はショックだった。しかし直ぐに『それも全部お前の為なんだよ』と言われた。『俺の言う事なら何でも聞くようになったからさ、俺がお前とオマンコしろって言ったら、ちゃんとするからさ』とか。
敏男は素直に納得出来なかったが、『大丈夫だって、お前とのセックスが良かったら、今度はお前の言う事なら何でもする女になるんだからよ。後はお前次第って事よ』…そんな言葉に結局はぎこちなくだが頷いていた。
無理に自分に言い聞かせようとは思わなかった敏男だが、まずは本当にこれから憧れのあのオバサンとエッチが出来るのか…それが何よりの心配であった。
それともう一つ、上野と一緒にいたオジサン。上野が神田先生と呼んでいた学者風のオジサンだ。あの人が上野が考えてる作戦や大塚の事なんかも知ってる口振りだったのは、ちょっとした驚きだった。そういえば話の途中で、この人が“サイインザイ“とか言う薬を作ったと上野から聞かされた事を思い出していた。そんな便利な薬のおかげでオバサンとエッチが出来るのかと思うと、お礼を言わないといけないのかなと、思ったりもした。ーーそんな事を横になりながら考えていると、カチャッとドアの音がした。
「おい大久保、連絡があった。もう直ぐ上がって来るぞ」
上野がニヤニヤしながら入ってきた。敏男はついに来たかと、ブルルと緊張に身体を震わせた。
「ああ、でもお前はまだ、こっちの部屋で待ってて」
「は?」
「下の部屋で俺が先に一発 嵌めてくるからよ」
「ええっ!」敏男の顔が一瞬に引き付った。
な、なんで…と呟いたところに、上野が顔を近づけてきた。
「ふふ、心配すんなって。俺達はもう穴兄弟なんだぜ」
上野の射るような視線に言葉を失う敏男。”穴兄弟”…その言葉の意味を暫く考えたが、直ぐに由美の身体が浮かび、それは早苗へと変わっていった。
やがて、仕方ないか…微かに漏れた言葉は上野には聞こえなかったようだ。だが、敏男の表情に納得したのか、上野がニヤリと笑った。
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そう告げて上野は、直ぐに出て行ってしまった。
早苗は部屋の中で立ち竦んでいた。
由美の痴態を覗いた時と室内の配置に変化はないようで。しかし早苗は、あの時とはまた違った緊張を感じている。隣にいる神田には以前、薬を飲まされ、生まれて初めて人前でセックスをしてしまっている。まさかそれが“免疫“と言うわけではないが、その後も己の痴態を何度か他人に曝してきた。そして今日もまた、この元恩師の前で自分の変わり様を見せる事になるのかと。
「ふふふ、早苗さん、素面のまま私の前で上野君に抱かれるのはまだ抵抗があるかな」
まさに早苗の心情を読み取ったかのように、神田が意味深に顔を向けてきた。
「相手が相愛の対象になったのなら、その想いも分からんでもないが、上野君の方からしたら大した事ではないだろうなぁ」
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改札から自宅側のロータリーに降りて、優作は歩いていた。しかし、少し行った所で何かを思い出したように立ち止まると、踵を返した。
駅の反対側に向かって、何度か入った事のある喫茶店を目指した。家に戻って母親と顔を合わせる事に抵抗があった。それは、気恥ずかしさとも言えるし“罪“の意識もあったからだ。高田由美は何よりも母親の知人であり、考えてみれば小学校時代の同級生の母親でもある。優作はなるべく、早苗の顔を見るタイミングを先延ばしする為に、時間を潰す事にしたわけだ。
カウンターで又もアイスコーヒーを頼んでしまい、それを持って席を探した。無意識に知ってる顔がいないか見回して、そそくさと席に腰を下ろした。
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コーヒーを口に運びながら、優作はふと思った。今日の“体験“…敏男との仲がこれまで通りなら、自分はアイツにその出来事を話しただろうか…恥ずかしがりながらも、どこか自慢気に…。敏男の好み…それは俺の母親…という事は遥か歳上の中年の女性。と、すれば俺も似ているのか?。優作はそんな事を思い付いて、改めて自分の性癖を意識した。あの一室で見た由美の裸体。それは間違いなく“肉感的“であった。
頭の中を巡る中年女性の卑猥な画像。ネットで覗いたあの淫靡な世界を現実で直視した感慨。しかし…優作は頭を振ってそれを忘れなければと思った。勿論、勉強の事があるし、敏男の事も気に掛かる。
明日、もし敏男と連絡が付かなかったどうしようか。上野が現れてから最近の二人の間には微妙な空気が生まれていた。そんな中での敏男からの相談…。そんな考えが廻っていた時、大塚の顔が浮かんだ。優作は、会って相談してみようかと思った。
軽い食事を追加して、優作はスマホを手に取った。開いたアドレスは大塚のものだ。アドレスは先日、学校に訪ねた時に交換している。
さて、どういう風に相談をしようかと考えたところで、とりあえず明日の都合を聞いてみる事にした。もし、時間を取って貰えるならどこかでお茶でもと思ったのだ。
ヌケサク先生…と打ったところで、それを消して打ち直す。
《大塚先生 先日はありがとうございました。それで突然ですが、明日の日曜日、時間があれば会えませんか。また相談なんです》
優作は2度ほど文面を読み直し、送信した。
暫くたつと返信が来た。
開けてみれば短い一行だ。
《お母さんの事?》
優作が直ぐに返す。
《いえ、母のその後は大丈夫です。相談は敏男の事なんです》
返信を打って優作は思い出した。そういえば小学校を訪ねた帰りに、大塚の車の助手席に敏男(らしい)が乗っていた事を…。
今度はすぐに返信が来て、暫くの間メールのやり取りが続く事になった。
《敏男君がどうかしたのかい?》
《はい、実はアイツ予備校を辞めようと考えてる気がするんです。最近、昔の知り合いと再会して、ソイツに悪い道に引きずり込まれてる気がします》
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優作は月曜日?と思ったが、その日が祭日である事を思い出した。そして直ぐに返信をした。
《分かりました! 時間と場所は合わせますので、決めて下さい!》
次の返信には、時間と指定されたファミレスの名前が書かれていた。優作はそれを確認してスマホを閉じたのだった。
パンツ1枚の姿で、大塚がメールを閉じる。その横では真知子が下着を着け終えたところだ。
「貴方、誰からのメールだったの」真知子の声は既に落ち着いている。
その声に一旦閉じたメールを見せる大塚。
「…ああ、息子君ね…」小さな呟きをして、椅子に横たわる姿態に目を移す真知子。
椅子にはグッタリとした早苗の姿があった。その表情は先程から魂が抜けたようで、まるで白痴のようでもある。
「早苗さん、今日は突然で悪かったね。真知子のカミングアウトもあったし、僕らの本当の姿を見て貰うのには良いタイミングかと思ってね」
「……….」
「…それにさ、本当の君の姿も神田先生や“彼”から聞いていたし…」
ゆったりとした素振りで服を着ながら、大塚が話を続ける。
「それと、今日の事は君の彼..“主様(あるじさま)”にも報告しておくね」
そこまで告げた大塚の口元にはまだ、異様な歪みが残っている。
早苗は椅子に沈んだまま、大塚夫婦の動きを傍観していた。その目は二人の姿が玄関の方に消えた後も、暫く虚(うつろ)なままだった。
その後どの位の間、座ったままそこに居たのか自分でも分からなかった。早苗が立ち上がったのはインタフォンの音に気づいた時だった。
現実に引き戻され、覗いたモニターに見えたのは宅配便の青年の姿。
手ぐしで簡単に髪を整え、自分の衣服を確認する。それから玄関で荷物を受け取った。
荷物をテーブルの上に置くと、床の汚れが目についた。それは、あの夫婦が残していった汗と唾液と牡精が混ざった情痴の痕だ。
早苗は暫く立ったまま、濡れた床を見つめていた。股間の奥には自身の濡れも認めている。心の中では嘆きの炎が燻(くすぶ)っている。早苗は尿意を我満するように、腿と腿を擦り合わせた。そしてゆっくり、服を脱ぎ始めた。
全てを脱ぎ終え、素っ裸になった早苗。瞼の裏には快楽に溺れる夫婦の残像が視える。その早苗の表情(かお)に、病的な翳が落ちていく。
徐に足幅をとって、両の膝を軽く外側に張った。そして、ガニ股開きした股間に手を伸ばした。
「はあぁ…ん…」
指は軽く“ソコ\”\”に触れただけだったが、それでも声はハッキリと上がった。眉間に皺(シワ)が寄って、指は導かれたように深く侵入を試みた。
「んはぁっ」
朱い唇が微かに開いて、そこから甘い吐息が落ちていく。
足の指がグッと床を噛みしめ、身体の律動を支える。それに呼応するように腰が揺れ始めた。
女穴からは液体が婬汁となって、指を伝わり滴り落ちていく。
やがて、身体の揺れに耐えきれなくなったのか膝は折れ、早苗は床にへたりこんだ。
吐息を静かに吐きながら、身体はゆっくり四つ身の体勢へと向かった。
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獣のように四つ足で床を噛み、背中は弓を張ったように反り上がる。早苗はその態勢のまま一度目の絶頂を迎えようとした。
「んぐっ、イッ、イグウッ!」
下顎が震え、吐き出された叫びはまだ、満足に遠い。
意識の中にある若き主との情交を意識して、割れ目を再びソファーの角に強く圧し充てた。
「あぁんっ」
鋭敏になった性器は更なる激しさを求めていた。ヌルヌルになったソファーの角部分を己の膣穴に迎え入れようとした。尻で円を描きながら、何とか快楽を増すようにと願う。口からは何の憚りもなく、悲鳴のような声が溢れ続く。
「いいッいいッ、もっと!」
一度目の絶頂から早くも次の頂きが訪れた。
腿は震え、早苗はそのまま崩れ落ちそうだ。目は白目に代わり、口元からは唾液がツーッと落ちていく。
アッアッアッと小刻みに顎が震えた後に、ウアァッと短い嬌声が上がった。そして身体は崩れ落ちた…。
カエルが潰れたような格好で、突っ伏した状態。やがて、朦朧とした意識が戻ったのは又も玄関のインタフォンが鳴った時だった。瞼に霞が掛かった気分でモニターを覗く。映し出された姿に、えっと声が上がった。
呆気に取られた早苗だったが、直ぐに頭の中を冷静な風が吹いた。
(そうだったわ…)
今日は近所の小学生に勉強を教える日だった。息子が小学生の頃から続いている勉強会である。今年度の日程はまだ正式には決まってない中で、今日の土曜日は月曜が祭日の為に特別に設けた日だったのである。
うぅんと咳払いをしてモニター越しに「ちょっと待っててね」と、話し掛けた。
早苗は急いで和室部屋と向かった。手には脱ぎ散らかしていた洋服や下着がある。シャワーも浴びたい所だが、その余裕もなく慌ててワンピースを身に着けた。一旦洗面所に入り髪型を確認する。胸周りと股間が軽く感じるのは、下着を着けなかったからだ。待たせてはいけないと言う焦りの気持ちのまま、目についたタオル1枚持ってリビングへと戻った。
今日来た子供達は3人。全員が6年生の男子生徒。早苗は急いで汚れた床を拭いて、急いで子供達を招き入れた。
テーブルにノートや筆記用具を置く。早苗はパソコンは使わない。
子供達は学校の教科書を広げて、一応準備は整っている。今日いる生徒のうち、1人は初めての子だ。その大人しそうな子を横目に冷蔵庫に向かった。飲み物を用意しておくためだ。
ペットボトルを取り出した時、ティッシュが落ちている事に気がついた。それを拾おうと腰を屈めた瞬間、ジュクリとアソコの濡れを感じた。
背中は子供達の方に向いている。早苗は中腰になり、そしてゆっくり尻を突き出した。
子供達はみな、それぞれの問題集を覗いている。早苗は尻が突き出たその格好のまま動けない。臀部を幼い視線に犯されたいのか、膨らみは緊張を覚え、汗ばんできた。
突き出た臀部を意識しながら、子供達の様子を伺った。すると、子供の1人がこちらを向いた。あの大人しそうな子だ。早苗はその子の視線を尻に受け止めた。
腿の内側が震え、股間の辺りがジンジンする。
席について挨拶をすると、”その子”と視線が交わり、下半身がゾクリとした。
早苗はソロリと胸元を覗いてみた。上から一つ、二つとボタンに手を掛けた。なぜ、こんな事をするのか自分でも分からない。
開いた谷間を覗いて見た。膨らみの先が尖っている。早苗は服の端を引いて、尖りを生地で擦りつけた。
その瞬間、またも股間の奥がキュンとして、思わず座り込みそうになった。
「先生、大丈夫ですか」
「先生…」
頭がボオっとして、目の前が膜に覆われた感じだ。
子供達がこちらを見上げている。1人の目はキョトンとしている。もう1人の目も、何があったのかと戸惑いの目だ。1人だけが俯いている。あの大人しそうな子だ。その子を意識しながら、そちらを向き直った。早苗のその目には、病的な色が浮かんでいた。
早苗は胸元を覆い隠しながら頭を振った。
「ご、ごめんなさい。ちょっと頭がクラっとしたから…顔を洗ってくるわね」
そう告げて廊下に向かった。
洗面所に入った早苗は、顔を洗ってフーッと息を吐く。
(…こんな事じゃダメなのに…)
鏡の中の顔を見ながら、自分を叱咤しようとする。しかし、頭の中には淫靡な波が広がっていく。
鏡を見つめながら、胸の膨らみにそっと手を置いた。
「あぁッ!」
瞬間的に電気が走り、身体は沈み込みそうになり、早苗は化粧台の淵に手を付いて、なんとか身体を支えた。
その時。
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その音に一瞬、ビクっとして「…はい…」と、上がったのは、か細い声だ。
「あのぉトイレ、借りていいですか」返ってきたのは、こちらも細い声。生徒の1人だ。
そっとドアを開けて、早苗はその子を見た。あの大人しそうな子だ。
初めてのこの家で、礼儀正しく断ってからトイレを使用しようとしているのがよく分かる。
早苗は廊下に出て、トイレの前まで歩いた。背中に感じる視線…いや、その視線は下半身に集中しているのではないか。意識はそんな妄想に襲われている。
トイレの前で「ここよ」と掛けた言葉は熱を帯びたように震えていた。
恥ずかしそうにして、ドアを閉めるその子の顔を見ると、モヤモヤと身体まで熱くなってきた。はぁっとタメ息のような声を漏らして、足はフラフラと和室部屋に向かった。
部屋で手に取ったのは、風呂上がりに着るガウンだった。ワンピースを脱いでそれを着た。下着は何一つ着けていない。ガウンの下は素肌のみ。
なぜ、こんな真似をしているのか早苗にも分からない。
足音を殺してトイレの前へと戻ってみる。ちょうどその子が出てきたところだ。
「…ねえ君…ちょっと来て…」それだけを言って背中を向けた。
再び廊下を行く早苗の背中は、先ほど以上に視線を感じている。
ガウンに着替えた事を、この子はどう思っているのかは分からない…。そのガウンの下では、肉体が熱の高鳴りを溜めていた。
「ここで…」
小さい呟きを零して、早苗の足が止まった。
振り向いた早苗の目には戸惑いの顔が映った。
頭の中は黒い雲に覆い尽くされている。
トロ~ンとした目でその子を見つめる。
「………」
早苗の手がお腹の前辺りでクロスされ、ガウンの端が掴まれた。そして…。
パッと開かれた両手。
同時に朱い唇が「はぁぁん」と泣く。
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乳房が解放を味わいブルルと震えた。
両の膝が外側に張って、痴毛の辺りが心地好い。
尻の割れ目を閉めると、アソコがキュンと疼いた。
閉じられていた目をユックリと拡げてみた。薄く開かれたその目に、なんとも言えない子供の顔が見えた…。その瞬間、早苗は味わった事のないオルガスムスを感じていた…。
優作が家に帰ったのは、結局夜の8時過ぎだった。
早苗には帰宅の予定時間はメールで報せている。それに対する返信は無かったが、特に気にする事もなかった。
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玄関を開け、リビングに入った瞬間ムッとして、すえた臭いが鼻を付いた。ここに来て急に気温が上がったからか。
優作はキッチンに行って、見た。コップや皿が積まれたままである。それでも悪臭などは特に感じない。それよりも…。
優作は気配のしない母親の事が気になって、廊下に出た。向かったのは1階の和室だ。
和室の引戸扉はピタリと閉じられていた。その扉の前で優作は緊張を覚えて少し戸惑った。
何日前だったか、夜中に目が覚めてここに立った。その時の扉は少し開いていた。そして、恐る恐る覗いた。あの夜、母は布団の上を一糸も纏わないで姿で横たわっていた。
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気づけば優作の右手は、股間の物に触れていた…。
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駅に着いた所で、優作は大きく息を吐き出した。身体は微熱があるかのように、高鳴りがまだ繰り返されていた。
振り返って、先ほどまで居たビルの方角を向いて、もう一度息を吐き出した。それから辺りを盗み見るように首を振ったのは“罪”の意識が生まれていたからか。
ロータリー沿いのカフェに目が留まって、そこに向かった。逃げるように飛び込んだのも、間違いなく人の目を気にしたからだ。
席に着いてスマホを手に取った。
メールを開けてみて、えっと驚いた。
《優作 俺も着いた。何処にいる?》
なんと敏男からのメールだ。
それから10分おきぐらいに続けざまに来ている。
最後の一通には《もう待ちくたびれた! 帰る!》とある。
優作は昼前にこの駅に着いてからの時間の経過と、自分の動きを思い出してみた。僅かな差で敏男と行き違ったのか?・・・そんな事を一瞬思ったのだが、今はそんな事より、頭の中は先程の“出来事“に占められていた。
注文したアイスコーヒーを持ってきた店員にも、俯いたまま応対してしまった。それも又、自分が犯した“罪”から顔を背けたい気持ちがあったからか。
遙か歳上の女性、しかも母親の友人。その女性、高田由美との出会いがなぜ起こったのか、その理由は説明が付かなかった。
優作はコーヒーを一気に半分ほど飲み、落ち着きを取り戻そうと思った。それでも直ぐに、あの一室での出来事が甦ってくる。唇はコーヒーの苦味を感じるのだが、あの感触は忘れていない。初めて唇と唇が触れた時の感触。紅い舌が口の中に侵入してきた時の感触。それに、下腹部が暖かい泥濘(ぬかるみ)に包まれた時の感触も覚えている。そして、自慰とは比べ物にならない程のあの時の感触。優作はもう一度由美の顔を思い出そうとした。しかし、浮かんでくるのは熟した肉体の方だ。
あの小部屋で見た由美の姿態。豊満な乳房に、それに続く下腹とその腰回り。あれこそ“肉感的“と今なら言えるが、あの時はただただ緊張を覚えるだけだった。
股間の翳りは濃く、それが物凄く嫌らしく見えた記憶もある。太腿の大きさも、あれが自分の好みと今ならハッキリと分かる気がする。そして、あの臀部。自分の中にある癖がどのようなものか知るよしもないが、あの割れ目に顔を埋めたいと思ったのは間違いない。
顔の辺りはまだ、熟した体臭に包まれている気がする。手にはあの膨らみを揉みしだいた感触が残っている。膨らみの先の突起をしゃぶった唇の感触も。
優作はゴクリと唾を飲み込んで、こっそり股間に手を置いた。この慣れ親しんだ大きさが“あの時“は異様に膨らみ、反そり勃っていた。
あぁ…っと静かに吐息を吐いて、もう一度あの泥濘(ぬかるみ)の瞬間を思い浮かべた。フェラチオ・・女性が男性器を口にする性愛の行為。跪(ひざまづ)き“ソレ”を口にしながら見上げてきた由美の顔。その後に初めて感じる事になった津波のような高鳴り。いつの間にか股間がはち切れそうに膨れ上がっている。優作は慌てて回りの視線を確認した。そして何かを振り払うように、コーヒーの残りを飲み干した。
空になったコップを置いて、小さく息を吐いた。
頭の中から由美は消えない。
“事“が終わった後の由美の態度は、どこか飄々(ひょうひょう)としていて、知り合いの息子とひと時を過ごした事など、大した過(あやま)ちと感じていない様子だった。しかし、優作にとっては感慨深い事実であると同時に、過ちであった事も間違いなかった。
優作はそれから1時間ほどこの店で耽(ふけ)て、街を後にした。
帰りの電車の中で思い出した。
スマホを開き、敏男への返信をどうしようかと思った。アイツの悩み・・大した事がないと決めつけていた自分に恥ずかしい気がして、とにかく謝ろうと思った。
電車に揺られながらメールを打つ。
《敏男ゴメン! 夜にでも会えないか! 本当にすまん!返信を頼む!》
それから暫くするとスマホが震えた。
開けてみた。
《もう いい》
短いその返信に直ぐに電話を掛けようと思った。しかし、車内の視線に気づいて、駅に着くまで我慢した。
駅に着くと直ぐに降りて、電話をした。けれど留守電が続くばかりだった…。
敏男ーー。
手の中でスマホの振動を暫く感じていた。留守電メッセージに変わるのを確認して、うんうんと一人頷いた。それから少しして、馴染みになったアドレスを開いた。
メールを打つ。
《優作からメールがきた。アイツ、ヤキモキしてるみたい(^_^)v。それで本当にアイツはやったの?ビデオに録ったの?》
今日の指令――。
上野からの待機指令に、取り敢えずコイツの言う事を聞いていれば、早苗と“いい事“が出来ると信じて。そして、優作に対してマウントを取れると思って、あの駅に行った事にして、家でソワソワしていた敏男。
上野の作戦によると、由美さんが登場して優作を連れ込むんだと。そこで優作に“恥“を掻かせるんだと。詳しくは知らされてないが、それも又、上野を信用しておけばサプライズになって返ってくるんだろうと高を括っている。
そういえば上野が、大塚の事を呆れながら言っていた『あの夫婦は本物の変態だなぁ。自分達の性癖を満足させる為なら他人を巻き込むのも平気なんだからよ。大久保よぉ、お前も気をつけた方がいいぞ。露出プレイはほどほどにな』と。
敏男は上野とのやり取りを思い返して、大塚夫婦の事を考えた。浮かんでくるのは真知子との変態遊戯。そして、それを見て聞いて涎(よだれ)を流しそうな大塚の表情(かお)だ。
記憶の中から由美、真知子といった熟女達との体験を思い出すと、自然とアソコが大きくなってくる。敏男はパンツを下ろそうとした。しかし…。
(…ガ、ガマンだ…溜めとくんだ。もうすぐだ…もうすぐオバサンと…。それまでは射精(ださ)ないで…)
息を静かに吐いて、高ぶりを抑えようとする敏男。
その時、スマホが震えた。
見れば優作…ではなく上野からのメールの返信だ。
《さっき由美から報告があった。アイツはやっぱり短小で早漏の男だった(爆)。これをネタにお前にマウントを取らせてやる。アイツの母ちゃんともちゃんと姦(や)らせてやるから安心しろ。あと少しガマンして待っとけや》
メールを読み終えて、頷く敏男。一つ気づいた事は、上野が『由美』と呼び捨てにしてる事だ。たしか前に上野が言っていた『何でも言う事を聞く奴隷みたいな女がいると便利だな』とか。そんな事を思い出して、敏男は小さく「…早苗…」と口に出してみた。
渋谷家では…。
早苗の前で大塚夫婦の恥態が続いていた――。
早苗の両足を縛り上げていた戒めは、いつの間に強度を失いユルユルになっていた。しかし、早苗には逃げ出す気配がない。目の前の夫婦の変態的な姿に、意識が取り込まれてしまっているのだ。
物静かなイメージしかなかった大塚…その動きは今は、獰猛な熱をずっと放射し続けている。
次から次へと形が変わる夫婦の契りは、間違いなく早苗に見せ付ける為のものであった。
己の性器の露出など気にする様子もなく、夫婦は恥を忘れて取り憑かれたように腰を振っている。
早苗の羞恥の表情が、逆に夫婦の欲情を誘うのか、大塚が時折り、早苗の様子を覗いて唇を歪め、笑う。
「あぁ…どうだい早苗さん、ちゃんと見てておくれよ。僕のが入ってるだろ、真知子のマンコに」
正常位で真知子を組伏す大塚が肩越しに振り返っている。真知子も他人に見られている事など、全く気にする気配もない。喘ぎ声は益々激しくなっていくのだ。
「あぁ早苗さん…早苗さんのご主人は単身赴任だったよねぇ」
腰を打ち込み、荒い息を吐きながら大塚が早苗に語りかけた。
「…でも、ご主人がいなくても最近は満たされているんだよねぇ」
その言葉に早苗の背筋がピリリと伸びて、上野の顔が浮かんできた。あぁ…知られているのね…表情が強張っていく。
上野を中心に神田幸春がいて、高田由美。そして目の前のこの夫婦。早苗は、あぁ…っと苦しげに嘆きの息を吐き出した。
「ほら早苗さん、目を摘むっちゃダメだろ。もっとよく見るんだ、僕達変態夫婦の姿を」
妖しげな物の怪(もののけ)の声をあげる大塚の口元は、異様に歪んでいる。
「あぁ、どうして私にこんな事を…」
早苗の呟きに大塚が又も振り返った。
「ふふ、早苗さんにも変態の血が流れている事はもう知らされているからね」
「あぁ…そうなのね…」早苗の目が諦めの色に染まっていった。
大塚が一旦一物を抜いて、真知子の尻を叩く。真知子が心得たように四つ足になって尻を突き出した。
「真知子、そっちじゃない。穴(ケツ)を早苗さんの方に向けるんだ」
絶え絶えの息を継いで、真知子が身体を動かす。
「あなた…早く挿(い)れてぇ」
甘ったるい嘆きの先に、真知子のデカ尻がある。その中心にはベト濡れの女性器。匂いたつソコは赤黒くて。ソレを見つめる早苗のアソコは、シドドと濡れている。
「さぁ今度はイヌの格好でやるよ」
真知子に言ったのか早苗に向けた言葉なのか、大塚が水を得た魚のようにこの部屋の中を自分の色に染めている。
結局のところ聖職者と人から呼ばれながらも、一皮向ければ“欲“に溺れる人間なんだと。いやいや、聖職者だけにそれは質(たち)の悪いという事だろう。早苗はもう、大塚がこの家を訪れた理由も、この夫婦の真理も、どうでもよかった。今、意識を占めているのは、自分も早く目の前の夫婦のように沈んでしまいたいという願いだった…。
突き出たデカ尻を掌でガシッと掴み、大塚は中腰の態勢になって肉棒の先を秘艶に充(あ)てがっている。その泥濘からは今日何度と放たれた白濁の残り香が、テカり輝いて見える。
「早苗さん、聞いてくれるかい」
腰を真知子の割れ目にグイっと突き押して、大塚が背中越しに早苗に問い掛けた。
真知子の背筋が「あぁんッ」と一瞬にして跳ね上がる。
「…君が退職した後だったと思うけど、学年の先生連中と休みを利用して温泉地に旅行に行った事があったんだ。…慰安旅行って事なんだけど、僕ら公務員の旅行って、そういう時は思い切り羽目を外すじゃないか」
大塚が腰を打ち込みながら続ける。
「その時はね、温泉に入って、部屋で酒盛りをやって随分と盛り上がったんだよ。それで、酔っ払ってきた頃、誰かがストリップ小屋があったぞって言ったんだ」
「………」
「それでさ、みんな酔いに任せて行こうって事になったんだ。…僕はさ、それまでストリップなんて名前は知ってたけど、行った事がなくてさ…」
早苗の視線の先では、性器と性器が互いを喰い合うように蠢いている。
「行ってみて驚いたよ。早苗さん、知ってるかい。色んなショーがあったんだ…例えばSMショー。凄いぜ、仮面を付けた男が早苗さんみたいなムチムチの女を縄で縛るんだ」
「あぁッ…」早苗の朱い口が小さな呻きを落とした。
「Mの字に開いた脚のさ、腿を縄で縛って後ろに回してさ。勿論前はスッポンポンのいわゆる無修正だよ。マンコが拡がってる所と縄の絡みがさ、物凄く嫌らしく見えるんだよ」
「…んんッ…ツッ」
「酔いなんか直ぐに冷めてね。…でもそれ以上に凄かったのが、白黒ショーだよ。知ってるかい、裸の男女が舞台の上でセックスするんだよ。男も女も僕ら位の中年なんだけど、それが厭らしくてさ。色んな形でやるんだ」
目の前の夫婦はその時の舞台芸人になったつもりでいるのか、取り憑かれたように腰を打ちつけ合っている。違うのは、真知子の口から出る喘ぎの声は、間違いなく本物の叫びだ。
「その次はさ…なんだと思う?」
大塚が振り返る。そこには汗にまみれた歪(ゆが)んだ顔がある。そして、口元が歪(いびつ)に曲がる。
「本番まな板ショーって知ってる?」
「………」
「踊り子さんがさ、客の中から一人選んで舞台に上げるんだよ。…分かるかい?それで、みんなが見てる前でやるんだよ!セックスだよ!セックスするんだよ」
「んあっッ…」
「あぁ…早苗さんも興味ありそうな感じだねぇ。想像してるだろ」
自分の表情を読み取られたのか、早苗は無意識に眉を寄せて俯いてしまう。
そんな早苗など気にせず、大塚が一段と腰のギアを上げた。
「僕らの中からは誰も上がらなかったけど…同じ位の歳の人が舞台に上がってさ…」
「………」
「あぁ…とにかく凄かったんだ。あれで、僕の中の何かが弾けたんだよ」
「………」
「後で聞いたんだけど、その時舞台に上がったのが、同じ宿に泊まってる他の学校から慰安旅行に来てた先生だったんだよ」
「あぁッ!」今度はハッキリとした呻きが、早苗の口から上がった。
「へへ、凄いよね。でも、早苗さんにも分かるだろ。僕らはいつも凄いストレスを感じてたじゃないか」
「あぁ…」
「だから、いいよね。…いいだろ?こんな変態になっても…」
「………」
早苗の疼きは頂点に差し掛かっていた。足の戒めはいつの間にか床に落ちている。今すぐ立ち上がって、着ている服を脱ぐのは容易い状況だ。目の前の夫婦の前で自分も性器を露出し、霰(あられ)も無い姿を披露して軽蔑の視線に晒されたい…そんな願望が既に出来上がっている。
この淫靡な空間には、中年男女の妖しいフェロモンが漂っている。しかし早苗は、その“臭い“を不快と感じていない。自分の身体からも同じ種類の匂いが発散されているのだと、無意識にそう思っている。あぁ…この身体から放たれた臭いがこの夫婦を呼び寄せたのか…。早苗は朦朧とする意識の中で、そんな事を考えた。
「早苗さん、目を摘むっちゃ駄目だって言ったろ。あぁ…もうすぐフィニッシュだ。さぁしっかり目を拡げて見届けておくれ」
声と同時に、大塚の腰の動きが最後に向かって強度を上げた。
「あなたッ――。いいのッ!」
「だ、だすぞッ!」
「おおっ――。いッ、いぐッ!」四つ身の真知子の背筋が反り上がる。そして一瞬硬直した…かと思うと「ううっ」と、夫婦同時に呻きをあげて、大塚が真知子に被さるように倒れ込んだ。
早苗は二人が同時に逝ったその瞬間、股間の奥でキュッとした痺れを確かに感じとった。身体がブルルと震え、椅子から滑り落ちそうになった。その足元は深い深い闇の入口のようであった…。
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その頃、渋谷家…。
自宅のリビングでボンヤリしていた優作は、思い出したようにスマホを手に取った。
アイツ…敏男の事は明日、大塚に相談する事にはなっているが、今日の内に連絡がついて謝罪の気持ちを伝える事が出来ればそれに越した事はない。そう考えながらメールを開いた。
昨日、何通も送ったものへの返信はない。よほど傷つけてしまったのだろうと思いながら打っていく。
《敏男へ たびたびでスマン。本当に悪かったと思っている!お前の進路の事は俺も心配してる。とにかく一度連絡をくれないか。頼む!》
送ったメールを一度読み返し、スマホをテーブルに置いておく。返信が来れば直ぐに分かるようにと、目に付く所に置いておく。
それから特に何もする気にならず、座ってボオっとしていた。テレビは点いているが頭には入ってこない。そのまま2、30分たった頃だったか、突然インタフォンが鳴った。
来客の予定はない筈だから、宅配便だろうと当りを付けてモニターを見た。
そこに写った人の姿に、首を傾げた。
「…こんにちは…」モニター越しに聞こえた声は、映像通りの幼い声。
一瞬、子供を使った新手の宗教の勧誘かと思った優作だったが、次の言葉で頭の中に“何”と言う文字が浮かんだ。
「早苗さんはいますか」
暫くこの少年…間違いなく少年…の顔を見ていた優作だが、直ぐに気がついた。
「あ、勉強会の」と言ったところで、向こうからも「はい」と聞こえてきた。
それにしても、母親の事を先生ではなく\”\”さん”付けで呼んだこの少年。幼い顔立ちの中身は大人びているのか、優作はこの少年にちょっとした興味を覚えた。
優作はモニター越しの会話を止めて、玄関まで行ってみる事にした。
ドアを開けて迎え入れる。目の前に現れたのは、パッと見、高学年。そう判断しながら訊いてみた。
「えっと、母さんはいないんだけど…何かご用ですか」
思わず出た優作の敬語にも、その少年は特に反応を示さない。
そして「そうですか…あの…」と口ごもり、俯く。何かに迷っている雰囲気だったが、顔を上げると優作を見つめてきた。優作は何故かその目にドキリとした。
「早苗さんと約束したんですが…」
「…ええっと何を…」
二人は玄関で向かい合っていた。見下ろす格好の優作に見上げるその少年。
少年は優作の目を真っ直ぐに覗いてくる。
と、その時、優作は思い出した。今朝の早苗の言葉『~タナカ君の両親が何か言ってきたら…』
「ひょっとして君、タナカ君?」
「はい、そうです」
「……」
母が予期していた事と少し食い違いがあるのかと思いながら、優作は思案した。
その少年ーータナカ君が、優作を見つめながら続ける。
「今日は早苗さんに”又来てって”言われたから、来てみたんです」
「ん~っと、それは御両親と一緒にって事じゃないの…」
母からの伝言と辻褄を合わせようとして、優作は“御両親”と言う言葉を出してみた。
しかし、少年は「いえ違います」と、落ち着いた声。
「…てことは、君1人でって事?…」
「はい、その時 僕と早苗さんしかいなかったんで」
よく分からないな、と言った顔で優作が腕を組む。
「勉強会は君一人だけだったの」
「いえ、3人でした」
「…でも、母さんと二人だけの会話をしたんだ」
「いえ、会話と言うよりか、早苗さんの方から言ってきたんです」
「ん~今一よく分からないなぁ。この家の中での話しだよね。その時は何処にいたのかな」
優作は痒い所に手が届かない気分。少年は淡々としたペースで話す感じだ。
「廊下です。廊下で早苗さんと二人切りになったんです」
「…廊下ねぇ。そこで母さんが君に又来てって言ったんだ」
「ええ、又来てって言ったのは“その後”なんですけど」
「その後?…って事は、廊下で何かあって、その後に母さんが又来てって言ったって事?」
「はい」
「ふ~ん、何があったの?3人に問題を出して、君が分かったって手を上げて、他の二人に答えを聞かれないように母さんが廊下に呼んだとか」
優作はもう、めんどくさくなった気分で訊いてみた。
しかし少年は真顔で続けた。
「いえ、それも違います」
「ん~あのねぇ…いったい何があったのかな」
イライラが募った声に、少年は少年らしく身じろぎした。しかし、落ち着いて云った。
「バスローブ」
「は?!バスローブ?バスローブがどうしたの」
「…早苗さんがバスローブを開いたんです」
「バスローブを開く?バスローブってあれだよね、風呂上がりに羽織る…」
少年が黙って頷いた。
「バスローブを着て勉強会をしてたって事かい」と、優作の顔に苦笑いが浮かんだ。
「いえ、普通の服だったんですけど、僕がトイレから出ると、バスローブに着替えてたんです」
「………」
「それで、廊下の端まで歩いて…そこで…」
「…そこでどうしたの」
「はい、早苗さんがそのバスローブをパッと…」
「パッと…?」
「パッと開いたんです」
「?…」
「そうしたら、何も着てなかったんです」
「は!?…何も着てない?」
「はい、素っ裸だったんです」
「………」
優作の頭の中は、一瞬空白になった。そして、少ししてから少年の言葉を復唱した。
バスローブ。
素っ裸。
その瞬間、まさかと何かが瞬いた。知らずにゴクっと唾を呑み込んだ。そんな優作を目にしながら、少年は続けた。
「それで、その後に又来てって言われたんです」
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「うん…また見に来てって事だと思います」
“はい”が“うん”に変わり、その如何にも初(うぶ)な表情に、優作は初めて目の前の少年を子供らしいと思った。
優作はその後、少年がいつ帰ったのか思い出せない。思い出そうとすると『失礼します』と言って、玄関を出ていった後ろ姿が微かな記憶としてあるだけだ。
いつの間にかまた、リビングのソファーにボオっと座っていた。
頭の中では言葉が回っている。
『素っ裸だったんです』
『パッと』
『バスローブを』
フラりと立ち上がり、洗面所に行ってみた。その次は和室部屋。昔からの両親の寝室。
その和室の部屋にある洋服箪笥。優作はそれを開けて覗いてみた。幾つものハンガーに吊るされた服を見ていく。やがて目に付いたのは、水色のバスローブ。
優作はそれを手に持ったまま、暫く立ち竦んでいた。
そんな優作の頭にもう一度少年ーータナカ君の後ろ姿が浮かんできた。その姿から首だけがクルリと回って振り向く。能面のような顔が見つめてくる。優作は急に寒気を覚えて、ブルルと震えた。
(なんか最後は不気味な感じがしたなあ…。魔少年か…)
…この日、早苗が帰ってきたのは、深夜近かった。
その帰宅の時も、優作は自分の部屋に籠っていた。顔を見る気も起きず…いや、見てもどんな顔をすればいいのか分からず、悩みを先送りする内気な少年に戻って、寝たふりをしていたのだ。
早苗も優作に声を掛ける事もなく、シャワーを浴びた後は、直ぐに寝室に入って、そのままのようだ。
優作はずっとベッドで横になっている。
早朝勉強の為に早寝の習慣が付いた今でも、この夜はなかなか眠る事が出来ない。
優作はもう何度と繰り返した昼間の様子を、もう一度思い浮かべてみた。あの少年ーータナカ…君の言葉。
バスローブ。
素っ裸。
また見に来て。
優作には、あの少年が嘘をついてるとは思えなかった。物静かで落ち着いていて、どこか霊的な感じがしたあの少年。
母が今朝方言った『~タナカ君の御両親が何か言ってきたら…』あれは、早苗自身が身に覚えのある“何か”に対して覚悟を持っていた証拠ではないか。と言う事は、やはりタナカ…君が言った事は本当の事…。
何度目かのタメ息を吐き出し、顔を振った。
明日は敏男の事で大塚に相談する日だ。先日のメールでは、《母のその後は大丈夫です》と伝えていた。しかし…話しの流れで母親の事も相談しようか…と思い付いたところで、由美の顔が浮かび上がってきてハッとした。
ひょっとしたら、知らないところで由美から早苗に連絡が行ってるのではないか。そこには、貴女の息子と関係を持ってしまった。そんな懺悔があって、それで母はショックで息子の顔も見たくないのでは。しかし、タナカ君の事はどう絡んでくる…?
由美と優作、そして由美と早苗。それに早苗とタナカ君。頭がこんがらがってくる。
むくりとベッドから立ち上がって目を瞑った。何故か想い浮かんだのは、大塚の顔。
そこで優作は心の中で祈った。
(大塚先生、明日お願いします。助けて下さい!)
寝室の早苗ー。
身体は確かに疲れている。
しかし、頭の中はハッキリとしていた。
家に入る前には\”男”の臭いが付いていないか、自分の身体を嗅いでみた。
2階の部屋には灯りも見えず、息子ーー優作が寝てくれている事に少なからず安堵して、鍵を取り出していた。
シャワーを浴びた時間は短かった。心のどこかに、浴室の音で優作を起こす心配もあったからだ。
しかし、洗面所の鏡を覗くと暫く、その姿から目が離せなくなった。鏡越しに気にしたのは、情恥の痕の事。鬱血のような口付けの痕はないし、打たれた痕も残っていない。振り返って鏡に映して臀部も見たが、そこにも痕は残っていないようだった。
それよりも感じたのは、身体がより肉感的になった気がした事だった。
乳房は巨(おおき)く上向きになっている…気がした。下腹はそれなりに脂が付いて少し垂れ気味であったが、腰が張っているので括れの感じが良い味を出している…と思った。臀部も全体的に上付きに、以前より張り具合が良くなった感じだった。
・・・早苗は今夜、家に着いてからの事を思い返して、寝返りをうつように壁の方を向いた。
一時は肌の張りを衰えたと感じた時期もあったが、大塚の依頼を受けてから自分の身に起こった出来事ーー今も続いているーーによって若返った気がしている。
そして今では、道徳心よりも本能が幅を効かせていた。息子の親友である大久保敏男が現れた時は、さすがに驚いた。しかしあの時は既に、この身体は肉の悦(よろこ)びに支配されてしまっていた。一線を越えた時、自分は一匹の牝に変わったのだ。そんな現実を思い返すと哀しみがある。しかし…敏男は”牡”で、自分はただの\”牝”なのだ。あの時にソレを実感して、本能に全てを任せる女になってしまったのか。
明日もまた御主人様ーー上野に呼び出しを受けている。先ほど明日の目的地の住所がメールで送られて来ていた。
ふうっと息を吐くと、身体がブルルと震えた。明日の性宴の想像に心が震えたのか。
その時、早苗は気づいた。身体に昼間の情恥の痕跡があっても良かったのだ。この身体を見るのは、早苗の“牡(おとこ)”だけなのだから…。
敏男は自分の部屋から上野に電話を掛けていた。
たった今までメールで今日の礼を云っていたのだが、想定外の話が出たので電話に切り替えたのだ。
『…どうしたんだよ大久保』
向こうからは、いつもの飄々とした声が聴こえてきた。
「上野よぉ、明日の場所だけど何でヌケサク先生の家なの?それに優作もって…」
敏男の語尾に被せるように上野が『ああ悪い悪い。早苗とは今日の部屋で落ち着いてオマンコしたいのは分かるけどよ、大塚さんから話を聞いてさ、明日、優作ちゃんが家に来るらしいんだわ。何でもお前の進路の事で相談があるとかでよ』と、淡々と喋りながらも“進路”の所に笑いを含めていた上野。
「………」
『でな、短小包茎君が来るなら、アイツの前で早苗とオマンコするところを見せてやっても良いかなって閃いたんよ』
「お、おい、お前それは…」まずいだろ、と言葉は途切れたが、向こうには伝わったようで。
『…お前、俺がアイツの事、気にくわないと思ってるの知ってるよな』
シレっとした声で改めて言われて、敏男は「ああ…」と、呻くように返事をした。
『よしよし、それでな、この機会にお前の出番で早苗とオマンコやって、アイツの前で奴隷宣言を又やらかそうって考えたんよ』と告げる声には笑いが戻っている。
『お前もアイツには劣等感と言うか、面白くないもんを感じてたんだろ。ちょうど良い機会じゃん。それによ、息子の前で自分の本性を曝したら、早苗も逆に安心してお前の物になるぞ。なんせ隠れて会う必要がなくなるわけだからな』
ゴクリ…上野の言葉の意味を感じ取ってか、敏男の喉が鳴った。
「………」
『ん~どうした大久保』
敏男の沈黙の意味など深く考えず、上野が続ける『それにな、神田のオジサンにも新しい仕事の計画があって、それに“野郎”の人員が足りてないんよ』
(?…)
『アイツと由美がオマンコしてる所もビデオに撮ってたじゃん。何ならそれも脅しに使って、アイツも支配下に置いてやろうって考えたわけ』
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『………』
敏男の怖じけの声を聴いて、上野が黙り込んだ。敏男はその沈黙に嫌な感じがした。
と、その時…。
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股間に顔を埋め、大きく息を吸う。確かな匂いを嗅ぎとって、敏男の身体が粟立っていく。そして顔を上げると、その卑猥なショーツを奪うように剥ぎ取った。
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(さぁよく見せてよオバサン…)
心の声を投げ掛け、両方の掌を拡げた足の付け根辺りに当てた。
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敏男は黒マスクを着けた時から、声を出さないようにしていた。特に上野からの注意はなかったが、素顔を曝して声を聞かれるのには抵抗があったのかもしれない。
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よしっと心で頷き、掌に力を入れた。 “その”部分を拡げて顔を近づけた。初めて拝む憧れの女(ひと)の…。
と、思ったところで、ん!
マスク越しに見えるのは…赤黒い…?
どうガン見しても、ハッキリとは分からない。
(ああっもう)
演出に一役かっていた筈のこの黒マスク。それは間違いないが、目の部分は確かに前が見えずらい。
仰向けになった乳房の隆起は良く分かる。
喘ぎの声も聞こえる。
しかし、その秘密の部分が…。
頭の中で先ほどの上野の言葉を思い出す。
『~素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりして…』
「んああッーー」
突然唸り声を上げ、自分を鼓舞した。
狂え!
狂え!
狂え!
その瞬間、大きな手が早苗のマスクに向かった。
首を締めるように下顎に手をやって、布と皮膚の間に指を入れた。そのまま口から鼻の方へと剥いでやった。
現れたのはベットリ前髪が掛かった女の顔。マスク越しに分かるのはそんなところで、敏男は早苗の様子を伺う余裕もないまま、自分のマスクに手をやった。
マスクを外した敏男は、意を決して早苗に素顔を曝す。さぁ見てくださいよと、顔を近づけた。
敏男を見上げたその目は、まだ焦点があっていない。敏男は早苗の顔にへばり付く前髪を乱暴に振り払った。
ゴクリ…唾を呑み込む音が、自分の耳にもハッキリと聞こえた。その音に早苗の目が静かに開いていく。
やがて二つの目が重なり合って…。
その瞬間「いやぁーーんッ」信じられないような大きな声が上がった。
その叫びは敏男の背中を押した。
そうなんだよ!
俺はどうせ悪役なんだ!
悪役は悪役らしく、その身体をメチャクチャにしてやる!
「ヒーーーヒッヒッ」
奇声を発して敏男がムシャブリついた。
「オバサーン、オバサーン、優作のオバサーン」
アソコを思い切り拡げてやる。その赤黒いグロテスクな生き物を見届け、しゃぶり付く。その次は唇、そして胸房へ。そして又、胸からアソコへと唾液を撒き散らす。
先程から硬度を携えていた肉の棒は、秘密の泥濘を探し当てた。肉棒はそれだけが別の意識を持った生き物のようになっている。その先っぽが入口を捕らえたのだ。早苗の目がこれでもかと拡がって、敏男の顔を凝視した。
トシオクン…声のない唇の動きを確かにそう認識して、敏男の口が異様な形に歪んだ。
「そらッ」
「あうっ!!」
ソレは見事に泥濘を突き刺した。後はひたすら腰を振るだけだった。組伏された女は、抱きしめられながら爪を立ててきた。
上野の言葉が甦る。
そうなんだ、この女(ひと)はオマンコしたかったんだ!
誰のチンボでも良かったんだ。
けど…。
けど、俺の物で、俺の女(もの)にしてやる!
「どうだオバサン!」
「あーーっ」
「俺のチンポは!」
「ウアアア…」
「どうなんだよ。ちゃんと答えろよ!」
「んんッッッ…い、言えない…言えないわッ」
「なんだと!ほら!」
「ああっいい…」
「もっとハッキリ!」
「いやんッ、許してッ!」
「ダメ!好き者のくせによ!」
その叫びと同時に、敏男の腰にギアが入った。
「ヒィーーッ、いいッ!」
「オラ!オラ!どうだ!」
「いいッ…いいのよ」
「もっとーー」
「いいッいいッ、いいのよとっても!」
「誰のがーー」
「いゃあんッ」
「言えーー」
「あーッ敏男君、敏男君のよ!」
「うおおーッ」
巨体から一斉に汗が噴き出すのを感じた。その感触に、敏男の目が血走った。
「そら、もっと欲しいだろ。欲しかったらオネダリしてみなよ。嫌らしい声で言ってみろ」
「んああッ、いいッいいッ、ちょうだい…ください…もっとして!」
「まだまだ!」
自分自身の言葉にも煽られ、敏男の腰は更にエグい動きを繰り返した。
「ああんッ、いいのよ、敏男君のオチンポが」
「バカ!オバサンは変態なんだからオチンポなんて上品な言い方するんじゃないよ!」
喘ぎの声を吐き続ける早苗。それに応える敏男の興奮も上がっていく。
「抜くぞ!ちゃんと言わないと俺のチンポ抜くぞ。欲しくないのかよ!」
「いやッいやッ、止めないで。ちょうだい。お願い!」
「じゃあ言えよ!宣言しろよ!」
「ああっチンポよ!アタシの好きなのはチンポよ!敏男君のチンポ!」
「んがーーッ」
雄叫びのような声を上げて、敏男のソレがこれでもかと抉り込んだ。
「いくッいくッ、敏男君、気持ちいいッ!」
「んぐぐ」
射精の近づきを感じて、敏男は鏡に目を向けた。何とか我慢しようと、静かに息を吐く。
敏男は呼吸を整え、冷静に次の攻めを考えた。
二つの身体の結合の部分。敏男の手が早苗の内腿を押し広げて、腰を少し引く。目に付く結合の箇所を見ながら、肉の棒を半分くらい抜いて息を継ぐ。
片方の肢を器用に押し曲げて、次に早苗の脇腹に手を入れた。かと思うと、クルリと回した。ソコとソコが繋がったまま、後背位の格好(かたち)へと導いたのだ。
敏男の目は張り出た巨尻を見下ろす。その真ん中辺りには巨大な臀部には似合わない小さな不浄の門。そこを凝視して、敏男の表情(かお)が歪んだ。
(まだだ。その穴はまた今度…今日はお預けだ)
いつかの“ソコ“での交わりを想像しながらも自分に言い聞かせる。
(今日はマンコだ。こっちの穴で完全に俺の物にして…その次だ)
敏男は気を入れ直して、犬の格好になった早苗を攻め始めた。
牡の象徴がぶつかる度に、弾むように揺れる尻(ケツ)。喘声が止む事はない。
「おらっ、どうだオバサン」
「あぁッあぁッいいのッ」
「ちゃんとどこがいいのか、言えよ!」
大きな掌が巨(おおき)な尻(ケツ)を一打ちした。
「あぁーマンコよ、アタシのオマンコよっ」
そんな卑猥な声を吐き出す顔は、敏男の方からは見えない。けれど確かな、苦悶の表情を浮かべる事が出来て、更に腰に力が加わっていった。
と、敏男は思いつき、前屈みになって早苗の頬に手をやった。
「オバサン見てみなよ鏡を」
朦朧とした顔を鏡に向けてやる。
「見えるだろ、俺とオバサンがセックスしてる姿」
「いゃあーんッ」
「へっ何がいゃぁんだ、さっきから感じまくってるくせによ」
「あぁッそうなのよ、感じてるの!」
鏡の中の女を見ながら、早苗は己の被虐の癖に酔うように堕ちていった。
獣の格好の自分を犯しているのは、子供の頃から良く知っている男。その逞しい“男“に逝(い)かされる自分の姿を鏡越しに認め、その敗北の意にさえも快感を覚えていた。
「ああっ凄い!凄すぎる!凄すぎるわ敏男君!」
「どうだーいいだろ俺のチンポは!」
「あぁーはい!いいです!凄くいいです!」
「もっと欲しいか!どんな風にしてほしいんだ!」
「もっとズコズコしてッ!早苗のオマンコ虐めて!」
「んがーッ」
腰を振る敏男の巨体が、一瞬血の気の引きを感じて、それから震え出した。
早苗の口が、自らを“早苗“と呼んだ。その言葉を確かに耳にした瞬間、敏男は憧れの存在を我が物にしたと思ったのだ。
その朱い唇からもっと卑猥な言葉を吐かせてやる。
高鳴る興奮を覚え、敏男の顔がますます歪んでいく。
「早苗ーーっ、見えるぞ!俺のチンポがマンコにズッポリ入ってる所がマル見えだぞ!」
「ああッはい!気持ちいいです!」
「出すぞ!欲しいか!俺のが!」
「はい!出して!出して下さい!」
「どこだ!どこに出して欲しい!」
「マンコ!アタシのマンコに!アタシのオマンコに出して下さい!」
「こら!鏡に向いて言え!嫌らしい自分の顔を見て言うんだよ!」
敏男の掌がふたたび巨尻の面(つら)をバシッと打ちつけた。「あぁんッ」と鳴いて、早苗の顔が鏡に向く。
鏡を見つめる早苗の目。
早苗の頭の中に己の声が聞こえてくる。
嫌らしい顔してる…。
感じてる顔…蕩けてる…。
アタシ…こんなスケベな顔してたんだ…。
鏡の中の顔が揺れてくる。
地響きのように下から揺れてくる。
敏男の腰が、それまで以上に激しさを増してくる。
「うっうっ、く、くるっ!」
「うらあっ!」
「ひっ!いっいぐッ!」
「どうだ!」
「いっいきます!早苗 いきます!」
「出すぞ!」
「はい!下さい!早苗のオマンコにいっぱい出して下さい!」
早苗は鏡の中の自分の顔をしっかり見つめながら、敗北の宣言をした。その宣言は、これまで感じた事のない快楽そのものだった。
最期の瞬間に自分がどんな言葉を吐いたのか記憶がない。どんな表情で逝ったかも分からない。ひょっとしたら誰にも見せた事のない歪んだ表情(かお)をしていたかも知れない。それでもそんな事など、どうでもいいくらいの悦楽を感じていた…。
崩れた背中の上で、覆い被さった巨体の鼓動が鳴っている。今、自分を桃源の世界に運んだ男の息づかいを確かに感じている。
やがて…寝息のようなものが零れ始めた…。
鏡の向こうでは、半ば感心に上野と神田が二人の様子をずっと見守っていた。
「やるなぁアイツ。途中でマスクも取っちゃうし」
「うんうん、ここまでやるとは、私もびっくりじゃよ」
「じゃあ“例の“新しい仕事にスカウトしますか」
「ん~そうじゃなぁ、人員も足りておらんし、この子ならやってくれるかもな」
窓ガラスの向こうでは、うつ伏せに突っ伏した早苗。そして、その身体に崩れ落ちたまま荒い息を吐いている敏男。
神田は二つの塊を優しげな目で見ながら、満足げに頷いていた…。
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入口のドアが静に開き、男が二人入ってきた。上野が敏男を連れて戻って来たのだ。
緊張気味の顔の敏男に、神田が声を掛ける。
「やぁ敏男君、やっと君の番が来たね」
「………」
覚悟を決めてここまで来たはずであるが、この部屋のどこかに早苗がいると思うと、敏男の小さな心臓は爆発しそうになる。
「ん、どうした大久保」
上野が敏男の様子を見て、聞いてきた。
「あぁうん…本当に大丈夫かな…」
「は?!大丈夫かなって、今更どうした?ひょっとして緊張で勃(た)ちそうにないとか」
今にも噴き出しそうな顔で上野が訊いた。
「い、いや、そっちはたぶん大丈夫だと思うけど…本当にやっちゃっていいのかなぁ…って」
「ああ~何を今さら」
笑いながら上野が、チラリと視線を神田に向ける。その視線を感じて、神田は敏男に向き直った。そして、ふんふんと頷いた。
「敏男君、君の心配も分かるが早苗さんはね、実は長い間、欲求不満を溜め込んでいたんだよ。考えてみなさい、女として1番油の乗ってる時に、旦那さんが単身赴任でいなくなったんだよ」
「………」
「本人はそれを隠して、近所の小学生の相手をしたり、自分の子供の心配をしたりしてるんだ。自分では気がつかないうちに、ますます不満が溜まっていってるんじゃよ」
「………」
「私達はね、そんな中年の女性の為に色々とやってるんだ。君も大塚君夫婦の事は知ってるだろ。あの奥さんも君と関係が出来て喜んでおる。そう思わないかい」
「…ああ、はい…思います…」敏男は暫く考える素振りをしたが、ハッキリと頷いた。
「うんうん、切っ掛けはどうであれ、犯(や)ってしまえば向こうも喜ぶんだよ。分かるかい敏男君、早苗さんは今、若い男が欲しくて欲しくてしょうがない状況なんじゃ」
「ほ、ほんとうですか!」
いきなり敏男の目が、これでもかと広がった。
「ああ、本当さ。なあ上野君」
神田の言葉に、今度は上野が敏男の目を覗き込んできた。
「だから心配するなって前も言ったじゃん。俺は早苗をいっぱい抱いて、それを確かめたんだから。アイツは俺以外のチンポも欲しがってるんよ」
「ああ…本当に本当なのか…」
「ああ、保証する。それに早苗は、俺の言う事なら何でも聞くって宣言したし。けど、俺じゃなくても切っ掛けがあれば、誰とだってオマンコしたと思うぜ」
「………」
「まあ、お前としたら、清楚なイメージに惚れたと思うけど、人妻なんて心のどっかではいつも男を欲しがってるんよ」
「ん…う、うん…」
「へへっ、それを今から確かめに行こうぜ」
「…あ、ああ…」
敏男の苦し紛れの返事にも、上野は笑みを返した。
「それとな、ビデオに撮るから一応コレを用意しといたからよ」
そう言って上野が、ソレを何処からか取り出して見せた。
「な、なにコレ…」
「へへ、全頭マスク」
「…ゼントウマスク?」
「そう、被ると相手からは正体が分からない。けど、こちらからは薄っすらとだけど見えるから大丈夫。呼吸も口の所はほら、開いてるし、鼻からもちゃんと息は吸えるしさ」
暫く黙ったまま手に持ってソレを見つめて、敏男が改まって聞いた。
「…ええっと、オバサンは今日の相手、俺って知らないんだよね…」
「ふふ、大丈夫だって。それどころか、これから俺以外の男とオマンコするなんて夢にも思ってないからよ」
「えっそうなの!」
上野の言葉で、敏男の目が驚きに拡がった。しかし「ふふ、部屋にいるのは欲求不満の中年女じゃ。君の“持ち物“は真知子君相手に充分に能力を発揮したし大丈夫じゃよ」
「…ああ…はい」
神田に返事をした敏男に、上野が囁くように続ける。
「俺はそんなに大した調教はしてないし。お前のアレをぶちこんだら一発だ。ヘナヘナになって、後はお前の言う事なら何でも聞く女になるさ。 “お母さん”ごっこでもいいし…けど、早苗はMの気を持ってるぜ」
「…うっ…ううう…」
「ふふ…デカイ尻(ケツ)を打(ぶ)ったりよ。露出プレイの奴隷にしてもいいしよ。それに…ふふ、アナルセックス。お前も上の部屋で犯(や)ったろ。アレを早苗と犯ったっていいんだぜ」
(ゴクリ…)
敏男の巨体が少しずつ震えてきた。それを見つめる上野と神田の目が期待に光を発している。そして敏男は、その黒マスクを手に取った。
「行こうか、色男」
マスクを手にした敏男の肩を、上野が叩きながら言う。
「まずは、こっちな」
二人が向かったのは例のスペース。
そこに入った敏男の目が大きな窓ガラス、そしてその向こう側に立つ人影を見つけ、足を止めた。
「うっ!」
一瞬の呻きを上げて、そのまま巨体が固まってしまった。
「大丈夫だって、これが神田先生自慢の魔法の鏡だ」
「魔法の鏡?」
「そうじゃよマジックミラー。こちらからは見えるが、向こうからは鏡にしか見えない優れものじゃ」
神田の声が後ろから聞こえ、その声に敏男はぎこちなく頷いた。
「…ほ、ほんとうに向こうからは見えてないの」
心細そうな声で呟いて、敏男は息を呑んだ。
「ほら、安心してよ~く見てみろよ」
上野の言葉に敏男は止まった足を再び動かし、窓の際まで近づいて行く。
見えてきたのは、同じ黒マスクを被った女。
あぁ、なんなんだ、あの格好は…。敏男の視線の先にいるのは、エロ雑誌の表紙、そしてネットで見てきたエロ画像と同じ種類の女。
敏男はゴクリと唾を飲み込み、抉るように窓ガラスの向こうを覗き込んだ。
「それにしたって…」
一人呟き、敏男が更に顔を窓に近づける。そして目に力を入れた。
暫く向こう側の女を見つめ、敏男はギリリと首を上野に向けた。上野は敏男のその表情だけで、一瞬のうちに何を聞きたいのか察知して「ああ、コレがそうさ。うん、間違いなくこの変態チックな下着を着けてるのが早苗」と、あっさりと告げた。そしてニヤリと頬を歪め、続ける。
「お前の憧れで、親友渋谷優作のお母さんだよ」
(…うあああ…)
「ふふ、敏男君、さっきも言ったけどこの女は欲求不満を溜め込んでおる。この格好がその証拠じゃよ」
「………」短い沈黙の後で、敏男の顎がコクリと縦に揺れた。
「へへ、そうこなくっちゃ」
今度は嬉しそうな声で上野が続ける。
「さてと、そろそろマスク着けろよ」
上野は敏男の大きな肩を叩き、そして、顎でドアに促した。
早苗はベッドの前で、先ほどから同じ姿勢で立ち竦んでいた。
マスク越しに覗く目も、だいぶ暗さに慣れて、今は鏡に映る自分の姿がなんとか分かる。
その姿…乳房を覆うのは頼りないくらい小さな物。膨らみの上半分が零れ落ちそうで、今にも全てが顔を露(あらわ)しそうな状態。ショーツは足の付け根から横腹に急な角度を伴った物で、その後ろ側は一本の線が割れ目に食い込むように前へと繋がった言わゆるTバック。選んだ色は黄色い蛍光色で、それがちょうど今は、この薄暗い中で浮かび上がって見える。サイズも全体的に小さく、窮屈さを感じる身体を一層肉圧的に魅せている。
早苗自身もなぜ、こんな下着を選んだのか分からない。あえて自分に問うと、夫のSMチックな性癖を認めた頃の影響かも知れない。あの頃、夫に勧められたのは原色の黒や赤の物で、ショーツはTバックもあったと記憶していた。それらも子供の成長とともに穿く機会はなくなっていったが、今日この下着を選んだのは、被虐の自分を妄想してしまったからか…。
早苗はふと、鏡の向こうに気配を感じた。
…と、思った瞬間、この部屋のドアが開かれた。
早苗の顔が反射的にそちらを向く。
マスク越しに分かったのは上野。そしてその後ろに…。上野より頭半分くらい大柄な男性が一緒に入ってきた。
「オバサン、お待たせ~」
あくまでも飄々(ひょうひょう)とした感じで、声が近づいてくる。早苗は咄嗟に肌を隠すように、両方の手で自分の身体を抱きしめた。
早苗の仕種に気がついて「ああ、コイツ?」と、上野が問う。
「安心して。…あのね、コイツは俺の穴兄弟」
「え?!」
「そう穴兄弟。コイツね、由美ともオマンコしてるんよ。だから俺と兄弟なんよ」
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「因みに…オバサンは俺とオマンコした仲だから、由美とは竿姉妹って事になるのかな」
そう告げて笑いもしない上野。その横で敏男が、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「そう言うわけで、今からコイツとオマンコして貰うわ。んで、俺は見学。分かったかな」
(あぁ…そんな…)
予想もしなかったまさかの命令に、早苗が頭(かぶり)を振った。
「嫌だ嫌だって思ってもね、身体は正直なんだよね」
上野が近づき、腕を掴んできた。そしてグイッと身体を引き寄せたかと思うと、早苗の後ろに回り、胸の膨らみをムギュっと鷲掴んだ。
胸房に圧が加わってくる。そしていつも通り煽りの言葉が襲ってきた。
「さっきは中途半端だったから、一人でオマンコ弄って待ってたんじゃないの」
「あぁんッ」
「欲しくて欲しくて仕方ないんだよね、アレが」
耳元で言って上野は、視線を敏男に向ける。
「ほら」
顎をしゃっくたのは敏男に向けてだったが、早苗の方も感度を表した。胸を揉まれるまま背中を上野に預けて、その身をくねらせる。
敏男の方はアイコンタクト…でもないが、上野の目線を感じると、決心して服を脱ぎ始めた。
生まれたままの姿になった敏男は、一度大きく息を吸って鏡を見た。そこには初めて目にする怪しい男…全裸に黒マスクをした巨漢の男がいる。
マスク越しにその姿を視ていると、如何にもの悪役に思えてきた。
(くそッ…俺はデブだし、綺麗な女(ひと)とは、しょせん釣り合わないんだ…)
隣で「あぁんッ」と甘い声がした。ハッと振り返って見れば、上野の目が何かを語りかけている…気がした。
ほら、この女、感じてるだろ。
俺以外の男がいるのに、こんな甘い声を出しやがってよ。
コイツは欲しがってるんだよ。
早く犯(や)ってやれよ。
お前のそのデカイのでヒーヒー言わせてやれ。
なぁ大久保。
…そんな上野の声を感じた気がして、敏男は心の中でよしっと気を入れた。
上野も直ぐに察知したのか、敏男を見ながら早苗の胸から手を離す。そして敏男と入れ替わるように巨体の後ろへ回った。
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小さな声を敏男の耳元で囁き、上野がニヤリと笑う。そして、今以上の小さな声でもう一度囁いた。
「それとそのマスク…外したくなったら外してもいいぞ。けど、素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりしてな」
その言葉を挑発と取ったのか、それでも敏男は黙って頷き返した。敏男も腹を決めているのだ。
早苗の顔が、上野の後ろ姿を見送るのを見て、敏男は近づいた。そして、白い肩に手を掛ける。
咄嗟に身を固くした早苗。敏男はその身体を引き寄せる。そしてそのまま抱きしめ、唇を奪いに出た。
うわぁ….その甘い唇の感触に敏男の中に電流が流れた。抱きしめた身体は思っていた通り膨(ふく)よかで、それだけで感動を覚えてしまう。
下腹の辺りで互いの恥毛が触れあうのを感じては、身体が熱くなった。背中に回していた腕は、夢中に早苗の臀部を撫で回している。
みるみるうちに巨大化する牡の象徴。その膨らみが早苗の腹を押すと、頭に血が昇ってきた。
そうだ!俺はコレで真知子さんをヒーヒー言わしたんだ。
由美さんだって、誉めてくれた。
オバサンだって!
そんな事を一瞬に想い、敏男の舌は早苗の口奥へと侵入を始めた。
マスク越しからも、早苗が眉間に皺を寄せたのが窺えて、敏男はその貌(かお)をもっと快楽に歪めてやると気を入れた。
敏男は唇を離すと、いきなり早苗のブラを引き剥がした。
巨(おおき)な乳房が現れる。その先には尖り立った雷。夢にまで見た膨らみを認めて、いきなりムシャブリ付いた。
早苗の身体は敏男の重みを受け止め、ベッドになだれ落ちた。その重みに身体は強張ったが、いきなり乳房を舐られると快感が一瞬のうちに身体中へと拡がっていった。
見ず知らずの男の攻めであったが、悲しいかな身体は興奮に震え出した。
若き情人に開発された身体。眠っていた性感を思い出させた情人の手管。その手腕で目覚めた身体が、素直な反応を示してしまったのだ。
早苗は覆い被さる巨体を無意識に受け止めていた。そして、膨らみの先をしゃぶる男の頭を強く抱きしめた。
あぁん、あぁんと甘い声が舞っていく。
敏男は体臭を確かめるようにと、鼻を擦り付けながら下腹部を目指す。
その刺激的なショーツの所で止まり、息を整え、顔を上げた。
黒マスクのぽっかり開いた口元で紅い唇が震えている。敏男は僅かな自分の攻めにも、早苗が興奮しているのだと思うと、巨体が熱くなるのを感じた。
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ベッドに腰かけた態勢から、敏男は大きく伸びをした。そして「ああー」っと声を上げた。
立ち上がり、檻の中の熊のように、右に左に動き回る。その度に口からは、「ああっもうっ」と、唸り声が発せられる。
先ほど姿を見せた上野は直ぐに出ていき、今ごろはこのビルの何処かの部屋で早苗と一緒にいる筈なのだ。その二人を想像すると、胸が掻きむしられる想いがする。その苦しみから逃れようと、奇声が発せられるのだ。
別の部屋ーー。
ドアの開く音がして、早苗は振り向いた。
入ってきた上野の視線に、ドキリと鼓動が跳ね上がる。上野の方はいつものように飄々(ひょうひょう)した感じだ。
「お待たせしました~」
その言葉尻は一応、目上の神田に対するものだったのか、それでも敬意が隠(こも)っているとは思えない調子で軽く頭を下げる。
神田の方も慣れたもので、コクりと頷いただけで、早苗の表情を観察するように直ぐに視線を戻した。
「じゃあ先生」
上野が神田に了解でも取るかのように会釈したが、その様子は緊張の欠片もない。そしてそのまま早苗に近づいて「ふ~ん、なかなかミニもいいじゃん」そう言って視線を剥き身の腿に寄せた。
「………」
黙り込む早苗の横顔を暫く見下ろし、上野がスッと腕を取ってきた。
「…待ち人もいるし、さっさと始めようかな」
待ち人?…一瞬何の事だか分からなかった早苗だが、上野はチラリと神田に目配せした。
「うんうん、後の事は任せなさい」
神田の言葉に、早苗の腕を握る上野の手に力が入る。そして奥の部屋へと向かった。
電気が点く。
マジックミラー…これで、この部屋が向こうから覗かれるようになったわけだ。
大きな鏡には、緊張した女の姿が映って見える。早苗は向こう側に神田がいる事を意識したのか俯いてしまう。その神田は部屋の二人を確認すると、手慣れた動作でビデオの設置をし始めた。
「…オバサン」
肩に軽いタッチで手が触れたかと思うと、唇が襲ってきた。
あぁっ…声が漏れる間もなく、早苗の唇は上野のものに塞がれていた。突然の感触は、トロリとした柔らかいものだった。
これまでの上野との交わり、その激しさの中で幾度も唇を奪われてきた。そして、それに応えるように吸い返した事も何度とあった。しかし今、早苗が感じているのは、これまでにはない甘いものだ。
ベッドに上野が腰を落とす。だらっと手を後ろに付けて、足を投げ出す。そのリラックスした格好のまま早苗を見上げた。
早苗は今ほどのキスの余韻を引きずっているのか、緊張の面持ちが続いている。
「オバサン、緊張してんの?」
小バカにした感じの声はリラックスされていて、しかも歳上の女性をいたぶるような響きも含まれている。
「さって、今日は色々やる事があるから、早速始めましょっか」
そう言って上野が立ち上がる。そして、早苗のスカートに手を入れたかと思うと、ショーツの上から土手に触れてきた。
「アッんッ」
鳴きの声で早苗の眉が歪んだ。
上野の指は、土手から沈むように隠筋へと向かう。
切ない表情で早苗が上野に嘆きの視線を返す。上野はその瞳の中に何を見たのか、クククっと含み笑いをすると指を抜き、その手で剥き身の腿を軽く叩いた。
「じゃあオバサン、脱いで貰おうかな」
いつものぶっきらぼうな口調にも、早苗は不安げに頷く。そして、チラリと上野を覗き見てから、胸のボタンに手をやった。
「ああ、俺の方 向かないで。最初は鏡の方 向いて」
それは、鏡の向こう側にいる神田に対するサービスのつもりなのかは分からないが、早苗は従順に背中を上野に向けると上着を脱ぎ始めた。
上着からブラジャーへと渡り、乳房が露になる。スカートに手をやったところで一瞬その手は躊躇した。が、直ぐに動き出す。
パタリとスカートが落ちると、声が飛んだ。
「今度はこっち」
またもぶっきらぼうな声で呼ばれ、振り返った。声の主が見つめている。身体の痺れが広がっていった。
「どうしたの?最後の一枚脱がないの?」
ニヤツく上野。しかしその目は、笑っていない。
泣きそうな顔を一瞬見せた早苗だが、直ぐにショーツの端に手をやった。
ショーツを静かに床に落とすと目を瞑り…しかし微かに上野を覗いて唇をキュッと結んだ。
一糸も身に纏わない全裸姿を曝すのももう何度目かの事だが、改めてのこの無防備の状態。しかも、静寂を感じながらの披露は、羞恥の心を一層高めるものだった。
「後ろ」
今度は冷たい声が飛んできた。
「あぁ…恥ずかしい…」
そんな声をあげながらも、素直に背中を向けた。
披露したのは、上野に肉厚のある臀部。向こう側の神田には胸の膨らみと恥毛。
「うんうん、相変わらず良いね」
その誉め言葉にも、早苗には自身のこの身体…脂のついた中年の身体を卑下された気がしないでもない。しかし“彼“がこの身体を乱暴に扱いながらも、愛してくれた記憶が確かに存在しているのだ。
「さてと」
上野が改まる。
「………」
不敵な笑みを浮かべながら上野が立ち上がった。早苗に近づき、グニュっと胸の膨らみを鷲掴む。
「ハァん…」
艶色の声が部屋に響いた。しかし上野は、そんな声には興味も示さず、片方の手を早苗の臀部に回したかと思うと、ピシッと一打ちした。早苗はその痛みにも、蕩(とろ)けた顔を鏡に曝した。
「もう少し足 広げて」
「………」
「そう、その位でいいよ」
「………」
「そのまま前屈みになって、両手を鏡に付けて…」
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「そう、そのまま中腰」
「………」
「尻(ケツ)は少し突き出す感じで」
「………」
「ああ良いね。…うんうん、丸見えで卑猥な感じ」
「あぁ…」
鏡の向こうでは、神田が三脚で立てたビデオの横で、先ほどから嬉しそうな目をして佇んでいた。その目は、服従を誓った女の成長に喜びを浮かべる目だ。
「どれどれ」
耳元に声が近づいてきた。若き主がアタシの“持ち物“を確かめようとしている。主の物を迎え入れる準備が整っているかを確かめようとしているのだ。一瞬の間に早苗はそんな事を理解して、そして“あの部分“を意識した。
あぁ…濡れているわ…。
間違いなく…。
そう思えると、内腿から股間の辺りが高ぶりに震えてきた。
あぁ…お願いします…。
心で哀願の意を決して、早苗は気を張った。しかし…肩越しに聞こえたのは「時間ないからさ、すぐ挿(い)れちゃうか」と、淡白な声だ。
そしていきなり、巨(ふと)い物がヌボッと侵入してきた。いつの間にか上野が、自慢の肉棒を取り出していたのだ。
「ああーーッ」
早苗は一瞬の”ソレ”で絶頂に導かれた。そして、続けざまにパンパンと尻に圧が加わるともう、意識は遠のき、頭の中は真っ白な霧に包まれた。
朱い唇からは無意識に逝き声が零れ続き、その逝き顔は鏡の向こうからビデオに切り取られている。
上野はもの凄いスピードで腰をぶつけてきた。
早苗の頭の中で光が爆発する。身体は痙攣を起こし、膝が崩れそうになっている。しかし、いきなり…。
「はい、休憩」
何を思ったのか、上野が動きを止めたのだ。
早苗の方は膣穴を埋められた状態で、なんで?と言った様子。
その早苗の背中に上野が訊いた。
「オバサン、続けてほしいよね」
「………」
「うんうん、それじゃあね…」
「………」
早苗の尻が物欲しそうに揺れてくる。
「オバサン…俺の言う事なら何でも聞くんだったよね」
その改まった口調に、早苗の顔が上野を振り反(かえ)った。見つめた目はトロンとしたままだが、瞳の奥には不安な影も浮かんでいる。しかし、刷り込まれた負の意識は服従に向かう覚悟をしていた。
「ふふん」
早苗の表情を肯定と判断して、上野が得意げに鼻を鳴らす。
「…じゃあ続きを」
「………」
「行くよっ」
その号令ともとれる声に、早苗は手足に力を入れ、腰に気をやった。
「おっ締まったぞ。じゃあ、このまま宣言してみよっか」
「………」
「それ!」と声を掛けながら、再び腰を振り始めた。
「ハぁーーんッ」
「よしっいいぞ!そのまま勢いで言っちゃぇ、奴隷宣言だ!」
ズボズボと出し入れが一気に増す。
「ほら、早く」
「ああーーッ、アッ、アッ、アタシは上野さんの玩具(オモチャ)です。何でもします!何でも言う事ききますッ」
まさに隷族の宣誓に、頬を緩めて上野が満足げに頷いた。しかしなぜか、早々とソレを引き抜いた。
「………」
上野が早々と一物をパンツにしまい、ファスナーを上げて、今度はズボンのポケットから何かを取り出した。
ソレは黒い布切れ?
朦朧とした早苗には、ソレが何か分からない。
「これ、被ってみて。これはね、ゼントウマスク。ゼンは全部の全。トウは頭。全頭マスクって言うらしいんよ」
たった今まで激しく腰を振っていた上野。その激しさからは、ほど遠い落ち着き払った声。
「SMチックでしょ。ほら、口元が開いてるよね」
早苗の朦朧とした様子などお構いなしに、ソレを広げて見せる上野。
「でね、目と鼻の所は薄くなってるから被っても見れるんよ、ちょっと見にくいと思うけど」
そして、ソレを早苗に渡そうとする。早苗は朦朧としたままソレを手に取った。
「じゃあちょっと行ってくるから。オバサン、買った下着も着といてね」上野はそう告げ、部屋の出口へ向かってしまった。
その場で一人になった早苗。燃え上がった身体はいきなり高見から落とされ、火種が燻ったままだ。満足のいかない身体はスッキリしない。
ふと、鏡を見る。今の痴態も覗かれていたのだ、と想いながら、その蕩(とろ)けた貌をコレで隠すのね…早苗はボオっとした頭でそんな事を考えながら、手にあるマスクを広げて見た。
黒いマスクを見つめてみれば、胸がキュンとなった。火種が息を吹き返す。気がつけば早苗は、マスクを頭に被せている。
マスクを着け終えた早苗は、鏡の前に立ち、その全景を眺めてみた。
確かに告げられたように目元は暗い。しかし、慣れてくると鏡の中に黒マスクの怪しい姿を認めていた。
如何にも肪の乗った腰回り。熟れた乳房。下腹の括れも卑猥な感じがする。
早苗は想う…この後の若き主の命令は何なのか?
恐らく…指示されるのは、想像もつかないような卑猥な行為か?
そんな妄想を受け止めようと考えると、身体がザワザワと揺れてきた。
胸の膨らみと腰が、ゆらゆらして扇情的なシルエットとなって鏡に映る。
手指がしなやかに己の身体を摩っていく。
妄想が拡がっていく。
どこからか手が伸びてきて、この身体をまさぐってくる。
幾つもの唇が身体の局部に舌を伸ばす。
生殖の器官が身体の全ての穴に侵入を試みてくる。
あぁ…早苗は早く快楽に溺れたいと思った…。
しかし…。早苗は一旦動きを止めると、思い出したように手提げの中から買ってきた下着を取り出した。
そしてソレを着け始めた。
鏡の向こうでは、先程から神田が静かに覗いていた。
やがて、出来上がったのは全裸以上に卑猥な姿。
あぁ…それはマゾ奴隷…。
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日曜日の午前中ーー。
優作がポツリと座って、コーヒーを飲んでいる。ここは渋谷家のリビング。
今日も早朝勉強を一応何とかこなし終えて、一息入れているところだ。
朝の自宅の様子を思い浮かべてみる。母の早苗の様子は、どこかフラフラしてる感じで、おはようの挨拶にも力がなかった。
その母は優作が昨夜、帰宅した時は既に眠っており、そのまま寝過ぎで頭がボオッとしてるのかと思った。しかし早苗の方から、今日の予定の事を言ってきた。昼前には用事で出掛けるのだと。
そして『もしも留守中に、タナカ君のご両親が何か言ってきたら、戻りは遅くなると伝えて』と言われた。優作がタナカ君?と聞く間もなく、早苗は部屋に籠ってしまった。
何か言ってきたら…まるで、そのタナカ君ーーおそくら勉強を教えてる小学生ーーと何かトラブルでもあったのかと一瞬心配になったが、結局それ以上に会話は進まず、優作も部屋に籠る事にした。会話が弾んでいれば、昨日敏男と会ってどうだったのかと聞かれたかもしれない。
もし聞かれていれば、会えなくて1人でブラブラしてきたとでも言えばいいのだろうが、やはりその話題は避けたいところだった。まさか由美さんから『貴女の息子君と会ったのよ』なんて連絡が早苗の方に入っていないだろうか…そんな心配が消えないのだ…。
コーヒーのお代わりを採ろうとしてフッと思い出した。初体験をすると、自分の中で何かが変わって自信を付けたようになるとか。
しかし、優作にはそんな気が全く沸いてこない。その相手が禁断の存在、母親の友人だからであろうか。
明日の大塚への相談は敏男の事なのに、ひょっとしたら自分は、由美との“過ち“まで喋ってしまうのか…優作はそんな場面を想像して重い息を吐き出した…。
優作が自宅で耽(ふけ)ている頃、早苗はとあるショッピングモールに出掛けていた。この日の早苗は、珍しく丈の短いスカートを掃いている。このスカートも、この場所に来たのも、朝早く届いた上野からのメールでの指示だった。
昨日から…いや、このところいつも身体は何かを欲している。常に頭の中には上野の顔が浮かんでは消え、消えては浮かんでくる。その顔は飄々(ひょうひょう)としていて、時おり冷たい視線と嘲(あざけ)た笑みを浮かべるあの顔だ。そして、それに媚(こび)を売る自分を妄想してアソコを濡らしてしまう。
早苗は指示通りモール内のランジェリーショップに向かった。
店に入り、原色で派手目の品が置かれたコーナーへと進んだ。
上野からのメールの一文を思い出す。
《~俺が喜びそうなヤツを買ってきてね》
早苗は幾つか手に取ってみた。
上野の顔を思い浮かべれば、彼が喜びそうな物はこれかしらと考えながら選んでいく。
腰ヒモが付いた前を隠す部分の小さい物。
際どいハイレグと呼ばれる物。
Tバック。
それに、ほとんど下着としての機能を携えてるとは思えない物…そして、それとお揃いとされるブラ…そんな物までこの店は置いてある。
やがて早苗は、ブラとショーツそれぞれ二点をセットで決め、レジに向かった。
レジにいたのは若い女性店員。その彼女が品を確認すると意味深な目を向けてきた…ように早苗は感じた。
貴女のような女(ヒト)が“こんな“のを着けるの?
貴女、若い彼氏…いるでしょ?
ひょっとして、彼氏の言いなり?
貴女、調教されてる?
もしかして変態?
そう、絶対そうでしょ!
あぁんッ、と鳴きが入った時、声がした。
「どうもありがとうございました」
目を向ければ、優しそうな店員の顔があった…。
店を出た早苗はモール内を宛もなく歩いた。
人だかりを横切った時、周りの視線が露出された腿に感じた。その瞬間、足が竦んで股間にキュンと痺れが走った。
朦朧とした足取りで、何とか端に寄る。人波はそんな早苗に、好奇の目を向けながら通り過ぎていく。
早苗は壁に背中を預け、腿と腿を擦り合わせた。股間の奥の痺れがサワサワと広がっていく。身体はこのまま、この場所で絶頂を迎えたいと感じていた。しかし微かに残る自制の念が、足を進めさせた。
やがてたどり着いたのは、フードコートの一角。
怠そうに椅子に腰を降ろすと、こめかみを押さえて俯いた。
目がぼやけてきて、頭が重くなっていく。意識が遠のき、瞼が落ちてくる。
どこからか声が聞こえてきた…。
『脱げ…脱げよ早く…』
その声は天から降ってくる。
『早く卑猥な下着を着けてみたいだろ』
コクリと頷き、フラリと立ち上がった。
椅子を引き、ゆっくりスカートを捲り上げ、ショーツに手をやった。そして、下ろし始めた…。
痴毛が揺れている。
股間の辺りが心地好い。
下半身がモヤモヤと熱くなってくる。
淫部が痺れ、あぁッと声が漏れた。
『揉めよ』
また声が聞こえてきた。
片手で捲ったスカートを押さえ、空いた片手を胸の膨らみに置く。
『ほら、しっかり揉めよ』
『はい』従順な声で応えて、手に力が加わっていった。
『あぁ…いいッ!』
いつの間にか胸のボタンが外れ、膨らみが露になっている。
右手は夢中になって、淫芯を擦りつけている。
『んハアッ』
鼻の穴が広がって、荒い息が吐き出されていく。
身体が動かない。
『あぁッいやんッ』
両方の手で破り捨てるように上下の服を剥ぎだした。
床に落ちていく衣服。そしてランジェリー。
そんな事も気にならず、清涼を浴びた身体はブルルと震えた。絶頂が近づいてくる…。
『あぁッ、いッいきそう』
両方の指には更なる激しさが加わっていく。
『アッ、アッ、いッいきます!』
叫びと同時にガクンと頭が落ちた…。
・・・どこかで子供が泣いている。
・・・スマホが震えている。
その振動を感じながら、早苗の目が静かに開かれていった。
焦点がゆっくりと定まってきて、周りの気配が窺える。
視線がテーブルに向くと、スマホのランプが目についた。
頭を振って「ふぅ」と息を吐いた。
スマホを手に持って時間を確認すれば、意識を失っていたのは5分位かと。そんな事を思いながら、もう一度頭を振ってみた。
スマホを開いてメールを見る。上野からのものだ。
《約束の物、買ったよね。これから移動してもらうけど大丈夫かな》
そのメールを読み終えると直ぐに返信をした。
《はい。何処に行けばいいですか》
次に来たメールには記憶にない住所と時間が書かれていた。
早苗はその住所をアプリで確認して、行き方を調べてみた。このショッピングモールを出発する時間を頭に入れ、あと10分ほど時間を潰す事にした。
今ほどの“彼“からのメールを見た時から、心臓の音が少しずつ大きくなっていく気がする。その鼓動は下半身に伝わり、再びアソコが疼き始めてくる。
これから行く所が何処なのか分からない。けれどそこに“彼“がいるのは間違いない。
身体が期待に震えてきた。この何日間で植え付けられた、隷蔟の意識が反応を示しているのだ。
今日はどんな責めをされるのか?
今日はどんな命令を下されるのか?
それらに抗(あがな)いながらも堕ちていく自分の姿が浮かぶ。おそらく…いや、間違いなく末路は悦楽に媚をうるのだ。呆れられながらも、その冷たい視線にさえも快感を覚え、はしたない痴態をさらすのだと。
やがて、ショッピングモールを出た早苗は20分ほど歩いた。
視界の中にビル等の建物が目に付き始めた頃、気がついた。今歩いているのが、あの◯◯駅の方向だと。
目的地に着いた時、緊張を覚えながら改めて目の前のビルを見上げてみた。そう、”あの”雑居ビルだ。
随分と昔に訪れたような気がするが、それが何時だったか具体的には思い出せない。しかし、このビルのあの部屋で、由美の痴態…売春の様子を覗いてしまった事はハッキリと心の中に刻み込まれている。
早苗はゴクリと唾を飲み込み、スマホを手に取った。
《今、ビルの下に着きました》
送ったメールを確認して、佇まいを正す。この時間のこの街の雰囲気は、比較的落ち着いている感じがする。しかし…。
道行く人の視線を感じて思わず俯いた。目に映るのはスカートの裾。そこからムッチリした腿が剥き出しになっている。
頭の中で上野の口元が歪む。
『ショッピングモールに人がいっぱいいたでしょ。どうだった、太ももを露出して?』
『店からちゃんと歩いてこれた?途中で服を脱ぎたくなったんじゃないの?』
そんな声が聞こえた気がして、早苗の身体は武者震いをおこした。またも股間に電気が流れ、よろめきそうになった。
その時ーー。
「早苗君」
はっと我に帰り、振り向いた。
あぁ…溜め息混じりに出た言葉は「神田先生…」…驚きに泣きそうな声だ。
「久しぶりじゃな」
「……….」
目の前に現れたのは神田幸春。早苗や大塚の元恩師で、今はあの怪しげなサークル【華の会】の主催者。そして、その裏で売春組織を運営している人物。
その神田が早苗の様子など気にする事なく、いきなり話し始めた。
「…欲求不満の奥様連中に刺激を与える…上野君は、その手伝いを良くしてくれている。もちろん貴女の事も色々と聞いておる」
「……….」
「今日はお楽しみらしいね…。さぁ上に行こうか、君の“御主人様“がお待ちだ」
「…はい…」小さく声を溢して、早苗の顔が泣きそうになる。それは自分と上野の関係が今、どうなっているのか…それを目の前の神田に披露する場面を想像してしまったからである。
初めての過ちの時は“薬“があった。身体と意識が薬物に汚染されたという言い訳が出来たが、今は薬抜きの状態で隷蔟の宣誓をしている。そして今日も、若き主の前で恥を曝す自分を自覚している。
「さぁ」
神田が早苗の肩をポンと叩く。そしてエレベーターホールへと向かう。その後ろを早苗は、重い足取りでついて行った…。
“その“部屋の中で、敏男は緊張を覚えながら、ベッドに腰かけていた。あれはどの位前だったか、上野と偶然に再会して連れて来られたのがプレイルームと呼ばれるこの部屋だ。とは言っても、上野はこのビルの中に同じような部屋がいくつもあると言っていたから、この部屋があの時ーー初体験をした時の部屋なのかは分からない。今日、敏男は昨日の夜遅くのメールで、ここに呼び出されていたのだ。
ドテっと仰向けに倒れ、天井を見上た。そして、先程までいた上野とのやり取りを思い出す。アイツが既に優作のお母さん、早苗とエッチしたと告げた時はショックだった。しかし直ぐに『それも全部お前の為なんだよ』と言われた。『俺の言う事なら何でも聞くようになったからさ、俺がお前とオマンコしろって言ったら、ちゃんとするからさ』とか。
敏男は素直に納得出来なかったが、『大丈夫だって、お前とのセックスが良かったら、今度はお前の言う事なら何でもする女になるんだからよ。後はお前次第って事よ』…そんな言葉に結局はぎこちなくだが頷いていた。
無理に自分に言い聞かせようとは思わなかった敏男だが、まずは本当にこれから憧れのあのオバサンとエッチが出来るのか…それが何よりの心配であった。
それともう一つ、上野と一緒にいたオジサン。上野が神田先生と呼んでいた学者風のオジサンだ。あの人が上野が考えてる作戦や大塚の事なんかも知ってる口振りだったのは、ちょっとした驚きだった。そういえば話の途中で、この人が“サイインザイ“とか言う薬を作ったと上野から聞かされた事を思い出していた。そんな便利な薬のおかげでオバサンとエッチが出来るのかと思うと、お礼を言わないといけないのかなと、思ったりもした。ーーそんな事を横になりながら考えていると、カチャッとドアの音がした。
「おい大久保、連絡があった。もう直ぐ上がって来るぞ」
上野がニヤニヤしながら入ってきた。敏男はついに来たかと、ブルルと緊張に身体を震わせた。
「ああ、でもお前はまだ、こっちの部屋で待ってて」
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「下の部屋で俺が先に一発 嵌めてくるからよ」
「ええっ!」敏男の顔が一瞬に引き付った。
な、なんで…と呟いたところに、上野が顔を近づけてきた。
「ふふ、心配すんなって。俺達はもう穴兄弟なんだぜ」
上野の射るような視線に言葉を失う敏男。”穴兄弟”…その言葉の意味を暫く考えたが、直ぐに由美の身体が浮かび、それは早苗へと変わっていった。
やがて、仕方ないか…微かに漏れた言葉は上野には聞こえなかったようだ。だが、敏男の表情に納得したのか、上野がニヤリと笑った。
「そう言う事で後少し、待っててな」
そう告げて上野は、直ぐに出て行ってしまった。
早苗は部屋の中で立ち竦んでいた。
由美の痴態を覗いた時と室内の配置に変化はないようで。しかし早苗は、あの時とはまた違った緊張を感じている。隣にいる神田には以前、薬を飲まされ、生まれて初めて人前でセックスをしてしまっている。まさかそれが“免疫“と言うわけではないが、その後も己の痴態を何度か他人に曝してきた。そして今日もまた、この元恩師の前で自分の変わり様を見せる事になるのかと。
「ふふふ、早苗さん、素面のまま私の前で上野君に抱かれるのはまだ抵抗があるかな」
まさに早苗の心情を読み取ったかのように、神田が意味深に顔を向けてきた。
「相手が相愛の対象になったのなら、その想いも分からんでもないが、上野君の方からしたら大した事ではないだろうなぁ」
「………」
「彼からしたら貴女は穴奴隷の一人。なぁそうじゃろ」
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またも早苗は、奥底の真理を言い当てられ、一瞬の哀しみに襲われた。しかしそれは、覚悟と諦めを改めて意識させられたに過ぎなかった。
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改札から自宅側のロータリーに降りて、優作は歩いていた。しかし、少し行った所で何かを思い出したように立ち止まると、踵を返した。
駅の反対側に向かって、何度か入った事のある喫茶店を目指した。家に戻って母親と顔を合わせる事に抵抗があった。それは、気恥ずかしさとも言えるし“罪“の意識もあったからだ。高田由美は何よりも母親の知人であり、考えてみれば小学校時代の同級生の母親でもある。優作はなるべく、早苗の顔を見るタイミングを先延ばしする為に、時間を潰す事にしたわけだ。
カウンターで又もアイスコーヒーを頼んでしまい、それを持って席を探した。無意識に知ってる顔がいないか見回して、そそくさと席に腰を下ろした。
スマホを手に取り出しメールを開けば、あれ以降敏男からの物はない。少し時間を空けて、明日にもう一度謝罪のメールをしようと思った。それでもダメなら明後日の月曜日かと考えて、アイツはこのまま予備校を辞めてしまうのか…そんな考えが頭の中を過ぎていった。
コーヒーを口に運びながら、優作はふと思った。今日の“体験“…敏男との仲がこれまで通りなら、自分はアイツにその出来事を話しただろうか…恥ずかしがりながらも、どこか自慢気に…。敏男の好み…それは俺の母親…という事は遥か歳上の中年の女性。と、すれば俺も似ているのか?。優作はそんな事を思い付いて、改めて自分の性癖を意識した。あの一室で見た由美の裸体。それは間違いなく“肉感的“であった。
頭の中を巡る中年女性の卑猥な画像。ネットで覗いたあの淫靡な世界を現実で直視した感慨。しかし…優作は頭を振ってそれを忘れなければと思った。勿論、勉強の事があるし、敏男の事も気に掛かる。
明日、もし敏男と連絡が付かなかったどうしようか。上野が現れてから最近の二人の間には微妙な空気が生まれていた。そんな中での敏男からの相談…。そんな考えが廻っていた時、大塚の顔が浮かんだ。優作は、会って相談してみようかと思った。
軽い食事を追加して、優作はスマホを手に取った。開いたアドレスは大塚のものだ。アドレスは先日、学校に訪ねた時に交換している。
さて、どういう風に相談をしようかと考えたところで、とりあえず明日の都合を聞いてみる事にした。もし、時間を取って貰えるならどこかでお茶でもと思ったのだ。
ヌケサク先生…と打ったところで、それを消して打ち直す。
《大塚先生 先日はありがとうございました。それで突然ですが、明日の日曜日、時間があれば会えませんか。また相談なんです》
優作は2度ほど文面を読み直し、送信した。
暫くたつと返信が来た。
開けてみれば短い一行だ。
《お母さんの事?》
優作が直ぐに返す。
《いえ、母のその後は大丈夫です。相談は敏男の事なんです》
返信を打って優作は思い出した。そういえば小学校を訪ねた帰りに、大塚の車の助手席に敏男(らしい)が乗っていた事を…。
今度はすぐに返信が来て、暫くの間メールのやり取りが続く事になった。
《敏男君がどうかしたのかい?》
《はい、実はアイツ予備校を辞めようと考えてる気がするんです。最近、昔の知り合いと再会して、ソイツに悪い道に引きずり込まれてる気がします》
《悪い道?それは心配だね。その知り合いというのは、どんな人物なのかな》
《僕とも同じクラスだった奴なんですが、ソイツは一応現役で大学に受かってて。けど軽いところがあって、不健康そうな奴なんです。たぶん付き合うと、悪い方に敏男を引き込むと思うんです》
《悪い遊び友達って感じなのかな? わかった。けど、明日は都合が悪いから月曜日はどうかな》
優作は月曜日?と思ったが、その日が祭日である事を思い出した。そして直ぐに返信をした。
《分かりました! 時間と場所は合わせますので、決めて下さい!》
次の返信には、時間と指定されたファミレスの名前が書かれていた。優作はそれを確認してスマホを閉じたのだった。
パンツ1枚の姿で、大塚がメールを閉じる。その横では真知子が下着を着け終えたところだ。
「貴方、誰からのメールだったの」真知子の声は既に落ち着いている。
その声に一旦閉じたメールを見せる大塚。
「…ああ、息子君ね…」小さな呟きをして、椅子に横たわる姿態に目を移す真知子。
椅子にはグッタリとした早苗の姿があった。その表情は先程から魂が抜けたようで、まるで白痴のようでもある。
「早苗さん、今日は突然で悪かったね。真知子のカミングアウトもあったし、僕らの本当の姿を見て貰うのには良いタイミングかと思ってね」
「……….」
「…それにさ、本当の君の姿も神田先生や“彼”から聞いていたし…」
ゆったりとした素振りで服を着ながら、大塚が話を続ける。
「それと、今日の事は君の彼..“主様(あるじさま)”にも報告しておくね」
そこまで告げた大塚の口元にはまだ、異様な歪みが残っている。
早苗は椅子に沈んだまま、大塚夫婦の動きを傍観していた。その目は二人の姿が玄関の方に消えた後も、暫く虚(うつろ)なままだった。
その後どの位の間、座ったままそこに居たのか自分でも分からなかった。早苗が立ち上がったのはインタフォンの音に気づいた時だった。
現実に引き戻され、覗いたモニターに見えたのは宅配便の青年の姿。
手ぐしで簡単に髪を整え、自分の衣服を確認する。それから玄関で荷物を受け取った。
荷物をテーブルの上に置くと、床の汚れが目についた。それは、あの夫婦が残していった汗と唾液と牡精が混ざった情痴の痕だ。
早苗は暫く立ったまま、濡れた床を見つめていた。股間の奥には自身の濡れも認めている。心の中では嘆きの炎が燻(くすぶ)っている。早苗は尿意を我満するように、腿と腿を擦り合わせた。そしてゆっくり、服を脱ぎ始めた。
全てを脱ぎ終え、素っ裸になった早苗。瞼の裏には快楽に溺れる夫婦の残像が視える。その早苗の表情(かお)に、病的な翳が落ちていく。
徐に足幅をとって、両の膝を軽く外側に張った。そして、ガニ股開きした股間に手を伸ばした。
「はあぁ…ん…」
指は軽く“ソコ\”\”に触れただけだったが、それでも声はハッキリと上がった。眉間に皺(シワ)が寄って、指は導かれたように深く侵入を試みた。
「んはぁっ」
朱い唇が微かに開いて、そこから甘い吐息が落ちていく。
足の指がグッと床を噛みしめ、身体の律動を支える。それに呼応するように腰が揺れ始めた。
女穴からは液体が婬汁となって、指を伝わり滴り落ちていく。
やがて、身体の揺れに耐えきれなくなったのか膝は折れ、早苗は床にへたりこんだ。
吐息を静かに吐きながら、身体はゆっくり四つ身の体勢へと向かった。
尻を上げて股間の辺りを意識する。誰かが…それは若き主(あるじ)の視線なのか、早苗は服従の意識でソコを拡げる。羞恥の意識は内側から震えを誘い、確かな弛緩を身体にもたらした。早苗の指はその震えに応えるように突起にたどり着いた。
その瞬間「んぁッ、イイーっ」部屋中に叫びが響き渡った。
自らの叫びは情欲に油を注ぎ、指の動きは直ぐに激しさを増した。そして乳房をユサユサ揺らしながら、身体は四つ身のまま後ろに進んだ。
動物が敵から後ずさるようなその姿は滑稽であった。が、早苗の意識は別の快楽を欲していた。尻の割れ目が求めたのは、ソファーの角。その出っ張りに股間の中心を押し当てた。そして、女穴を中心にアナル、痴豆と擦り付けた。
恥など感じる余裕などなく、これでもかと割れ目を角に擦り付けた。
獣のように四つ足で床を噛み、背中は弓を張ったように反り上がる。早苗はその態勢のまま一度目の絶頂を迎えようとした。
「んぐっ、イッ、イグウッ!」
下顎が震え、吐き出された叫びはまだ、満足に遠い。
意識の中にある若き主との情交を意識して、割れ目を再びソファーの角に強く圧し充てた。
「あぁんっ」
鋭敏になった性器は更なる激しさを求めていた。ヌルヌルになったソファーの角部分を己の膣穴に迎え入れようとした。尻で円を描きながら、何とか快楽を増すようにと願う。口からは何の憚りもなく、悲鳴のような声が溢れ続く。
「いいッいいッ、もっと!」
一度目の絶頂から早くも次の頂きが訪れた。
腿は震え、早苗はそのまま崩れ落ちそうだ。目は白目に代わり、口元からは唾液がツーッと落ちていく。
アッアッアッと小刻みに顎が震えた後に、ウアァッと短い嬌声が上がった。そして身体は崩れ落ちた…。
カエルが潰れたような格好で、突っ伏した状態。やがて、朦朧とした意識が戻ったのは又も玄関のインタフォンが鳴った時だった。瞼に霞が掛かった気分でモニターを覗く。映し出された姿に、えっと声が上がった。
呆気に取られた早苗だったが、直ぐに頭の中を冷静な風が吹いた。
(そうだったわ…)
今日は近所の小学生に勉強を教える日だった。息子が小学生の頃から続いている勉強会である。今年度の日程はまだ正式には決まってない中で、今日の土曜日は月曜が祭日の為に特別に設けた日だったのである。
うぅんと咳払いをしてモニター越しに「ちょっと待っててね」と、話し掛けた。
早苗は急いで和室部屋と向かった。手には脱ぎ散らかしていた洋服や下着がある。シャワーも浴びたい所だが、その余裕もなく慌ててワンピースを身に着けた。一旦洗面所に入り髪型を確認する。胸周りと股間が軽く感じるのは、下着を着けなかったからだ。待たせてはいけないと言う焦りの気持ちのまま、目についたタオル1枚持ってリビングへと戻った。
今日来た子供達は3人。全員が6年生の男子生徒。早苗は急いで汚れた床を拭いて、急いで子供達を招き入れた。
テーブルにノートや筆記用具を置く。早苗はパソコンは使わない。
子供達は学校の教科書を広げて、一応準備は整っている。今日いる生徒のうち、1人は初めての子だ。その大人しそうな子を横目に冷蔵庫に向かった。飲み物を用意しておくためだ。
ペットボトルを取り出した時、ティッシュが落ちている事に気がついた。それを拾おうと腰を屈めた瞬間、ジュクリとアソコの濡れを感じた。
背中は子供達の方に向いている。早苗は中腰になり、そしてゆっくり尻を突き出した。
子供達はみな、それぞれの問題集を覗いている。早苗は尻が突き出たその格好のまま動けない。臀部を幼い視線に犯されたいのか、膨らみは緊張を覚え、汗ばんできた。
突き出た臀部を意識しながら、子供達の様子を伺った。すると、子供の1人がこちらを向いた。あの大人しそうな子だ。早苗はその子の視線を尻に受け止めた。
腿の内側が震え、股間の辺りがジンジンする。
席について挨拶をすると、”その子”と視線が交わり、下半身がゾクリとした。
早苗はソロリと胸元を覗いてみた。上から一つ、二つとボタンに手を掛けた。なぜ、こんな事をするのか自分でも分からない。
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その瞬間、またも股間の奥がキュンとして、思わず座り込みそうになった。
「先生、大丈夫ですか」
「先生…」
頭がボオっとして、目の前が膜に覆われた感じだ。
子供達がこちらを見上げている。1人の目はキョトンとしている。もう1人の目も、何があったのかと戸惑いの目だ。1人だけが俯いている。あの大人しそうな子だ。その子を意識しながら、そちらを向き直った。早苗のその目には、病的な色が浮かんでいた。
早苗は胸元を覆い隠しながら頭を振った。
「ご、ごめんなさい。ちょっと頭がクラっとしたから…顔を洗ってくるわね」
そう告げて廊下に向かった。
洗面所に入った早苗は、顔を洗ってフーッと息を吐く。
(…こんな事じゃダメなのに…)
鏡の中の顔を見ながら、自分を叱咤しようとする。しかし、頭の中には淫靡な波が広がっていく。
鏡を見つめながら、胸の膨らみにそっと手を置いた。
「あぁッ!」
瞬間的に電気が走り、身体は沈み込みそうになり、早苗は化粧台の淵に手を付いて、なんとか身体を支えた。
その時。
コンコン。
その音に一瞬、ビクっとして「…はい…」と、上がったのは、か細い声だ。
「あのぉトイレ、借りていいですか」返ってきたのは、こちらも細い声。生徒の1人だ。
そっとドアを開けて、早苗はその子を見た。あの大人しそうな子だ。
初めてのこの家で、礼儀正しく断ってからトイレを使用しようとしているのがよく分かる。
早苗は廊下に出て、トイレの前まで歩いた。背中に感じる視線…いや、その視線は下半身に集中しているのではないか。意識はそんな妄想に襲われている。
トイレの前で「ここよ」と掛けた言葉は熱を帯びたように震えていた。
恥ずかしそうにして、ドアを閉めるその子の顔を見ると、モヤモヤと身体まで熱くなってきた。はぁっとタメ息のような声を漏らして、足はフラフラと和室部屋に向かった。
部屋で手に取ったのは、風呂上がりに着るガウンだった。ワンピースを脱いでそれを着た。下着は何一つ着けていない。ガウンの下は素肌のみ。
なぜ、こんな真似をしているのか早苗にも分からない。
足音を殺してトイレの前へと戻ってみる。ちょうどその子が出てきたところだ。
「…ねえ君…ちょっと来て…」それだけを言って背中を向けた。
再び廊下を行く早苗の背中は、先ほど以上に視線を感じている。
ガウンに着替えた事を、この子はどう思っているのかは分からない…。そのガウンの下では、肉体が熱の高鳴りを溜めていた。
「ここで…」
小さい呟きを零して、早苗の足が止まった。
振り向いた早苗の目には戸惑いの顔が映った。
頭の中は黒い雲に覆い尽くされている。
トロ~ンとした目でその子を見つめる。
「………」
早苗の手がお腹の前辺りでクロスされ、ガウンの端が掴まれた。そして…。
パッと開かれた両手。
同時に朱い唇が「はぁぁん」と泣く。
身体に微かな清涼を感じた。
乳房が解放を味わいブルルと震えた。
両の膝が外側に張って、痴毛の辺りが心地好い。
尻の割れ目を閉めると、アソコがキュンと疼いた。
閉じられていた目をユックリと拡げてみた。薄く開かれたその目に、なんとも言えない子供の顔が見えた…。その瞬間、早苗は味わった事のないオルガスムスを感じていた…。
優作が家に帰ったのは、結局夜の8時過ぎだった。
早苗には帰宅の予定時間はメールで報せている。それに対する返信は無かったが、特に気にする事もなかった。
しかし…。
玄関を開け、リビングに入った瞬間ムッとして、すえた臭いが鼻を付いた。ここに来て急に気温が上がったからか。
優作はキッチンに行って、見た。コップや皿が積まれたままである。それでも悪臭などは特に感じない。それよりも…。
優作は気配のしない母親の事が気になって、廊下に出た。向かったのは1階の和室だ。
和室の引戸扉はピタリと閉じられていた。その扉の前で優作は緊張を覚えて少し戸惑った。
何日前だったか、夜中に目が覚めてここに立った。その時の扉は少し開いていた。そして、恐る恐る覗いた。あの夜、母は布団の上を一糸も纏わないで姿で横たわっていた。
優作は扉にそっと手をやり、静かに開けてみた。目に映ったのは眠る母親の姿。その姿態は…と、目を凝らせば服は着たままの様だ。優作はホッとする自分と、どこかで気が抜ける自分を感じて静かに扉を引いた。
2階に上がり着替えを済ませた。母はあのまま朝まで寝るような気がして、まずはシャワーを浴びる事にした。
浴室の前で服を脱ぐと思い出した。今日、俺は女の人の前で裸になったのだと。人間なら誰もが必ず通る道の一歩なのだが、その相手は遥か歳上で、しかも母親の知り合いで同級生の親。1日中繰り返される葛藤。罪の意識と平行してあるのは、自身の性癖の気付きだ。何日か前から見初めた…見初めてしまったネットの画像は間違いなく中年女性の物ばかりだ。
気づけば優作の右手は、股間の物に触れていた…。
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駅に着いた所で、優作は大きく息を吐き出した。身体は微熱があるかのように、高鳴りがまだ繰り返されていた。
振り返って、先ほどまで居たビルの方角を向いて、もう一度息を吐き出した。それから辺りを盗み見るように首を振ったのは“罪”の意識が生まれていたからか。
ロータリー沿いのカフェに目が留まって、そこに向かった。逃げるように飛び込んだのも、間違いなく人の目を気にしたからだ。
席に着いてスマホを手に取った。
メールを開けてみて、えっと驚いた。
《優作 俺も着いた。何処にいる?》
なんと敏男からのメールだ。
それから10分おきぐらいに続けざまに来ている。
最後の一通には《もう待ちくたびれた! 帰る!》とある。
優作は昼前にこの駅に着いてからの時間の経過と、自分の動きを思い出してみた。僅かな差で敏男と行き違ったのか?・・・そんな事を一瞬思ったのだが、今はそんな事より、頭の中は先程の“出来事“に占められていた。
注文したアイスコーヒーを持ってきた店員にも、俯いたまま応対してしまった。それも又、自分が犯した“罪”から顔を背けたい気持ちがあったからか。
遙か歳上の女性、しかも母親の友人。その女性、高田由美との出会いがなぜ起こったのか、その理由は説明が付かなかった。
優作はコーヒーを一気に半分ほど飲み、落ち着きを取り戻そうと思った。それでも直ぐに、あの一室での出来事が甦ってくる。唇はコーヒーの苦味を感じるのだが、あの感触は忘れていない。初めて唇と唇が触れた時の感触。紅い舌が口の中に侵入してきた時の感触。それに、下腹部が暖かい泥濘(ぬかるみ)に包まれた時の感触も覚えている。そして、自慰とは比べ物にならない程のあの時の感触。優作はもう一度由美の顔を思い出そうとした。しかし、浮かんでくるのは熟した肉体の方だ。
あの小部屋で見た由美の姿態。豊満な乳房に、それに続く下腹とその腰回り。あれこそ“肉感的“と今なら言えるが、あの時はただただ緊張を覚えるだけだった。
股間の翳りは濃く、それが物凄く嫌らしく見えた記憶もある。太腿の大きさも、あれが自分の好みと今ならハッキリと分かる気がする。そして、あの臀部。自分の中にある癖がどのようなものか知るよしもないが、あの割れ目に顔を埋めたいと思ったのは間違いない。
顔の辺りはまだ、熟した体臭に包まれている気がする。手にはあの膨らみを揉みしだいた感触が残っている。膨らみの先の突起をしゃぶった唇の感触も。
優作はゴクリと唾を飲み込んで、こっそり股間に手を置いた。この慣れ親しんだ大きさが“あの時“は異様に膨らみ、反そり勃っていた。
あぁ…っと静かに吐息を吐いて、もう一度あの泥濘(ぬかるみ)の瞬間を思い浮かべた。フェラチオ・・女性が男性器を口にする性愛の行為。跪(ひざまづ)き“ソレ”を口にしながら見上げてきた由美の顔。その後に初めて感じる事になった津波のような高鳴り。いつの間にか股間がはち切れそうに膨れ上がっている。優作は慌てて回りの視線を確認した。そして何かを振り払うように、コーヒーの残りを飲み干した。
空になったコップを置いて、小さく息を吐いた。
頭の中から由美は消えない。
“事“が終わった後の由美の態度は、どこか飄々(ひょうひょう)としていて、知り合いの息子とひと時を過ごした事など、大した過(あやま)ちと感じていない様子だった。しかし、優作にとっては感慨深い事実であると同時に、過ちであった事も間違いなかった。
優作はそれから1時間ほどこの店で耽(ふけ)て、街を後にした。
帰りの電車の中で思い出した。
スマホを開き、敏男への返信をどうしようかと思った。アイツの悩み・・大した事がないと決めつけていた自分に恥ずかしい気がして、とにかく謝ろうと思った。
電車に揺られながらメールを打つ。
《敏男ゴメン! 夜にでも会えないか! 本当にすまん!返信を頼む!》
それから暫くするとスマホが震えた。
開けてみた。
《もう いい》
短いその返信に直ぐに電話を掛けようと思った。しかし、車内の視線に気づいて、駅に着くまで我慢した。
駅に着くと直ぐに降りて、電話をした。けれど留守電が続くばかりだった…。
敏男ーー。
手の中でスマホの振動を暫く感じていた。留守電メッセージに変わるのを確認して、うんうんと一人頷いた。それから少しして、馴染みになったアドレスを開いた。
メールを打つ。
《優作からメールがきた。アイツ、ヤキモキしてるみたい(^_^)v。それで本当にアイツはやったの?ビデオに録ったの?》
今日の指令――。
上野からの待機指令に、取り敢えずコイツの言う事を聞いていれば、早苗と“いい事“が出来ると信じて。そして、優作に対してマウントを取れると思って、あの駅に行った事にして、家でソワソワしていた敏男。
上野の作戦によると、由美さんが登場して優作を連れ込むんだと。そこで優作に“恥“を掻かせるんだと。詳しくは知らされてないが、それも又、上野を信用しておけばサプライズになって返ってくるんだろうと高を括っている。
そういえば上野が、大塚の事を呆れながら言っていた『あの夫婦は本物の変態だなぁ。自分達の性癖を満足させる為なら他人を巻き込むのも平気なんだからよ。大久保よぉ、お前も気をつけた方がいいぞ。露出プレイはほどほどにな』と。
敏男は上野とのやり取りを思い返して、大塚夫婦の事を考えた。浮かんでくるのは真知子との変態遊戯。そして、それを見て聞いて涎(よだれ)を流しそうな大塚の表情(かお)だ。
記憶の中から由美、真知子といった熟女達との体験を思い出すと、自然とアソコが大きくなってくる。敏男はパンツを下ろそうとした。しかし…。
(…ガ、ガマンだ…溜めとくんだ。もうすぐだ…もうすぐオバサンと…。それまでは射精(ださ)ないで…)
息を静かに吐いて、高ぶりを抑えようとする敏男。
その時、スマホが震えた。
見れば優作…ではなく上野からのメールの返信だ。
《さっき由美から報告があった。アイツはやっぱり短小で早漏の男だった(爆)。これをネタにお前にマウントを取らせてやる。アイツの母ちゃんともちゃんと姦(や)らせてやるから安心しろ。あと少しガマンして待っとけや》
メールを読み終えて、頷く敏男。一つ気づいた事は、上野が『由美』と呼び捨てにしてる事だ。たしか前に上野が言っていた『何でも言う事を聞く奴隷みたいな女がいると便利だな』とか。そんな事を思い出して、敏男は小さく「…早苗…」と口に出してみた。
渋谷家では…。
早苗の前で大塚夫婦の恥態が続いていた――。
早苗の両足を縛り上げていた戒めは、いつの間に強度を失いユルユルになっていた。しかし、早苗には逃げ出す気配がない。目の前の夫婦の変態的な姿に、意識が取り込まれてしまっているのだ。
物静かなイメージしかなかった大塚…その動きは今は、獰猛な熱をずっと放射し続けている。
次から次へと形が変わる夫婦の契りは、間違いなく早苗に見せ付ける為のものであった。
己の性器の露出など気にする様子もなく、夫婦は恥を忘れて取り憑かれたように腰を振っている。
早苗の羞恥の表情が、逆に夫婦の欲情を誘うのか、大塚が時折り、早苗の様子を覗いて唇を歪め、笑う。
「あぁ…どうだい早苗さん、ちゃんと見てておくれよ。僕のが入ってるだろ、真知子のマンコに」
正常位で真知子を組伏す大塚が肩越しに振り返っている。真知子も他人に見られている事など、全く気にする気配もない。喘ぎ声は益々激しくなっていくのだ。
「あぁ早苗さん…早苗さんのご主人は単身赴任だったよねぇ」
腰を打ち込み、荒い息を吐きながら大塚が早苗に語りかけた。
「…でも、ご主人がいなくても最近は満たされているんだよねぇ」
その言葉に早苗の背筋がピリリと伸びて、上野の顔が浮かんできた。あぁ…知られているのね…表情が強張っていく。
上野を中心に神田幸春がいて、高田由美。そして目の前のこの夫婦。早苗は、あぁ…っと苦しげに嘆きの息を吐き出した。
「ほら早苗さん、目を摘むっちゃダメだろ。もっとよく見るんだ、僕達変態夫婦の姿を」
妖しげな物の怪(もののけ)の声をあげる大塚の口元は、異様に歪んでいる。
「あぁ、どうして私にこんな事を…」
早苗の呟きに大塚が又も振り返った。
「ふふ、早苗さんにも変態の血が流れている事はもう知らされているからね」
「あぁ…そうなのね…」早苗の目が諦めの色に染まっていった。
大塚が一旦一物を抜いて、真知子の尻を叩く。真知子が心得たように四つ足になって尻を突き出した。
「真知子、そっちじゃない。穴(ケツ)を早苗さんの方に向けるんだ」
絶え絶えの息を継いで、真知子が身体を動かす。
「あなた…早く挿(い)れてぇ」
甘ったるい嘆きの先に、真知子のデカ尻がある。その中心にはベト濡れの女性器。匂いたつソコは赤黒くて。ソレを見つめる早苗のアソコは、シドドと濡れている。
「さぁ今度はイヌの格好でやるよ」
真知子に言ったのか早苗に向けた言葉なのか、大塚が水を得た魚のようにこの部屋の中を自分の色に染めている。
結局のところ聖職者と人から呼ばれながらも、一皮向ければ“欲“に溺れる人間なんだと。いやいや、聖職者だけにそれは質(たち)の悪いという事だろう。早苗はもう、大塚がこの家を訪れた理由も、この夫婦の真理も、どうでもよかった。今、意識を占めているのは、自分も早く目の前の夫婦のように沈んでしまいたいという願いだった…。
突き出たデカ尻を掌でガシッと掴み、大塚は中腰の態勢になって肉棒の先を秘艶に充(あ)てがっている。その泥濘からは今日何度と放たれた白濁の残り香が、テカり輝いて見える。
「早苗さん、聞いてくれるかい」
腰を真知子の割れ目にグイっと突き押して、大塚が背中越しに早苗に問い掛けた。
真知子の背筋が「あぁんッ」と一瞬にして跳ね上がる。
「…君が退職した後だったと思うけど、学年の先生連中と休みを利用して温泉地に旅行に行った事があったんだ。…慰安旅行って事なんだけど、僕ら公務員の旅行って、そういう時は思い切り羽目を外すじゃないか」
大塚が腰を打ち込みながら続ける。
「その時はね、温泉に入って、部屋で酒盛りをやって随分と盛り上がったんだよ。それで、酔っ払ってきた頃、誰かがストリップ小屋があったぞって言ったんだ」
「………」
「それでさ、みんな酔いに任せて行こうって事になったんだ。…僕はさ、それまでストリップなんて名前は知ってたけど、行った事がなくてさ…」
早苗の視線の先では、性器と性器が互いを喰い合うように蠢いている。
「行ってみて驚いたよ。早苗さん、知ってるかい。色んなショーがあったんだ…例えばSMショー。凄いぜ、仮面を付けた男が早苗さんみたいなムチムチの女を縄で縛るんだ」
「あぁッ…」早苗の朱い口が小さな呻きを落とした。
「Mの字に開いた脚のさ、腿を縄で縛って後ろに回してさ。勿論前はスッポンポンのいわゆる無修正だよ。マンコが拡がってる所と縄の絡みがさ、物凄く嫌らしく見えるんだよ」
「…んんッ…ツッ」
「酔いなんか直ぐに冷めてね。…でもそれ以上に凄かったのが、白黒ショーだよ。知ってるかい、裸の男女が舞台の上でセックスするんだよ。男も女も僕ら位の中年なんだけど、それが厭らしくてさ。色んな形でやるんだ」
目の前の夫婦はその時の舞台芸人になったつもりでいるのか、取り憑かれたように腰を打ちつけ合っている。違うのは、真知子の口から出る喘ぎの声は、間違いなく本物の叫びだ。
「その次はさ…なんだと思う?」
大塚が振り返る。そこには汗にまみれた歪(ゆが)んだ顔がある。そして、口元が歪(いびつ)に曲がる。
「本番まな板ショーって知ってる?」
「………」
「踊り子さんがさ、客の中から一人選んで舞台に上げるんだよ。…分かるかい?それで、みんなが見てる前でやるんだよ!セックスだよ!セックスするんだよ」
「んあっッ…」
「あぁ…早苗さんも興味ありそうな感じだねぇ。想像してるだろ」
自分の表情を読み取られたのか、早苗は無意識に眉を寄せて俯いてしまう。
そんな早苗など気にせず、大塚が一段と腰のギアを上げた。
「僕らの中からは誰も上がらなかったけど…同じ位の歳の人が舞台に上がってさ…」
「………」
「あぁ…とにかく凄かったんだ。あれで、僕の中の何かが弾けたんだよ」
「………」
「後で聞いたんだけど、その時舞台に上がったのが、同じ宿に泊まってる他の学校から慰安旅行に来てた先生だったんだよ」
「あぁッ!」今度はハッキリとした呻きが、早苗の口から上がった。
「へへ、凄いよね。でも、早苗さんにも分かるだろ。僕らはいつも凄いストレスを感じてたじゃないか」
「あぁ…」
「だから、いいよね。…いいだろ?こんな変態になっても…」
「………」
早苗の疼きは頂点に差し掛かっていた。足の戒めはいつの間にか床に落ちている。今すぐ立ち上がって、着ている服を脱ぐのは容易い状況だ。目の前の夫婦の前で自分も性器を露出し、霰(あられ)も無い姿を披露して軽蔑の視線に晒されたい…そんな願望が既に出来上がっている。
この淫靡な空間には、中年男女の妖しいフェロモンが漂っている。しかし早苗は、その“臭い“を不快と感じていない。自分の身体からも同じ種類の匂いが発散されているのだと、無意識にそう思っている。あぁ…この身体から放たれた臭いがこの夫婦を呼び寄せたのか…。早苗は朦朧とする意識の中で、そんな事を考えた。
「早苗さん、目を摘むっちゃ駄目だって言ったろ。あぁ…もうすぐフィニッシュだ。さぁしっかり目を拡げて見届けておくれ」
声と同時に、大塚の腰の動きが最後に向かって強度を上げた。
「あなたッ――。いいのッ!」
「だ、だすぞッ!」
「おおっ――。いッ、いぐッ!」四つ身の真知子の背筋が反り上がる。そして一瞬硬直した…かと思うと「ううっ」と、夫婦同時に呻きをあげて、大塚が真知子に被さるように倒れ込んだ。
早苗は二人が同時に逝ったその瞬間、股間の奥でキュッとした痺れを確かに感じとった。身体がブルルと震え、椅子から滑り落ちそうになった。その足元は深い深い闇の入口のようであった…。
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優作と由美が会っている頃――。
突然、渋谷家のインタフォンが鳴った。
早苗が慌てて立ち上がる。
モニターに映る姿を見て驚いた。そこに見えたのが大塚だったからだ。
「…どうして…」
そう口して、早苗は狼狽を覚えた。
いつ以来かと記憶を探れば、そんな事より先に浮かんだのは、真知子から聞かされた夫婦の性癖の事。
僅かな間の中で、頭を巡ったその言葉ーー性癖は今は、自分も身近に意識付されている。そんな一瞬を感じた早苗は、恐る恐るモニターに話し掛けた。
「あの…何でしょうか…」
「こんにちは早苗先生。突然に申し訳ない。実は相談があって、いきなり失礼とは思ったんだけど、訪ねてしまいました…」
その落ち着いた口調に早苗は、更なる緊張を覚えた。この会話を聞いた近所の人なら、普通の挨拶程度に思えるだろうが“正体“を知る早苗には…。
暫くして、早苗は掠れた声で「…はい…」と返事をした。そして玄関に向かった。
玄関のドアを開けて更に驚いた。大塚の後ろに真知子がいる。そんな早苗を見ながら、大塚は心得たように云った「ごめんなさいね。どうしても相談したい事があってね」
唖然とする早苗に、大塚は囁くように続けた「玄関口じゃ、あれなんで…ちょっとお邪魔するよ」
半ば強引に大塚達が入ってきた。呆気にとられる早苗の前で靴を脱ぐ。早苗はその様子を呆然と見送るだけだった。
リビングに戻った早苗は、この夫婦をどうしたものかと戸惑った。しかし、取り敢えずは席を勧めるしかないのかと、二人をソファーに促す事になった。
二人が着座するのを見届けて、早苗も座った。その表情は緊張に陰っている。
「…あのぉ、大塚先生…お願いと言いましたけど、どのような…」
まさか、真知子から聞かされた夫婦の秘密…それの口止めに来たのか…。
「………」
暫く室内に沈黙が漂った。早苗はその静寂を息苦しいと感じた。その時。
「早苗先生、このソファー大きくて良いですね。ベッドの代わりになるでしょう」
「はぁ?!」早苗の口から間の抜けた声が発せられた。
そんな早苗を見て、大塚が改まった声で話し始めた。
「いやいや、今日お邪魔したのはね。先日真知子の事を調べて貰ったでしょ。それでね、早苗先生からの報告では、妻は通ってるサークルでそれなりに楽しんでる。そう言う事だったよね。貴女は真知子が『欲求不満を払拭するように楽しんでいた。解放出来る所にいる』とか言ってたよね」
大塚の言葉に早苗の身体が金縛りにあったように硬くなっていく。
「それでね、僕はその時、実は物凄く興奮を覚えたんだよ」
「えっ!」
「うん、その後にも妻のカミングアウトを聞いたと思うけど僕はね、妻が僕以外の男とセックスするのが嬉しくてね」
あぁ…ちょっと待って…そう口にしようとしたが、動けなかった。硬直が進み、視界が狭まった。しかしその目は大塚の口元に引き寄せられている。
「………」
「君は僕を…いや、僕達夫婦を変態だと思っただろ…今も思っているよね…」
大塚は自ら発した言葉に、自分自身が納得したように頷いていた。
「うん、それで今日はさ、僕達の性癖をもう一つ知ってもらおうと思ってね」
性癖…あぁ..またその単語が…。早苗の脳裏にジンジンとノイズが鳴り出した。
「その“癖“はね…ふふ…たぶん…早苗先生も喜ぶと思うよ」
ねっとりとした何とも言えない口調で告げて、大塚の瞳が妖しげに輝いている。その横では夫の話しをどんな気持ちで聞いているのか、鈍よりした面持ちの真知子がいる。
「じゃあ始めさせてもらうね」
大塚が言うと、隣の真知子がスッと立ち上がった。そして何をしようと言うのか、バックから何やら取り出し早苗に近づいた。
真知子の手には縄が握られていた。そしてそのまま、早苗の膝元に屈み込んだ。
「早苗さん、ちょっとゴメンなさい」そう呟いて真知子が、早苗の踵を持ち上げた。
一瞬何事かと思った早苗だったが、重心が後ろに、踵が浮き上がると直ぐに、縄が膝から足首を巻き始めた。
咄嗟の事に、早苗には大した抵抗など出来なかった。
そして、縄は乱雑ながら幾重にも回っていく。早苗の両足は一瞬のうちに縛り挙げられた。
「ごめんよ、僕も一応教師だからさ。君に逃げ出されてご近所に助けを求められても困るからね」
「………」
「じゃあ真知子、始めようか」
夫の言葉に真知子が畏まったように隣へ行った。
リビングの中を影が覆ってきた。陽の光がちょうど雲に遮られている。
早苗は横目に南側の窓を見た。薄いレースのカーテンがかっちり閉じられているのを確認して、どこか安心する自分がいる。
「早苗先生、どんな事があっても目を逸らしちゃダメだよ」
大塚がシャツを脱ぎ始めた。それから少し遅れて、真知子の手が上着に掛けられた。
(…なに…なんなの…)
目の前で信じられない事が始まろうとしている。
(…あぁ…うそ…うそでしょ…)
体温が一気に上昇していく。
発汗が起こりザワザワした不穏が沸き立ち、しだいに身体がブルブル震え出した。
目の前の二人は、既に下着姿になっていた。
「さぁ見てておくれ。しっかり目を開けてておくれよ」と、大塚の口元が歪んでいる。
真知子が夫の足下に膝まづいた。その目は夫の股間を見上げている…早苗にはそう見えた。
何の躊躇もなく、真知子の指が目の前にあるパンツの端に掛かる。そしてあっさりと下ろされた。
テロんと顔を出した“ソレ“を横目に捉えて、早苗は顔を背けた。
「あぁ快感だよ。知り合いの人の前で下半身を曝すなんてさ。…さぁ早苗先生、よそ見しないで見ておくれよ、僕の“コレ“を」
早苗は伏し目がちに“ソレ“の気配を感じて、更に顔を臥せた。
「さぁ次は真知子だ。真知子の裸はどうかな」
熱に魘(うな)されたような声が、隣の真知子に向いた。
立ち上がった真知子が、早苗を見下ろしながら云う。
「ねぇ、早苗さん。私の裸も見てね。…言うことを訊かないと…ふふ“彼“から御褒美を貰えなくなるわよ」
ああッ!と電流が走ったように早苗の顔が跳ね上がって、声の方を向いた。
頭の中に\”彼”という言葉が舞って、唇はワナワナと震えだした。そして、心の中で小さく「知ってるのね」と問いかけた。
「早苗さん分かったかな。貴女は見るのだよ、僕と真知子が交わるところを」
「うふふ、主人ってどうしようもない人でしょ。この人はね、教師のストレスが溜まっておかしくなったの。それでね、変態的に事をするようになったのよ。貴女も教師をやってたんだから分かってくれるわよね」
ウウウッと喉の奥から唸りが上がった。
(あぁ…変態…変態って…私も…私もなんです…)
椅子に座る早苗の表情。それを見て“何か“を確信したのか、夫婦それぞれの顔には妖しい笑みが浮かんだ。
「さぁ真知子、全部脱ぐんだ」
その声にも早苗の顔は沈まなかった。
早苗は涙目で前の二人を見つめている。
真知子が黒い上下の下着を脱ぎさった。
大塚が全裸になった真知子の肩を引き寄せる。
二人は互いに相手の目を抉るように見つめあうと、いきなり噛みつくように唇を奪いに行った。その獰猛さは溜まっていた欲求を一斉に爆発に導いた。
ブジュ、グジュ、ジュシャーッ。口元から唾液が飛んで、部屋中に濁音が響き渡った。
唇を吸い合う音は自らを鼓舞するようであり、見る者に対する煽りでもあった。
唇を離す二人。
真知子がしゃがむと目の前にある肉の棒にムシャブリついた。
鼻の穴を広げ、荒い息を吐き出しながらするその行為は、肉食獣の様相だった。その姿も又、早苗に見せつけると同時に夫婦互いを煽るものだ。
「あぁっ貴方、凄いわ。今日はいつも以上の硬さよ!早苗さんが見てるからね」
妻の言葉に大塚の頬が歪む。その醜く歪んだ顔は、如何にも変質者のものだ。
他人のセックスの覗き見ーあの時以来のー。
今回はよく知る知人。
売春婦と客ではない。
二人とも同じくらいの歳。
それをこんな近くから…。
早苗の涙目は渇き、その瞳の奥には妖しい光が灯ろうとしていた。
知らずのうちに、早苗は膝と膝を擦り合わせている。尿意を我慢するように、疼きを鎮めるように、擦り合わせている。
二人の粘着は止まらず、密着したまま大塚が真知子の背中に周った。
後ろから手を回して、胸の膨らみを潰すようにワシ掴んだ。
「アアッ」
悲鳴のような矯声が上がった。指の間から飛び出た突起が、見事に尖り勃っている。
「あぁん気持ちいいっ。貴方、揉んで!もっと強く!」
「あぁ凄いじゃないか。乳首がビンビンだ」
「あぁー貴方ッ、アタシの、アタシのアソコ舐めてッ」
「アソコってどこだっ。早苗さんにも分かるようにハッキリ言うんだッ」
「いやぁん、マンコ!マンコよッ。ヌルヌルのアタシのマンコよッ」
大塚の手が真知子の両肩を押すように、そして自らその女体を浴びせ倒すようにソファーに倒れこんだ。
大塚の手は真知子の股間を押し開くように侵入を試みた。それを待っていたかのように、真知子の股が開く。
早苗の目には、肉付きのよい腿が左右に割れる様子が映り、その奥に黒い翳りをハッキリと認めた。
「さぁ早苗さん、真知子のマンコをよく見てやっておくれ。こいつはね、人に見られると直ぐに濡らすんだよ」
「あぁんッ、見られるのねッ、アタシのオマンコ、女の人に見られるのね!」
「あぁそうだよ、お前の嫌らしいマンコが見られるんだ!どうだ恥ずかしいだろッ」
「いやんッ、いやん!」
首を左右に振る真知子。しかし、言葉とは逆に股座(またぐら)は、これでもかと拡がっていった。
「あぁん、貴方、早く舐めてッ。いっぱい舐めて!」
うひひっ、と奇声を発して大塚が真知子の前で膝まずいた。チラリと肩越しに早苗の目線を確認して、ニタっと笑う。妻のアソコを舐めるところを角度よく見せる為なのか、大塚が微妙に位置を変えている。
渇いた瞳の視線の先。早苗の目はパックリ割れた“ソコ“にシャブリ付く大塚の横顔を捉えた。
口元から伸びるその舌の動き。何かに取り付かれたようなその表情を晒す元同僚の姿に、早苗の衝動はより一層大きくなった。
あぁ…これが溜まっていたのね…。真知子に言われたとおり、教師時代に感じた精神を歪める程のストレス。ソレをより長く患(わずら)っていた大塚。その解放の手段が、目の前で行われているこの行為か。
床には大塚の唾と、真知子の淫汁の混ざった怪しい液体が落ちていく。やがて、口を離した大塚が早苗を振り反(かえ)った。
「あぁ…早苗さん、凄いだろ真知子のココ。昔はこんなに濡れなかったのに、今じゃこの有り様だよ」
妻のその様を恥じるいる事なく、逆に誇らし気に話す大塚。
その大塚がすくっと立ち上がる。早苗の目に映るのは、中年腹の下でニョキっと天を向く牡のシンボル。
「早苗さん、見てておくれよ。僕のが真知子の中に入る瞬間を」
あぁ…凄い、凄い、凄いわ…。先ほどから腿と腿を捩(よじ)らせながら、早苗は見つめていた。相変わらず尿意を我慢するように“何か“に耐えるようにして、その行為に引き寄せられている。
大塚の手が真知子の腿裏に入り、持ち上げるように押し拡げた。そして遂に“ソレ“が、待ち受ける“ソコ“に充(あ)てがわれた。
その瞬間、又も大塚が振り向き、早苗の目線を確認した。早苗の目に映るのは中年男の臀。そして、股の向こうには真知子の淫烈が見えた。
そこで早苗はグッと息を詰めた。
「んあ―ッ」瞬く間に真知子の逝き声が部屋中に響き上がった。
息を吐(つ)く間もなく、腰が激しく揺れ始めた。
赤黒い“物“の出し入れの様子を、早苗の目がハッキリと認識する。
ピンと伸びた真知子の両足の間で、臀が激しく揺れている。早苗はあの大人しかった同僚時代のイメージからは想像出来ないこの男に、改めて“牡“の姿を見せ付けられていた…。
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その頃、渋谷家…。
自宅のリビングでボンヤリしていた優作は、思い出したようにスマホを手に取った。
アイツ…敏男の事は明日、大塚に相談する事にはなっているが、今日の内に連絡がついて謝罪の気持ちを伝える事が出来ればそれに越した事はない。そう考えながらメールを開いた。
昨日、何通も送ったものへの返信はない。よほど傷つけてしまったのだろうと思いながら打っていく。
《敏男へ たびたびでスマン。本当に悪かったと思っている!お前の進路の事は俺も心配してる。とにかく一度連絡をくれないか。頼む!》
送ったメールを一度読み返し、スマホをテーブルに置いておく。返信が来れば直ぐに分かるようにと、目に付く所に置いておく。
それから特に何もする気にならず、座ってボオっとしていた。テレビは点いているが頭には入ってこない。そのまま2、30分たった頃だったか、突然インタフォンが鳴った。
来客の予定はない筈だから、宅配便だろうと当りを付けてモニターを見た。
そこに写った人の姿に、首を傾げた。
「…こんにちは…」モニター越しに聞こえた声は、映像通りの幼い声。
一瞬、子供を使った新手の宗教の勧誘かと思った優作だったが、次の言葉で頭の中に“何”と言う文字が浮かんだ。
「早苗さんはいますか」
暫くこの少年…間違いなく少年…の顔を見ていた優作だが、直ぐに気がついた。
「あ、勉強会の」と言ったところで、向こうからも「はい」と聞こえてきた。
それにしても、母親の事を先生ではなく\”\”さん”付けで呼んだこの少年。幼い顔立ちの中身は大人びているのか、優作はこの少年にちょっとした興味を覚えた。
優作はモニター越しの会話を止めて、玄関まで行ってみる事にした。
ドアを開けて迎え入れる。目の前に現れたのは、パッと見、高学年。そう判断しながら訊いてみた。
「えっと、母さんはいないんだけど…何かご用ですか」
思わず出た優作の敬語にも、その少年は特に反応を示さない。
そして「そうですか…あの…」と口ごもり、俯く。何かに迷っている雰囲気だったが、顔を上げると優作を見つめてきた。優作は何故かその目にドキリとした。
「早苗さんと約束したんですが…」
「…ええっと何を…」
二人は玄関で向かい合っていた。見下ろす格好の優作に見上げるその少年。
少年は優作の目を真っ直ぐに覗いてくる。
と、その時、優作は思い出した。今朝の早苗の言葉『~タナカ君の両親が何か言ってきたら…』
「ひょっとして君、タナカ君?」
「はい、そうです」
「……」
母が予期していた事と少し食い違いがあるのかと思いながら、優作は思案した。
その少年ーータナカ君が、優作を見つめながら続ける。
「今日は早苗さんに”又来てって”言われたから、来てみたんです」
「ん~っと、それは御両親と一緒にって事じゃないの…」
母からの伝言と辻褄を合わせようとして、優作は“御両親”と言う言葉を出してみた。
しかし、少年は「いえ違います」と、落ち着いた声。
「…てことは、君1人でって事?…」
「はい、その時 僕と早苗さんしかいなかったんで」
よく分からないな、と言った顔で優作が腕を組む。
「勉強会は君一人だけだったの」
「いえ、3人でした」
「…でも、母さんと二人だけの会話をしたんだ」
「いえ、会話と言うよりか、早苗さんの方から言ってきたんです」
「ん~今一よく分からないなぁ。この家の中での話しだよね。その時は何処にいたのかな」
優作は痒い所に手が届かない気分。少年は淡々としたペースで話す感じだ。
「廊下です。廊下で早苗さんと二人切りになったんです」
「…廊下ねぇ。そこで母さんが君に又来てって言ったんだ」
「ええ、又来てって言ったのは“その後”なんですけど」
「その後?…って事は、廊下で何かあって、その後に母さんが又来てって言ったって事?」
「はい」
「ふ~ん、何があったの?3人に問題を出して、君が分かったって手を上げて、他の二人に答えを聞かれないように母さんが廊下に呼んだとか」
優作はもう、めんどくさくなった気分で訊いてみた。
しかし少年は真顔で続けた。
「いえ、それも違います」
「ん~あのねぇ…いったい何があったのかな」
イライラが募った声に、少年は少年らしく身じろぎした。しかし、落ち着いて云った。
「バスローブ」
「は?!バスローブ?バスローブがどうしたの」
「…早苗さんがバスローブを開いたんです」
「バスローブを開く?バスローブってあれだよね、風呂上がりに羽織る…」
少年が黙って頷いた。
「バスローブを着て勉強会をしてたって事かい」と、優作の顔に苦笑いが浮かんだ。
「いえ、普通の服だったんですけど、僕がトイレから出ると、バスローブに着替えてたんです」
「………」
「それで、廊下の端まで歩いて…そこで…」
「…そこでどうしたの」
「はい、早苗さんがそのバスローブをパッと…」
「パッと…?」
「パッと開いたんです」
「?…」
「そうしたら、何も着てなかったんです」
「は!?…何も着てない?」
「はい、素っ裸だったんです」
「………」
優作の頭の中は、一瞬空白になった。そして、少ししてから少年の言葉を復唱した。
バスローブ。
素っ裸。
その瞬間、まさかと何かが瞬いた。知らずにゴクっと唾を呑み込んだ。そんな優作を目にしながら、少年は続けた。
「それで、その後に又来てって言われたんです」
「それって…」
「うん…また見に来てって事だと思います」
“はい”が“うん”に変わり、その如何にも初(うぶ)な表情に、優作は初めて目の前の少年を子供らしいと思った。
優作はその後、少年がいつ帰ったのか思い出せない。思い出そうとすると『失礼します』と言って、玄関を出ていった後ろ姿が微かな記憶としてあるだけだ。
いつの間にかまた、リビングのソファーにボオっと座っていた。
頭の中では言葉が回っている。
『素っ裸だったんです』
『パッと』
『バスローブを』
フラりと立ち上がり、洗面所に行ってみた。その次は和室部屋。昔からの両親の寝室。
その和室の部屋にある洋服箪笥。優作はそれを開けて覗いてみた。幾つものハンガーに吊るされた服を見ていく。やがて目に付いたのは、水色のバスローブ。
優作はそれを手に持ったまま、暫く立ち竦んでいた。
そんな優作の頭にもう一度少年ーータナカ君の後ろ姿が浮かんできた。その姿から首だけがクルリと回って振り向く。能面のような顔が見つめてくる。優作は急に寒気を覚えて、ブルルと震えた。
(なんか最後は不気味な感じがしたなあ…。魔少年か…)
…この日、早苗が帰ってきたのは、深夜近かった。
その帰宅の時も、優作は自分の部屋に籠っていた。顔を見る気も起きず…いや、見てもどんな顔をすればいいのか分からず、悩みを先送りする内気な少年に戻って、寝たふりをしていたのだ。
早苗も優作に声を掛ける事もなく、シャワーを浴びた後は、直ぐに寝室に入って、そのままのようだ。
優作はずっとベッドで横になっている。
早朝勉強の為に早寝の習慣が付いた今でも、この夜はなかなか眠る事が出来ない。
優作はもう何度と繰り返した昼間の様子を、もう一度思い浮かべてみた。あの少年ーータナカ…君の言葉。
バスローブ。
素っ裸。
また見に来て。
優作には、あの少年が嘘をついてるとは思えなかった。物静かで落ち着いていて、どこか霊的な感じがしたあの少年。
母が今朝方言った『~タナカ君の御両親が何か言ってきたら…』あれは、早苗自身が身に覚えのある“何か”に対して覚悟を持っていた証拠ではないか。と言う事は、やはりタナカ…君が言った事は本当の事…。
何度目かのタメ息を吐き出し、顔を振った。
明日は敏男の事で大塚に相談する日だ。先日のメールでは、《母のその後は大丈夫です》と伝えていた。しかし…話しの流れで母親の事も相談しようか…と思い付いたところで、由美の顔が浮かび上がってきてハッとした。
ひょっとしたら、知らないところで由美から早苗に連絡が行ってるのではないか。そこには、貴女の息子と関係を持ってしまった。そんな懺悔があって、それで母はショックで息子の顔も見たくないのでは。しかし、タナカ君の事はどう絡んでくる…?
由美と優作、そして由美と早苗。それに早苗とタナカ君。頭がこんがらがってくる。
むくりとベッドから立ち上がって目を瞑った。何故か想い浮かんだのは、大塚の顔。
そこで優作は心の中で祈った。
(大塚先生、明日お願いします。助けて下さい!)
寝室の早苗ー。
身体は確かに疲れている。
しかし、頭の中はハッキリとしていた。
家に入る前には\”男”の臭いが付いていないか、自分の身体を嗅いでみた。
2階の部屋には灯りも見えず、息子ーー優作が寝てくれている事に少なからず安堵して、鍵を取り出していた。
シャワーを浴びた時間は短かった。心のどこかに、浴室の音で優作を起こす心配もあったからだ。
しかし、洗面所の鏡を覗くと暫く、その姿から目が離せなくなった。鏡越しに気にしたのは、情恥の痕の事。鬱血のような口付けの痕はないし、打たれた痕も残っていない。振り返って鏡に映して臀部も見たが、そこにも痕は残っていないようだった。
それよりも感じたのは、身体がより肉感的になった気がした事だった。
乳房は巨(おおき)く上向きになっている…気がした。下腹はそれなりに脂が付いて少し垂れ気味であったが、腰が張っているので括れの感じが良い味を出している…と思った。臀部も全体的に上付きに、以前より張り具合が良くなった感じだった。
・・・早苗は今夜、家に着いてからの事を思い返して、寝返りをうつように壁の方を向いた。
一時は肌の張りを衰えたと感じた時期もあったが、大塚の依頼を受けてから自分の身に起こった出来事ーー今も続いているーーによって若返った気がしている。
そして今では、道徳心よりも本能が幅を効かせていた。息子の親友である大久保敏男が現れた時は、さすがに驚いた。しかしあの時は既に、この身体は肉の悦(よろこ)びに支配されてしまっていた。一線を越えた時、自分は一匹の牝に変わったのだ。そんな現実を思い返すと哀しみがある。しかし…敏男は”牡”で、自分はただの\”牝”なのだ。あの時にソレを実感して、本能に全てを任せる女になってしまったのか。
明日もまた御主人様ーー上野に呼び出しを受けている。先ほど明日の目的地の住所がメールで送られて来ていた。
ふうっと息を吐くと、身体がブルルと震えた。明日の性宴の想像に心が震えたのか。
その時、早苗は気づいた。身体に昼間の情恥の痕跡があっても良かったのだ。この身体を見るのは、早苗の“牡(おとこ)”だけなのだから…。
敏男は自分の部屋から上野に電話を掛けていた。
たった今までメールで今日の礼を云っていたのだが、想定外の話が出たので電話に切り替えたのだ。
『…どうしたんだよ大久保』
向こうからは、いつもの飄々とした声が聴こえてきた。
「上野よぉ、明日の場所だけど何でヌケサク先生の家なの?それに優作もって…」
敏男の語尾に被せるように上野が『ああ悪い悪い。早苗とは今日の部屋で落ち着いてオマンコしたいのは分かるけどよ、大塚さんから話を聞いてさ、明日、優作ちゃんが家に来るらしいんだわ。何でもお前の進路の事で相談があるとかでよ』と、淡々と喋りながらも“進路”の所に笑いを含めていた上野。
「………」
『でな、短小包茎君が来るなら、アイツの前で早苗とオマンコするところを見せてやっても良いかなって閃いたんよ』
「お、おい、お前それは…」まずいだろ、と言葉は途切れたが、向こうには伝わったようで。
『…お前、俺がアイツの事、気にくわないと思ってるの知ってるよな』
シレっとした声で改めて言われて、敏男は「ああ…」と、呻くように返事をした。
『よしよし、それでな、この機会にお前の出番で早苗とオマンコやって、アイツの前で奴隷宣言を又やらかそうって考えたんよ』と告げる声には笑いが戻っている。
『お前もアイツには劣等感と言うか、面白くないもんを感じてたんだろ。ちょうど良い機会じゃん。それによ、息子の前で自分の本性を曝したら、早苗も逆に安心してお前の物になるぞ。なんせ隠れて会う必要がなくなるわけだからな』
ゴクリ…上野の言葉の意味を感じ取ってか、敏男の喉が鳴った。
「………」
『ん~どうした大久保』
敏男の沈黙の意味など深く考えず、上野が続ける『それにな、神田のオジサンにも新しい仕事の計画があって、それに“野郎”の人員が足りてないんよ』
(?…)
『アイツと由美がオマンコしてる所もビデオに撮ってたじゃん。何ならそれも脅しに使って、アイツも支配下に置いてやろうって考えたわけ』
「し、支配下…何なんだそりゃ…。それより、優作の前でオバサン…いや…早苗とエッチしたら、間違いなく俺、アイツに殺されるよ…」
『………』
敏男の怖じけの声を聴いて、上野が黙り込んだ。敏男はその沈黙に嫌な感じがした。
と、その時…。
『…じゃあ、俺が犯(や)るわ。渋谷が見てる前で、俺が早苗とオマンコするわ』
アッサリと告げられた声に、「えっ!」と、敏男の口から大きな声が上がった。
『いいだろ。そのかわり早苗はずっと俺の物な。金払うって言ってもお前には犯(や)らせないからな』
「ちょ、ちょっと待ってよ」と言って狼狽えた。そして敏男は考えた。
やがて「わ、わかったよ、やる、犯(や)ります」
『………』
敏男の決意の宣言の後は、またも沈黙が生まれた。それから暫く経って聴こえてきたのは嬉しそうな声だった。
『ふふん、まぁそう言うだろうと思ってたけどよ。まぁ早苗は良い女だから、しっかり物にしろよな』
「…あぁうん…」
『それとな、明日も一応黒マスク、アレも用意していくわ。短小包茎君がお前らの正体に気づくかどうかは、明日のお楽しみだな。もちろん素顔で犯(や)ってもいいけどよ』そう言って最後は機嫌良さそうにしていた上野。敏男は逆に緊張が増していく気分だった。
スマホを切ると、困り顔の敏男。
明日…優作の前で…アイツの母親と…。
あぁッくそっ、明日は酒でも呑んでいくか…。
一体どうなるんだよ明日は…あぁ神様…。
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股間に顔を埋め、大きく息を吸う。確かな匂いを嗅ぎとって、敏男の身体が粟立っていく。そして顔を上げると、その卑猥なショーツを奪うように剥ぎ取った。
敏男は夢にまで見た早苗の身体…その肉厚に頬ずりしながら体臭を嗅ぎ、舌を這わせ、揉みしだいた。
朱い唇からは「あぁッいいッ!」と想像以上の鳴き声が上がっていく。敏男はその声に興奮を覚え、更に気を入れた。
感泣の声は物凄く、その成果が自分の手…いや、舌?…よく分からないが、敏男はとにかく喜びを感じていた。そして…。
(さぁよく見せてよオバサン…)
心の声を投げ掛け、両方の掌を拡げた足の付け根辺りに当てた。
(あぁ見てやる!オバサンのアソコをじっくり見てやるんだ!)
敏男は黒マスクを着けた時から、声を出さないようにしていた。特に上野からの注意はなかったが、素顔を曝して声を聞かれるのには抵抗があったのかもしれない。
それと、自分は素顔は見せずに相手の正体は知っている…そんなシチュエーションにも興奮を感じていたのかも知れなかった。
よしっと心で頷き、掌に力を入れた。 “その”部分を拡げて顔を近づけた。初めて拝む憧れの女(ひと)の…。
と、思ったところで、ん!
マスク越しに見えるのは…赤黒い…?
どうガン見しても、ハッキリとは分からない。
(ああっもう)
演出に一役かっていた筈のこの黒マスク。それは間違いないが、目の部分は確かに前が見えずらい。
仰向けになった乳房の隆起は良く分かる。
喘ぎの声も聞こえる。
しかし、その秘密の部分が…。
頭の中で先ほどの上野の言葉を思い出す。
『~素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりして…』
「んああッーー」
突然唸り声を上げ、自分を鼓舞した。
狂え!
狂え!
狂え!
その瞬間、大きな手が早苗のマスクに向かった。
首を締めるように下顎に手をやって、布と皮膚の間に指を入れた。そのまま口から鼻の方へと剥いでやった。
現れたのはベットリ前髪が掛かった女の顔。マスク越しに分かるのはそんなところで、敏男は早苗の様子を伺う余裕もないまま、自分のマスクに手をやった。
マスクを外した敏男は、意を決して早苗に素顔を曝す。さぁ見てくださいよと、顔を近づけた。
敏男を見上げたその目は、まだ焦点があっていない。敏男は早苗の顔にへばり付く前髪を乱暴に振り払った。
ゴクリ…唾を呑み込む音が、自分の耳にもハッキリと聞こえた。その音に早苗の目が静かに開いていく。
やがて二つの目が重なり合って…。
その瞬間「いやぁーーんッ」信じられないような大きな声が上がった。
その叫びは敏男の背中を押した。
そうなんだよ!
俺はどうせ悪役なんだ!
悪役は悪役らしく、その身体をメチャクチャにしてやる!
「ヒーーーヒッヒッ」
奇声を発して敏男がムシャブリついた。
「オバサーン、オバサーン、優作のオバサーン」
アソコを思い切り拡げてやる。その赤黒いグロテスクな生き物を見届け、しゃぶり付く。その次は唇、そして胸房へ。そして又、胸からアソコへと唾液を撒き散らす。
先程から硬度を携えていた肉の棒は、秘密の泥濘を探し当てた。肉棒はそれだけが別の意識を持った生き物のようになっている。その先っぽが入口を捕らえたのだ。早苗の目がこれでもかと拡がって、敏男の顔を凝視した。
トシオクン…声のない唇の動きを確かにそう認識して、敏男の口が異様な形に歪んだ。
「そらッ」
「あうっ!!」
ソレは見事に泥濘を突き刺した。後はひたすら腰を振るだけだった。組伏された女は、抱きしめられながら爪を立ててきた。
上野の言葉が甦る。
そうなんだ、この女(ひと)はオマンコしたかったんだ!
誰のチンボでも良かったんだ。
けど…。
けど、俺の物で、俺の女(もの)にしてやる!
「どうだオバサン!」
「あーーっ」
「俺のチンポは!」
「ウアアア…」
「どうなんだよ。ちゃんと答えろよ!」
「んんッッッ…い、言えない…言えないわッ」
「なんだと!ほら!」
「ああっいい…」
「もっとハッキリ!」
「いやんッ、許してッ!」
「ダメ!好き者のくせによ!」
その叫びと同時に、敏男の腰にギアが入った。
「ヒィーーッ、いいッ!」
「オラ!オラ!どうだ!」
「いいッ…いいのよ」
「もっとーー」
「いいッいいッ、いいのよとっても!」
「誰のがーー」
「いゃあんッ」
「言えーー」
「あーッ敏男君、敏男君のよ!」
「うおおーッ」
巨体から一斉に汗が噴き出すのを感じた。その感触に、敏男の目が血走った。
「そら、もっと欲しいだろ。欲しかったらオネダリしてみなよ。嫌らしい声で言ってみろ」
「んああッ、いいッいいッ、ちょうだい…ください…もっとして!」
「まだまだ!」
自分自身の言葉にも煽られ、敏男の腰は更にエグい動きを繰り返した。
「ああんッ、いいのよ、敏男君のオチンポが」
「バカ!オバサンは変態なんだからオチンポなんて上品な言い方するんじゃないよ!」
喘ぎの声を吐き続ける早苗。それに応える敏男の興奮も上がっていく。
「抜くぞ!ちゃんと言わないと俺のチンポ抜くぞ。欲しくないのかよ!」
「いやッいやッ、止めないで。ちょうだい。お願い!」
「じゃあ言えよ!宣言しろよ!」
「ああっチンポよ!アタシの好きなのはチンポよ!敏男君のチンポ!」
「んがーーッ」
雄叫びのような声を上げて、敏男のソレがこれでもかと抉り込んだ。
「いくッいくッ、敏男君、気持ちいいッ!」
「んぐぐ」
射精の近づきを感じて、敏男は鏡に目を向けた。何とか我慢しようと、静かに息を吐く。
敏男は呼吸を整え、冷静に次の攻めを考えた。
二つの身体の結合の部分。敏男の手が早苗の内腿を押し広げて、腰を少し引く。目に付く結合の箇所を見ながら、肉の棒を半分くらい抜いて息を継ぐ。
片方の肢を器用に押し曲げて、次に早苗の脇腹に手を入れた。かと思うと、クルリと回した。ソコとソコが繋がったまま、後背位の格好(かたち)へと導いたのだ。
敏男の目は張り出た巨尻を見下ろす。その真ん中辺りには巨大な臀部には似合わない小さな不浄の門。そこを凝視して、敏男の表情(かお)が歪んだ。
(まだだ。その穴はまた今度…今日はお預けだ)
いつかの“ソコ“での交わりを想像しながらも自分に言い聞かせる。
(今日はマンコだ。こっちの穴で完全に俺の物にして…その次だ)
敏男は気を入れ直して、犬の格好になった早苗を攻め始めた。
牡の象徴がぶつかる度に、弾むように揺れる尻(ケツ)。喘声が止む事はない。
「おらっ、どうだオバサン」
「あぁッあぁッいいのッ」
「ちゃんとどこがいいのか、言えよ!」
大きな掌が巨(おおき)な尻(ケツ)を一打ちした。
「あぁーマンコよ、アタシのオマンコよっ」
そんな卑猥な声を吐き出す顔は、敏男の方からは見えない。けれど確かな、苦悶の表情を浮かべる事が出来て、更に腰に力が加わっていった。
と、敏男は思いつき、前屈みになって早苗の頬に手をやった。
「オバサン見てみなよ鏡を」
朦朧とした顔を鏡に向けてやる。
「見えるだろ、俺とオバサンがセックスしてる姿」
「いゃあーんッ」
「へっ何がいゃぁんだ、さっきから感じまくってるくせによ」
「あぁッそうなのよ、感じてるの!」
鏡の中の女を見ながら、早苗は己の被虐の癖に酔うように堕ちていった。
獣の格好の自分を犯しているのは、子供の頃から良く知っている男。その逞しい“男“に逝(い)かされる自分の姿を鏡越しに認め、その敗北の意にさえも快感を覚えていた。
「ああっ凄い!凄すぎる!凄すぎるわ敏男君!」
「どうだーいいだろ俺のチンポは!」
「あぁーはい!いいです!凄くいいです!」
「もっと欲しいか!どんな風にしてほしいんだ!」
「もっとズコズコしてッ!早苗のオマンコ虐めて!」
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腰を振る敏男の巨体が、一瞬血の気の引きを感じて、それから震え出した。
早苗の口が、自らを“早苗“と呼んだ。その言葉を確かに耳にした瞬間、敏男は憧れの存在を我が物にしたと思ったのだ。
その朱い唇からもっと卑猥な言葉を吐かせてやる。
高鳴る興奮を覚え、敏男の顔がますます歪んでいく。
「早苗ーーっ、見えるぞ!俺のチンポがマンコにズッポリ入ってる所がマル見えだぞ!」
「ああッはい!気持ちいいです!」
「出すぞ!欲しいか!俺のが!」
「はい!出して!出して下さい!」
「どこだ!どこに出して欲しい!」
「マンコ!アタシのマンコに!アタシのオマンコに出して下さい!」
「こら!鏡に向いて言え!嫌らしい自分の顔を見て言うんだよ!」
敏男の掌がふたたび巨尻の面(つら)をバシッと打ちつけた。「あぁんッ」と鳴いて、早苗の顔が鏡に向く。
鏡を見つめる早苗の目。
早苗の頭の中に己の声が聞こえてくる。
嫌らしい顔してる…。
感じてる顔…蕩けてる…。
アタシ…こんなスケベな顔してたんだ…。
鏡の中の顔が揺れてくる。
地響きのように下から揺れてくる。
敏男の腰が、それまで以上に激しさを増してくる。
「うっうっ、く、くるっ!」
「うらあっ!」
「ひっ!いっいぐッ!」
「どうだ!」
「いっいきます!早苗 いきます!」
「出すぞ!」
「はい!下さい!早苗のオマンコにいっぱい出して下さい!」
早苗は鏡の中の自分の顔をしっかり見つめながら、敗北の宣言をした。その宣言は、これまで感じた事のない快楽そのものだった。
最期の瞬間に自分がどんな言葉を吐いたのか記憶がない。どんな表情で逝ったかも分からない。ひょっとしたら誰にも見せた事のない歪んだ表情(かお)をしていたかも知れない。それでもそんな事など、どうでもいいくらいの悦楽を感じていた…。
崩れた背中の上で、覆い被さった巨体の鼓動が鳴っている。今、自分を桃源の世界に運んだ男の息づかいを確かに感じている。
やがて…寝息のようなものが零れ始めた…。
鏡の向こうでは、半ば感心に上野と神田が二人の様子をずっと見守っていた。
「やるなぁアイツ。途中でマスクも取っちゃうし」
「うんうん、ここまでやるとは、私もびっくりじゃよ」
「じゃあ“例の“新しい仕事にスカウトしますか」
「ん~そうじゃなぁ、人員も足りておらんし、この子ならやってくれるかもな」
窓ガラスの向こうでは、うつ伏せに突っ伏した早苗。そして、その身体に崩れ落ちたまま荒い息を吐いている敏男。
神田は二つの塊を優しげな目で見ながら、満足げに頷いていた…。
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入口のドアが静に開き、男が二人入ってきた。上野が敏男を連れて戻って来たのだ。
緊張気味の顔の敏男に、神田が声を掛ける。
「やぁ敏男君、やっと君の番が来たね」
「………」
覚悟を決めてここまで来たはずであるが、この部屋のどこかに早苗がいると思うと、敏男の小さな心臓は爆発しそうになる。
「ん、どうした大久保」
上野が敏男の様子を見て、聞いてきた。
「あぁうん…本当に大丈夫かな…」
「は?!大丈夫かなって、今更どうした?ひょっとして緊張で勃(た)ちそうにないとか」
今にも噴き出しそうな顔で上野が訊いた。
「い、いや、そっちはたぶん大丈夫だと思うけど…本当にやっちゃっていいのかなぁ…って」
「ああ~何を今さら」
笑いながら上野が、チラリと視線を神田に向ける。その視線を感じて、神田は敏男に向き直った。そして、ふんふんと頷いた。
「敏男君、君の心配も分かるが早苗さんはね、実は長い間、欲求不満を溜め込んでいたんだよ。考えてみなさい、女として1番油の乗ってる時に、旦那さんが単身赴任でいなくなったんだよ」
「………」
「本人はそれを隠して、近所の小学生の相手をしたり、自分の子供の心配をしたりしてるんだ。自分では気がつかないうちに、ますます不満が溜まっていってるんじゃよ」
「………」
「私達はね、そんな中年の女性の為に色々とやってるんだ。君も大塚君夫婦の事は知ってるだろ。あの奥さんも君と関係が出来て喜んでおる。そう思わないかい」
「…ああ、はい…思います…」敏男は暫く考える素振りをしたが、ハッキリと頷いた。
「うんうん、切っ掛けはどうであれ、犯(や)ってしまえば向こうも喜ぶんだよ。分かるかい敏男君、早苗さんは今、若い男が欲しくて欲しくてしょうがない状況なんじゃ」
「ほ、ほんとうですか!」
いきなり敏男の目が、これでもかと広がった。
「ああ、本当さ。なあ上野君」
神田の言葉に、今度は上野が敏男の目を覗き込んできた。
「だから心配するなって前も言ったじゃん。俺は早苗をいっぱい抱いて、それを確かめたんだから。アイツは俺以外のチンポも欲しがってるんよ」
「ああ…本当に本当なのか…」
「ああ、保証する。それに早苗は、俺の言う事なら何でも聞くって宣言したし。けど、俺じゃなくても切っ掛けがあれば、誰とだってオマンコしたと思うぜ」
「………」
「まあ、お前としたら、清楚なイメージに惚れたと思うけど、人妻なんて心のどっかではいつも男を欲しがってるんよ」
「ん…う、うん…」
「へへっ、それを今から確かめに行こうぜ」
「…あ、ああ…」
敏男の苦し紛れの返事にも、上野は笑みを返した。
「それとな、ビデオに撮るから一応コレを用意しといたからよ」
そう言って上野が、ソレを何処からか取り出して見せた。
「な、なにコレ…」
「へへ、全頭マスク」
「…ゼントウマスク?」
「そう、被ると相手からは正体が分からない。けど、こちらからは薄っすらとだけど見えるから大丈夫。呼吸も口の所はほら、開いてるし、鼻からもちゃんと息は吸えるしさ」
暫く黙ったまま手に持ってソレを見つめて、敏男が改まって聞いた。
「…ええっと、オバサンは今日の相手、俺って知らないんだよね…」
「ふふ、大丈夫だって。それどころか、これから俺以外の男とオマンコするなんて夢にも思ってないからよ」
「えっそうなの!」
上野の言葉で、敏男の目が驚きに拡がった。しかし「ふふ、部屋にいるのは欲求不満の中年女じゃ。君の“持ち物“は真知子君相手に充分に能力を発揮したし大丈夫じゃよ」
「…ああ…はい」
神田に返事をした敏男に、上野が囁くように続ける。
「俺はそんなに大した調教はしてないし。お前のアレをぶちこんだら一発だ。ヘナヘナになって、後はお前の言う事なら何でも聞く女になるさ。 “お母さん”ごっこでもいいし…けど、早苗はMの気を持ってるぜ」
「…うっ…ううう…」
「ふふ…デカイ尻(ケツ)を打(ぶ)ったりよ。露出プレイの奴隷にしてもいいしよ。それに…ふふ、アナルセックス。お前も上の部屋で犯(や)ったろ。アレを早苗と犯ったっていいんだぜ」
(ゴクリ…)
敏男の巨体が少しずつ震えてきた。それを見つめる上野と神田の目が期待に光を発している。そして敏男は、その黒マスクを手に取った。
「行こうか、色男」
マスクを手にした敏男の肩を、上野が叩きながら言う。
「まずは、こっちな」
二人が向かったのは例のスペース。
そこに入った敏男の目が大きな窓ガラス、そしてその向こう側に立つ人影を見つけ、足を止めた。
「うっ!」
一瞬の呻きを上げて、そのまま巨体が固まってしまった。
「大丈夫だって、これが神田先生自慢の魔法の鏡だ」
「魔法の鏡?」
「そうじゃよマジックミラー。こちらからは見えるが、向こうからは鏡にしか見えない優れものじゃ」
神田の声が後ろから聞こえ、その声に敏男はぎこちなく頷いた。
「…ほ、ほんとうに向こうからは見えてないの」
心細そうな声で呟いて、敏男は息を呑んだ。
「ほら、安心してよ~く見てみろよ」
上野の言葉に敏男は止まった足を再び動かし、窓の際まで近づいて行く。
見えてきたのは、同じ黒マスクを被った女。
あぁ、なんなんだ、あの格好は…。敏男の視線の先にいるのは、エロ雑誌の表紙、そしてネットで見てきたエロ画像と同じ種類の女。
敏男はゴクリと唾を飲み込み、抉るように窓ガラスの向こうを覗き込んだ。
「それにしたって…」
一人呟き、敏男が更に顔を窓に近づける。そして目に力を入れた。
暫く向こう側の女を見つめ、敏男はギリリと首を上野に向けた。上野は敏男のその表情だけで、一瞬のうちに何を聞きたいのか察知して「ああ、コレがそうさ。うん、間違いなくこの変態チックな下着を着けてるのが早苗」と、あっさりと告げた。そしてニヤリと頬を歪め、続ける。
「お前の憧れで、親友渋谷優作のお母さんだよ」
(…うあああ…)
「ふふ、敏男君、さっきも言ったけどこの女は欲求不満を溜め込んでおる。この格好がその証拠じゃよ」
「………」短い沈黙の後で、敏男の顎がコクリと縦に揺れた。
「へへ、そうこなくっちゃ」
今度は嬉しそうな声で上野が続ける。
「さてと、そろそろマスク着けろよ」
上野は敏男の大きな肩を叩き、そして、顎でドアに促した。
早苗はベッドの前で、先ほどから同じ姿勢で立ち竦んでいた。
マスク越しに覗く目も、だいぶ暗さに慣れて、今は鏡に映る自分の姿がなんとか分かる。
その姿…乳房を覆うのは頼りないくらい小さな物。膨らみの上半分が零れ落ちそうで、今にも全てが顔を露(あらわ)しそうな状態。ショーツは足の付け根から横腹に急な角度を伴った物で、その後ろ側は一本の線が割れ目に食い込むように前へと繋がった言わゆるTバック。選んだ色は黄色い蛍光色で、それがちょうど今は、この薄暗い中で浮かび上がって見える。サイズも全体的に小さく、窮屈さを感じる身体を一層肉圧的に魅せている。
早苗自身もなぜ、こんな下着を選んだのか分からない。あえて自分に問うと、夫のSMチックな性癖を認めた頃の影響かも知れない。あの頃、夫に勧められたのは原色の黒や赤の物で、ショーツはTバックもあったと記憶していた。それらも子供の成長とともに穿く機会はなくなっていったが、今日この下着を選んだのは、被虐の自分を妄想してしまったからか…。
早苗はふと、鏡の向こうに気配を感じた。
…と、思った瞬間、この部屋のドアが開かれた。
早苗の顔が反射的にそちらを向く。
マスク越しに分かったのは上野。そしてその後ろに…。上野より頭半分くらい大柄な男性が一緒に入ってきた。
「オバサン、お待たせ~」
あくまでも飄々(ひょうひょう)とした感じで、声が近づいてくる。早苗は咄嗟に肌を隠すように、両方の手で自分の身体を抱きしめた。
早苗の仕種に気がついて「ああ、コイツ?」と、上野が問う。
「安心して。…あのね、コイツは俺の穴兄弟」
「え?!」
「そう穴兄弟。コイツね、由美ともオマンコしてるんよ。だから俺と兄弟なんよ」
「あぁ…」
「因みに…オバサンは俺とオマンコした仲だから、由美とは竿姉妹って事になるのかな」
そう告げて笑いもしない上野。その横で敏男が、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「そう言うわけで、今からコイツとオマンコして貰うわ。んで、俺は見学。分かったかな」
(あぁ…そんな…)
予想もしなかったまさかの命令に、早苗が頭(かぶり)を振った。
「嫌だ嫌だって思ってもね、身体は正直なんだよね」
上野が近づき、腕を掴んできた。そしてグイッと身体を引き寄せたかと思うと、早苗の後ろに回り、胸の膨らみをムギュっと鷲掴んだ。
胸房に圧が加わってくる。そしていつも通り煽りの言葉が襲ってきた。
「さっきは中途半端だったから、一人でオマンコ弄って待ってたんじゃないの」
「あぁんッ」
「欲しくて欲しくて仕方ないんだよね、アレが」
耳元で言って上野は、視線を敏男に向ける。
「ほら」
顎をしゃっくたのは敏男に向けてだったが、早苗の方も感度を表した。胸を揉まれるまま背中を上野に預けて、その身をくねらせる。
敏男の方はアイコンタクト…でもないが、上野の目線を感じると、決心して服を脱ぎ始めた。
生まれたままの姿になった敏男は、一度大きく息を吸って鏡を見た。そこには初めて目にする怪しい男…全裸に黒マスクをした巨漢の男がいる。
マスク越しにその姿を視ていると、如何にもの悪役に思えてきた。
(くそッ…俺はデブだし、綺麗な女(ひと)とは、しょせん釣り合わないんだ…)
隣で「あぁんッ」と甘い声がした。ハッと振り返って見れば、上野の目が何かを語りかけている…気がした。
ほら、この女、感じてるだろ。
俺以外の男がいるのに、こんな甘い声を出しやがってよ。
コイツは欲しがってるんだよ。
早く犯(や)ってやれよ。
お前のそのデカイのでヒーヒー言わせてやれ。
なぁ大久保。
…そんな上野の声を感じた気がして、敏男は心の中でよしっと気を入れた。
上野も直ぐに察知したのか、敏男を見ながら早苗の胸から手を離す。そして敏男と入れ替わるように巨体の後ろへ回った。
「俺は向こうから覗かせて貰うわ」
小さな声を敏男の耳元で囁き、上野がニヤリと笑う。そして、今以上の小さな声でもう一度囁いた。
「それとそのマスク…外したくなったら外してもいいぞ。けど、素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりしてな」
その言葉を挑発と取ったのか、それでも敏男は黙って頷き返した。敏男も腹を決めているのだ。
早苗の顔が、上野の後ろ姿を見送るのを見て、敏男は近づいた。そして、白い肩に手を掛ける。
咄嗟に身を固くした早苗。敏男はその身体を引き寄せる。そしてそのまま抱きしめ、唇を奪いに出た。
うわぁ….その甘い唇の感触に敏男の中に電流が流れた。抱きしめた身体は思っていた通り膨(ふく)よかで、それだけで感動を覚えてしまう。
下腹の辺りで互いの恥毛が触れあうのを感じては、身体が熱くなった。背中に回していた腕は、夢中に早苗の臀部を撫で回している。
みるみるうちに巨大化する牡の象徴。その膨らみが早苗の腹を押すと、頭に血が昇ってきた。
そうだ!俺はコレで真知子さんをヒーヒー言わしたんだ。
由美さんだって、誉めてくれた。
オバサンだって!
そんな事を一瞬に想い、敏男の舌は早苗の口奥へと侵入を始めた。
マスク越しからも、早苗が眉間に皺を寄せたのが窺えて、敏男はその貌(かお)をもっと快楽に歪めてやると気を入れた。
敏男は唇を離すと、いきなり早苗のブラを引き剥がした。
巨(おおき)な乳房が現れる。その先には尖り立った雷。夢にまで見た膨らみを認めて、いきなりムシャブリ付いた。
早苗の身体は敏男の重みを受け止め、ベッドになだれ落ちた。その重みに身体は強張ったが、いきなり乳房を舐られると快感が一瞬のうちに身体中へと拡がっていった。
見ず知らずの男の攻めであったが、悲しいかな身体は興奮に震え出した。
若き情人に開発された身体。眠っていた性感を思い出させた情人の手管。その手腕で目覚めた身体が、素直な反応を示してしまったのだ。
早苗は覆い被さる巨体を無意識に受け止めていた。そして、膨らみの先をしゃぶる男の頭を強く抱きしめた。
あぁん、あぁんと甘い声が舞っていく。
敏男は体臭を確かめるようにと、鼻を擦り付けながら下腹部を目指す。
その刺激的なショーツの所で止まり、息を整え、顔を上げた。
黒マスクのぽっかり開いた口元で紅い唇が震えている。敏男は僅かな自分の攻めにも、早苗が興奮しているのだと思うと、巨体が熱くなるのを感じた。
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ベッドに腰かけた態勢から、敏男は大きく伸びをした。そして「ああー」っと声を上げた。
立ち上がり、檻の中の熊のように、右に左に動き回る。その度に口からは、「ああっもうっ」と、唸り声が発せられる。
先ほど姿を見せた上野は直ぐに出ていき、今ごろはこのビルの何処かの部屋で早苗と一緒にいる筈なのだ。その二人を想像すると、胸が掻きむしられる想いがする。その苦しみから逃れようと、奇声が発せられるのだ。
別の部屋ーー。
ドアの開く音がして、早苗は振り向いた。
入ってきた上野の視線に、ドキリと鼓動が跳ね上がる。上野の方はいつものように飄々(ひょうひょう)した感じだ。
「お待たせしました~」
その言葉尻は一応、目上の神田に対するものだったのか、それでも敬意が隠(こも)っているとは思えない調子で軽く頭を下げる。
神田の方も慣れたもので、コクりと頷いただけで、早苗の表情を観察するように直ぐに視線を戻した。
「じゃあ先生」
上野が神田に了解でも取るかのように会釈したが、その様子は緊張の欠片もない。そしてそのまま早苗に近づいて「ふ~ん、なかなかミニもいいじゃん」そう言って視線を剥き身の腿に寄せた。
「………」
黙り込む早苗の横顔を暫く見下ろし、上野がスッと腕を取ってきた。
「…待ち人もいるし、さっさと始めようかな」
待ち人?…一瞬何の事だか分からなかった早苗だが、上野はチラリと神田に目配せした。
「うんうん、後の事は任せなさい」
神田の言葉に、早苗の腕を握る上野の手に力が入る。そして奥の部屋へと向かった。
電気が点く。
マジックミラー…これで、この部屋が向こうから覗かれるようになったわけだ。
大きな鏡には、緊張した女の姿が映って見える。早苗は向こう側に神田がいる事を意識したのか俯いてしまう。その神田は部屋の二人を確認すると、手慣れた動作でビデオの設置をし始めた。
「…オバサン」
肩に軽いタッチで手が触れたかと思うと、唇が襲ってきた。
あぁっ…声が漏れる間もなく、早苗の唇は上野のものに塞がれていた。突然の感触は、トロリとした柔らかいものだった。
これまでの上野との交わり、その激しさの中で幾度も唇を奪われてきた。そして、それに応えるように吸い返した事も何度とあった。しかし今、早苗が感じているのは、これまでにはない甘いものだ。
ベッドに上野が腰を落とす。だらっと手を後ろに付けて、足を投げ出す。そのリラックスした格好のまま早苗を見上げた。
早苗は今ほどのキスの余韻を引きずっているのか、緊張の面持ちが続いている。
「オバサン、緊張してんの?」
小バカにした感じの声はリラックスされていて、しかも歳上の女性をいたぶるような響きも含まれている。
「さって、今日は色々やる事があるから、早速始めましょっか」
そう言って上野が立ち上がる。そして、早苗のスカートに手を入れたかと思うと、ショーツの上から土手に触れてきた。
「アッんッ」
鳴きの声で早苗の眉が歪んだ。
上野の指は、土手から沈むように隠筋へと向かう。
切ない表情で早苗が上野に嘆きの視線を返す。上野はその瞳の中に何を見たのか、クククっと含み笑いをすると指を抜き、その手で剥き身の腿を軽く叩いた。
「じゃあオバサン、脱いで貰おうかな」
いつものぶっきらぼうな口調にも、早苗は不安げに頷く。そして、チラリと上野を覗き見てから、胸のボタンに手をやった。
「ああ、俺の方 向かないで。最初は鏡の方 向いて」
それは、鏡の向こう側にいる神田に対するサービスのつもりなのかは分からないが、早苗は従順に背中を上野に向けると上着を脱ぎ始めた。
上着からブラジャーへと渡り、乳房が露になる。スカートに手をやったところで一瞬その手は躊躇した。が、直ぐに動き出す。
パタリとスカートが落ちると、声が飛んだ。
「今度はこっち」
またもぶっきらぼうな声で呼ばれ、振り返った。声の主が見つめている。身体の痺れが広がっていった。
「どうしたの?最後の一枚脱がないの?」
ニヤツく上野。しかしその目は、笑っていない。
泣きそうな顔を一瞬見せた早苗だが、直ぐにショーツの端に手をやった。
ショーツを静かに床に落とすと目を瞑り…しかし微かに上野を覗いて唇をキュッと結んだ。
一糸も身に纏わない全裸姿を曝すのももう何度目かの事だが、改めてのこの無防備の状態。しかも、静寂を感じながらの披露は、羞恥の心を一層高めるものだった。
「後ろ」
今度は冷たい声が飛んできた。
「あぁ…恥ずかしい…」
そんな声をあげながらも、素直に背中を向けた。
披露したのは、上野に肉厚のある臀部。向こう側の神田には胸の膨らみと恥毛。
「うんうん、相変わらず良いね」
その誉め言葉にも、早苗には自身のこの身体…脂のついた中年の身体を卑下された気がしないでもない。しかし“彼“がこの身体を乱暴に扱いながらも、愛してくれた記憶が確かに存在しているのだ。
「さてと」
上野が改まる。
「………」
不敵な笑みを浮かべながら上野が立ち上がった。早苗に近づき、グニュっと胸の膨らみを鷲掴む。
「ハァん…」
艶色の声が部屋に響いた。しかし上野は、そんな声には興味も示さず、片方の手を早苗の臀部に回したかと思うと、ピシッと一打ちした。早苗はその痛みにも、蕩(とろ)けた顔を鏡に曝した。
「もう少し足 広げて」
「………」
「そう、その位でいいよ」
「………」
「そのまま前屈みになって、両手を鏡に付けて…」
「………」
「そう、そのまま中腰」
「………」
「尻(ケツ)は少し突き出す感じで」
「………」
「ああ良いね。…うんうん、丸見えで卑猥な感じ」
「あぁ…」
鏡の向こうでは、神田が三脚で立てたビデオの横で、先ほどから嬉しそうな目をして佇んでいた。その目は、服従を誓った女の成長に喜びを浮かべる目だ。
「どれどれ」
耳元に声が近づいてきた。若き主がアタシの“持ち物“を確かめようとしている。主の物を迎え入れる準備が整っているかを確かめようとしているのだ。一瞬の間に早苗はそんな事を理解して、そして“あの部分“を意識した。
あぁ…濡れているわ…。
間違いなく…。
そう思えると、内腿から股間の辺りが高ぶりに震えてきた。
あぁ…お願いします…。
心で哀願の意を決して、早苗は気を張った。しかし…肩越しに聞こえたのは「時間ないからさ、すぐ挿(い)れちゃうか」と、淡白な声だ。
そしていきなり、巨(ふと)い物がヌボッと侵入してきた。いつの間にか上野が、自慢の肉棒を取り出していたのだ。
「ああーーッ」
早苗は一瞬の”ソレ”で絶頂に導かれた。そして、続けざまにパンパンと尻に圧が加わるともう、意識は遠のき、頭の中は真っ白な霧に包まれた。
朱い唇からは無意識に逝き声が零れ続き、その逝き顔は鏡の向こうからビデオに切り取られている。
上野はもの凄いスピードで腰をぶつけてきた。
早苗の頭の中で光が爆発する。身体は痙攣を起こし、膝が崩れそうになっている。しかし、いきなり…。
「はい、休憩」
何を思ったのか、上野が動きを止めたのだ。
早苗の方は膣穴を埋められた状態で、なんで?と言った様子。
その早苗の背中に上野が訊いた。
「オバサン、続けてほしいよね」
「………」
「うんうん、それじゃあね…」
「………」
早苗の尻が物欲しそうに揺れてくる。
「オバサン…俺の言う事なら何でも聞くんだったよね」
その改まった口調に、早苗の顔が上野を振り反(かえ)った。見つめた目はトロンとしたままだが、瞳の奥には不安な影も浮かんでいる。しかし、刷り込まれた負の意識は服従に向かう覚悟をしていた。
「ふふん」
早苗の表情を肯定と判断して、上野が得意げに鼻を鳴らす。
「…じゃあ続きを」
「………」
「行くよっ」
その号令ともとれる声に、早苗は手足に力を入れ、腰に気をやった。
「おっ締まったぞ。じゃあ、このまま宣言してみよっか」
「………」
「それ!」と声を掛けながら、再び腰を振り始めた。
「ハぁーーんッ」
「よしっいいぞ!そのまま勢いで言っちゃぇ、奴隷宣言だ!」
ズボズボと出し入れが一気に増す。
「ほら、早く」
「ああーーッ、アッ、アッ、アタシは上野さんの玩具(オモチャ)です。何でもします!何でも言う事ききますッ」
まさに隷族の宣誓に、頬を緩めて上野が満足げに頷いた。しかしなぜか、早々とソレを引き抜いた。
「………」
上野が早々と一物をパンツにしまい、ファスナーを上げて、今度はズボンのポケットから何かを取り出した。
ソレは黒い布切れ?
朦朧とした早苗には、ソレが何か分からない。
「これ、被ってみて。これはね、ゼントウマスク。ゼンは全部の全。トウは頭。全頭マスクって言うらしいんよ」
たった今まで激しく腰を振っていた上野。その激しさからは、ほど遠い落ち着き払った声。
「SMチックでしょ。ほら、口元が開いてるよね」
早苗の朦朧とした様子などお構いなしに、ソレを広げて見せる上野。
「でね、目と鼻の所は薄くなってるから被っても見れるんよ、ちょっと見にくいと思うけど」
そして、ソレを早苗に渡そうとする。早苗は朦朧としたままソレを手に取った。
「じゃあちょっと行ってくるから。オバサン、買った下着も着といてね」上野はそう告げ、部屋の出口へ向かってしまった。
その場で一人になった早苗。燃え上がった身体はいきなり高見から落とされ、火種が燻ったままだ。満足のいかない身体はスッキリしない。
ふと、鏡を見る。今の痴態も覗かれていたのだ、と想いながら、その蕩(とろ)けた貌をコレで隠すのね…早苗はボオっとした頭でそんな事を考えながら、手にあるマスクを広げて見た。
黒いマスクを見つめてみれば、胸がキュンとなった。火種が息を吹き返す。気がつけば早苗は、マスクを頭に被せている。
マスクを着け終えた早苗は、鏡の前に立ち、その全景を眺めてみた。
確かに告げられたように目元は暗い。しかし、慣れてくると鏡の中に黒マスクの怪しい姿を認めていた。
如何にも肪の乗った腰回り。熟れた乳房。下腹の括れも卑猥な感じがする。
早苗は想う…この後の若き主の命令は何なのか?
恐らく…指示されるのは、想像もつかないような卑猥な行為か?
そんな妄想を受け止めようと考えると、身体がザワザワと揺れてきた。
胸の膨らみと腰が、ゆらゆらして扇情的なシルエットとなって鏡に映る。
手指がしなやかに己の身体を摩っていく。
妄想が拡がっていく。
どこからか手が伸びてきて、この身体をまさぐってくる。
幾つもの唇が身体の局部に舌を伸ばす。
生殖の器官が身体の全ての穴に侵入を試みてくる。
あぁ…早苗は早く快楽に溺れたいと思った…。
しかし…。早苗は一旦動きを止めると、思い出したように手提げの中から買ってきた下着を取り出した。
そしてソレを着け始めた。
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やがて、出来上がったのは全裸以上に卑猥な姿。
あぁ…それはマゾ奴隷…。
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日曜日の午前中ーー。
優作がポツリと座って、コーヒーを飲んでいる。ここは渋谷家のリビング。
今日も早朝勉強を一応何とかこなし終えて、一息入れているところだ。
朝の自宅の様子を思い浮かべてみる。母の早苗の様子は、どこかフラフラしてる感じで、おはようの挨拶にも力がなかった。
その母は優作が昨夜、帰宅した時は既に眠っており、そのまま寝過ぎで頭がボオッとしてるのかと思った。しかし早苗の方から、今日の予定の事を言ってきた。昼前には用事で出掛けるのだと。
そして『もしも留守中に、タナカ君のご両親が何か言ってきたら、戻りは遅くなると伝えて』と言われた。優作がタナカ君?と聞く間もなく、早苗は部屋に籠ってしまった。
何か言ってきたら…まるで、そのタナカ君ーーおそくら勉強を教えてる小学生ーーと何かトラブルでもあったのかと一瞬心配になったが、結局それ以上に会話は進まず、優作も部屋に籠る事にした。会話が弾んでいれば、昨日敏男と会ってどうだったのかと聞かれたかもしれない。
もし聞かれていれば、会えなくて1人でブラブラしてきたとでも言えばいいのだろうが、やはりその話題は避けたいところだった。まさか由美さんから『貴女の息子君と会ったのよ』なんて連絡が早苗の方に入っていないだろうか…そんな心配が消えないのだ…。
コーヒーのお代わりを採ろうとしてフッと思い出した。初体験をすると、自分の中で何かが変わって自信を付けたようになるとか。
しかし、優作にはそんな気が全く沸いてこない。その相手が禁断の存在、母親の友人だからであろうか。
明日の大塚への相談は敏男の事なのに、ひょっとしたら自分は、由美との“過ち“まで喋ってしまうのか…優作はそんな場面を想像して重い息を吐き出した…。
優作が自宅で耽(ふけ)ている頃、早苗はとあるショッピングモールに出掛けていた。この日の早苗は、珍しく丈の短いスカートを掃いている。このスカートも、この場所に来たのも、朝早く届いた上野からのメールでの指示だった。
昨日から…いや、このところいつも身体は何かを欲している。常に頭の中には上野の顔が浮かんでは消え、消えては浮かんでくる。その顔は飄々(ひょうひょう)としていて、時おり冷たい視線と嘲(あざけ)た笑みを浮かべるあの顔だ。そして、それに媚(こび)を売る自分を妄想してアソコを濡らしてしまう。
早苗は指示通りモール内のランジェリーショップに向かった。
店に入り、原色で派手目の品が置かれたコーナーへと進んだ。
上野からのメールの一文を思い出す。
《~俺が喜びそうなヤツを買ってきてね》
早苗は幾つか手に取ってみた。
上野の顔を思い浮かべれば、彼が喜びそうな物はこれかしらと考えながら選んでいく。
腰ヒモが付いた前を隠す部分の小さい物。
際どいハイレグと呼ばれる物。
Tバック。
それに、ほとんど下着としての機能を携えてるとは思えない物…そして、それとお揃いとされるブラ…そんな物までこの店は置いてある。
やがて早苗は、ブラとショーツそれぞれ二点をセットで決め、レジに向かった。
レジにいたのは若い女性店員。その彼女が品を確認すると意味深な目を向けてきた…ように早苗は感じた。
貴女のような女(ヒト)が“こんな“のを着けるの?
貴女、若い彼氏…いるでしょ?
ひょっとして、彼氏の言いなり?
貴女、調教されてる?
もしかして変態?
そう、絶対そうでしょ!
あぁんッ、と鳴きが入った時、声がした。
「どうもありがとうございました」
目を向ければ、優しそうな店員の顔があった…。
店を出た早苗はモール内を宛もなく歩いた。
人だかりを横切った時、周りの視線が露出された腿に感じた。その瞬間、足が竦んで股間にキュンと痺れが走った。
朦朧とした足取りで、何とか端に寄る。人波はそんな早苗に、好奇の目を向けながら通り過ぎていく。
早苗は壁に背中を預け、腿と腿を擦り合わせた。股間の奥の痺れがサワサワと広がっていく。身体はこのまま、この場所で絶頂を迎えたいと感じていた。しかし微かに残る自制の念が、足を進めさせた。
やがてたどり着いたのは、フードコートの一角。
怠そうに椅子に腰を降ろすと、こめかみを押さえて俯いた。
目がぼやけてきて、頭が重くなっていく。意識が遠のき、瞼が落ちてくる。
どこからか声が聞こえてきた…。
『脱げ…脱げよ早く…』
その声は天から降ってくる。
『早く卑猥な下着を着けてみたいだろ』
コクリと頷き、フラリと立ち上がった。
椅子を引き、ゆっくりスカートを捲り上げ、ショーツに手をやった。そして、下ろし始めた…。
痴毛が揺れている。
股間の辺りが心地好い。
下半身がモヤモヤと熱くなってくる。
淫部が痺れ、あぁッと声が漏れた。
『揉めよ』
また声が聞こえてきた。
片手で捲ったスカートを押さえ、空いた片手を胸の膨らみに置く。
『ほら、しっかり揉めよ』
『はい』従順な声で応えて、手に力が加わっていった。
『あぁ…いいッ!』
いつの間にか胸のボタンが外れ、膨らみが露になっている。
右手は夢中になって、淫芯を擦りつけている。
『んハアッ』
鼻の穴が広がって、荒い息が吐き出されていく。
身体が動かない。
『あぁッいやんッ』
両方の手で破り捨てるように上下の服を剥ぎだした。
床に落ちていく衣服。そしてランジェリー。
そんな事も気にならず、清涼を浴びた身体はブルルと震えた。絶頂が近づいてくる…。
『あぁッ、いッいきそう』
両方の指には更なる激しさが加わっていく。
『アッ、アッ、いッいきます!』
叫びと同時にガクンと頭が落ちた…。
・・・どこかで子供が泣いている。
・・・スマホが震えている。
その振動を感じながら、早苗の目が静かに開かれていった。
焦点がゆっくりと定まってきて、周りの気配が窺える。
視線がテーブルに向くと、スマホのランプが目についた。
頭を振って「ふぅ」と息を吐いた。
スマホを手に持って時間を確認すれば、意識を失っていたのは5分位かと。そんな事を思いながら、もう一度頭を振ってみた。
スマホを開いてメールを見る。上野からのものだ。
《約束の物、買ったよね。これから移動してもらうけど大丈夫かな》
そのメールを読み終えると直ぐに返信をした。
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次に来たメールには記憶にない住所と時間が書かれていた。
早苗はその住所をアプリで確認して、行き方を調べてみた。このショッピングモールを出発する時間を頭に入れ、あと10分ほど時間を潰す事にした。
今ほどの“彼“からのメールを見た時から、心臓の音が少しずつ大きくなっていく気がする。その鼓動は下半身に伝わり、再びアソコが疼き始めてくる。
これから行く所が何処なのか分からない。けれどそこに“彼“がいるのは間違いない。
身体が期待に震えてきた。この何日間で植え付けられた、隷蔟の意識が反応を示しているのだ。
今日はどんな責めをされるのか?
今日はどんな命令を下されるのか?
それらに抗(あがな)いながらも堕ちていく自分の姿が浮かぶ。おそらく…いや、間違いなく末路は悦楽に媚をうるのだ。呆れられながらも、その冷たい視線にさえも快感を覚え、はしたない痴態をさらすのだと。
やがて、ショッピングモールを出た早苗は20分ほど歩いた。
視界の中にビル等の建物が目に付き始めた頃、気がついた。今歩いているのが、あの◯◯駅の方向だと。
目的地に着いた時、緊張を覚えながら改めて目の前のビルを見上げてみた。そう、”あの”雑居ビルだ。
随分と昔に訪れたような気がするが、それが何時だったか具体的には思い出せない。しかし、このビルのあの部屋で、由美の痴態…売春の様子を覗いてしまった事はハッキリと心の中に刻み込まれている。
早苗はゴクリと唾を飲み込み、スマホを手に取った。
《今、ビルの下に着きました》
送ったメールを確認して、佇まいを正す。この時間のこの街の雰囲気は、比較的落ち着いている感じがする。しかし…。
道行く人の視線を感じて思わず俯いた。目に映るのはスカートの裾。そこからムッチリした腿が剥き出しになっている。
頭の中で上野の口元が歪む。
『ショッピングモールに人がいっぱいいたでしょ。どうだった、太ももを露出して?』
『店からちゃんと歩いてこれた?途中で服を脱ぎたくなったんじゃないの?』
そんな声が聞こえた気がして、早苗の身体は武者震いをおこした。またも股間に電気が流れ、よろめきそうになった。
その時ーー。
「早苗君」
はっと我に帰り、振り向いた。
あぁ…溜め息混じりに出た言葉は「神田先生…」…驚きに泣きそうな声だ。
「久しぶりじゃな」
「……….」
目の前に現れたのは神田幸春。早苗や大塚の元恩師で、今はあの怪しげなサークル【華の会】の主催者。そして、その裏で売春組織を運営している人物。
その神田が早苗の様子など気にする事なく、いきなり話し始めた。
「…欲求不満の奥様連中に刺激を与える…上野君は、その手伝いを良くしてくれている。もちろん貴女の事も色々と聞いておる」
「……….」
「今日はお楽しみらしいね…。さぁ上に行こうか、君の“御主人様“がお待ちだ」
「…はい…」小さく声を溢して、早苗の顔が泣きそうになる。それは自分と上野の関係が今、どうなっているのか…それを目の前の神田に披露する場面を想像してしまったからである。
初めての過ちの時は“薬“があった。身体と意識が薬物に汚染されたという言い訳が出来たが、今は薬抜きの状態で隷蔟の宣誓をしている。そして今日も、若き主の前で恥を曝す自分を自覚している。
「さぁ」
神田が早苗の肩をポンと叩く。そしてエレベーターホールへと向かう。その後ろを早苗は、重い足取りでついて行った…。
“その“部屋の中で、敏男は緊張を覚えながら、ベッドに腰かけていた。あれはどの位前だったか、上野と偶然に再会して連れて来られたのがプレイルームと呼ばれるこの部屋だ。とは言っても、上野はこのビルの中に同じような部屋がいくつもあると言っていたから、この部屋があの時ーー初体験をした時の部屋なのかは分からない。今日、敏男は昨日の夜遅くのメールで、ここに呼び出されていたのだ。
ドテっと仰向けに倒れ、天井を見上た。そして、先程までいた上野とのやり取りを思い出す。アイツが既に優作のお母さん、早苗とエッチしたと告げた時はショックだった。しかし直ぐに『それも全部お前の為なんだよ』と言われた。『俺の言う事なら何でも聞くようになったからさ、俺がお前とオマンコしろって言ったら、ちゃんとするからさ』とか。
敏男は素直に納得出来なかったが、『大丈夫だって、お前とのセックスが良かったら、今度はお前の言う事なら何でもする女になるんだからよ。後はお前次第って事よ』…そんな言葉に結局はぎこちなくだが頷いていた。
無理に自分に言い聞かせようとは思わなかった敏男だが、まずは本当にこれから憧れのあのオバサンとエッチが出来るのか…それが何よりの心配であった。
それともう一つ、上野と一緒にいたオジサン。上野が神田先生と呼んでいた学者風のオジサンだ。あの人が上野が考えてる作戦や大塚の事なんかも知ってる口振りだったのは、ちょっとした驚きだった。そういえば話の途中で、この人が“サイインザイ“とか言う薬を作ったと上野から聞かされた事を思い出していた。そんな便利な薬のおかげでオバサンとエッチが出来るのかと思うと、お礼を言わないといけないのかなと、思ったりもした。ーーそんな事を横になりながら考えていると、カチャッとドアの音がした。
「おい大久保、連絡があった。もう直ぐ上がって来るぞ」
上野がニヤニヤしながら入ってきた。敏男はついに来たかと、ブルルと緊張に身体を震わせた。
「ああ、でもお前はまだ、こっちの部屋で待ってて」
「は?」
「下の部屋で俺が先に一発 嵌めてくるからよ」
「ええっ!」敏男の顔が一瞬に引き付った。
な、なんで…と呟いたところに、上野が顔を近づけてきた。
「ふふ、心配すんなって。俺達はもう穴兄弟なんだぜ」
上野の射るような視線に言葉を失う敏男。”穴兄弟”…その言葉の意味を暫く考えたが、直ぐに由美の身体が浮かび、それは早苗へと変わっていった。
やがて、仕方ないか…微かに漏れた言葉は上野には聞こえなかったようだ。だが、敏男の表情に納得したのか、上野がニヤリと笑った。
「そう言う事で後少し、待っててな」
そう告げて上野は、直ぐに出て行ってしまった。
早苗は部屋の中で立ち竦んでいた。
由美の痴態を覗いた時と室内の配置に変化はないようで。しかし早苗は、あの時とはまた違った緊張を感じている。隣にいる神田には以前、薬を飲まされ、生まれて初めて人前でセックスをしてしまっている。まさかそれが“免疫“と言うわけではないが、その後も己の痴態を何度か他人に曝してきた。そして今日もまた、この元恩師の前で自分の変わり様を見せる事になるのかと。
「ふふふ、早苗さん、素面のまま私の前で上野君に抱かれるのはまだ抵抗があるかな」
まさに早苗の心情を読み取ったかのように、神田が意味深に顔を向けてきた。
「相手が相愛の対象になったのなら、その想いも分からんでもないが、上野君の方からしたら大した事ではないだろうなぁ」
「………」
「彼からしたら貴女は穴奴隷の一人。なぁそうじゃろ」
「あぁ…」
またも早苗は、奥底の真理を言い当てられ、一瞬の哀しみに襲われた。しかしそれは、覚悟と諦めを改めて意識させられたに過ぎなかった。
その時、ドアの開く音がした…。
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改札から自宅側のロータリーに降りて、優作は歩いていた。しかし、少し行った所で何かを思い出したように立ち止まると、踵を返した。
駅の反対側に向かって、何度か入った事のある喫茶店を目指した。家に戻って母親と顔を合わせる事に抵抗があった。それは、気恥ずかしさとも言えるし“罪“の意識もあったからだ。高田由美は何よりも母親の知人であり、考えてみれば小学校時代の同級生の母親でもある。優作はなるべく、早苗の顔を見るタイミングを先延ばしする為に、時間を潰す事にしたわけだ。
カウンターで又もアイスコーヒーを頼んでしまい、それを持って席を探した。無意識に知ってる顔がいないか見回して、そそくさと席に腰を下ろした。
スマホを手に取り出しメールを開けば、あれ以降敏男からの物はない。少し時間を空けて、明日にもう一度謝罪のメールをしようと思った。それでもダメなら明後日の月曜日かと考えて、アイツはこのまま予備校を辞めてしまうのか…そんな考えが頭の中を過ぎていった。
コーヒーを口に運びながら、優作はふと思った。今日の“体験“…敏男との仲がこれまで通りなら、自分はアイツにその出来事を話しただろうか…恥ずかしがりながらも、どこか自慢気に…。敏男の好み…それは俺の母親…という事は遥か歳上の中年の女性。と、すれば俺も似ているのか?。優作はそんな事を思い付いて、改めて自分の性癖を意識した。あの一室で見た由美の裸体。それは間違いなく“肉感的“であった。
頭の中を巡る中年女性の卑猥な画像。ネットで覗いたあの淫靡な世界を現実で直視した感慨。しかし…優作は頭を振ってそれを忘れなければと思った。勿論、勉強の事があるし、敏男の事も気に掛かる。
明日、もし敏男と連絡が付かなかったどうしようか。上野が現れてから最近の二人の間には微妙な空気が生まれていた。そんな中での敏男からの相談…。そんな考えが廻っていた時、大塚の顔が浮かんだ。優作は、会って相談してみようかと思った。
軽い食事を追加して、優作はスマホを手に取った。開いたアドレスは大塚のものだ。アドレスは先日、学校に訪ねた時に交換している。
さて、どういう風に相談をしようかと考えたところで、とりあえず明日の都合を聞いてみる事にした。もし、時間を取って貰えるならどこかでお茶でもと思ったのだ。
ヌケサク先生…と打ったところで、それを消して打ち直す。
《大塚先生 先日はありがとうございました。それで突然ですが、明日の日曜日、時間があれば会えませんか。また相談なんです》
優作は2度ほど文面を読み直し、送信した。
暫くたつと返信が来た。
開けてみれば短い一行だ。
《お母さんの事?》
優作が直ぐに返す。
《いえ、母のその後は大丈夫です。相談は敏男の事なんです》
返信を打って優作は思い出した。そういえば小学校を訪ねた帰りに、大塚の車の助手席に敏男(らしい)が乗っていた事を…。
今度はすぐに返信が来て、暫くの間メールのやり取りが続く事になった。
《敏男君がどうかしたのかい?》
《はい、実はアイツ予備校を辞めようと考えてる気がするんです。最近、昔の知り合いと再会して、ソイツに悪い道に引きずり込まれてる気がします》
《悪い道?それは心配だね。その知り合いというのは、どんな人物なのかな》
《僕とも同じクラスだった奴なんですが、ソイツは一応現役で大学に受かってて。けど軽いところがあって、不健康そうな奴なんです。たぶん付き合うと、悪い方に敏男を引き込むと思うんです》
《悪い遊び友達って感じなのかな? わかった。けど、明日は都合が悪いから月曜日はどうかな》
優作は月曜日?と思ったが、その日が祭日である事を思い出した。そして直ぐに返信をした。
《分かりました! 時間と場所は合わせますので、決めて下さい!》
次の返信には、時間と指定されたファミレスの名前が書かれていた。優作はそれを確認してスマホを閉じたのだった。
パンツ1枚の姿で、大塚がメールを閉じる。その横では真知子が下着を着け終えたところだ。
「貴方、誰からのメールだったの」真知子の声は既に落ち着いている。
その声に一旦閉じたメールを見せる大塚。
「…ああ、息子君ね…」小さな呟きをして、椅子に横たわる姿態に目を移す真知子。
椅子にはグッタリとした早苗の姿があった。その表情は先程から魂が抜けたようで、まるで白痴のようでもある。
「早苗さん、今日は突然で悪かったね。真知子のカミングアウトもあったし、僕らの本当の姿を見て貰うのには良いタイミングかと思ってね」
「……….」
「…それにさ、本当の君の姿も神田先生や“彼”から聞いていたし…」
ゆったりとした素振りで服を着ながら、大塚が話を続ける。
「それと、今日の事は君の彼..“主様(あるじさま)”にも報告しておくね」
そこまで告げた大塚の口元にはまだ、異様な歪みが残っている。
早苗は椅子に沈んだまま、大塚夫婦の動きを傍観していた。その目は二人の姿が玄関の方に消えた後も、暫く虚(うつろ)なままだった。
その後どの位の間、座ったままそこに居たのか自分でも分からなかった。早苗が立ち上がったのはインタフォンの音に気づいた時だった。
現実に引き戻され、覗いたモニターに見えたのは宅配便の青年の姿。
手ぐしで簡単に髪を整え、自分の衣服を確認する。それから玄関で荷物を受け取った。
荷物をテーブルの上に置くと、床の汚れが目についた。それは、あの夫婦が残していった汗と唾液と牡精が混ざった情痴の痕だ。
早苗は暫く立ったまま、濡れた床を見つめていた。股間の奥には自身の濡れも認めている。心の中では嘆きの炎が燻(くすぶ)っている。早苗は尿意を我満するように、腿と腿を擦り合わせた。そしてゆっくり、服を脱ぎ始めた。
全てを脱ぎ終え、素っ裸になった早苗。瞼の裏には快楽に溺れる夫婦の残像が視える。その早苗の表情(かお)に、病的な翳が落ちていく。
徐に足幅をとって、両の膝を軽く外側に張った。そして、ガニ股開きした股間に手を伸ばした。
「はあぁ…ん…」
指は軽く“ソコ\”\”に触れただけだったが、それでも声はハッキリと上がった。眉間に皺(シワ)が寄って、指は導かれたように深く侵入を試みた。
「んはぁっ」
朱い唇が微かに開いて、そこから甘い吐息が落ちていく。
足の指がグッと床を噛みしめ、身体の律動を支える。それに呼応するように腰が揺れ始めた。
女穴からは液体が婬汁となって、指を伝わり滴り落ちていく。
やがて、身体の揺れに耐えきれなくなったのか膝は折れ、早苗は床にへたりこんだ。
吐息を静かに吐きながら、身体はゆっくり四つ身の体勢へと向かった。
尻を上げて股間の辺りを意識する。誰かが…それは若き主(あるじ)の視線なのか、早苗は服従の意識でソコを拡げる。羞恥の意識は内側から震えを誘い、確かな弛緩を身体にもたらした。早苗の指はその震えに応えるように突起にたどり着いた。
その瞬間「んぁッ、イイーっ」部屋中に叫びが響き渡った。
自らの叫びは情欲に油を注ぎ、指の動きは直ぐに激しさを増した。そして乳房をユサユサ揺らしながら、身体は四つ身のまま後ろに進んだ。
動物が敵から後ずさるようなその姿は滑稽であった。が、早苗の意識は別の快楽を欲していた。尻の割れ目が求めたのは、ソファーの角。その出っ張りに股間の中心を押し当てた。そして、女穴を中心にアナル、痴豆と擦り付けた。
恥など感じる余裕などなく、これでもかと割れ目を角に擦り付けた。
獣のように四つ足で床を噛み、背中は弓を張ったように反り上がる。早苗はその態勢のまま一度目の絶頂を迎えようとした。
「んぐっ、イッ、イグウッ!」
下顎が震え、吐き出された叫びはまだ、満足に遠い。
意識の中にある若き主との情交を意識して、割れ目を再びソファーの角に強く圧し充てた。
「あぁんっ」
鋭敏になった性器は更なる激しさを求めていた。ヌルヌルになったソファーの角部分を己の膣穴に迎え入れようとした。尻で円を描きながら、何とか快楽を増すようにと願う。口からは何の憚りもなく、悲鳴のような声が溢れ続く。
「いいッいいッ、もっと!」
一度目の絶頂から早くも次の頂きが訪れた。
腿は震え、早苗はそのまま崩れ落ちそうだ。目は白目に代わり、口元からは唾液がツーッと落ちていく。
アッアッアッと小刻みに顎が震えた後に、ウアァッと短い嬌声が上がった。そして身体は崩れ落ちた…。
カエルが潰れたような格好で、突っ伏した状態。やがて、朦朧とした意識が戻ったのは又も玄関のインタフォンが鳴った時だった。瞼に霞が掛かった気分でモニターを覗く。映し出された姿に、えっと声が上がった。
呆気に取られた早苗だったが、直ぐに頭の中を冷静な風が吹いた。
(そうだったわ…)
今日は近所の小学生に勉強を教える日だった。息子が小学生の頃から続いている勉強会である。今年度の日程はまだ正式には決まってない中で、今日の土曜日は月曜が祭日の為に特別に設けた日だったのである。
うぅんと咳払いをしてモニター越しに「ちょっと待っててね」と、話し掛けた。
早苗は急いで和室部屋と向かった。手には脱ぎ散らかしていた洋服や下着がある。シャワーも浴びたい所だが、その余裕もなく慌ててワンピースを身に着けた。一旦洗面所に入り髪型を確認する。胸周りと股間が軽く感じるのは、下着を着けなかったからだ。待たせてはいけないと言う焦りの気持ちのまま、目についたタオル1枚持ってリビングへと戻った。
今日来た子供達は3人。全員が6年生の男子生徒。早苗は急いで汚れた床を拭いて、急いで子供達を招き入れた。
テーブルにノートや筆記用具を置く。早苗はパソコンは使わない。
子供達は学校の教科書を広げて、一応準備は整っている。今日いる生徒のうち、1人は初めての子だ。その大人しそうな子を横目に冷蔵庫に向かった。飲み物を用意しておくためだ。
ペットボトルを取り出した時、ティッシュが落ちている事に気がついた。それを拾おうと腰を屈めた瞬間、ジュクリとアソコの濡れを感じた。
背中は子供達の方に向いている。早苗は中腰になり、そしてゆっくり尻を突き出した。
子供達はみな、それぞれの問題集を覗いている。早苗は尻が突き出たその格好のまま動けない。臀部を幼い視線に犯されたいのか、膨らみは緊張を覚え、汗ばんできた。
突き出た臀部を意識しながら、子供達の様子を伺った。すると、子供の1人がこちらを向いた。あの大人しそうな子だ。早苗はその子の視線を尻に受け止めた。
腿の内側が震え、股間の辺りがジンジンする。
席について挨拶をすると、”その子”と視線が交わり、下半身がゾクリとした。
早苗はソロリと胸元を覗いてみた。上から一つ、二つとボタンに手を掛けた。なぜ、こんな事をするのか自分でも分からない。
開いた谷間を覗いて見た。膨らみの先が尖っている。早苗は服の端を引いて、尖りを生地で擦りつけた。
その瞬間、またも股間の奥がキュンとして、思わず座り込みそうになった。
「先生、大丈夫ですか」
「先生…」
頭がボオっとして、目の前が膜に覆われた感じだ。
子供達がこちらを見上げている。1人の目はキョトンとしている。もう1人の目も、何があったのかと戸惑いの目だ。1人だけが俯いている。あの大人しそうな子だ。その子を意識しながら、そちらを向き直った。早苗のその目には、病的な色が浮かんでいた。
早苗は胸元を覆い隠しながら頭を振った。
「ご、ごめんなさい。ちょっと頭がクラっとしたから…顔を洗ってくるわね」
そう告げて廊下に向かった。
洗面所に入った早苗は、顔を洗ってフーッと息を吐く。
(…こんな事じゃダメなのに…)
鏡の中の顔を見ながら、自分を叱咤しようとする。しかし、頭の中には淫靡な波が広がっていく。
鏡を見つめながら、胸の膨らみにそっと手を置いた。
「あぁッ!」
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その時。
コンコン。
その音に一瞬、ビクっとして「…はい…」と、上がったのは、か細い声だ。
「あのぉトイレ、借りていいですか」返ってきたのは、こちらも細い声。生徒の1人だ。
そっとドアを開けて、早苗はその子を見た。あの大人しそうな子だ。
初めてのこの家で、礼儀正しく断ってからトイレを使用しようとしているのがよく分かる。
早苗は廊下に出て、トイレの前まで歩いた。背中に感じる視線…いや、その視線は下半身に集中しているのではないか。意識はそんな妄想に襲われている。
トイレの前で「ここよ」と掛けた言葉は熱を帯びたように震えていた。
恥ずかしそうにして、ドアを閉めるその子の顔を見ると、モヤモヤと身体まで熱くなってきた。はぁっとタメ息のような声を漏らして、足はフラフラと和室部屋に向かった。
部屋で手に取ったのは、風呂上がりに着るガウンだった。ワンピースを脱いでそれを着た。下着は何一つ着けていない。ガウンの下は素肌のみ。
なぜ、こんな真似をしているのか早苗にも分からない。
足音を殺してトイレの前へと戻ってみる。ちょうどその子が出てきたところだ。
「…ねえ君…ちょっと来て…」それだけを言って背中を向けた。
再び廊下を行く早苗の背中は、先ほど以上に視線を感じている。
ガウンに着替えた事を、この子はどう思っているのかは分からない…。そのガウンの下では、肉体が熱の高鳴りを溜めていた。
「ここで…」
小さい呟きを零して、早苗の足が止まった。
振り向いた早苗の目には戸惑いの顔が映った。
頭の中は黒い雲に覆い尽くされている。
トロ~ンとした目でその子を見つめる。
「………」
早苗の手がお腹の前辺りでクロスされ、ガウンの端が掴まれた。そして…。
パッと開かれた両手。
同時に朱い唇が「はぁぁん」と泣く。
身体に微かな清涼を感じた。
乳房が解放を味わいブルルと震えた。
両の膝が外側に張って、痴毛の辺りが心地好い。
尻の割れ目を閉めると、アソコがキュンと疼いた。
閉じられていた目をユックリと拡げてみた。薄く開かれたその目に、なんとも言えない子供の顔が見えた…。その瞬間、早苗は味わった事のないオルガスムスを感じていた…。
優作が家に帰ったのは、結局夜の8時過ぎだった。
早苗には帰宅の予定時間はメールで報せている。それに対する返信は無かったが、特に気にする事もなかった。
しかし…。
玄関を開け、リビングに入った瞬間ムッとして、すえた臭いが鼻を付いた。ここに来て急に気温が上がったからか。
優作はキッチンに行って、見た。コップや皿が積まれたままである。それでも悪臭などは特に感じない。それよりも…。
優作は気配のしない母親の事が気になって、廊下に出た。向かったのは1階の和室だ。
和室の引戸扉はピタリと閉じられていた。その扉の前で優作は緊張を覚えて少し戸惑った。
何日前だったか、夜中に目が覚めてここに立った。その時の扉は少し開いていた。そして、恐る恐る覗いた。あの夜、母は布団の上を一糸も纏わないで姿で横たわっていた。
優作は扉にそっと手をやり、静かに開けてみた。目に映ったのは眠る母親の姿。その姿態は…と、目を凝らせば服は着たままの様だ。優作はホッとする自分と、どこかで気が抜ける自分を感じて静かに扉を引いた。
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気づけば優作の右手は、股間の物に触れていた…。
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駅に着いた所で、優作は大きく息を吐き出した。身体は微熱があるかのように、高鳴りがまだ繰り返されていた。
振り返って、先ほどまで居たビルの方角を向いて、もう一度息を吐き出した。それから辺りを盗み見るように首を振ったのは“罪”の意識が生まれていたからか。
ロータリー沿いのカフェに目が留まって、そこに向かった。逃げるように飛び込んだのも、間違いなく人の目を気にしたからだ。
席に着いてスマホを手に取った。
メールを開けてみて、えっと驚いた。
《優作 俺も着いた。何処にいる?》
なんと敏男からのメールだ。
それから10分おきぐらいに続けざまに来ている。
最後の一通には《もう待ちくたびれた! 帰る!》とある。
優作は昼前にこの駅に着いてからの時間の経過と、自分の動きを思い出してみた。僅かな差で敏男と行き違ったのか?・・・そんな事を一瞬思ったのだが、今はそんな事より、頭の中は先程の“出来事“に占められていた。
注文したアイスコーヒーを持ってきた店員にも、俯いたまま応対してしまった。それも又、自分が犯した“罪”から顔を背けたい気持ちがあったからか。
遙か歳上の女性、しかも母親の友人。その女性、高田由美との出会いがなぜ起こったのか、その理由は説明が付かなかった。
優作はコーヒーを一気に半分ほど飲み、落ち着きを取り戻そうと思った。それでも直ぐに、あの一室での出来事が甦ってくる。唇はコーヒーの苦味を感じるのだが、あの感触は忘れていない。初めて唇と唇が触れた時の感触。紅い舌が口の中に侵入してきた時の感触。それに、下腹部が暖かい泥濘(ぬかるみ)に包まれた時の感触も覚えている。そして、自慰とは比べ物にならない程のあの時の感触。優作はもう一度由美の顔を思い出そうとした。しかし、浮かんでくるのは熟した肉体の方だ。
あの小部屋で見た由美の姿態。豊満な乳房に、それに続く下腹とその腰回り。あれこそ“肉感的“と今なら言えるが、あの時はただただ緊張を覚えるだけだった。
股間の翳りは濃く、それが物凄く嫌らしく見えた記憶もある。太腿の大きさも、あれが自分の好みと今ならハッキリと分かる気がする。そして、あの臀部。自分の中にある癖がどのようなものか知るよしもないが、あの割れ目に顔を埋めたいと思ったのは間違いない。
顔の辺りはまだ、熟した体臭に包まれている気がする。手にはあの膨らみを揉みしだいた感触が残っている。膨らみの先の突起をしゃぶった唇の感触も。
優作はゴクリと唾を飲み込んで、こっそり股間に手を置いた。この慣れ親しんだ大きさが“あの時“は異様に膨らみ、反そり勃っていた。
あぁ…っと静かに吐息を吐いて、もう一度あの泥濘(ぬかるみ)の瞬間を思い浮かべた。フェラチオ・・女性が男性器を口にする性愛の行為。跪(ひざまづ)き“ソレ”を口にしながら見上げてきた由美の顔。その後に初めて感じる事になった津波のような高鳴り。いつの間にか股間がはち切れそうに膨れ上がっている。優作は慌てて回りの視線を確認した。そして何かを振り払うように、コーヒーの残りを飲み干した。
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頭の中から由美は消えない。
“事“が終わった後の由美の態度は、どこか飄々(ひょうひょう)としていて、知り合いの息子とひと時を過ごした事など、大した過(あやま)ちと感じていない様子だった。しかし、優作にとっては感慨深い事実であると同時に、過ちであった事も間違いなかった。
優作はそれから1時間ほどこの店で耽(ふけ)て、街を後にした。
帰りの電車の中で思い出した。
スマホを開き、敏男への返信をどうしようかと思った。アイツの悩み・・大した事がないと決めつけていた自分に恥ずかしい気がして、とにかく謝ろうと思った。
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開けてみた。
《もう いい》
短いその返信に直ぐに電話を掛けようと思った。しかし、車内の視線に気づいて、駅に着くまで我慢した。
駅に着くと直ぐに降りて、電話をした。けれど留守電が続くばかりだった…。
敏男ーー。
手の中でスマホの振動を暫く感じていた。留守電メッセージに変わるのを確認して、うんうんと一人頷いた。それから少しして、馴染みになったアドレスを開いた。
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《優作からメールがきた。アイツ、ヤキモキしてるみたい(^_^)v。それで本当にアイツはやったの?ビデオに録ったの?》
今日の指令――。
上野からの待機指令に、取り敢えずコイツの言う事を聞いていれば、早苗と“いい事“が出来ると信じて。そして、優作に対してマウントを取れると思って、あの駅に行った事にして、家でソワソワしていた敏男。
上野の作戦によると、由美さんが登場して優作を連れ込むんだと。そこで優作に“恥“を掻かせるんだと。詳しくは知らされてないが、それも又、上野を信用しておけばサプライズになって返ってくるんだろうと高を括っている。
そういえば上野が、大塚の事を呆れながら言っていた『あの夫婦は本物の変態だなぁ。自分達の性癖を満足させる為なら他人を巻き込むのも平気なんだからよ。大久保よぉ、お前も気をつけた方がいいぞ。露出プレイはほどほどにな』と。
敏男は上野とのやり取りを思い返して、大塚夫婦の事を考えた。浮かんでくるのは真知子との変態遊戯。そして、それを見て聞いて涎(よだれ)を流しそうな大塚の表情(かお)だ。
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(…ガ、ガマンだ…溜めとくんだ。もうすぐだ…もうすぐオバサンと…。それまでは射精(ださ)ないで…)
息を静かに吐いて、高ぶりを抑えようとする敏男。
その時、スマホが震えた。
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《さっき由美から報告があった。アイツはやっぱり短小で早漏の男だった(爆)。これをネタにお前にマウントを取らせてやる。アイツの母ちゃんともちゃんと姦(や)らせてやるから安心しろ。あと少しガマンして待っとけや》
メールを読み終えて、頷く敏男。一つ気づいた事は、上野が『由美』と呼び捨てにしてる事だ。たしか前に上野が言っていた『何でも言う事を聞く奴隷みたいな女がいると便利だな』とか。そんな事を思い出して、敏男は小さく「…早苗…」と口に出してみた。
渋谷家では…。
早苗の前で大塚夫婦の恥態が続いていた――。
早苗の両足を縛り上げていた戒めは、いつの間に強度を失いユルユルになっていた。しかし、早苗には逃げ出す気配がない。目の前の夫婦の変態的な姿に、意識が取り込まれてしまっているのだ。
物静かなイメージしかなかった大塚…その動きは今は、獰猛な熱をずっと放射し続けている。
次から次へと形が変わる夫婦の契りは、間違いなく早苗に見せ付ける為のものであった。
己の性器の露出など気にする様子もなく、夫婦は恥を忘れて取り憑かれたように腰を振っている。
早苗の羞恥の表情が、逆に夫婦の欲情を誘うのか、大塚が時折り、早苗の様子を覗いて唇を歪め、笑う。
「あぁ…どうだい早苗さん、ちゃんと見てておくれよ。僕のが入ってるだろ、真知子のマンコに」
正常位で真知子を組伏す大塚が肩越しに振り返っている。真知子も他人に見られている事など、全く気にする気配もない。喘ぎ声は益々激しくなっていくのだ。
「あぁ早苗さん…早苗さんのご主人は単身赴任だったよねぇ」
腰を打ち込み、荒い息を吐きながら大塚が早苗に語りかけた。
「…でも、ご主人がいなくても最近は満たされているんだよねぇ」
その言葉に早苗の背筋がピリリと伸びて、上野の顔が浮かんできた。あぁ…知られているのね…表情が強張っていく。
上野を中心に神田幸春がいて、高田由美。そして目の前のこの夫婦。早苗は、あぁ…っと苦しげに嘆きの息を吐き出した。
「ほら早苗さん、目を摘むっちゃダメだろ。もっとよく見るんだ、僕達変態夫婦の姿を」
妖しげな物の怪(もののけ)の声をあげる大塚の口元は、異様に歪んでいる。
「あぁ、どうして私にこんな事を…」
早苗の呟きに大塚が又も振り返った。
「ふふ、早苗さんにも変態の血が流れている事はもう知らされているからね」
「あぁ…そうなのね…」早苗の目が諦めの色に染まっていった。
大塚が一旦一物を抜いて、真知子の尻を叩く。真知子が心得たように四つ足になって尻を突き出した。
「真知子、そっちじゃない。穴(ケツ)を早苗さんの方に向けるんだ」
絶え絶えの息を継いで、真知子が身体を動かす。
「あなた…早く挿(い)れてぇ」
甘ったるい嘆きの先に、真知子のデカ尻がある。その中心にはベト濡れの女性器。匂いたつソコは赤黒くて。ソレを見つめる早苗のアソコは、シドドと濡れている。
「さぁ今度はイヌの格好でやるよ」
真知子に言ったのか早苗に向けた言葉なのか、大塚が水を得た魚のようにこの部屋の中を自分の色に染めている。
結局のところ聖職者と人から呼ばれながらも、一皮向ければ“欲“に溺れる人間なんだと。いやいや、聖職者だけにそれは質(たち)の悪いという事だろう。早苗はもう、大塚がこの家を訪れた理由も、この夫婦の真理も、どうでもよかった。今、意識を占めているのは、自分も早く目の前の夫婦のように沈んでしまいたいという願いだった…。
突き出たデカ尻を掌でガシッと掴み、大塚は中腰の態勢になって肉棒の先を秘艶に充(あ)てがっている。その泥濘からは今日何度と放たれた白濁の残り香が、テカり輝いて見える。
「早苗さん、聞いてくれるかい」
腰を真知子の割れ目にグイっと突き押して、大塚が背中越しに早苗に問い掛けた。
真知子の背筋が「あぁんッ」と一瞬にして跳ね上がる。
「…君が退職した後だったと思うけど、学年の先生連中と休みを利用して温泉地に旅行に行った事があったんだ。…慰安旅行って事なんだけど、僕ら公務員の旅行って、そういう時は思い切り羽目を外すじゃないか」
大塚が腰を打ち込みながら続ける。
「その時はね、温泉に入って、部屋で酒盛りをやって随分と盛り上がったんだよ。それで、酔っ払ってきた頃、誰かがストリップ小屋があったぞって言ったんだ」
「………」
「それでさ、みんな酔いに任せて行こうって事になったんだ。…僕はさ、それまでストリップなんて名前は知ってたけど、行った事がなくてさ…」
早苗の視線の先では、性器と性器が互いを喰い合うように蠢いている。
「行ってみて驚いたよ。早苗さん、知ってるかい。色んなショーがあったんだ…例えばSMショー。凄いぜ、仮面を付けた男が早苗さんみたいなムチムチの女を縄で縛るんだ」
「あぁッ…」早苗の朱い口が小さな呻きを落とした。
「Mの字に開いた脚のさ、腿を縄で縛って後ろに回してさ。勿論前はスッポンポンのいわゆる無修正だよ。マンコが拡がってる所と縄の絡みがさ、物凄く嫌らしく見えるんだよ」
「…んんッ…ツッ」
「酔いなんか直ぐに冷めてね。…でもそれ以上に凄かったのが、白黒ショーだよ。知ってるかい、裸の男女が舞台の上でセックスするんだよ。男も女も僕ら位の中年なんだけど、それが厭らしくてさ。色んな形でやるんだ」
目の前の夫婦はその時の舞台芸人になったつもりでいるのか、取り憑かれたように腰を打ちつけ合っている。違うのは、真知子の口から出る喘ぎの声は、間違いなく本物の叫びだ。
「その次はさ…なんだと思う?」
大塚が振り返る。そこには汗にまみれた歪(ゆが)んだ顔がある。そして、口元が歪(いびつ)に曲がる。
「本番まな板ショーって知ってる?」
「………」
「踊り子さんがさ、客の中から一人選んで舞台に上げるんだよ。…分かるかい?それで、みんなが見てる前でやるんだよ!セックスだよ!セックスするんだよ」
「んあっッ…」
「あぁ…早苗さんも興味ありそうな感じだねぇ。想像してるだろ」
自分の表情を読み取られたのか、早苗は無意識に眉を寄せて俯いてしまう。
そんな早苗など気にせず、大塚が一段と腰のギアを上げた。
「僕らの中からは誰も上がらなかったけど…同じ位の歳の人が舞台に上がってさ…」
「………」
「あぁ…とにかく凄かったんだ。あれで、僕の中の何かが弾けたんだよ」
「………」
「後で聞いたんだけど、その時舞台に上がったのが、同じ宿に泊まってる他の学校から慰安旅行に来てた先生だったんだよ」
「あぁッ!」今度はハッキリとした呻きが、早苗の口から上がった。
「へへ、凄いよね。でも、早苗さんにも分かるだろ。僕らはいつも凄いストレスを感じてたじゃないか」
「あぁ…」
「だから、いいよね。…いいだろ?こんな変態になっても…」
「………」
早苗の疼きは頂点に差し掛かっていた。足の戒めはいつの間にか床に落ちている。今すぐ立ち上がって、着ている服を脱ぐのは容易い状況だ。目の前の夫婦の前で自分も性器を露出し、霰(あられ)も無い姿を披露して軽蔑の視線に晒されたい…そんな願望が既に出来上がっている。
この淫靡な空間には、中年男女の妖しいフェロモンが漂っている。しかし早苗は、その“臭い“を不快と感じていない。自分の身体からも同じ種類の匂いが発散されているのだと、無意識にそう思っている。あぁ…この身体から放たれた臭いがこの夫婦を呼び寄せたのか…。早苗は朦朧とする意識の中で、そんな事を考えた。
「早苗さん、目を摘むっちゃ駄目だって言ったろ。あぁ…もうすぐフィニッシュだ。さぁしっかり目を拡げて見届けておくれ」
声と同時に、大塚の腰の動きが最後に向かって強度を上げた。
「あなたッ――。いいのッ!」
「だ、だすぞッ!」
「おおっ――。いッ、いぐッ!」四つ身の真知子の背筋が反り上がる。そして一瞬硬直した…かと思うと「ううっ」と、夫婦同時に呻きをあげて、大塚が真知子に被さるように倒れ込んだ。
早苗は二人が同時に逝ったその瞬間、股間の奥でキュッとした痺れを確かに感じとった。身体がブルルと震え、椅子から滑り落ちそうになった。その足元は深い深い闇の入口のようであった…。
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優作と由美が会っている頃――。
突然、渋谷家のインタフォンが鳴った。
早苗が慌てて立ち上がる。
モニターに映る姿を見て驚いた。そこに見えたのが大塚だったからだ。
「…どうして…」
そう口して、早苗は狼狽を覚えた。
いつ以来かと記憶を探れば、そんな事より先に浮かんだのは、真知子から聞かされた夫婦の性癖の事。
僅かな間の中で、頭を巡ったその言葉ーー性癖は今は、自分も身近に意識付されている。そんな一瞬を感じた早苗は、恐る恐るモニターに話し掛けた。
「あの…何でしょうか…」
「こんにちは早苗先生。突然に申し訳ない。実は相談があって、いきなり失礼とは思ったんだけど、訪ねてしまいました…」
その落ち着いた口調に早苗は、更なる緊張を覚えた。この会話を聞いた近所の人なら、普通の挨拶程度に思えるだろうが“正体“を知る早苗には…。
暫くして、早苗は掠れた声で「…はい…」と返事をした。そして玄関に向かった。
玄関のドアを開けて更に驚いた。大塚の後ろに真知子がいる。そんな早苗を見ながら、大塚は心得たように云った「ごめんなさいね。どうしても相談したい事があってね」
唖然とする早苗に、大塚は囁くように続けた「玄関口じゃ、あれなんで…ちょっとお邪魔するよ」
半ば強引に大塚達が入ってきた。呆気にとられる早苗の前で靴を脱ぐ。早苗はその様子を呆然と見送るだけだった。
リビングに戻った早苗は、この夫婦をどうしたものかと戸惑った。しかし、取り敢えずは席を勧めるしかないのかと、二人をソファーに促す事になった。
二人が着座するのを見届けて、早苗も座った。その表情は緊張に陰っている。
「…あのぉ、大塚先生…お願いと言いましたけど、どのような…」
まさか、真知子から聞かされた夫婦の秘密…それの口止めに来たのか…。
「………」
暫く室内に沈黙が漂った。早苗はその静寂を息苦しいと感じた。その時。
「早苗先生、このソファー大きくて良いですね。ベッドの代わりになるでしょう」
「はぁ?!」早苗の口から間の抜けた声が発せられた。
そんな早苗を見て、大塚が改まった声で話し始めた。
「いやいや、今日お邪魔したのはね。先日真知子の事を調べて貰ったでしょ。それでね、早苗先生からの報告では、妻は通ってるサークルでそれなりに楽しんでる。そう言う事だったよね。貴女は真知子が『欲求不満を払拭するように楽しんでいた。解放出来る所にいる』とか言ってたよね」
大塚の言葉に早苗の身体が金縛りにあったように硬くなっていく。
「それでね、僕はその時、実は物凄く興奮を覚えたんだよ」
「えっ!」
「うん、その後にも妻のカミングアウトを聞いたと思うけど僕はね、妻が僕以外の男とセックスするのが嬉しくてね」
あぁ…ちょっと待って…そう口にしようとしたが、動けなかった。硬直が進み、視界が狭まった。しかしその目は大塚の口元に引き寄せられている。
「………」
「君は僕を…いや、僕達夫婦を変態だと思っただろ…今も思っているよね…」
大塚は自ら発した言葉に、自分自身が納得したように頷いていた。
「うん、それで今日はさ、僕達の性癖をもう一つ知ってもらおうと思ってね」
性癖…あぁ..またその単語が…。早苗の脳裏にジンジンとノイズが鳴り出した。
「その“癖“はね…ふふ…たぶん…早苗先生も喜ぶと思うよ」
ねっとりとした何とも言えない口調で告げて、大塚の瞳が妖しげに輝いている。その横では夫の話しをどんな気持ちで聞いているのか、鈍よりした面持ちの真知子がいる。
「じゃあ始めさせてもらうね」
大塚が言うと、隣の真知子がスッと立ち上がった。そして何をしようと言うのか、バックから何やら取り出し早苗に近づいた。
真知子の手には縄が握られていた。そしてそのまま、早苗の膝元に屈み込んだ。
「早苗さん、ちょっとゴメンなさい」そう呟いて真知子が、早苗の踵を持ち上げた。
一瞬何事かと思った早苗だったが、重心が後ろに、踵が浮き上がると直ぐに、縄が膝から足首を巻き始めた。
咄嗟の事に、早苗には大した抵抗など出来なかった。
そして、縄は乱雑ながら幾重にも回っていく。早苗の両足は一瞬のうちに縛り挙げられた。
「ごめんよ、僕も一応教師だからさ。君に逃げ出されてご近所に助けを求められても困るからね」
「………」
「じゃあ真知子、始めようか」
夫の言葉に真知子が畏まったように隣へ行った。
リビングの中を影が覆ってきた。陽の光がちょうど雲に遮られている。
早苗は横目に南側の窓を見た。薄いレースのカーテンがかっちり閉じられているのを確認して、どこか安心する自分がいる。
「早苗先生、どんな事があっても目を逸らしちゃダメだよ」
大塚がシャツを脱ぎ始めた。それから少し遅れて、真知子の手が上着に掛けられた。
(…なに…なんなの…)
目の前で信じられない事が始まろうとしている。
(…あぁ…うそ…うそでしょ…)
体温が一気に上昇していく。
発汗が起こりザワザワした不穏が沸き立ち、しだいに身体がブルブル震え出した。
目の前の二人は、既に下着姿になっていた。
「さぁ見てておくれ。しっかり目を開けてておくれよ」と、大塚の口元が歪んでいる。
真知子が夫の足下に膝まづいた。その目は夫の股間を見上げている…早苗にはそう見えた。
何の躊躇もなく、真知子の指が目の前にあるパンツの端に掛かる。そしてあっさりと下ろされた。
テロんと顔を出した“ソレ“を横目に捉えて、早苗は顔を背けた。
「あぁ快感だよ。知り合いの人の前で下半身を曝すなんてさ。…さぁ早苗先生、よそ見しないで見ておくれよ、僕の“コレ“を」
早苗は伏し目がちに“ソレ“の気配を感じて、更に顔を臥せた。
「さぁ次は真知子だ。真知子の裸はどうかな」
熱に魘(うな)されたような声が、隣の真知子に向いた。
立ち上がった真知子が、早苗を見下ろしながら云う。
「ねぇ、早苗さん。私の裸も見てね。…言うことを訊かないと…ふふ“彼“から御褒美を貰えなくなるわよ」
ああッ!と電流が走ったように早苗の顔が跳ね上がって、声の方を向いた。
頭の中に\”彼”という言葉が舞って、唇はワナワナと震えだした。そして、心の中で小さく「知ってるのね」と問いかけた。
「早苗さん分かったかな。貴女は見るのだよ、僕と真知子が交わるところを」
「うふふ、主人ってどうしようもない人でしょ。この人はね、教師のストレスが溜まっておかしくなったの。それでね、変態的に事をするようになったのよ。貴女も教師をやってたんだから分かってくれるわよね」
ウウウッと喉の奥から唸りが上がった。
(あぁ…変態…変態って…私も…私もなんです…)
椅子に座る早苗の表情。それを見て“何か“を確信したのか、夫婦それぞれの顔には妖しい笑みが浮かんだ。
「さぁ真知子、全部脱ぐんだ」
その声にも早苗の顔は沈まなかった。
早苗は涙目で前の二人を見つめている。
真知子が黒い上下の下着を脱ぎさった。
大塚が全裸になった真知子の肩を引き寄せる。
二人は互いに相手の目を抉るように見つめあうと、いきなり噛みつくように唇を奪いに行った。その獰猛さは溜まっていた欲求を一斉に爆発に導いた。
ブジュ、グジュ、ジュシャーッ。口元から唾液が飛んで、部屋中に濁音が響き渡った。
唇を吸い合う音は自らを鼓舞するようであり、見る者に対する煽りでもあった。
唇を離す二人。
真知子がしゃがむと目の前にある肉の棒にムシャブリついた。
鼻の穴を広げ、荒い息を吐き出しながらするその行為は、肉食獣の様相だった。その姿も又、早苗に見せつけると同時に夫婦互いを煽るものだ。
「あぁっ貴方、凄いわ。今日はいつも以上の硬さよ!早苗さんが見てるからね」
妻の言葉に大塚の頬が歪む。その醜く歪んだ顔は、如何にも変質者のものだ。
他人のセックスの覗き見ーあの時以来のー。
今回はよく知る知人。
売春婦と客ではない。
二人とも同じくらいの歳。
それをこんな近くから…。
早苗の涙目は渇き、その瞳の奥には妖しい光が灯ろうとしていた。
知らずのうちに、早苗は膝と膝を擦り合わせている。尿意を我慢するように、疼きを鎮めるように、擦り合わせている。
二人の粘着は止まらず、密着したまま大塚が真知子の背中に周った。
後ろから手を回して、胸の膨らみを潰すようにワシ掴んだ。
「アアッ」
悲鳴のような矯声が上がった。指の間から飛び出た突起が、見事に尖り勃っている。
「あぁん気持ちいいっ。貴方、揉んで!もっと強く!」
「あぁ凄いじゃないか。乳首がビンビンだ」
「あぁー貴方ッ、アタシの、アタシのアソコ舐めてッ」
「アソコってどこだっ。早苗さんにも分かるようにハッキリ言うんだッ」
「いやぁん、マンコ!マンコよッ。ヌルヌルのアタシのマンコよッ」
大塚の手が真知子の両肩を押すように、そして自らその女体を浴びせ倒すようにソファーに倒れこんだ。
大塚の手は真知子の股間を押し開くように侵入を試みた。それを待っていたかのように、真知子の股が開く。
早苗の目には、肉付きのよい腿が左右に割れる様子が映り、その奥に黒い翳りをハッキリと認めた。
「さぁ早苗さん、真知子のマンコをよく見てやっておくれ。こいつはね、人に見られると直ぐに濡らすんだよ」
「あぁんッ、見られるのねッ、アタシのオマンコ、女の人に見られるのね!」
「あぁそうだよ、お前の嫌らしいマンコが見られるんだ!どうだ恥ずかしいだろッ」
「いやんッ、いやん!」
首を左右に振る真知子。しかし、言葉とは逆に股座(またぐら)は、これでもかと拡がっていった。
「あぁん、貴方、早く舐めてッ。いっぱい舐めて!」
うひひっ、と奇声を発して大塚が真知子の前で膝まずいた。チラリと肩越しに早苗の目線を確認して、ニタっと笑う。妻のアソコを舐めるところを角度よく見せる為なのか、大塚が微妙に位置を変えている。
渇いた瞳の視線の先。早苗の目はパックリ割れた“ソコ“にシャブリ付く大塚の横顔を捉えた。
口元から伸びるその舌の動き。何かに取り付かれたようなその表情を晒す元同僚の姿に、早苗の衝動はより一層大きくなった。
あぁ…これが溜まっていたのね…。真知子に言われたとおり、教師時代に感じた精神を歪める程のストレス。ソレをより長く患(わずら)っていた大塚。その解放の手段が、目の前で行われているこの行為か。
床には大塚の唾と、真知子の淫汁の混ざった怪しい液体が落ちていく。やがて、口を離した大塚が早苗を振り反(かえ)った。
「あぁ…早苗さん、凄いだろ真知子のココ。昔はこんなに濡れなかったのに、今じゃこの有り様だよ」
妻のその様を恥じるいる事なく、逆に誇らし気に話す大塚。
その大塚がすくっと立ち上がる。早苗の目に映るのは、中年腹の下でニョキっと天を向く牡のシンボル。
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あぁ…凄い、凄い、凄いわ…。先ほどから腿と腿を捩(よじ)らせながら、早苗は見つめていた。相変わらず尿意を我慢するように“何か“に耐えるようにして、その行為に引き寄せられている。
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その瞬間、又も大塚が振り向き、早苗の目線を確認した。早苗の目に映るのは中年男の臀。そして、股の向こうには真知子の淫烈が見えた。
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土曜の朝――。
優作は休日の今朝も何とか早朝勉強をおこなった。けど、集中は続かず出来は中途半端なものだった。そのせいか、身体も気持ちも怠さを感じていた。
今日は・・敏男の巨体を頭に浮かべ、そして◯◯駅を思い描いた。殆ど記憶にないその駅は、それなりに賑やかな所だと聞いていたが、敏男はそこで用事があると言っていた。その用事…と、考えようとし、集中が又なくなった。
暫くすると1階の方で母親の気配を感じて、この日は早めに下に降りる事にした。
2階の足音に気付いて、早苗の身体はビクついた。そして、優作に見られる前に寝室へと滑りこんだ。
今朝、目覚めた時は何も身に着けていなかった。夕べ布団に入った時は薄い上下のスウェットだったが、夢に唸らされながら着ている物全てを剥ぎ取っていたのだ。そして、意識を失うまで自分を慰めていた。
目覚の時間はいつもより早く、その意識がちょっとした油断で、裸のままの格好でリビングにやって来た。恥毛を晒し、臀部を揺らしながら室内を歩いた。それを心地好いと感じたその時、2階の気配を感じたのだ。
寝室に戻ると、落ち着きを待って服を着た。リビングに向かうと、優作がソファーに座っている。
二人は顔を合わせたが、互いの「おはよう」の挨拶には、気だるさが漂っていた。
「母さんさ…」
突然、眠気混じりの声で優作が聞いた。
「あの…聞くの忘れてたんだけどさ、この間の高田さん…楽しめたの…」
その声を背中で聞いた瞬間、息が止まった。
「え、ええ、そこそこに…。そう言えば、由美さん…大きくなった優作にも会ってみたいって言ってたわ…」
「ああ、そうなんだ。で、高田さんはどんな感じだったの。その、やっぱり変わってたよね…」
「ええ…そうね…時間も経ってるし」
二人の間に緊張が生まれ…いや、緊張しているのは早苗だけかもしれなかった。背中に視線を感じて、早苗はジリリと振り返って訊いた。
「ところで、今日は出掛けるの」
ああっと思い出したように声を出して、優作は母を見つめた。
「そうだった。敏男と…敏男が相談があるって言うから、昼前に出掛けるつもり」
「敏男君…」小さくその名前を口に出して早苗は続けた。
「そうなんだ。で、どこで会うの」
「ああ、うん、◯◯駅」
その名前に早苗の身体がピリリと震えた。
優作は早めに家を出た。待ち合わせに早いのは分かっていたが、今日は何故か我が家に息苦しさを感じていたのだ…。
初めての駅を降りて、優作は時計を見てから敏男にメールを送った。
《敏男へ 早めに着いた。お前も早く来れるならヨロシク》
送ったメールを見直し、さてと周りを見回した。優作は暫く考えて、この辺を歩いて見る事にした。
最初に気になったのは、今風のホテル…と思えたが、何やら違和感を感じたその建物だ。土曜日とはいえ、こんな明るいうちに……男が女性の手をとり入って行くのだ、そのホテルに。
カップルの様子を横目で気にしながら、もう少し歩いてみた。その横を中学生位の数人が追い抜いて行く。前には塾の看板が見える。そのビルの横には雑居ビル。袖看板には、色んな名前。
【華の会】
変な名前だな…そう思いながらその前を素通りして、もう少し歩いてみた。
何となく駅周辺の雰囲気が分かったところで、時刻を確認した。敏男の顔を浮かべ、待ち合わせの場所に戻る事にした。
その場所に着いて駅の時計を見た。その時。
「こんにちは」
振り向くと目の前に中年の女性がいた。
「優作君でしょ」
いきなり名前を呼ばれ、優作はえっと驚いた。
女性は優作を見つめながら、うふふと笑う。その口元からは八重歯が覗いた。
「あ、あのお…」
優作が何か言おうとするのを遮るように「あのね、敏男君、今日は来れないのよ」
頭の奥で、?マークが幾つも点滅して、優作はもう一度女性を見つめた。
女性の顔はどこか嬉しそうだ。
一つ息を継いで「えっと、どういう事でしょうか…。なんで敏男の事を…」
「ふふ、敏男君とは仲間同士なの」
「仲間?」
「ええ」
「それは一体…」
「そうね、同じサークル仲間って感じかな」
「へ!…サークル…サークルですか…敏男が!?」
そこで、優作は昨日の電話を思い出した。
「そう言えばアイツ、この辺で用事があるって言ってたな…」
「ええ、そうなの。けどね、急用が出来て来れなくなったのよ」
「アイツ、それならそうとメールでも寄越せばいいのに、やっぱりいい加減だな」
不満を表す優作に、優しげな表情(かお)で女性が続けた。
「それでね、私が代わりを頼まれたの」
「そうなんですか…」と言ったところで、優作は思い出したように訊いた「…ところで、どちら様なんですか…」
変に真面目な口調に聞こえたのか、その女性は笑いながら答えた「あら、ごめんなさい。わたし、高田です。貴方のお母さんと昔から知り合いの高田由美です」
「ああ―!」優作は驚きに両目を見開いた。今朝、家でも口にしたその名前を、こんな所で聞く事になるとは。
「………」
「けど、その高田さんが、どうして敏男と…」
「うんだからね、敏男君とはサークル仲間なのよ」
「………」
優作は暫し考えた。
「あの、母は知ってるんですか、今日俺と会う事は」
「ううん、早苗さんは知らないわ」
歯切れのよい言葉に、優作は微妙な圧を感じていた。その気配を察知したのか、由美が腕を取ってきた。
「ふふ、とにかく行きましょう。そこで話しを」
頭がこんがらがり、優作は整理が付かなかった。しかし由美に着いて行ったのは、敏男の事もあるが、彼女の雰囲気に不思議な魅力を感じたからかも知れない。
連れて行かれたのは、古い雑居ビルの一つだった。
ビルの中のその一室は、カビ臭い。
年季の入ったロッカーに古めかしい机と椅子。壁にある白いボードには、カタカナで人の名前―おそらく女性―が書かれている。
2台あるパソコンは新しい物のようで、しかし今は電源が落ちている。
こんな所で一体何の相談かと、優作は疑心に眉を寄せた。ちょうどそのタイミングで、由美がお茶を持ってきた。
コップを机の上に置いて優作を見つめる。先ほど母親の知人という事で感じていた尊厳は、今は微妙に変わっている。この部屋の雰囲気がそうさせるのか、優作は警戒心を感じ始めていた。
「あのぉ、ここは何なんですか。どこかの事務所ってのは分かりますけど…。ここで話しって…」
「うふふ、ここはそうね“趣味の会“…の事務所なの」
「趣味の会ですか…そこに敏男も入ってて、そこで何かのトラブルにでも巻き込まれたんですか」
「敏男君は正式な会員ってわけじゃないんだけど、協力者みたいなものなの」
「はぁ~協力者ですか。それでどんなトラブルに」
「ん、いえトラブルじゃなくてね…」
「じゃあ、なんの…」
「その前にこっちに来て。見てほしいものがあるのよ」
「はあ…」
タメ息のような優作の返事を聞いて、由美が奥の部屋に向かった。ドアノブを回すと優作を振り返った。
「ここにね、魔法の鏡があるのよ」
「魔法?」
「そうよ、ほら見てみて」
覗いたその部屋は、2畳程の物置のような空間だ。目の前はカーテンが引かれて、由美が言った通りの大きな鏡が見える。
「あの、高田さん…」
「ふふ、由美でいいわよ」
「あぁ、それでは由美さん」
コホンとわざとらしく咳払いをして、優作が尋ねる。
「えっと由美さん、この鏡のどこが魔法なんですか」
由美が落ち着いた素振りで応える。
「いいかしら、見てて」
そう云ってスイッチの一つをいれる。鏡の色がスーっと変わり、向こう側が見えてきた。
「あっこれは!」
「どう、ビックリした?これはね、マジックミラーって言うらしいの。こちらからは見えるけど、向こうの部屋から見ると鏡になってるのよ」
「…つまり…」
「そう、言わば覗き部屋ね」
「ああっ…」
唖然とした優作の腕を徐に取って、由美が誘う。
「さぁいらっしゃい。あっちからも見てみましょうよ」
由美に腕をひかれ、入った部屋はビジネスホテルの部屋を一回り小さくした感じだった。
ベッドがあり、その前のスペースに立つと、たしかに目の前は一面の鏡である。
「こうなってるのか…」鏡には自分の頭の上から下までがしっかり映って見えた。その優作の斜め後ろには由美が立っている。
一瞬、鏡の中の由美と目が合い、優作は気恥ずかしさを感じた。
狭い密室。
薄暗い空間。
やけに大きな鏡。
そして、鏡に映る二人の男女――歳の離れた――。
優作は暫く、チラチラと由美の全身を覗くように見ていた。
髪型は母親と似ていて、薄茶が入った短めの感じ。上は清潔感あふれる薄いベージュのセーター。その下のジーンズ姿も様になっている。そして、鏡越しに見ても充分伝わる“肉感的“な体型。
心臓の鼓動を覚え、優作は息を詰めた。
鏡の中で、由美の手がスーっと動くのが見えた。
由美の瞳には薄い幕が懸かり、顔も鈍より陰を帯びている。手はしなやかな動きでヘソの前で交差され、服の裾を掴んだ。
優作が目を凝らす。その視線の先ではセーターが捲り上がって行く。ヘソが見え、更に上がったセーターの下から見えるのは真っ赤なブラジャーだった。
ゴクリと唾を飲み込んで、優作は一瞬振り向こうとした。しかし、身体は何かに縛られたように動かない。眼球にまで力が加わり、瞬きさえ許されない感じだ。
セーターが床に落ちる。次に指はジーンズのファスナーを掴んだ。軽く腰回りを振る仕草がされたかと思うと、ファスナーが下がるのが鏡に映って見えた。
息を詰めて、優作はその様子に固まっている。
足元に落ちるジーンズ。その下から見えたのは赤いショーツ。優作は何とか由美の目を見ようとした。
鏡越しの視線にも由美の表情は変わらない。
半裸の姿は病的なオーラを放ち、魂が抜けた感じで立っている。
「あ…由美さん、一体なにを…」何とか吐き出した声は震えていて。
そんな小さな声など伝わる筈もなく、由美の手が背中に回った。
「…なんなんだ、これは…」苦し紛れに続く優作の言葉は更に小さい。そのまま見つめる由美の胸元からは、巨(おおき)な膨らみが顔を現した。
若い男の背中を見つめ、由美は迷う事なく最後の2枚に手を掛けた。
背中でホックを外し、それをベッドの上に置く。顔を出した乳輪の先は既に尖り勃(た)っている。その部分の変化に由美も興奮を覚え、手はショーツに向かった。
鏡に映るこの青年の精神状態を想像して、ここで焦らしてやろうかと思った考えも一瞬で、由美は主―ー上野からの指令を無駄なく進める事にした。
ショーツを下ろしながら、由美の心にはサワサワと妖しいトキメキが起(た)ってきた。上野の元でマゾとして扱われてる自分が、敏男を誘惑した時に感じたサディスティックな癖。それが顔を出してきたのだ。
そういえば、神田幸春から“仕事“を薦められた時も『貴女の中にはSとMの両方が同居している』と言われた記憶があった。
最後の1枚を脱ぎ終えてその全てを晒した。自分の母親の知人―ーしかも母親と同じくらいの歳―ーの裸を見て何を感じるのか。そんな変態チックな妄想をして、由美は自分のアソコを濡らしていた。
「…優作君…こっちを見て…」
たっぷりとある胸の膨らみを両方の掌で横から包み込んで、由美はその巨(おおき)さを強調する。
「アタシを見て…。裸のアタシを見て…。アタシの裸…嫌らしいでしょ…」
「………」
「ねぇ…見て…」
「………」
優作はゴクっと喉を鳴らして、強張った身体を由美の方に向けた。
「あぁ…優作くん…見てて、アタシが今からする事をよく見ててね…」
ベッドに腰を下ろし、尻這いをするように、真ん中辺りへ移動する。そこで、脇腹の斜め横辺りに両手を置いて由美はゆっくりと股を拡げていった。
優作は股間の翳りを認め再びゴクリと唾を飲み込んだ。今度はその音が確かに由美に伝わった。しかし由美は、そんな事など気にする様子もなく朱い唇をベロリと濡らした。
「…優作君、アタシ恥ずかしいわ。こんな格好をして…」
「………」
「貴方も脱いで。自分で洋服を脱いで。アタシと同じ、生まれたままの姿になって」
「うあぁぁ…」小さいウネリを口から発して、優作の身体が震え出した。荒海にでも放り出されて、もがき苦しむように。
「さぁ早く。自分の力で女を物にするのよ」
由美の甘く、そして妖しい誘惑に、ついに優作の手が上着のボタンに行った。
優作の胸の鼓動は速くなっている。こめかみの辺りに血の流れる感覚がある。身体が妙に熱い…。
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その頃、渋谷家…。
自宅のリビングでボンヤリしていた優作は、思い出したようにスマホを手に取った。
アイツ…敏男の事は明日、大塚に相談する事にはなっているが、今日の内に連絡がついて謝罪の気持ちを伝える事が出来ればそれに越した事はない。そう考えながらメールを開いた。
昨日、何通も送ったものへの返信はない。よほど傷つけてしまったのだろうと思いながら打っていく。
《敏男へ たびたびでスマン。本当に悪かったと思っている!お前の進路の事は俺も心配してる。とにかく一度連絡をくれないか。頼む!》
送ったメールを一度読み返し、スマホをテーブルに置いておく。返信が来れば直ぐに分かるようにと、目に付く所に置いておく。
それから特に何もする気にならず、座ってボオっとしていた。テレビは点いているが頭には入ってこない。そのまま2、30分たった頃だったか、突然インタフォンが鳴った。
来客の予定はない筈だから、宅配便だろうと当りを付けてモニターを見た。
そこに写った人の姿に、首を傾げた。
「…こんにちは…」モニター越しに聞こえた声は、映像通りの幼い声。
一瞬、子供を使った新手の宗教の勧誘かと思った優作だったが、次の言葉で頭の中に“何”と言う文字が浮かんだ。
「早苗さんはいますか」
暫くこの少年…間違いなく少年…の顔を見ていた優作だが、直ぐに気がついた。
「あ、勉強会の」と言ったところで、向こうからも「はい」と聞こえてきた。
それにしても、母親の事を先生ではなく\”\”さん”付けで呼んだこの少年。幼い顔立ちの中身は大人びているのか、優作はこの少年にちょっとした興味を覚えた。
優作はモニター越しの会話を止めて、玄関まで行ってみる事にした。
ドアを開けて迎え入れる。目の前に現れたのは、パッと見、高学年。そう判断しながら訊いてみた。
「えっと、母さんはいないんだけど…何かご用ですか」
思わず出た優作の敬語にも、その少年は特に反応を示さない。
そして「そうですか…あの…」と口ごもり、俯く。何かに迷っている雰囲気だったが、顔を上げると優作を見つめてきた。優作は何故かその目にドキリとした。
「早苗さんと約束したんですが…」
「…ええっと何を…」
二人は玄関で向かい合っていた。見下ろす格好の優作に見上げるその少年。
少年は優作の目を真っ直ぐに覗いてくる。
と、その時、優作は思い出した。今朝の早苗の言葉『~タナカ君の両親が何か言ってきたら…』
「ひょっとして君、タナカ君?」
「はい、そうです」
「……」
母が予期していた事と少し食い違いがあるのかと思いながら、優作は思案した。
その少年ーータナカ君が、優作を見つめながら続ける。
「今日は早苗さんに”又来てって”言われたから、来てみたんです」
「ん~っと、それは御両親と一緒にって事じゃないの…」
母からの伝言と辻褄を合わせようとして、優作は“御両親”と言う言葉を出してみた。
しかし、少年は「いえ違います」と、落ち着いた声。
「…てことは、君1人でって事?…」
「はい、その時 僕と早苗さんしかいなかったんで」
よく分からないな、と言った顔で優作が腕を組む。
「勉強会は君一人だけだったの」
「いえ、3人でした」
「…でも、母さんと二人だけの会話をしたんだ」
「いえ、会話と言うよりか、早苗さんの方から言ってきたんです」
「ん~今一よく分からないなぁ。この家の中での話しだよね。その時は何処にいたのかな」
優作は痒い所に手が届かない気分。少年は淡々としたペースで話す感じだ。
「廊下です。廊下で早苗さんと二人切りになったんです」
「…廊下ねぇ。そこで母さんが君に又来てって言ったんだ」
「ええ、又来てって言ったのは“その後”なんですけど」
「その後?…って事は、廊下で何かあって、その後に母さんが又来てって言ったって事?」
「はい」
「ふ~ん、何があったの?3人に問題を出して、君が分かったって手を上げて、他の二人に答えを聞かれないように母さんが廊下に呼んだとか」
優作はもう、めんどくさくなった気分で訊いてみた。
しかし少年は真顔で続けた。
「いえ、それも違います」
「ん~あのねぇ…いったい何があったのかな」
イライラが募った声に、少年は少年らしく身じろぎした。しかし、落ち着いて云った。
「バスローブ」
「は?!バスローブ?バスローブがどうしたの」
「…早苗さんがバスローブを開いたんです」
「バスローブを開く?バスローブってあれだよね、風呂上がりに羽織る…」
少年が黙って頷いた。
「バスローブを着て勉強会をしてたって事かい」と、優作の顔に苦笑いが浮かんだ。
「いえ、普通の服だったんですけど、僕がトイレから出ると、バスローブに着替えてたんです」
「………」
「それで、廊下の端まで歩いて…そこで…」
「…そこでどうしたの」
「はい、早苗さんがそのバスローブをパッと…」
「パッと…?」
「パッと開いたんです」
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「そうしたら、何も着てなかったんです」
「は!?…何も着てない?」
「はい、素っ裸だったんです」
「………」
優作の頭の中は、一瞬空白になった。そして、少ししてから少年の言葉を復唱した。
バスローブ。
素っ裸。
その瞬間、まさかと何かが瞬いた。知らずにゴクっと唾を呑み込んだ。そんな優作を目にしながら、少年は続けた。
「それで、その後に又来てって言われたんです」
「それって…」
「うん…また見に来てって事だと思います」
“はい”が“うん”に変わり、その如何にも初(うぶ)な表情に、優作は初めて目の前の少年を子供らしいと思った。
優作はその後、少年がいつ帰ったのか思い出せない。思い出そうとすると『失礼します』と言って、玄関を出ていった後ろ姿が微かな記憶としてあるだけだ。
いつの間にかまた、リビングのソファーにボオっと座っていた。
頭の中では言葉が回っている。
『素っ裸だったんです』
『パッと』
『バスローブを』
フラりと立ち上がり、洗面所に行ってみた。その次は和室部屋。昔からの両親の寝室。
その和室の部屋にある洋服箪笥。優作はそれを開けて覗いてみた。幾つものハンガーに吊るされた服を見ていく。やがて目に付いたのは、水色のバスローブ。
優作はそれを手に持ったまま、暫く立ち竦んでいた。
そんな優作の頭にもう一度少年ーータナカ君の後ろ姿が浮かんできた。その姿から首だけがクルリと回って振り向く。能面のような顔が見つめてくる。優作は急に寒気を覚えて、ブルルと震えた。
(なんか最後は不気味な感じがしたなあ…。魔少年か…)
…この日、早苗が帰ってきたのは、深夜近かった。
その帰宅の時も、優作は自分の部屋に籠っていた。顔を見る気も起きず…いや、見てもどんな顔をすればいいのか分からず、悩みを先送りする内気な少年に戻って、寝たふりをしていたのだ。
早苗も優作に声を掛ける事もなく、シャワーを浴びた後は、直ぐに寝室に入って、そのままのようだ。
優作はずっとベッドで横になっている。
早朝勉強の為に早寝の習慣が付いた今でも、この夜はなかなか眠る事が出来ない。
優作はもう何度と繰り返した昼間の様子を、もう一度思い浮かべてみた。あの少年ーータナカ…君の言葉。
バスローブ。
素っ裸。
また見に来て。
優作には、あの少年が嘘をついてるとは思えなかった。物静かで落ち着いていて、どこか霊的な感じがしたあの少年。
母が今朝方言った『~タナカ君の御両親が何か言ってきたら…』あれは、早苗自身が身に覚えのある“何か”に対して覚悟を持っていた証拠ではないか。と言う事は、やはりタナカ…君が言った事は本当の事…。
何度目かのタメ息を吐き出し、顔を振った。
明日は敏男の事で大塚に相談する日だ。先日のメールでは、《母のその後は大丈夫です》と伝えていた。しかし…話しの流れで母親の事も相談しようか…と思い付いたところで、由美の顔が浮かび上がってきてハッとした。
ひょっとしたら、知らないところで由美から早苗に連絡が行ってるのではないか。そこには、貴女の息子と関係を持ってしまった。そんな懺悔があって、それで母はショックで息子の顔も見たくないのでは。しかし、タナカ君の事はどう絡んでくる…?
由美と優作、そして由美と早苗。それに早苗とタナカ君。頭がこんがらがってくる。
むくりとベッドから立ち上がって目を瞑った。何故か想い浮かんだのは、大塚の顔。
そこで優作は心の中で祈った。
(大塚先生、明日お願いします。助けて下さい!)
寝室の早苗ー。
身体は確かに疲れている。
しかし、頭の中はハッキリとしていた。
家に入る前には\”男”の臭いが付いていないか、自分の身体を嗅いでみた。
2階の部屋には灯りも見えず、息子ーー優作が寝てくれている事に少なからず安堵して、鍵を取り出していた。
シャワーを浴びた時間は短かった。心のどこかに、浴室の音で優作を起こす心配もあったからだ。
しかし、洗面所の鏡を覗くと暫く、その姿から目が離せなくなった。鏡越しに気にしたのは、情恥の痕の事。鬱血のような口付けの痕はないし、打たれた痕も残っていない。振り返って鏡に映して臀部も見たが、そこにも痕は残っていないようだった。
それよりも感じたのは、身体がより肉感的になった気がした事だった。
乳房は巨(おおき)く上向きになっている…気がした。下腹はそれなりに脂が付いて少し垂れ気味であったが、腰が張っているので括れの感じが良い味を出している…と思った。臀部も全体的に上付きに、以前より張り具合が良くなった感じだった。
・・・早苗は今夜、家に着いてからの事を思い返して、寝返りをうつように壁の方を向いた。
一時は肌の張りを衰えたと感じた時期もあったが、大塚の依頼を受けてから自分の身に起こった出来事ーー今も続いているーーによって若返った気がしている。
そして今では、道徳心よりも本能が幅を効かせていた。息子の親友である大久保敏男が現れた時は、さすがに驚いた。しかしあの時は既に、この身体は肉の悦(よろこ)びに支配されてしまっていた。一線を越えた時、自分は一匹の牝に変わったのだ。そんな現実を思い返すと哀しみがある。しかし…敏男は”牡”で、自分はただの\”牝”なのだ。あの時にソレを実感して、本能に全てを任せる女になってしまったのか。
明日もまた御主人様ーー上野に呼び出しを受けている。先ほど明日の目的地の住所がメールで送られて来ていた。
ふうっと息を吐くと、身体がブルルと震えた。明日の性宴の想像に心が震えたのか。
その時、早苗は気づいた。身体に昼間の情恥の痕跡があっても良かったのだ。この身体を見るのは、早苗の“牡(おとこ)”だけなのだから…。
敏男は自分の部屋から上野に電話を掛けていた。
たった今までメールで今日の礼を云っていたのだが、想定外の話が出たので電話に切り替えたのだ。
『…どうしたんだよ大久保』
向こうからは、いつもの飄々とした声が聴こえてきた。
「上野よぉ、明日の場所だけど何でヌケサク先生の家なの?それに優作もって…」
敏男の語尾に被せるように上野が『ああ悪い悪い。早苗とは今日の部屋で落ち着いてオマンコしたいのは分かるけどよ、大塚さんから話を聞いてさ、明日、優作ちゃんが家に来るらしいんだわ。何でもお前の進路の事で相談があるとかでよ』と、淡々と喋りながらも“進路”の所に笑いを含めていた上野。
「………」
『でな、短小包茎君が来るなら、アイツの前で早苗とオマンコするところを見せてやっても良いかなって閃いたんよ』
「お、おい、お前それは…」まずいだろ、と言葉は途切れたが、向こうには伝わったようで。
『…お前、俺がアイツの事、気にくわないと思ってるの知ってるよな』
シレっとした声で改めて言われて、敏男は「ああ…」と、呻くように返事をした。
『よしよし、それでな、この機会にお前の出番で早苗とオマンコやって、アイツの前で奴隷宣言を又やらかそうって考えたんよ』と告げる声には笑いが戻っている。
『お前もアイツには劣等感と言うか、面白くないもんを感じてたんだろ。ちょうど良い機会じゃん。それによ、息子の前で自分の本性を曝したら、早苗も逆に安心してお前の物になるぞ。なんせ隠れて会う必要がなくなるわけだからな』
ゴクリ…上野の言葉の意味を感じ取ってか、敏男の喉が鳴った。
「………」
『ん~どうした大久保』
敏男の沈黙の意味など深く考えず、上野が続ける『それにな、神田のオジサンにも新しい仕事の計画があって、それに“野郎”の人員が足りてないんよ』
(?…)
『アイツと由美がオマンコしてる所もビデオに撮ってたじゃん。何ならそれも脅しに使って、アイツも支配下に置いてやろうって考えたわけ』
「し、支配下…何なんだそりゃ…。それより、優作の前でオバサン…いや…早苗とエッチしたら、間違いなく俺、アイツに殺されるよ…」
『………』
敏男の怖じけの声を聴いて、上野が黙り込んだ。敏男はその沈黙に嫌な感じがした。
と、その時…。
『…じゃあ、俺が犯(や)るわ。渋谷が見てる前で、俺が早苗とオマンコするわ』
アッサリと告げられた声に、「えっ!」と、敏男の口から大きな声が上がった。
『いいだろ。そのかわり早苗はずっと俺の物な。金払うって言ってもお前には犯(や)らせないからな』
「ちょ、ちょっと待ってよ」と言って狼狽えた。そして敏男は考えた。
やがて「わ、わかったよ、やる、犯(や)ります」
『………』
敏男の決意の宣言の後は、またも沈黙が生まれた。それから暫く経って聴こえてきたのは嬉しそうな声だった。
『ふふん、まぁそう言うだろうと思ってたけどよ。まぁ早苗は良い女だから、しっかり物にしろよな』
「…あぁうん…」
『それとな、明日も一応黒マスク、アレも用意していくわ。短小包茎君がお前らの正体に気づくかどうかは、明日のお楽しみだな。もちろん素顔で犯(や)ってもいいけどよ』そう言って最後は機嫌良さそうにしていた上野。敏男は逆に緊張が増していく気分だった。
スマホを切ると、困り顔の敏男。
明日…優作の前で…アイツの母親と…。
あぁッくそっ、明日は酒でも呑んでいくか…。
一体どうなるんだよ明日は…あぁ神様…。
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股間に顔を埋め、大きく息を吸う。確かな匂いを嗅ぎとって、敏男の身体が粟立っていく。そして顔を上げると、その卑猥なショーツを奪うように剥ぎ取った。
敏男は夢にまで見た早苗の身体…その肉厚に頬ずりしながら体臭を嗅ぎ、舌を這わせ、揉みしだいた。
朱い唇からは「あぁッいいッ!」と想像以上の鳴き声が上がっていく。敏男はその声に興奮を覚え、更に気を入れた。
感泣の声は物凄く、その成果が自分の手…いや、舌?…よく分からないが、敏男はとにかく喜びを感じていた。そして…。
(さぁよく見せてよオバサン…)
心の声を投げ掛け、両方の掌を拡げた足の付け根辺りに当てた。
(あぁ見てやる!オバサンのアソコをじっくり見てやるんだ!)
敏男は黒マスクを着けた時から、声を出さないようにしていた。特に上野からの注意はなかったが、素顔を曝して声を聞かれるのには抵抗があったのかもしれない。
それと、自分は素顔は見せずに相手の正体は知っている…そんなシチュエーションにも興奮を感じていたのかも知れなかった。
よしっと心で頷き、掌に力を入れた。 “その”部分を拡げて顔を近づけた。初めて拝む憧れの女(ひと)の…。
と、思ったところで、ん!
マスク越しに見えるのは…赤黒い…?
どうガン見しても、ハッキリとは分からない。
(ああっもう)
演出に一役かっていた筈のこの黒マスク。それは間違いないが、目の部分は確かに前が見えずらい。
仰向けになった乳房の隆起は良く分かる。
喘ぎの声も聞こえる。
しかし、その秘密の部分が…。
頭の中で先ほどの上野の言葉を思い出す。
『~素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりして…』
「んああッーー」
突然唸り声を上げ、自分を鼓舞した。
狂え!
狂え!
狂え!
その瞬間、大きな手が早苗のマスクに向かった。
首を締めるように下顎に手をやって、布と皮膚の間に指を入れた。そのまま口から鼻の方へと剥いでやった。
現れたのはベットリ前髪が掛かった女の顔。マスク越しに分かるのはそんなところで、敏男は早苗の様子を伺う余裕もないまま、自分のマスクに手をやった。
マスクを外した敏男は、意を決して早苗に素顔を曝す。さぁ見てくださいよと、顔を近づけた。
敏男を見上げたその目は、まだ焦点があっていない。敏男は早苗の顔にへばり付く前髪を乱暴に振り払った。
ゴクリ…唾を呑み込む音が、自分の耳にもハッキリと聞こえた。その音に早苗の目が静かに開いていく。
やがて二つの目が重なり合って…。
その瞬間「いやぁーーんッ」信じられないような大きな声が上がった。
その叫びは敏男の背中を押した。
そうなんだよ!
俺はどうせ悪役なんだ!
悪役は悪役らしく、その身体をメチャクチャにしてやる!
「ヒーーーヒッヒッ」
奇声を発して敏男がムシャブリついた。
「オバサーン、オバサーン、優作のオバサーン」
アソコを思い切り拡げてやる。その赤黒いグロテスクな生き物を見届け、しゃぶり付く。その次は唇、そして胸房へ。そして又、胸からアソコへと唾液を撒き散らす。
先程から硬度を携えていた肉の棒は、秘密の泥濘を探し当てた。肉棒はそれだけが別の意識を持った生き物のようになっている。その先っぽが入口を捕らえたのだ。早苗の目がこれでもかと拡がって、敏男の顔を凝視した。
トシオクン…声のない唇の動きを確かにそう認識して、敏男の口が異様な形に歪んだ。
「そらッ」
「あうっ!!」
ソレは見事に泥濘を突き刺した。後はひたすら腰を振るだけだった。組伏された女は、抱きしめられながら爪を立ててきた。
上野の言葉が甦る。
そうなんだ、この女(ひと)はオマンコしたかったんだ!
誰のチンボでも良かったんだ。
けど…。
けど、俺の物で、俺の女(もの)にしてやる!
「どうだオバサン!」
「あーーっ」
「俺のチンポは!」
「ウアアア…」
「どうなんだよ。ちゃんと答えろよ!」
「んんッッッ…い、言えない…言えないわッ」
「なんだと!ほら!」
「ああっいい…」
「もっとハッキリ!」
「いやんッ、許してッ!」
「ダメ!好き者のくせによ!」
その叫びと同時に、敏男の腰にギアが入った。
「ヒィーーッ、いいッ!」
「オラ!オラ!どうだ!」
「いいッ…いいのよ」
「もっとーー」
「いいッいいッ、いいのよとっても!」
「誰のがーー」
「いゃあんッ」
「言えーー」
「あーッ敏男君、敏男君のよ!」
「うおおーッ」
巨体から一斉に汗が噴き出すのを感じた。その感触に、敏男の目が血走った。
「そら、もっと欲しいだろ。欲しかったらオネダリしてみなよ。嫌らしい声で言ってみろ」
「んああッ、いいッいいッ、ちょうだい…ください…もっとして!」
「まだまだ!」
自分自身の言葉にも煽られ、敏男の腰は更にエグい動きを繰り返した。
「ああんッ、いいのよ、敏男君のオチンポが」
「バカ!オバサンは変態なんだからオチンポなんて上品な言い方するんじゃないよ!」
喘ぎの声を吐き続ける早苗。それに応える敏男の興奮も上がっていく。
「抜くぞ!ちゃんと言わないと俺のチンポ抜くぞ。欲しくないのかよ!」
「いやッいやッ、止めないで。ちょうだい。お願い!」
「じゃあ言えよ!宣言しろよ!」
「ああっチンポよ!アタシの好きなのはチンポよ!敏男君のチンポ!」
「んがーーッ」
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「いくッいくッ、敏男君、気持ちいいッ!」
「んぐぐ」
射精の近づきを感じて、敏男は鏡に目を向けた。何とか我慢しようと、静かに息を吐く。
敏男は呼吸を整え、冷静に次の攻めを考えた。
二つの身体の結合の部分。敏男の手が早苗の内腿を押し広げて、腰を少し引く。目に付く結合の箇所を見ながら、肉の棒を半分くらい抜いて息を継ぐ。
片方の肢を器用に押し曲げて、次に早苗の脇腹に手を入れた。かと思うと、クルリと回した。ソコとソコが繋がったまま、後背位の格好(かたち)へと導いたのだ。
敏男の目は張り出た巨尻を見下ろす。その真ん中辺りには巨大な臀部には似合わない小さな不浄の門。そこを凝視して、敏男の表情(かお)が歪んだ。
(まだだ。その穴はまた今度…今日はお預けだ)
いつかの“ソコ“での交わりを想像しながらも自分に言い聞かせる。
(今日はマンコだ。こっちの穴で完全に俺の物にして…その次だ)
敏男は気を入れ直して、犬の格好になった早苗を攻め始めた。
牡の象徴がぶつかる度に、弾むように揺れる尻(ケツ)。喘声が止む事はない。
「おらっ、どうだオバサン」
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「ちゃんとどこがいいのか、言えよ!」
大きな掌が巨(おおき)な尻(ケツ)を一打ちした。
「あぁーマンコよ、アタシのオマンコよっ」
そんな卑猥な声を吐き出す顔は、敏男の方からは見えない。けれど確かな、苦悶の表情を浮かべる事が出来て、更に腰に力が加わっていった。
と、敏男は思いつき、前屈みになって早苗の頬に手をやった。
「オバサン見てみなよ鏡を」
朦朧とした顔を鏡に向けてやる。
「見えるだろ、俺とオバサンがセックスしてる姿」
「いゃあーんッ」
「へっ何がいゃぁんだ、さっきから感じまくってるくせによ」
「あぁッそうなのよ、感じてるの!」
鏡の中の女を見ながら、早苗は己の被虐の癖に酔うように堕ちていった。
獣の格好の自分を犯しているのは、子供の頃から良く知っている男。その逞しい“男“に逝(い)かされる自分の姿を鏡越しに認め、その敗北の意にさえも快感を覚えていた。
「ああっ凄い!凄すぎる!凄すぎるわ敏男君!」
「どうだーいいだろ俺のチンポは!」
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早苗の口が、自らを“早苗“と呼んだ。その言葉を確かに耳にした瞬間、敏男は憧れの存在を我が物にしたと思ったのだ。
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「マンコ!アタシのマンコに!アタシのオマンコに出して下さい!」
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鏡を見つめる早苗の目。
早苗の頭の中に己の声が聞こえてくる。
嫌らしい顔してる…。
感じてる顔…蕩けてる…。
アタシ…こんなスケベな顔してたんだ…。
鏡の中の顔が揺れてくる。
地響きのように下から揺れてくる。
敏男の腰が、それまで以上に激しさを増してくる。
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「ひっ!いっいぐッ!」
「どうだ!」
「いっいきます!早苗 いきます!」
「出すぞ!」
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早苗は鏡の中の自分の顔をしっかり見つめながら、敗北の宣言をした。その宣言は、これまで感じた事のない快楽そのものだった。
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入口のドアが静に開き、男が二人入ってきた。上野が敏男を連れて戻って来たのだ。
緊張気味の顔の敏男に、神田が声を掛ける。
「やぁ敏男君、やっと君の番が来たね」
「………」
覚悟を決めてここまで来たはずであるが、この部屋のどこかに早苗がいると思うと、敏男の小さな心臓は爆発しそうになる。
「ん、どうした大久保」
上野が敏男の様子を見て、聞いてきた。
「あぁうん…本当に大丈夫かな…」
「は?!大丈夫かなって、今更どうした?ひょっとして緊張で勃(た)ちそうにないとか」
今にも噴き出しそうな顔で上野が訊いた。
「い、いや、そっちはたぶん大丈夫だと思うけど…本当にやっちゃっていいのかなぁ…って」
「ああ~何を今さら」
笑いながら上野が、チラリと視線を神田に向ける。その視線を感じて、神田は敏男に向き直った。そして、ふんふんと頷いた。
「敏男君、君の心配も分かるが早苗さんはね、実は長い間、欲求不満を溜め込んでいたんだよ。考えてみなさい、女として1番油の乗ってる時に、旦那さんが単身赴任でいなくなったんだよ」
「………」
「本人はそれを隠して、近所の小学生の相手をしたり、自分の子供の心配をしたりしてるんだ。自分では気がつかないうちに、ますます不満が溜まっていってるんじゃよ」
「………」
「私達はね、そんな中年の女性の為に色々とやってるんだ。君も大塚君夫婦の事は知ってるだろ。あの奥さんも君と関係が出来て喜んでおる。そう思わないかい」
「…ああ、はい…思います…」敏男は暫く考える素振りをしたが、ハッキリと頷いた。
「うんうん、切っ掛けはどうであれ、犯(や)ってしまえば向こうも喜ぶんだよ。分かるかい敏男君、早苗さんは今、若い男が欲しくて欲しくてしょうがない状況なんじゃ」
「ほ、ほんとうですか!」
いきなり敏男の目が、これでもかと広がった。
「ああ、本当さ。なあ上野君」
神田の言葉に、今度は上野が敏男の目を覗き込んできた。
「だから心配するなって前も言ったじゃん。俺は早苗をいっぱい抱いて、それを確かめたんだから。アイツは俺以外のチンポも欲しがってるんよ」
「ああ…本当に本当なのか…」
「ああ、保証する。それに早苗は、俺の言う事なら何でも聞くって宣言したし。けど、俺じゃなくても切っ掛けがあれば、誰とだってオマンコしたと思うぜ」
「………」
「まあ、お前としたら、清楚なイメージに惚れたと思うけど、人妻なんて心のどっかではいつも男を欲しがってるんよ」
「ん…う、うん…」
「へへっ、それを今から確かめに行こうぜ」
「…あ、ああ…」
敏男の苦し紛れの返事にも、上野は笑みを返した。
「それとな、ビデオに撮るから一応コレを用意しといたからよ」
そう言って上野が、ソレを何処からか取り出して見せた。
「な、なにコレ…」
「へへ、全頭マスク」
「…ゼントウマスク?」
「そう、被ると相手からは正体が分からない。けど、こちらからは薄っすらとだけど見えるから大丈夫。呼吸も口の所はほら、開いてるし、鼻からもちゃんと息は吸えるしさ」
暫く黙ったまま手に持ってソレを見つめて、敏男が改まって聞いた。
「…ええっと、オバサンは今日の相手、俺って知らないんだよね…」
「ふふ、大丈夫だって。それどころか、これから俺以外の男とオマンコするなんて夢にも思ってないからよ」
「えっそうなの!」
上野の言葉で、敏男の目が驚きに拡がった。しかし「ふふ、部屋にいるのは欲求不満の中年女じゃ。君の“持ち物“は真知子君相手に充分に能力を発揮したし大丈夫じゃよ」
「…ああ…はい」
神田に返事をした敏男に、上野が囁くように続ける。
「俺はそんなに大した調教はしてないし。お前のアレをぶちこんだら一発だ。ヘナヘナになって、後はお前の言う事なら何でも聞く女になるさ。 “お母さん”ごっこでもいいし…けど、早苗はMの気を持ってるぜ」
「…うっ…ううう…」
「ふふ…デカイ尻(ケツ)を打(ぶ)ったりよ。露出プレイの奴隷にしてもいいしよ。それに…ふふ、アナルセックス。お前も上の部屋で犯(や)ったろ。アレを早苗と犯ったっていいんだぜ」
(ゴクリ…)
敏男の巨体が少しずつ震えてきた。それを見つめる上野と神田の目が期待に光を発している。そして敏男は、その黒マスクを手に取った。
「行こうか、色男」
マスクを手にした敏男の肩を、上野が叩きながら言う。
「まずは、こっちな」
二人が向かったのは例のスペース。
そこに入った敏男の目が大きな窓ガラス、そしてその向こう側に立つ人影を見つけ、足を止めた。
「うっ!」
一瞬の呻きを上げて、そのまま巨体が固まってしまった。
「大丈夫だって、これが神田先生自慢の魔法の鏡だ」
「魔法の鏡?」
「そうじゃよマジックミラー。こちらからは見えるが、向こうからは鏡にしか見えない優れものじゃ」
神田の声が後ろから聞こえ、その声に敏男はぎこちなく頷いた。
「…ほ、ほんとうに向こうからは見えてないの」
心細そうな声で呟いて、敏男は息を呑んだ。
「ほら、安心してよ~く見てみろよ」
上野の言葉に敏男は止まった足を再び動かし、窓の際まで近づいて行く。
見えてきたのは、同じ黒マスクを被った女。
あぁ、なんなんだ、あの格好は…。敏男の視線の先にいるのは、エロ雑誌の表紙、そしてネットで見てきたエロ画像と同じ種類の女。
敏男はゴクリと唾を飲み込み、抉るように窓ガラスの向こうを覗き込んだ。
「それにしたって…」
一人呟き、敏男が更に顔を窓に近づける。そして目に力を入れた。
暫く向こう側の女を見つめ、敏男はギリリと首を上野に向けた。上野は敏男のその表情だけで、一瞬のうちに何を聞きたいのか察知して「ああ、コレがそうさ。うん、間違いなくこの変態チックな下着を着けてるのが早苗」と、あっさりと告げた。そしてニヤリと頬を歪め、続ける。
「お前の憧れで、親友渋谷優作のお母さんだよ」
(…うあああ…)
「ふふ、敏男君、さっきも言ったけどこの女は欲求不満を溜め込んでおる。この格好がその証拠じゃよ」
「………」短い沈黙の後で、敏男の顎がコクリと縦に揺れた。
「へへ、そうこなくっちゃ」
今度は嬉しそうな声で上野が続ける。
「さてと、そろそろマスク着けろよ」
上野は敏男の大きな肩を叩き、そして、顎でドアに促した。
早苗はベッドの前で、先ほどから同じ姿勢で立ち竦んでいた。
マスク越しに覗く目も、だいぶ暗さに慣れて、今は鏡に映る自分の姿がなんとか分かる。
その姿…乳房を覆うのは頼りないくらい小さな物。膨らみの上半分が零れ落ちそうで、今にも全てが顔を露(あらわ)しそうな状態。ショーツは足の付け根から横腹に急な角度を伴った物で、その後ろ側は一本の線が割れ目に食い込むように前へと繋がった言わゆるTバック。選んだ色は黄色い蛍光色で、それがちょうど今は、この薄暗い中で浮かび上がって見える。サイズも全体的に小さく、窮屈さを感じる身体を一層肉圧的に魅せている。
早苗自身もなぜ、こんな下着を選んだのか分からない。あえて自分に問うと、夫のSMチックな性癖を認めた頃の影響かも知れない。あの頃、夫に勧められたのは原色の黒や赤の物で、ショーツはTバックもあったと記憶していた。それらも子供の成長とともに穿く機会はなくなっていったが、今日この下着を選んだのは、被虐の自分を妄想してしまったからか…。
早苗はふと、鏡の向こうに気配を感じた。
…と、思った瞬間、この部屋のドアが開かれた。
早苗の顔が反射的にそちらを向く。
マスク越しに分かったのは上野。そしてその後ろに…。上野より頭半分くらい大柄な男性が一緒に入ってきた。
「オバサン、お待たせ~」
あくまでも飄々(ひょうひょう)とした感じで、声が近づいてくる。早苗は咄嗟に肌を隠すように、両方の手で自分の身体を抱きしめた。
早苗の仕種に気がついて「ああ、コイツ?」と、上野が問う。
「安心して。…あのね、コイツは俺の穴兄弟」
「え?!」
「そう穴兄弟。コイツね、由美ともオマンコしてるんよ。だから俺と兄弟なんよ」
「あぁ…」
「因みに…オバサンは俺とオマンコした仲だから、由美とは竿姉妹って事になるのかな」
そう告げて笑いもしない上野。その横で敏男が、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「そう言うわけで、今からコイツとオマンコして貰うわ。んで、俺は見学。分かったかな」
(あぁ…そんな…)
予想もしなかったまさかの命令に、早苗が頭(かぶり)を振った。
「嫌だ嫌だって思ってもね、身体は正直なんだよね」
上野が近づき、腕を掴んできた。そしてグイッと身体を引き寄せたかと思うと、早苗の後ろに回り、胸の膨らみをムギュっと鷲掴んだ。
胸房に圧が加わってくる。そしていつも通り煽りの言葉が襲ってきた。
「さっきは中途半端だったから、一人でオマンコ弄って待ってたんじゃないの」
「あぁんッ」
「欲しくて欲しくて仕方ないんだよね、アレが」
耳元で言って上野は、視線を敏男に向ける。
「ほら」
顎をしゃっくたのは敏男に向けてだったが、早苗の方も感度を表した。胸を揉まれるまま背中を上野に預けて、その身をくねらせる。
敏男の方はアイコンタクト…でもないが、上野の目線を感じると、決心して服を脱ぎ始めた。
生まれたままの姿になった敏男は、一度大きく息を吸って鏡を見た。そこには初めて目にする怪しい男…全裸に黒マスクをした巨漢の男がいる。
マスク越しにその姿を視ていると、如何にもの悪役に思えてきた。
(くそッ…俺はデブだし、綺麗な女(ひと)とは、しょせん釣り合わないんだ…)
隣で「あぁんッ」と甘い声がした。ハッと振り返って見れば、上野の目が何かを語りかけている…気がした。
ほら、この女、感じてるだろ。
俺以外の男がいるのに、こんな甘い声を出しやがってよ。
コイツは欲しがってるんだよ。
早く犯(や)ってやれよ。
お前のそのデカイのでヒーヒー言わせてやれ。
なぁ大久保。
…そんな上野の声を感じた気がして、敏男は心の中でよしっと気を入れた。
上野も直ぐに察知したのか、敏男を見ながら早苗の胸から手を離す。そして敏男と入れ替わるように巨体の後ろへ回った。
「俺は向こうから覗かせて貰うわ」
小さな声を敏男の耳元で囁き、上野がニヤリと笑う。そして、今以上の小さな声でもう一度囁いた。
「それとそのマスク…外したくなったら外してもいいぞ。けど、素顔を見せ合ったら気が狂っちゃったりしてな」
その言葉を挑発と取ったのか、それでも敏男は黙って頷き返した。敏男も腹を決めているのだ。
早苗の顔が、上野の後ろ姿を見送るのを見て、敏男は近づいた。そして、白い肩に手を掛ける。
咄嗟に身を固くした早苗。敏男はその身体を引き寄せる。そしてそのまま抱きしめ、唇を奪いに出た。
うわぁ….その甘い唇の感触に敏男の中に電流が流れた。抱きしめた身体は思っていた通り膨(ふく)よかで、それだけで感動を覚えてしまう。
下腹の辺りで互いの恥毛が触れあうのを感じては、身体が熱くなった。背中に回していた腕は、夢中に早苗の臀部を撫で回している。
みるみるうちに巨大化する牡の象徴。その膨らみが早苗の腹を押すと、頭に血が昇ってきた。
そうだ!俺はコレで真知子さんをヒーヒー言わしたんだ。
由美さんだって、誉めてくれた。
オバサンだって!
そんな事を一瞬に想い、敏男の舌は早苗の口奥へと侵入を始めた。
マスク越しからも、早苗が眉間に皺を寄せたのが窺えて、敏男はその貌(かお)をもっと快楽に歪めてやると気を入れた。
敏男は唇を離すと、いきなり早苗のブラを引き剥がした。
巨(おおき)な乳房が現れる。その先には尖り立った雷。夢にまで見た膨らみを認めて、いきなりムシャブリ付いた。
早苗の身体は敏男の重みを受け止め、ベッドになだれ落ちた。その重みに身体は強張ったが、いきなり乳房を舐られると快感が一瞬のうちに身体中へと拡がっていった。
見ず知らずの男の攻めであったが、悲しいかな身体は興奮に震え出した。
若き情人に開発された身体。眠っていた性感を思い出させた情人の手管。その手腕で目覚めた身体が、素直な反応を示してしまったのだ。
早苗は覆い被さる巨体を無意識に受け止めていた。そして、膨らみの先をしゃぶる男の頭を強く抱きしめた。
あぁん、あぁんと甘い声が舞っていく。
敏男は体臭を確かめるようにと、鼻を擦り付けながら下腹部を目指す。
その刺激的なショーツの所で止まり、息を整え、顔を上げた。
黒マスクのぽっかり開いた口元で紅い唇が震えている。敏男は僅かな自分の攻めにも、早苗が興奮しているのだと思うと、巨体が熱くなるのを感じた。
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ベッドに腰かけた態勢から、敏男は大きく伸びをした。そして「ああー」っと声を上げた。
立ち上がり、檻の中の熊のように、右に左に動き回る。その度に口からは、「ああっもうっ」と、唸り声が発せられる。
先ほど姿を見せた上野は直ぐに出ていき、今ごろはこのビルの何処かの部屋で早苗と一緒にいる筈なのだ。その二人を想像すると、胸が掻きむしられる想いがする。その苦しみから逃れようと、奇声が発せられるのだ。
別の部屋ーー。
ドアの開く音がして、早苗は振り向いた。
入ってきた上野の視線に、ドキリと鼓動が跳ね上がる。上野の方はいつものように飄々(ひょうひょう)した感じだ。
「お待たせしました~」
その言葉尻は一応、目上の神田に対するものだったのか、それでも敬意が隠(こも)っているとは思えない調子で軽く頭を下げる。
神田の方も慣れたもので、コクりと頷いただけで、早苗の表情を観察するように直ぐに視線を戻した。
「じゃあ先生」
上野が神田に了解でも取るかのように会釈したが、その様子は緊張の欠片もない。そしてそのまま早苗に近づいて「ふ~ん、なかなかミニもいいじゃん」そう言って視線を剥き身の腿に寄せた。
「………」
黙り込む早苗の横顔を暫く見下ろし、上野がスッと腕を取ってきた。
「…待ち人もいるし、さっさと始めようかな」
待ち人?…一瞬何の事だか分からなかった早苗だが、上野はチラリと神田に目配せした。
「うんうん、後の事は任せなさい」
神田の言葉に、早苗の腕を握る上野の手に力が入る。そして奥の部屋へと向かった。
電気が点く。
マジックミラー…これで、この部屋が向こうから覗かれるようになったわけだ。
大きな鏡には、緊張した女の姿が映って見える。早苗は向こう側に神田がいる事を意識したのか俯いてしまう。その神田は部屋の二人を確認すると、手慣れた動作でビデオの設置をし始めた。
「…オバサン」
肩に軽いタッチで手が触れたかと思うと、唇が襲ってきた。
あぁっ…声が漏れる間もなく、早苗の唇は上野のものに塞がれていた。突然の感触は、トロリとした柔らかいものだった。
これまでの上野との交わり、その激しさの中で幾度も唇を奪われてきた。そして、それに応えるように吸い返した事も何度とあった。しかし今、早苗が感じているのは、これまでにはない甘いものだ。
ベッドに上野が腰を落とす。だらっと手を後ろに付けて、足を投げ出す。そのリラックスした格好のまま早苗を見上げた。
早苗は今ほどのキスの余韻を引きずっているのか、緊張の面持ちが続いている。
「オバサン、緊張してんの?」
小バカにした感じの声はリラックスされていて、しかも歳上の女性をいたぶるような響きも含まれている。
「さって、今日は色々やる事があるから、早速始めましょっか」
そう言って上野が立ち上がる。そして、早苗のスカートに手を入れたかと思うと、ショーツの上から土手に触れてきた。
「アッんッ」
鳴きの声で早苗の眉が歪んだ。
上野の指は、土手から沈むように隠筋へと向かう。
切ない表情で早苗が上野に嘆きの視線を返す。上野はその瞳の中に何を見たのか、クククっと含み笑いをすると指を抜き、その手で剥き身の腿を軽く叩いた。
「じゃあオバサン、脱いで貰おうかな」
いつものぶっきらぼうな口調にも、早苗は不安げに頷く。そして、チラリと上野を覗き見てから、胸のボタンに手をやった。
「ああ、俺の方 向かないで。最初は鏡の方 向いて」
それは、鏡の向こう側にいる神田に対するサービスのつもりなのかは分からないが、早苗は従順に背中を上野に向けると上着を脱ぎ始めた。
上着からブラジャーへと渡り、乳房が露になる。スカートに手をやったところで一瞬その手は躊躇した。が、直ぐに動き出す。
パタリとスカートが落ちると、声が飛んだ。
「今度はこっち」
またもぶっきらぼうな声で呼ばれ、振り返った。声の主が見つめている。身体の痺れが広がっていった。
「どうしたの?最後の一枚脱がないの?」
ニヤツく上野。しかしその目は、笑っていない。
泣きそうな顔を一瞬見せた早苗だが、直ぐにショーツの端に手をやった。
ショーツを静かに床に落とすと目を瞑り…しかし微かに上野を覗いて唇をキュッと結んだ。
一糸も身に纏わない全裸姿を曝すのももう何度目かの事だが、改めてのこの無防備の状態。しかも、静寂を感じながらの披露は、羞恥の心を一層高めるものだった。
「後ろ」
今度は冷たい声が飛んできた。
「あぁ…恥ずかしい…」
そんな声をあげながらも、素直に背中を向けた。
披露したのは、上野に肉厚のある臀部。向こう側の神田には胸の膨らみと恥毛。
「うんうん、相変わらず良いね」
その誉め言葉にも、早苗には自身のこの身体…脂のついた中年の身体を卑下された気がしないでもない。しかし“彼“がこの身体を乱暴に扱いながらも、愛してくれた記憶が確かに存在しているのだ。
「さてと」
上野が改まる。
「………」
不敵な笑みを浮かべながら上野が立ち上がった。早苗に近づき、グニュっと胸の膨らみを鷲掴む。
「ハァん…」
艶色の声が部屋に響いた。しかし上野は、そんな声には興味も示さず、片方の手を早苗の臀部に回したかと思うと、ピシッと一打ちした。早苗はその痛みにも、蕩(とろ)けた顔を鏡に曝した。
「もう少し足 広げて」
「………」
「そう、その位でいいよ」
「………」
「そのまま前屈みになって、両手を鏡に付けて…」
「………」
「そう、そのまま中腰」
「………」
「尻(ケツ)は少し突き出す感じで」
「………」
「ああ良いね。…うんうん、丸見えで卑猥な感じ」
「あぁ…」
鏡の向こうでは、神田が三脚で立てたビデオの横で、先ほどから嬉しそうな目をして佇んでいた。その目は、服従を誓った女の成長に喜びを浮かべる目だ。
「どれどれ」
耳元に声が近づいてきた。若き主がアタシの“持ち物“を確かめようとしている。主の物を迎え入れる準備が整っているかを確かめようとしているのだ。一瞬の間に早苗はそんな事を理解して、そして“あの部分“を意識した。
あぁ…濡れているわ…。
間違いなく…。
そう思えると、内腿から股間の辺りが高ぶりに震えてきた。
あぁ…お願いします…。
心で哀願の意を決して、早苗は気を張った。しかし…肩越しに聞こえたのは「時間ないからさ、すぐ挿(い)れちゃうか」と、淡白な声だ。
そしていきなり、巨(ふと)い物がヌボッと侵入してきた。いつの間にか上野が、自慢の肉棒を取り出していたのだ。
「ああーーッ」
早苗は一瞬の”ソレ”で絶頂に導かれた。そして、続けざまにパンパンと尻に圧が加わるともう、意識は遠のき、頭の中は真っ白な霧に包まれた。
朱い唇からは無意識に逝き声が零れ続き、その逝き顔は鏡の向こうからビデオに切り取られている。
上野はもの凄いスピードで腰をぶつけてきた。
早苗の頭の中で光が爆発する。身体は痙攣を起こし、膝が崩れそうになっている。しかし、いきなり…。
「はい、休憩」
何を思ったのか、上野が動きを止めたのだ。
早苗の方は膣穴を埋められた状態で、なんで?と言った様子。
その早苗の背中に上野が訊いた。
「オバサン、続けてほしいよね」
「………」
「うんうん、それじゃあね…」
「………」
早苗の尻が物欲しそうに揺れてくる。
「オバサン…俺の言う事なら何でも聞くんだったよね」
その改まった口調に、早苗の顔が上野を振り反(かえ)った。見つめた目はトロンとしたままだが、瞳の奥には不安な影も浮かんでいる。しかし、刷り込まれた負の意識は服従に向かう覚悟をしていた。
「ふふん」
早苗の表情を肯定と判断して、上野が得意げに鼻を鳴らす。
「…じゃあ続きを」
「………」
「行くよっ」
その号令ともとれる声に、早苗は手足に力を入れ、腰に気をやった。
「おっ締まったぞ。じゃあ、このまま宣言してみよっか」
「………」
「それ!」と声を掛けながら、再び腰を振り始めた。
「ハぁーーんッ」
「よしっいいぞ!そのまま勢いで言っちゃぇ、奴隷宣言だ!」
ズボズボと出し入れが一気に増す。
「ほら、早く」
「ああーーッ、アッ、アッ、アタシは上野さんの玩具(オモチャ)です。何でもします!何でも言う事ききますッ」
まさに隷族の宣誓に、頬を緩めて上野が満足げに頷いた。しかしなぜか、早々とソレを引き抜いた。
「………」
上野が早々と一物をパンツにしまい、ファスナーを上げて、今度はズボンのポケットから何かを取り出した。
ソレは黒い布切れ?
朦朧とした早苗には、ソレが何か分からない。
「これ、被ってみて。これはね、ゼントウマスク。ゼンは全部の全。トウは頭。全頭マスクって言うらしいんよ」
たった今まで激しく腰を振っていた上野。その激しさからは、ほど遠い落ち着き払った声。
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早苗の朦朧とした様子などお構いなしに、ソレを広げて見せる上野。
「でね、目と鼻の所は薄くなってるから被っても見れるんよ、ちょっと見にくいと思うけど」
そして、ソレを早苗に渡そうとする。早苗は朦朧としたままソレを手に取った。
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その場で一人になった早苗。燃え上がった身体はいきなり高見から落とされ、火種が燻ったままだ。満足のいかない身体はスッキリしない。
ふと、鏡を見る。今の痴態も覗かれていたのだ、と想いながら、その蕩(とろ)けた貌をコレで隠すのね…早苗はボオっとした頭でそんな事を考えながら、手にあるマスクを広げて見た。
黒いマスクを見つめてみれば、胸がキュンとなった。火種が息を吹き返す。気がつけば早苗は、マスクを頭に被せている。
マスクを着け終えた早苗は、鏡の前に立ち、その全景を眺めてみた。
確かに告げられたように目元は暗い。しかし、慣れてくると鏡の中に黒マスクの怪しい姿を認めていた。
如何にも肪の乗った腰回り。熟れた乳房。下腹の括れも卑猥な感じがする。
早苗は想う…この後の若き主の命令は何なのか?
恐らく…指示されるのは、想像もつかないような卑猥な行為か?
そんな妄想を受け止めようと考えると、身体がザワザワと揺れてきた。
胸の膨らみと腰が、ゆらゆらして扇情的なシルエットとなって鏡に映る。
手指がしなやかに己の身体を摩っていく。
妄想が拡がっていく。
どこからか手が伸びてきて、この身体をまさぐってくる。
幾つもの唇が身体の局部に舌を伸ばす。
生殖の器官が身体の全ての穴に侵入を試みてくる。
あぁ…早苗は早く快楽に溺れたいと思った…。
しかし…。早苗は一旦動きを止めると、思い出したように手提げの中から買ってきた下着を取り出した。
そしてソレを着け始めた。
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日曜日の午前中ーー。
優作がポツリと座って、コーヒーを飲んでいる。ここは渋谷家のリビング。
今日も早朝勉強を一応何とかこなし終えて、一息入れているところだ。
朝の自宅の様子を思い浮かべてみる。母の早苗の様子は、どこかフラフラしてる感じで、おはようの挨拶にも力がなかった。
その母は優作が昨夜、帰宅した時は既に眠っており、そのまま寝過ぎで頭がボオッとしてるのかと思った。しかし早苗の方から、今日の予定の事を言ってきた。昼前には用事で出掛けるのだと。
そして『もしも留守中に、タナカ君のご両親が何か言ってきたら、戻りは遅くなると伝えて』と言われた。優作がタナカ君?と聞く間もなく、早苗は部屋に籠ってしまった。
何か言ってきたら…まるで、そのタナカ君ーーおそくら勉強を教えてる小学生ーーと何かトラブルでもあったのかと一瞬心配になったが、結局それ以上に会話は進まず、優作も部屋に籠る事にした。会話が弾んでいれば、昨日敏男と会ってどうだったのかと聞かれたかもしれない。
もし聞かれていれば、会えなくて1人でブラブラしてきたとでも言えばいいのだろうが、やはりその話題は避けたいところだった。まさか由美さんから『貴女の息子君と会ったのよ』なんて連絡が早苗の方に入っていないだろうか…そんな心配が消えないのだ…。
コーヒーのお代わりを採ろうとしてフッと思い出した。初体験をすると、自分の中で何かが変わって自信を付けたようになるとか。
しかし、優作にはそんな気が全く沸いてこない。その相手が禁断の存在、母親の友人だからであろうか。
明日の大塚への相談は敏男の事なのに、ひょっとしたら自分は、由美との“過ち“まで喋ってしまうのか…優作はそんな場面を想像して重い息を吐き出した…。
優作が自宅で耽(ふけ)ている頃、早苗はとあるショッピングモールに出掛けていた。この日の早苗は、珍しく丈の短いスカートを掃いている。このスカートも、この場所に来たのも、朝早く届いた上野からのメールでの指示だった。
昨日から…いや、このところいつも身体は何かを欲している。常に頭の中には上野の顔が浮かんでは消え、消えては浮かんでくる。その顔は飄々(ひょうひょう)としていて、時おり冷たい視線と嘲(あざけ)た笑みを浮かべるあの顔だ。そして、それに媚(こび)を売る自分を妄想してアソコを濡らしてしまう。
早苗は指示通りモール内のランジェリーショップに向かった。
店に入り、原色で派手目の品が置かれたコーナーへと進んだ。
上野からのメールの一文を思い出す。
《~俺が喜びそうなヤツを買ってきてね》
早苗は幾つか手に取ってみた。
上野の顔を思い浮かべれば、彼が喜びそうな物はこれかしらと考えながら選んでいく。
腰ヒモが付いた前を隠す部分の小さい物。
際どいハイレグと呼ばれる物。
Tバック。
それに、ほとんど下着としての機能を携えてるとは思えない物…そして、それとお揃いとされるブラ…そんな物までこの店は置いてある。
やがて早苗は、ブラとショーツそれぞれ二点をセットで決め、レジに向かった。
レジにいたのは若い女性店員。その彼女が品を確認すると意味深な目を向けてきた…ように早苗は感じた。
貴女のような女(ヒト)が“こんな“のを着けるの?
貴女、若い彼氏…いるでしょ?
ひょっとして、彼氏の言いなり?
貴女、調教されてる?
もしかして変態?
そう、絶対そうでしょ!
あぁんッ、と鳴きが入った時、声がした。
「どうもありがとうございました」
目を向ければ、優しそうな店員の顔があった…。
店を出た早苗はモール内を宛もなく歩いた。
人だかりを横切った時、周りの視線が露出された腿に感じた。その瞬間、足が竦んで股間にキュンと痺れが走った。
朦朧とした足取りで、何とか端に寄る。人波はそんな早苗に、好奇の目を向けながら通り過ぎていく。
早苗は壁に背中を預け、腿と腿を擦り合わせた。股間の奥の痺れがサワサワと広がっていく。身体はこのまま、この場所で絶頂を迎えたいと感じていた。しかし微かに残る自制の念が、足を進めさせた。
やがてたどり着いたのは、フードコートの一角。
怠そうに椅子に腰を降ろすと、こめかみを押さえて俯いた。
目がぼやけてきて、頭が重くなっていく。意識が遠のき、瞼が落ちてくる。
どこからか声が聞こえてきた…。
『脱げ…脱げよ早く…』
その声は天から降ってくる。
『早く卑猥な下着を着けてみたいだろ』
コクリと頷き、フラリと立ち上がった。
椅子を引き、ゆっくりスカートを捲り上げ、ショーツに手をやった。そして、下ろし始めた…。
痴毛が揺れている。
股間の辺りが心地好い。
下半身がモヤモヤと熱くなってくる。
淫部が痺れ、あぁッと声が漏れた。
『揉めよ』
また声が聞こえてきた。
片手で捲ったスカートを押さえ、空いた片手を胸の膨らみに置く。
『ほら、しっかり揉めよ』
『はい』従順な声で応えて、手に力が加わっていった。
『あぁ…いいッ!』
いつの間にか胸のボタンが外れ、膨らみが露になっている。
右手は夢中になって、淫芯を擦りつけている。
『んハアッ』
鼻の穴が広がって、荒い息が吐き出されていく。
身体が動かない。
『あぁッいやんッ』
両方の手で破り捨てるように上下の服を剥ぎだした。
床に落ちていく衣服。そしてランジェリー。
そんな事も気にならず、清涼を浴びた身体はブルルと震えた。絶頂が近づいてくる…。
『あぁッ、いッいきそう』
両方の指には更なる激しさが加わっていく。
『アッ、アッ、いッいきます!』
叫びと同時にガクンと頭が落ちた…。
・・・どこかで子供が泣いている。
・・・スマホが震えている。
その振動を感じながら、早苗の目が静かに開かれていった。
焦点がゆっくりと定まってきて、周りの気配が窺える。
視線がテーブルに向くと、スマホのランプが目についた。
頭を振って「ふぅ」と息を吐いた。
スマホを手に持って時間を確認すれば、意識を失っていたのは5分位かと。そんな事を思いながら、もう一度頭を振ってみた。
スマホを開いてメールを見る。上野からのものだ。
《約束の物、買ったよね。これから移動してもらうけど大丈夫かな》
そのメールを読み終えると直ぐに返信をした。
《はい。何処に行けばいいですか》
次に来たメールには記憶にない住所と時間が書かれていた。
早苗はその住所をアプリで確認して、行き方を調べてみた。このショッピングモールを出発する時間を頭に入れ、あと10分ほど時間を潰す事にした。
今ほどの“彼“からのメールを見た時から、心臓の音が少しずつ大きくなっていく気がする。その鼓動は下半身に伝わり、再びアソコが疼き始めてくる。
これから行く所が何処なのか分からない。けれどそこに“彼“がいるのは間違いない。
身体が期待に震えてきた。この何日間で植え付けられた、隷蔟の意識が反応を示しているのだ。
今日はどんな責めをされるのか?
今日はどんな命令を下されるのか?
それらに抗(あがな)いながらも堕ちていく自分の姿が浮かぶ。おそらく…いや、間違いなく末路は悦楽に媚をうるのだ。呆れられながらも、その冷たい視線にさえも快感を覚え、はしたない痴態をさらすのだと。
やがて、ショッピングモールを出た早苗は20分ほど歩いた。
視界の中にビル等の建物が目に付き始めた頃、気がついた。今歩いているのが、あの◯◯駅の方向だと。
目的地に着いた時、緊張を覚えながら改めて目の前のビルを見上げてみた。そう、”あの”雑居ビルだ。
随分と昔に訪れたような気がするが、それが何時だったか具体的には思い出せない。しかし、このビルのあの部屋で、由美の痴態…売春の様子を覗いてしまった事はハッキリと心の中に刻み込まれている。
早苗はゴクリと唾を飲み込み、スマホを手に取った。
《今、ビルの下に着きました》
送ったメールを確認して、佇まいを正す。この時間のこの街の雰囲気は、比較的落ち着いている感じがする。しかし…。
道行く人の視線を感じて思わず俯いた。目に映るのはスカートの裾。そこからムッチリした腿が剥き出しになっている。
頭の中で上野の口元が歪む。
『ショッピングモールに人がいっぱいいたでしょ。どうだった、太ももを露出して?』
『店からちゃんと歩いてこれた?途中で服を脱ぎたくなったんじゃないの?』
そんな声が聞こえた気がして、早苗の身体は武者震いをおこした。またも股間
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